INMM米国年次大会論文集(1993年)
メンター部会の活動の一環としてINMM米国年次大会におけるProceedingタイトルリスト(日本語訳付き)の1993年分を作成しました。
タイトル、著者のほかに、タイトルだけではよくわからない専門用語や略号を日本語で補足した備考欄(訳注、補足・コメントなど)を付加しましたので有効活用いただければ幸いです。
| Sub-volume number | Title/タイトル | Authors | 備考 (訳注、補足・コメントなど) |
| Advanced Reactor Safeguards and Security: Solving U.S. Domestic Challenges | Benjamin B. Cipiti | ||
| 先進炉における保障措置・セキュリティの統合的強化による米国国内課題の解決 ー3SBDを活用したMC&A・PPS・サイバー防護の最適化 |
(*)ARSS(Advanced Reactor Safeguards and Security)プログラムは、米国の先進炉におけるMC&A、PPS、サイバーセキュリティ規制への適合を支援し、最新技術を用いてコスト最適化と規制上の障壁除去を図る。 近年はサイバーセキュリティ研究を統合し、次世代小型・先進炉に対して「3SBD(Safety, Security, Safeguards by Design)」をより体系的に適用する枠組みを強化している。物理防護・MC&A・サイバーの研究成果を統合し、盗取・破壊工作防止のための効率的かつ堅牢な防護戦略を実現する事例(ケーススタディ)を提示している。(SNL) | ||
| Artificial Intelligence, Machine Learning and Robotics to Support International Nuclear Safeguards In-Field Inspection Activities | Heidi Smartt, Sydney Dorawa, Shiloh Elliott, Philip Honnold, Zahi Kakish, Adithya Ramakrishnan, Tania Rivas, Nathan Shoman, Kyle A. Williams | ||
| 国際核保障措置の現場査察活動を支援するための人工知能・機械学習・ロボティクスの活用 — AI/ML とロボティクスを統合した Inspecta により、封じ込め・監視、サンプル管理、現場観察の自動化とデータ品質向上を実現する査察支援アプローチ |
(*)SNL は、IAEA 査察官の現場作業を支援するため、AI・機械学習・ロボティクスを統合した Inspecta(International Nuclear Safeguards Personal Examination and Containment Assistant) を設計・開発している。Inspecta は、封じ込め・監視(C/S)、サンプル管理、現場観察の自動化など、査察官の負担軽減とデータ品質向上を目的とした次世代ツール群で構成される。AI/ML による画像解析、ロボットによる遠隔操作、デジタルワークフロー統合を通じ、査察の効率化・信頼性向上・安全性向上を同時に実現するアプローチを提示している。(SNL) | ||
| CHALLENGE IN THE CONTROL OF TRANSBOUNDARY MOVEMENTS OF PORTABLE AND MOBILE SOURCES | Petrus Bompere Lerno | ||
| 携帯型および移動型放射線源の国境を越える移動管理における課題 — 可搬線源の所在追跡と不正移動防止のための国際的管理強化策の提示 |
(*)携帯型・移動型の放射線源は国境を越えて移動しやすく、各国の規制当局がその所在・移動・使用状況を一貫して把握することは依然として大きな課題である。特に、医療・産業用途で広く利用される高活動度の可搬型線源は、盗取・紛失・不正移動のリスクが高く、国際的な追跡・通報メカニズムの強化が求められている。効果的な規制管理には、国境管理機関・規制当局・国際機関の協調、標準化されたデータ共有、そして移動源に特化した監視・検知技術の導入が不可欠である。(IAEA) | ||
| Energy Facility Contractors Group MC&A Cross-Site Collaboration | Todd Dunivan | ||
| エネルギー施設請負業者グループ(EFCOG)における MC&A のサイト横断的協働 — MC&A 実務の標準化と技術導入を促進するサイト間協働の推進 |
(*)EFCOG の MC&A(核物質管理・計量管理)分科会は、DOE 複数サイト間でベストプラクティス共有、標準化ガイド作成、技術評価を行う協働枠組みを構築している。放射線計測技術やデジタルツールの進展を踏まえ、各施設の運用経験を統合し、効率的かつ一貫性のある MC&A 実務の向上を目指している。サイト横断的な協力により、規制要求への適合性向上、運用負荷の低減、技術導入の迅速化を実現する取り組みが示されている。(Energy Facility Contractors Group (EFCOG) ) | ||
| Enhancing Nuclear Security: Kenya’s Strategic Approach to Nuclear and Radiological Material Detection and Interception Training | Edward Mayaka | ||
| 核セキュリティの強化:ケニアにおける核・放射線物質の検知および遮断訓練の戦略的アプローチ — 規制外物質の検知・遮断能力向上に向けた国家的訓練体制の構築 |
(*)規制管理下にない核・放射性物質(MORC:Material Out of Regulatory Control)の検知・対応は、ケニアを含む多くの国で依然として重大な安全保障課題となっている。ケニアは、国境・港湾・空港などでの検知・遮断能力を強化するため、体系的な訓練プログラムと多機関連携を組み合わせた国家的アプローチを構築している。国際機関との協力、標準化された訓練カリキュラム、現場対応力の向上を通じ、核セキュリティ体制の持続的強化を目指す取り組みが示されている。(Kenya Nuclear Regulatory Authority (KNRA) ) | ||
| Enhancing Radiological Security Awareness through Social Media: An Inclusive Approach For Diversity in Indonesia | Camelia Halid Walid, Alfitri Meliana | ||
| ソーシャルメディアを通じた放射線セキュリティ意識向上; インドネシアの多様性を踏まえた包摂的アプローチ ー多文化・多世代社会に適応したリスクコミュニケーション戦略の構築 |
(*)インドネシアの多様な人口構成において、放射線セキュリティ情報を効果的に伝達するためには、社会的背景に応じたコミュニケーション戦略が不可欠である。本研究は、15〜64歳の国民を対象に、ソーシャルメディアを用いた調査により、知識・教育・情報源・懸念点などを分析し、放射線セキュリティ意識向上の可能性を評価する。得られた知見を基に、文化・言語・世代の多様性を踏まえた情報発信戦略を継続的に改善するフィードバックループを構築し、政策立案者・実務者の効果的なリスクコミュニケーションを支援する。(BRIN Indonesia(インドネシア国家研究革新庁)) | ||
| Fast and Accurate Identification of TRISO-Fueled Pebbles Based on X-Ray CT | Ming Fang, Angela Di Fulvio | ||
| X線CTに基づくTRISO燃料ペブルの高速・高精度識別 ― 非破壊検査による内部構造解析と核物質管理への応用 |
(*)TRISO燃料を用いたペブルベッド炉では、燃料ペブルの健全性・識別が安全運転と核物質管理の両面で重要となる。本研究は、X線CT画像を用いてペブル内部のTRISO粒子分布・欠陥・充填状態を高速かつ高精度に識別するアルゴリズムを開発した。提案手法は、従来よりも迅速な非破壊検査を可能にし、燃料品質保証および核セキュリティ検認の効率向上に寄与する。(University of Illinois Urbana-Champaign (UIUC)) | ||
| FRAM: Fixed‑energy Response‑function Analysis with Multiple Efficiency | Duc Vo | ||
| FRAM:固定エネルギー応答関数と複数効率モデルによるガンマ線解析手法 ― プルトニウム同位体組成の非破壊高精度推定に向けたアルゴリズム改良 |
(*)FRAM は、固定エネルギー応答関数と複数効率モデルを用いて、プルトニウムのガンマ線スペクトルから同位体組成を非破壊で高精度に算出する解析コードとして開発された。v.2 では、ピークフィッティング手法・効率補正・応答関数の改良により、異なる検出器構成や測定条件に対しても安定した同位体比推定が可能になった。本論文は、FRAM v.2 のアルゴリズム改善点と性能評価を示し、実試料への適用結果から、核物質管理・査察用途における実用性の向上を報告している。(LANL) | ||
| Interfaces between Nuclear Security and State Systems of Accounting and control | Loida Begley, Rob Magleby, James Rubenstone, Ali Tabatabai, Alexandra Zeigler | ||
| 核セキュリティと国家核物質計量管理制度(SSAC)のインターフェース ― 情報共有・異常検知・内部脅威対策を統合する運用連携の枠組み |
(*)米国 SSAC における核物質管理(NMA)部門は、核セキュリティ機能と密接に連携し、核物質の所在・移動・使用状況を正確に把握することで、逸脱や不正利用の早期検知を支えている。本論文は、NMA と核セキュリティの境界領域に存在する情報共有・分析・運用プロセスを整理し、両者が相互補完的に機能するための制度的・技術的インターフェースを明確化する。これらのインターフェースの強化は、核物質の不正移転防止、内部脅威対策、異常検知能力の向上に寄与し、国家レベルの核セキュリティ体制をより堅牢にすることを示している。(DOE, INEEL, NRC) | ||
| National Efforts in Securing Orphan and Legacy Sources | Ethel Ofoegbu | ||
| 孤児線源およびレガシー線源の安全確保に向けた国家的取り組み ― 管理外線源の特定・回収・規制強化による核セキュリティ向上 |
(*)ナイジェリアでは、NNRA 設立以前から医療・産業・研究用途で放射性物質が広く使用されており、管理外にある「孤児線源」や旧来の「レガシー線源」が国家的な安全保障上の懸念となっている。本論文は、これらの線源を特定・回収・安全保管するための国家的取り組みを整理し、規制強化、在庫管理、関係機関の協力体制、国際支援の活用などの実施状況を示す。これらの取り組みは、放射線源の紛失・盗取・転用・不正利用のリスク低減に寄与し、国家核セキュリティ体制の強化に不可欠であることを示している。(Nigerian Nuclear Regulatory Authority (NNRA)) | ||
| Network Against Proliferation (NAP) | Sandro Zero | ||
| 不拡散対策ネットワーク(NAP) ― 国家機関間の協力・情報共有を通じた WMD 不正取得・転用防止の枠組み |
(*)大量破壊兵器(WMD)の不拡散義務を履行するため、各国は輸出管理、国境管理、法執行、規制当局など多様な機関が連携する国家レベルの協力体制を構築する必要がある。Network Against Proliferation(NAP)は、これらの国内機関間の情報共有・能力向上・共同訓練を促進し、不拡散措置の実効性を高めるための協力ネットワークとして設計されている。本論文は、NAP の枠組みが国家の不拡散体制を強化し、WMD 関連物資の不正取得・転用・密輸を防止するうえで重要な役割を果たすことを示している。(EC-JRC) | ||
| Nonparametric Multiparticle Set Methods for Interpreting Environmental Samples | Birdy Phathanapirom, Ken Dayman, Jason Hite, Andrew Conant, Roger Kapsimalis | ||
| 環境サンプル解釈のための非パラメトリック多粒子集合解析手法 ― 粒子群の特徴抽出・異常検知に基づく保障措置・核セキュリティ分析の高度化 |
(*)核保障措置・核セキュリティの文脈では、環境サンプル中に含まれる複数の核関連粒子を統計的に解釈することが重要であり、従来のパラメトリック手法では粒子分布の複雑性を十分に扱えない場合がある。本研究は、非パラメトリックな「マルチパーティクル集合(multiparticle set)」手法を用いて、粒子群の特徴量・起源・異常性をより柔軟に推定する解析アプローチを提示する。この手法は、核活動の兆候検知、異常粒子の識別、環境サンプルの解釈精度向上に寄与し、保障措置・核セキュリティ双方の分析能力を強化することを示している。(SNL, PNNL) | ||
| Nonproliferation and Fusion: Applicability of Safeguards and the Role of Export Control | Michael Hua, Sachin Desai, Jacqueline Siebens | ||
| 核融合と不拡散:保障措置の適用可能性と輸出管理の役割 ― 核融合周辺技術の拡散リスクと国際規制枠組みの必要性 |
(*)核融合技術は商業化に近づき、民間企業の参入や政府投資の増加により、核融合関連機器・材料の国際的流通が急速に拡大している。本論文は、核融合技術が核兵器開発に直接結びつかない一方で、周辺技術・高性能機器・核関連材料が不拡散上の懸念となり得る点を整理し、保障措置の適用可能性と限界を検討する。さらに、輸出管理(export control)が核融合分野における主要な不拡散手段として重要性を増しており、国際協調・規制枠組みの整備が不可欠であることを示している。(DOE) | ||
| Nuclear Security During Armed Conflict | Ali Alkis | ||
| 武力紛争下における核セキュリティ | (*)1993年の正式な INMM 論文ではなく、後年(2020〜2024)の論文メタデータが誤って 1993 年の領域に紛れ込んだ可能性ある。 | ||
| Oak Ridge National Laboratory’s National Nuclear Materials Archive Program | Sharon Robinson, Matthew Cannon, Cole Hexel, Kayron Rogers, Bradley Skidmore | ||
| オークリッジ国立研究所における国家核物質アーカイブ計画 | (*)1993年の正式な INMM 論文ではなく、後年(2020〜2024)の論文メタデータが誤って 1993 年の領域に紛れ込んだ可能性ある。 | ||
| Physics-Based Machine Learning Methods for U-235 Forensics Signatures | Nageswara Rao, Caleb Redding, David Abrecht, David Hooper, Jennifer Ladd-Lively | ||
| U-235 鑑識シグネチャのための物理モデルに基づく機械学習手法 | (*)1993年の正式な INMM 論文ではなく、後年(2020〜2024)の論文メタデータが誤って 1993 年の領域に紛れ込んだ可能性ある。 | ||
| Preliminary Status and Results of the JAEA/ISCN Fission Signature Assay Instrument for Delayed Gamma-ray Spectrometry Nuclear Safeguards | Douglas Chase Rodriguez, Shunsuke Akamatsu, Fabiana Rossi, Satoshi Suzuki, Tohn Takahashi | ||
| 遅発ガンマ線分光による核保障措置のための JAEA/ISCN 核分裂シグネチャ評価装置の予備的状況と結果 ― EC/JRC との共同研究を踏まえた FSAI の設計・初期特性評価と混合核物質検認への適用可能性 |
(*)1993年の正式な INMM 論文ではなく、後年(2020〜2024)の論文メタデータが誤って 1993 年の領域に紛れ込んだ可能性ある。 | ||
| Puck Passive Loop Seal | Stephanie White, Rokwel Wade, Sagan Cox, Clayton Curtis, William Corbin, Heidi Smartt | ||
| Puck 受動型ループシール ― IAEA 保障措置向けに改ざん検知性能と運用性を強化した新型受動シールの開発と初期評価 |
(*)1993年の正式な INMM 論文ではなく、後年(2020〜2024)の論文メタデータが誤って 1993 年の領域に紛れ込んだ可能性ある。 | ||
| Radioactive Sources Security during Civil Unrest or War Times-A hypothetical exercise | Mostafa Kofi, Zenobia Hooman, Lamiaa Fiala, Jason Harris | ||
| 内乱・戦時下における放射線源セキュリティ ― 仮想演習 ― 医療・産業用放射線源の喪失・盗難・悪用リスクと緊急時対応能力の評価 |
(*)1993年の正式な INMM 論文ではなく、後年(2020〜2024)の論文メタデータが誤って 1993 年の領域に紛れ込んだ可能性ある。 | ||
| Security Inclusive Model-Based Systems Engineering for Nuclear Reactor Development | Shannon Eggers, Andrew Hahn, Peter Suyderhoud, Ross Hays | ||
| End(0) | 原子炉開発におけるセキュリティ統合型モデルベースシステムズエンジニアリング | (*)1993年の正式な INMM 論文ではなく、後年(2020〜2024)の論文メタデータが誤って 1993 年の領域に紛れ込んだ可能性ある。 | |
| A Comparison of D Statistic Approaches | M. Franklin | ||
| D 統計手法の比較 ― 核物質計量管理における検知力・誤警報率の観点からの統計的アプローチ評価 |
(*)核物質計量管理における D 統計(D-statistic) の複数の計算手法を比較し、検知力(detection sensitivity)の違いを評価した研究である。サンプリング誤差・測定誤差を含む MUF(Material Unaccounted For)評価において、どの D 統計手法が最も安定した性能を示すかを分析した。結果として、特定の D 統計アプローチは誤警報率と検知力のバランスが良く、保障措置の統計的有効性向上に寄与する可能性が示された。(LLNL) | ||
| A Cost-effective Analysis of the Layered Approach to Physical Security | D. L. Richardson, Donald Lee Davis, J. M. Skinner | ||
| 物理防護における多層アプローチの費用対効果分析 ― 外周・建屋・内部領域における検知・遅延性能の比較と投資最適化の検討 |
(*)物理防護システムにおける 多層防護(layered approach) の各層が提供する検知・遅延・アクセス制御の効果を分析し、コスト効果を比較した研究である。外周(LA/PA)から建屋、MAA(Material Access Area)までの各層について、検知性能・遅延性能のモデル化を用いて投資配分の最適化を検討した。予算縮小下で、どの層に投資することが最も効果的かを示し、物理防護設計の意思決定に資する分析基盤を提供している。(Westinghouse Savannah River Company, Bechtel National, Inc.) | ||
| A Database Model for Evaluating Material Accountability Safeguards Effectiveness Against Protracted Theft | Alan Sicherman, D. S Fortney | ||
| 長期的窃取に対する核物質計量管理保障措置の有効性を評価するためのデータベースモデル ― 内部者のアクセス権限・作業パターン・計量管理データを統合した検知確率評価手法 |
(*)核物質の長期的窃取(protracted theft)に対する保障措置の有効性を評価するため、データベース駆動型の内部脅威モデルを構築した。内部者のアクセス権限、作業パターン、計量管理データ、監査頻度などを統合し、検知確率・遅延時間・成功確率を定量化する枠組みを提示した。ケーススタディにより、計量管理の精度向上や職務分離の強化が、長期的窃取の検知性能を大きく改善することを示した。(LLNL) | ||
| A Design Methodology for Effective Application of Pan-Tilit Cameras in Alarm Assessment Systems | Richard F. Davis | ||
| アラーム評価システムにおけるパン・チルトカメラの効果的適用のための設計手法 ― 視野・配置・応答特性を考慮した最適化アプローチ |
(*)アラーム発生時に PTZ(Pan-Tilt)カメラを効果的に運用するための 配置・視野・制御方式の設計手法を体系化した。カメラの可動範囲、応答時間、死角、照明条件などをモデル化し、アラーム評価の信頼性向上を目的とした最適化手法を提示した。実施設での適用例を通じて、PTZ カメラの配置戦略が侵入検知後の 識別・追跡能力を大きく左右することを示した。(LLNL) | ||
| A Methodology for Analyzing and Updating Detection Element Probablitites from Performance Testing Data | Gary P. Kodman, Tom Davis, Ronald T. Menton | ||
| 性能試験データに基づく検知要素の検知確率の解析および更新手法 ― センサー性能の実測データを用いた Pd(検知確率)更新モデルの構築 |
(*)侵入検知システムの性能試験データを用いて、検知要素(detection elements)の検知確率(Pd)を解析・更新するための統計的手法を提示した。実測データに基づき、センサーの誤警報率・環境条件・配置特性を反映した Pd 更新モデル(Bayesian/頻度論的) を構築した。この手法により、性能試験結果を継続的に反映し、物理防護システムの信頼性評価と改善計画の精度を向上させることが可能となる。(SNL) | ||
| A New Approach to Waste Monitoring in Material Access Areas | Hellen M. Hunt | ||
| MAA(核物質アクセス区域)における廃棄物監視の新しいアプローチ ― 多指標監視による廃棄物流通の異常検知と保障措置強化 |
(*)MAA 内で発生する廃棄物移動・廃棄物容器の取り扱いに対し、核物質の不正除去(diversion)を早期検知するための新しい監視アプローチを提案した。重量、放射線シグネチャ、封印状態、作業ログなど複数の情報源を統合し、廃棄物流通の異常検知を可能にする手法を示した。従来の単一測定では検知が難しい低濃度・混合廃棄物に対しても、多指標監視により検知性能が向上することを示した。(SNL) | ||
| A NEW SAFEGUARDS APPROACH | J. G. McManus, David B. Sinden | ||
| 新しい保障措置アプローチ ― 物質収支・計量管理・封じ込め/監視を統合した効率的な保障措置実施方式の検討 |
(*)英国核施設における保障措置の効率化と透明性向上を目的として、新しい保障措置アプローチ(New Safeguards Approach) の概念と設計方針を提示した。物質収支、計量管理、封じ込め・監視(C/S)技術を統合し、IAEA/Euratom との協調的実施方式を検討した。新アプローチにより、検知能力の向上と運用負荷の低減が両立可能であることを示し、将来の国際保障措置の方向性を示唆した。(BNFL) | ||
| A Proposal of Evaluation Means for Near Real Time S/R D | Masahiro Kikuchi, Shojchiro Masuda, Motoyuki Yamada | ||
| ニア・リアルタイム S/RD の評価手法に関する提案 ― 測定誤差・工程変動を統合した NRTA 向け迅速評価フレームワーク <S/RD(Shipper/Receiver Difference)> |
(*)再処理施設における Near Real-Time S/RD(Shipper/Receiver Difference) の評価手法を改善するため、計量データと工程データを統合した新しい評価指標を提案した。測定誤差・工程変動・サンプリング誤差を統計的に扱い、短時間での異常検知(NRTA)を可能にする評価フレームワークを構築した。ケーススタディにより、従来の S/RD 評価よりも 検知感度と応答性が向上することを示し、NRTA の実運用に向けた有効性を示した。(PNC) | ||
| A Standardized Approach for Determining Radiological Sabotage Targets | Mark K. Snell, Byron Gardner | ||
| 放射線サボタージュ標的を決定するための標準化アプローチ ― 重要機能・放射線源特性・破壊時影響に基づく標的選定フレームワーク |
(*)放射線サボタージュによって重大な影響を与え得る設備・材料を体系的に抽出するため、標準化されたターゲット選定手法(standardized target identification approach)を提案した。重要機能、放射線源の形態、破壊時の分散特性、施設依存性などを評価指標として、サボタージュ標的の優先順位付けを行う枠組みを構築した。この手法により、施設設計者・規制当局・防護担当者が共通基盤で議論できるようになり、防護設計の一貫性と透明性が向上することを示した。(SNL) | ||
| A Weighted Least-squares Lump Correction Algorithm for Transmission-corrected Gamme-ray Nondestructive Assay | T. H. Prettyman, G. A. Sheppard, J. K. Sprinkle | ||
| 透過補正ガンマ線非破壊測定における重み付き最小二乗 lump 補正アルゴリズム — 高減衰性粒子による自己遮蔽の補正手法の提示 |
(*)透過補正型ガンマ線 NDA(SGS/TGS)では、ウラン・プルトニウム試料中に高減衰性の粒子・塊(lumps)が存在すると、測定値が体系的に過小評価される問題がある。このバイアスを補正するため、複数エネルギーの透過補正済み測定値と統計的不確かさに基づく重み付けを用いた 最小二乗 lump 補正アルゴリズムを開発した。有効 lump サイズをパラメータ化して広い分布に対応でき、シミュレーションおよび実試料(Pu)で SGS の系統誤差を大幅に低減し、TGS ではさらなる改善が期待される。(LANL) | ||
| Accountability Measurement Precision & Accuracy Values: How Good is Good Enough? | Paul E. Filpus-Luyckx | ||
| 核物質計量における測定精度と正確度の要求値:どこまで良ければ十分なのか — 在庫差異検知能力と測定コストの最適化を図るための性能要求水準の検討 |
(*)核物質計量管理(MC&A)における「精度(precision)」と「正確度(accuracy)」の要求水準を、施設のリスク・在庫量・測定目的に応じてどの程度まで設定すべきかを体系的に検討。測定誤差が在庫差異(ID)評価や異常検知能力に与える影響を定量化し、過度な精度要求がコスト増を招く一方、低すぎる精度は検知能力を損なうというトレードオフを提示。最適な測定性能は「施設特性・核物質形態・検知目標」に依存し、画一的基準ではなくリスクベースの性能設定が必要であると結論づけた。(Westinghouse Savannah River Company(WSRC)) | ||
| Achieving Calibration Cost Savings Through Data Analysis | John P. Clark, A. Harper Shull | ||
| データ解析による較正コスト削減の実現 — 較正履歴と機器特性の統計解析に基づく最適較正周期の設定による運用効率化 |
(*)核物質計量管理に用いる計測機器の 較正頻度・手順 を、実測データの統計解析に基づいて最適化し、過剰な較正作業によるコスト増を抑制する手法を検討した。較正履歴・ドリフト傾向・環境依存性 を解析し、機器ごとに必要最小限の 較正周期 を設定することで、性能維持とコスト削減の両立が可能であることを示した。リスクベースの較正管理により、MC&A の信頼性を損なうことなく、施設全体の運用効率を向上させる枠組みを提示した。(WSRC) | ||
| Acoustic Resonance Spectroscopy in Nuclear Safeguards | Chad T. Olinger, Mark F. Mullen, William D. Stanbro, Dipen N. Sinha, M. J. Lyon | ||
| 核保障措置における音響共鳴分光法 — 密閉容器内部の物性変化を共鳴スペクトルで識別する非破壊補助手法の提案 |
(*)音響共鳴分光法(Acoustic Resonance Spectroscopy, ARS)を核保障措置へ応用し、密閉容器内の核物質の物性・充填状態・同定を非破壊で評価する可能性を検討した。容器に音響励振を与え、得られる共鳴スペクトルから密度・弾性率・内部構造の違いを識別できることを実験的に示し、従来のガンマ線 NDA では困難な情報を補完できることを確認。ARS は低コスト・非放射線ベースの補助的手法として、封印容器の真正性確認や異常検知に有効であると結論づけた。(LANL) | ||
| Advanced Entry Control System (AECS): An Integrated Security Solution | Terry K. Taylor, James Fish | ||
| 高度入退域管理システム(AECS):統合型セキュリティソリューション — 認証・監視・侵入検知を統合した核施設向けアクセス制御基盤の構築 |
(*)施設の入退域管理を高度化するため、認証・検証・監視を統合した Advanced Entry Control System(AECS) の設計コンセプトを提示。バッジ認証、生体認証、ビデオ監視、侵入検知、データログを統合し、改ざん防止性・信頼性・運用効率を向上させるアーキテクチャを示した。核施設の物理防護において、従来の単一機能型システムを超える「統合型アクセス制御」の有効性を実証し、将来の標準モデルとなり得ることを示唆した。(SNL) | ||
| Advantages of Redeployable Security Systems | Arthur Birch, E. W. L. Seager, Greg Basillio, Natalie Barchenko | ||
| 再配置型セキュリティシステムの利点 — 脅威変動や臨時運用に対応する可搬・迅速展開型物理防護システムの有効性 |
(*)軍事施設・核施設・臨時保管場所など、脅威環境や運用条件が頻繁に変化する状況に対応するため、再配置可能(redeployable)なセキュリティシステムの利点を整理した。センサー、通信、電源、監視装置をモジュール化し、短時間で展開・撤収できる構成により、固定式システムでは困難な柔軟性・迅速性・コスト効率を実現。緊急時対応、臨時の核物質移送、演習・査察支援など、多様なシナリオで有効な「機動的物理防護」の概念を提示した。(SNL) | ||
| An Estimate of the Amount of Out-of-pool Storage Requirements for the Period 1992-2036 | Ronald R. MacDonald | ||
| 1992〜2036 年におけるプール外貯蔵需要量の推計 — 使用済燃料発生量とプール容量の将来予測に基づく乾式貯蔵需要の定量評価 |
(*)1992〜2036 年の期間における 使用済燃料の発生量とプール貯蔵能力の逼迫状況 を解析し、追加的な「プール外貯蔵(out‑of‑pool storage)」の必要量を推計した。原子炉運転計画、燃料交換サイクル、既存プール容量、乾式貯蔵施設の導入時期などをモデル化し、国全体として必要となる乾式キャスク・モジュール数を定量化。プール容量の限界が 2000 年代初頭に顕在化するシナリオを示し、乾式貯蔵の早期整備が不可欠であることを政策的観点から指摘した。(AECL-Canada) | ||
| An Expert Systems Approach to NRTA | Jack L. King | ||
| NRTA に対するエキスパートシステム手法 ― 工程データと計量データを知識ベース推論で統合する異常検知支援 <NRTA(Near Real-Time Accountancy)= 近実時間計量管理> |
(*)再処理施設などの核物質計量管理において、工程データ・計量データ・異常兆候を統合的に判断するため、エキスパートシステム(知識ベース推論)を NRTA に適用する枠組みを提案した。測定誤差、工程変動、S/RD、在庫差異などの要素をルール化し、異常の早期検知・原因推定を自動化することで、従来の統計手法を補完する知的支援機能を実現。オペレーターの判断負荷を軽減し、NRTA の応答性・信頼性を向上させる「知識工学ベースの計量管理支援」の有効性を示した。(AECL-Canada) | ||
| An Improved User Interface for Assess/Nuetralization | William K. Paulus, Junko Mondragon | ||
| ASSESS/Neutralization(攻撃者無力化) の改良ユーザーインターフェース — 交戦条件入力と結果可視化を改善した攻撃無力化評価支援インターフェース |
(*)物理防護評価ツール ASSESS の Neutralization(攻撃者無力化)モジュールにおいて、分析作業の効率と理解性を高めるため、ユーザーインターフェース(UI)を大幅に改善した。交戦条件、応答部隊配置、攻撃者行動モデルなどの入力項目を整理し、視覚的フィードバックや結果表示を強化することで、分析者の操作負荷と誤入力を低減。改良 UI により、複数シナリオ比較・感度分析・結果解釈が容易となり、Neutralization モジュールの実務的有用性が向上した。(SNL) | ||
| An NDA System for Automated, inline Weapons Component Dismantlement | Teresa L. Cremers, Thomas E. Sampson, Joseph C. Martz | ||
| End(1) | 自動インライン兵器部材解体のための NDA システム — 解体ラインを停止させずに核物質の識別・量評価を行う統合型非破壊分析システムの設計(LANL) |
(*)核兵器部材の 自動・インライン解体工程において、核分裂性物質の存在量・形状・真正性をリアルタイムで評価するための 非破壊分析(NDA)システムを設計した。ガンマ線・中性子計測を組み合わせ、解体ラインを停止させずに部材の識別・異常検知・核物質量推定を行う統合アーキテクチャを提示。兵器解体の透明性向上、核物質の逸脱防止、工程の安全性確保に寄与する「自動化された保障措置対応 NDA」の実現可能性を示した。(LANL) | |
| An Operator Looks Back at Fifteen Years of Safeguards | Denis Aubin | ||
| 運転者(事業者)が振り返る15年間の保障措置 ― Gentilly‑2 発電所における IAEA 基準達成までの実証運用と得られた教訓 |
(*)1978 年、Hydro‑Québec(Gentilly‑2 CANDU 600 MW 発電所)は、カナダ保障措置支援計画(CSSP)および IAEA と協力し、新しい保障措置スキームの実証サイトとなることに合意した。15 年間の取り組みの結果、同発電所は IAEA のすべての基準要件を満たすに至ったが、その達成には多大な労力・調整・コストが伴った。現場の Safeguards Officer の視点から、過去の経緯・現在の状況・改善の余地を振り返り、他国の事例にも通じる教訓を提示している。(Hydro‑Québec) | ||
| Analysis Methods and Performance of an Automated System for Measuring Both Concentration and Enrichment of Uranium in Solutions | Jack Parker, Thomas E. Sampson, Thomas A. Kelley | ||
| ウラン溶液の濃度・濃縮度同時測定の自動化システム ― スペクトル解析の自動化と性能評価に基づく保障措置適用性の検証 |
(*)著者らは、1992 年に開発中として報告した「ウラン溶液の濃度と濃縮度を同時測定する自動化システム」について、解析手法の改良と性能評価を進めた。新システムは、スペクトル解析・バックグラウンド補正・ピーク同定などの処理を自動化し、従来の手動分析より高い再現性と処理速度を実現した。実運用データに基づき、測定精度・検出限界・誤差要因を評価し、保障措置用途に十分な性能を有することを示した。(LANL) | ||
| Analysis of Initial In-plant Active Neutron Multiplicity Measurements | M. C. Miller, Robert N. Ceo, W. Harker, N. Ensslin, M. S. Krick, P. A. McClay, Wendell Belew, P. K. May, R. D. McElroy |
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| 施設内で実施した初期アクティブ中性子同時発生計測の解析 ― 誘発核分裂に伴う 1 個・2 個・3 個同時発生の検出特性と補正手法の評価 |
(*)開発中の「アクティブ中性子照射による同時発生中性子の検出手法」を、実際の施設内で初めて適用し、その計測データを解析した。外部中性子源による誘発核分裂から得られる 1 個・2 個・3 個同時発生の検出パターンを評価し、計数モデルの妥当性と装置応答の特性を検証した。初期測定では統計誤差やバックグラウンドの影響が顕著であったが、補正手法を適用することで、保障措置アッセイへの実用化に向けた性能向上の方向性を示した。(LANL, ORNL) | ||
| Application of ISO-TAG4 to the Reporting of Limit of Error on the Inventory Difference | Sylvester Suda, Cindy | ||
| 在庫差の誤差限界報告への ISO‑TAG4 の適用 ― 系統誤差・ランダム誤差の統一的評価による LEID の一貫性向上 |
(*)Inventory Difference(ID:在庫差)の誤差限界(Limit of Error on the Inventory Difference, LEID)を報告する際、体系的誤差とランダム誤差を統一的に扱う標準的枠組みが存在しないという問題を指摘した。ISO‑TAG4(ISO Technical Advisory Group 4)が提案する不確かさ評価の考え方を、核物質管理における ID 報告へ適用する方法を検討し、誤差成分の明確化と比較可能性の向上を示した。提案手法により、施設間・報告者間での LEID の一貫性が改善され、保障措置評価における透明性と信頼性が高まる可能性を示した。(WSRC) | ||
| Application of Neural Network and Pattern Recognition Software to the Automated Analysis of Continuous Nuclear Monitoring of On-load Reactors | J. K. Halbig, George W. Eccleston, S. F. Klosterbuer, Jo Ann Howell | ||
| オンロード原子炉の連続核監視における自動解析 ― ニューラルネットワークとパターン認識による異常検知と運転状態変化の自動判別 | (*)オンロード型原子炉の連続監視データを自動解析するため、パターン認識およびニューラルネットワークを用いた解析ソフトウェアの適用性を評価した。大量の時系列データから異常兆候を自動抽出し、運転状態の変化や潜在的異常を早期に検知できることを示した。初期適用の結果、従来の手動監視よりも迅速かつ一貫した判断が可能となり、保障措置および運転監視の効率化に寄与することが確認された。(LANL) | ||
| Assessment of Inspection Strategies for Fuel Cycles with the Decision Support System STRASSY | F. Werkoff, N. Preston | ||
| 意思決定支援システム STRASSY を用いた燃料サイクル査察戦略の評価 ― 査察頻度・検認強度・コスト要因を比較するための分析手法 | (*)民生用核燃料サイクルに対する国際保障措置では、核物質の検認・査察頻度・検査手法の組み合わせを最適化する必要があるが、その体系的評価手法が不足していた。著者らは、意思決定支援システム STRASSY を用いて、複数の査察戦略(頻度、検認強度、サンプリング方式など)を比較し、保障措置の有効性とコストのバランスを分析した。初期評価の結果、STRASSY は査察戦略の相対的効果を可視化し、政策立案者・査察当局が合理的な戦略選択を行うための有用なツールとなることが示された。(JRC-Ispra) | ||
| Assurance and Assessment Techniques for Nuclear Weapon Related Software | Michael Blackledge | ||
| 核兵器関連ソフトウェアの保証および評価技術 ― SNL による設計・安全性評価のための検証・妥当性確認手法 |
(*)Sandia National Laboratories(SNL)は、核兵器関連コンポーネントの設計に使用されるソフトウェアについて、信頼性・安全性・妥当性を評価する責任を担っていることを述べている。本論文は、核兵器システムに関連するソフトウェアの品質保証(assurance)と性能評価(assessment)を行うための、体系的な評価技術・検証手法・テスト基準を提示する。これらの手法は、核兵器の安全性(surety)と信頼性を確保するために不可欠であり、ソフトウェアの欠陥が兵器システムに与えるリスクを最小化する枠組みを提供する。(SNL) | ||
| Assurance of the Absence of Significant Undeclared Nuclear Activities | John Carlson, John Bardsley, John Hill | ||
| 重要な未申告核活動の不在を保証するためのアプローチ ― IAEA の検知能力強化に向けた NPT 保障措置の新たな提案 |
(*)NPT 保障措置の強化に向けて、未申告の核活動を検知する能力を IAEA に付与するための新たな措置が提案されていることを論じている。これらの措置は、申告情報の検証に加えて、補完的アクセス・環境サンプリング・広域監視などを組み合わせ、未申告活動の不在をより確実にすることを目的とする。著者らは、これらの強化策が国家の透明性向上と国際的信頼醸成に寄与し、保障措置の実効性を大幅に高める可能性を示している。(Australian Safeguards Office (ASO) ) | ||
| Authenticated In-plant Process Monitor (AIPM) | Patrick Leahy, Timothy Draelos | ||
| 認証付きインプラント・プロセス監視システム(AIPM) ― 二国間核兵器解体支援に向けた透明性・改ざん防止機能を備えた工程監視 |
(*)透明性とセキュリティを両立したプロセス監視システムは、二国間核兵器解体(bilateral dismantlement)を支援する重要なツールとなり得ると指摘している。AIPM(Authenticated In-plant Process Monitor)は、計測データの改ざん防止(authentication)とリアルタイム監視を組み合わせた新しい監視概念である。このシステムは、査察官が施設内部の工程データを安全に共有できる仕組みを提供し、信頼醸成措置(confidence building measure)として機能することを示している。(LANL) OTSI登録1994年 | ||
| Automated Temperature Correction for BGO Data Acquision System Used for Holdup Measurements | Merle C. Deardorff, Robert E. Woerner | ||
| ホールドアップ(滞留量)測定に用いる BGO データ収集システムの自動温度補正 ― 温度依存ゲイン変動のリアルタイム補正による測定精度向上 |
(*)BGO 検出器は温度変化によりゲインが大きく変動するため、ホールドアップ測定の精度を維持するための自動温度補正アルゴリズムを開発した。温度センサーとデータ収集システムを統合し、リアルタイムでゲイン補正を行うことで、長時間測定時のドリフトを大幅に低減した。実測データにより、従来の手動補正よりも再現性が向上し、ホールドアップ量推定の不確かさが縮小することを示した。(LANL) | ||
| Bias Investigation of a 55-gallon Drum-sized Segmented Gamma Scanner | Jon R. Hurd, Steven M. Long | ||
| 55 ガロンドラム用セグメント化ガンマスキャナのバイアス調査 ― マトリックス効果・自己吸収・線源配置が定量結果に与える影響の評価 |
(*)55 ガロンドラムを対象としたセグメント化ガンマスキャナ(SGS)の認証測定を進める中で、測定バイアスの要因を体系的に調査した。ドラム内の放射能分布、自己吸収、線源位置、マトリックス効果などが測定結果に与える影響を実験的に評価し、バイアスの主要因を特定した。得られた知見に基づき、校正手順・補正モデルの改善案を提示し、SGS の定量精度向上に向けた実務的指針を示した。(LANL) | ||
| Buoyancy in Nuclear Process Measurements | Frank E. Jones | ||
| 核プロセス計測における浮力の影響 ― 空気浮力補正と質量測定誤差要因の整理 <著者は、質量測定の基礎物理(浮力補正・密度・質量標準)の研究者> |
(*)核プロセス計測における重量測定では、空気浮力の影響が無視できず、正確な質量評価のためには浮力補正が不可欠であることを示した。浮力補正の数学的形式、必要となる物性値(空気密度・試料密度・分銅密度)を整理し、補正の誤差要因を分析した。適切な浮力補正を行うことで、核物質計量における系統誤差を低減し、在庫差評価や保障措置計量の信頼性向上に寄与することを示した。(National Institute of Standards and Technology (NIST) ) | ||
| Burnup Verification Measurements at a U.S. Nuclear Utility Using the FORK Measurement System | Ronald I. Ewing,G . E. Bosler., Gary Walden | ||
| FORK 測定システムを用いた米国原子力発電所での燃焼度検証測定 ― ガンマ線・中性子放出率に基づく使用済燃料の申告燃焼度評価」 | (*)LANL が IAEA 保障措置用に開発した FORK 測定システムを、米国の商業用原子力発電所で使用し、使用済燃料の燃焼度検証測定を実施した。測定では、燃料集合体からのガンマ線および中性子放出率を解析し、申告燃焼度との整合性を評価した。初期運用の結果、FORK システムは現場での迅速な燃焼度検証に有効であり、保障措置およびユーティリティの燃料管理の双方に有用であることが示された。(LANL,電力会社の協力者) | ||
| Calibrating a Large Slab Vessel: A Battle of the Bulge | Ivan R. Thomas | ||
| 大型スラブタンクの較正 ― 液体充填時に生じるタンク壁の膨張を測定し体積算定誤差を補正する手法 |
(*)大型スラブ型タンクは、内部・外部補強があっても液体充填時に膨張(bulging)するため、正確な容量較正が困難であるという問題を取り上げた。著者は、タンク壁の膨張量を測定し、液位・体積関係に与える影響を解析することで、膨張を考慮した較正手法を確立した。実測データに基づき、膨張補正を行わない場合に生じる系統誤差の大きさを示し、核物質計量におけるスラブタンク較正の重要性を強調した。(INEL) | ||
| Calibration Techniques and Results for the Portsmouth of Shuffler | Keith M. Wines, Jeffrey C. Gross | ||
| ポーツマス Shuffler の較正手法と結果 ― マトリックス条件・中性子応答特性を考慮した廃棄物アッセイの精度評価 |
(*)放射性廃棄物の管理要求が高まる中、カリフォルニウム Shuffler(Cf‑252 Shuffler) は多用途な廃棄物アッセイ装置として重要性が増しており、本研究では Portsmouth 施設での較正手法と結果を報告した。さまざまなマトリックス条件・線源配置・中性子応答特性を評価し、Shuffler の測定精度に影響する要因を体系的に分析した。実測データに基づき、較正曲線・補正係数・測定不確かさを提示し、廃棄物アッセイにおける Shuffler の信頼性向上に寄与する知見を示した。(Martin Marietta Energy Systems / Portsmouth Gaseous Diffusion Plant (PORTS)) | ||
| Calorimeter Measurements of Low Wattage Items | Teresa L. Cremers, Sandra S. Hildner, Katherine Camp | ||
| 低発熱量品目のカロリメータ測定 ― 廃棄物・スクラップに対する低ワット熱出力の精密測定とバックグラウンド影響の評価 |
(*)DOE 施設の生産停止と D&D(除染・解体)移行に伴い、廃棄物・スクラップ・低発熱量核物質のカロリメトリ測定の需要が増加しており、その測定課題を整理した。低ワット品目では、熱出力が小さいため、バックグラウンド熱流・環境変動・装置安定性が測定精度に大きく影響することを実測データで示した。測定手順・装置設定・データ処理の最適化により、低発熱量物質でも信頼性の高いカロリメトリ測定が可能であることを示し、D&D 廃棄物管理への適用性を確認した。(LANL) | ||
| Calorimeter Signal Noise Analysis and Sample Power Prediction Improvement | J. A. Mason, A. C. Jones | ||
| カロリメータ信号ノイズの解析とサンプル熱出力予測の改善 ― ノイズ源の分離と予測アルゴリズム誤差低減による測定精度向上 | (*)カロリメータ測定におけるサンプル熱出力の終点予測(end‑point prediction)アルゴリズムを改善するため、信号ノイズの特性とその影響を詳細に解析した。ノイズ源(環境変動、装置ドリフト、電子ノイズ)を分離し、予測アルゴリズムの誤差要因を定量化することで、より安定した熱出力推定が可能となることを示した。改良した予測手法は、測定時間の短縮と精度向上の両立に寄与し、低ワット品目を含む幅広いカロリメトリ測定に適用可能であることが確認された。(LANL) | ||
| Calorimetric/Gamma-ray Assay of High Enriched Uranium | Walter W. Rodenburg, Clifford R. Rudy | ||
| 高濃縮ウランのカロリメトリ/ガンマ線アッセイ ― 熱出力とガンマ線スペクトルを統合した質量・同位体組成の高精度評価 | (*)高濃縮ウラン(HEU)は十分な熱出力とガンマ線を放出するため、カロリメトリ測定とガンマ線分析を組み合わせることで、質量・同位体組成の高精度アッセイが可能であることを示した。カロリメトリで得られる熱出力と、ガンマ線スペクトルから得られる同位体情報を統合し、HEU の質量推定精度を向上させる手法を評価した。実測データに基づき、両手法の補完性(熱出力の安定性とガンマ線の同位体識別能力)を示し、HEU アッセイにおける組合せ手法の有効性を確認した。(Mound Laboratory / EG&G Mound ) | ||
| Communicating Transportation Risk: Training for Effective Public Outreach | Judith A. Holm, Richard Tardif | ||
| 輸送リスクの伝達 ― 核物質輸送に関する住民対応・メディア対応能力を高めるための広報訓練プログラム |
(*)核物質輸送に対する公衆の懸念に適切に対応するため、DOE 職員および関係者が効果的にコミュニケーションを行う能力を高める必要性を指摘した。著者らは、輸送リスクの説明、住民との対話、メディア対応などを含む 広報訓練プログラム(training program) を開発し、その構成要素と教育手法を紹介した。初期の訓練実施結果から、体系的なコミュニケーション訓練は、誤解の低減・信頼構築・リスク理解の促進に有効であることが示された。(DOE) | ||
| Comparative State Approaches to Developing Disposal Facilities for Low-level Radioactive Waste | William F. Newberry | ||
| End(2) | (*)低レベル放射性廃棄物(LLW)の処分は連邦法により 州政府が責任主体 とされており、各州は独自の制度・手法で処分施設の開発を進めている。著者は、複数の州(および州間コンパクト)が採用したアプローチを比較し、立地選定、住民参加、規制調整、資金調達などの違いを分析した。比較結果から、成功例・課題・政策的示唆を抽出し、LLW 施設開発における州レベルの意思決定と実施戦略の多様性を明らかにした。(DOE) | ||
| Compliance or Good Control and Accountability | Bruce Erkkila | ||
| コンプライアンスか、良好な管理とアカウンタビリティか ― DOE MC&A 要件における形式遵守と実効的管理の違い |
(*)DOE の核物質管理・会計(MC&A)に関する既存および改訂中の DOE Order は、単なるコンプライアンス遵守ではなく、実効的な核物質管理とアカウンタビリティの確立を求めていることを指摘した。著者は、記録整備・測定制度・在庫差(ID)管理・内部統制など、「良い管理(Good Control)」を構成する要素を整理し、形式的遵守だけでは不十分であると論じた。そのうえで、MC&A の健全性を確保するためには、リスクに基づく管理、現場の運用実態の把握、継続的改善が不可欠であるとし、DOE Order の意図を解説した。(DOE) | ||
| Composite Waste Analysis System | Jack E. Malcom, C. Bonner, J. R. Wachter, R. C. Hagan | ||
| 複合廃棄物分析システム ― ガンマ線・中性子測定を統合した放射性廃棄物アッセイの高精度化 |
(*)放射性廃棄物の NDA(非破壊分析)は、核物質管理および廃棄物分類の双方に不可欠であり、複数の測定技術を統合した Composite Waste Analysis System の開発が進められた。このシステムは、ガンマ線測定・中性子測定・マトリックス補正などを組み合わせ、廃棄物ドラムの核物質量と放射能をより正確に評価することを目的としている。初期評価では、単一手法では困難なマトリックス効果の補正や低レベル核物質の検出に有効であり、廃棄物アッセイの信頼性向上に寄与することが示された。(WSRC) | ||
| Computer Simulation of a Nuclear Waste Tomography System | F. V. Frazzoli, M. Dionisi, P. Zeppa | ||
| 放射性廃棄物トモグラフィシステムのコンピュータシミュレーション ― 検出器配置・線源分布・再構成アルゴリズムを評価するためのモデル化 |
(*)ENEA とローマ大学は、放射性廃棄物ドラムの内部構造・放射能分布を評価するための トモグラフィ(断層撮影)システムの動作を模擬するコンピュータコードを開発した。シミュレーションでは、検出器配置、線源分布、散乱・減衰効果などをモデル化し、実際のトモグラフィ装置の性能・限界を事前に評価できるようにした。初期結果は、システム設計の最適化(検出器数、角度、再構成アルゴリズム選択)に有用であり、廃棄物 NDA の高精度化に寄与することを示した。(ENEA (Italian National Agency for New Technologies, Energy and the Environment), University of Rome) | ||
| Computer/Information Security Design Approaches for Complex 21/Reconfiguration Facilities | Neil R. Zack, Calvin D. Jaeger, William J. Hunteman | ||
| 複雑施設/再構成施設におけるコンピュータ・情報セキュリティ設計アプローチ ― LANL/SNL によるリスクベース防護と統合セキュリティアーキテクチャの構築」 |
(*)LANL と SNL は、DOE の指名により、核施設の再構成(reconfiguration)や複雑施設(complex 21)向けのコンピュータ/情報セキュリティ設計指針を策定する技術リードとして活動している。著者らは、アクセス制御、ネットワーク防護、データ保護、監査・検知機能などを統合した セキュリティアーキテクチャの設計アプローチを提示し、施設の運用形態に応じた柔軟な適用方法を議論した。初期の設計評価から、リスクベースのセキュリティ設計と、物理防護・保障措置との統合が、再構成施設の安全性と運用効率を高めるうえで重要であることが示された。(SNL, LANL) | ||
| Confirmation Measurement Experiences at the Savannah River Site Using a Portable Multi-channel Analyzer (U) | Ron D. Jeffcoat, Rosemary Monson | ||
| 可搬型マルチチャネルアナライザを用いたサバンナリバー・サイトでの確認測定の経験 ― 現場条件下でのガンマ線スペクトル測定と核物質計量管理における適用性 |
(*)SRS では、核物質の在庫確認(confirmation measurements)を効率化するため、可搬型マルチチャネルアナライザ(portable MCA) を用いた現場測定を実施し、その経験をまとめた。現場環境での MCA 測定では、遮へい条件、バックグラウンド、検出器配置などが測定精度に影響するため、運用上の工夫と補正手法が重要であることが示された。初期運用の結果、可搬型 MCA は迅速な確認測定に有効であり、SRS の MC&A プログラムにおける柔軟な測定手段として有用であることが確認された。(WSRC) | ||
| Cooperation Between JRC and SNL in the Field of Surveillance and Monitoring for International Safeguards | Charles S. Johnson, F. Sorel | 国際保障措置のための監視・モニタリング分野におけるJRCとSNLの協力 | |
| 国際保障措置のための監視・モニタリング分野における JRC と SNL の協力 ― C/S 技術の共同開発と IAEA 査察支援に向けた性能評価 <(C/S)技術:監視・モニタリング技術> |
(*)欧州共同体(CEC)と米国 DOE の協力協定の下で、JRC と SNL は国際保障措置向けの監視・モニタリング(C/S)技術の共同開発を進めている。共同研究では、監視カメラ、センサー、データ収集装置、封じ込め技術などの性能評価と改良を行い、IAEA の査察活動を支援するための実用的なシステムを検証した。初期成果として、両機関の技術的強みを統合することで、より信頼性が高く、運用性に優れた C/S システムの開発が加速していることが示された。(SNL, JRC) | ||
| Data Acquisition and Control System for the High-level Waste Tank Farm at Hanford, Washington | C. R. Hatcher, Hiroshi Hoida, Lorenzo A. Trujillo, H. D. Holt | ||
| ハンフォード高レベル廃液タンクファームのデータ取得・制御システム ― 可燃性ガス放出問題を抱えるタンク 241‑SY‑101 の監視・緩和実験を支援するリアルタイム計測基盤 |
(*)Hanford の高レベル廃液タンク 241‑SY‑101 は周期的に可燃性ガスを放出する問題を抱えており、そのガス蓄積・放出挙動を監視するための データ取得・制御システム(DACS) が開発された。DACS は、圧力・温度・ガス組成・撹拌装置の動作などをリアルタイムで監視し、ガス放出緩和(mitigation)実験の安全な実施を支援するよう設計されている。初期運用結果から、DACS はタンク挙動の理解と安全管理に不可欠であり、ガス放出リスクの低減に大きく寄与することが示された。(WHC) | ||
| Data Comparison Algorithms for Arms Control Treaty Verification | Alan M. Bieber Jr. | ||
| 軍備管理条約検証のためのデータ比較アルゴリズム ― TLI(Treaty-Limited Item)測定値と基準データの比較における誤差評価と異常検出手法 |
(*)軍備管理条約の検証では、条約制限対象物(TLI)に対する測定値を、名目値や過去の基準データと比較するアルゴリズムが不可欠であり、その信頼性が検証の成否を左右する。著者は、測定誤差、環境変動、装置特性などを考慮した ロバストなデータ比較手法を分析し、誤検知や偽陰性を減らすための改良点を提示した。初期評価では、統計的手法と物理モデルを組み合わせた比較アルゴリズムが、TLI の真正性確認と異常検出に有効であることが示された。(SNL) | ||
| Data Requirements for an Anomaly Detector in an Automated Safeguards System Using Neural Networks | R. Whiteson, J. J. Britschgi | ||
| ニューラルネットワークを用いた自動保障措置システムにおける異常検知器のデータ要件 ― 正常・異常データ構成と誤警報抑制のための学習条件 |
(*)ニューラルネットワークを用いた自動保障措置システムの異常検知器(anomaly detector)を構築するために、どのような種類・品質のデータが必要かを体系的に分析した。正常運転データ、異常事象データ、環境変動、センサー特性など、学習に必要なデータセットの構成要素を整理し、誤警報を抑えつつ異常を確実に検出するための条件を示した。初期評価では、適切に構成されたデータセットを用いることで、ニューラルネットワークは従来手法よりも高い異常検知性能を示し、自動化された保障措置システムの実現可能性が確認された。(LANL) | ||
| Demonstration of a Transportable Storage System for Spent Nuclear Fuel | Ken R. Miller, James R. Shetler | ||
| 使用済燃料の可搬型貯蔵システムの実証 ― 輸送・貯蔵を統合したモジュール型乾式システムの設計評価と運用試験 |
(*)使用済燃料の最終処分が未確定の状況において、DOE は interim storage(中間貯蔵)の選択肢として 可搬型乾式貯蔵システム(Transportable Storage System) の実証を進めている。著者らは、輸送容器と乾式貯蔵容器を統合したモジュール型システムの設計・運用試験を行い、燃料取り扱い、熱管理、遮へい性能、安全性を評価した。初期の実証結果は、可搬型システムが柔軟な貯蔵配置と輸送性を両立し、将来の SNF 管理戦略における有望な選択肢となり得ることを示した。(WHC) | ||
| Description of a Multipurpose Processing and Storage Complex for the Hanford Site’s Radioactive Material | D. H. Nyman, B. A. Wolfe, T. R. Hoertkorn | ||
| ハンフォード・サイトの放射性物質のための多目的処理・貯蔵コンプレックスの記述 ― 使用済燃料・特殊核物質・廃棄物の受入・処理・貯蔵を統合する施設概念 |
(*)防衛用核物質生産から廃止措置・環境修復へと使命が転換した Hanford Site において、放射性物質の処理・貯蔵を統合的に行う多目的コンプレックス(multipurpose complex) の必要性が高まっている。本論文は、使用済燃料、特殊核物質、固体廃棄物など多様な放射性物質を対象に、受入・処理・パッケージング・貯蔵を一体化した施設設計の概念を提示し、運用フローと安全要件を整理した。初期検討では、施設統合により安全性・効率性・コストの最適化が期待され、Hanford の長期的な廃止措置戦略における重要なインフラとなり得ることが示された。(WHC) | ||
| Design and Development of Two New Heat Standards Calorimeters | C. A. Heitkamp, W. E. Kesling, Walter W. Rodenburg | ||
| 2種類の新しい熱標準カロリメータの設計と開発 ― プルトニウム熱量計測の校正精度を高めるための安定発熱標準の構築 |
(*)プルトニウム熱量計測の精度向上のため、Mound Laboratory は 2種類の新しい熱標準(heat standards calorimeters) を設計・開発し、校正の信頼性を高めることを目的とした。新標準は、安定した発熱源、均一な熱伝達特性、長期安定性を備え、既存の校正手法の課題(ドリフト、再現性、熱結合の不均一性)を改善するよう設計されている。初期評価では、両標準とも高い再現性と安定性を示し、核物質アッセイ用熱量計の校正精度向上に有効であることが確認された。(Mound Laboratory / EG&G Mound Applied Technologies) | ||
| Design and Fabrication of the Uranium Drum Standards | S. T. Hsue, F. Hsue, S. M. Long, M. C. Miller | ||
| ウラン・ドラム標準体の設計と製作 ― SGS 校正のための均質ウラン配置とマトリックス効果低減を実現する標準体の構築 |
(*)低密度スクラップや廃棄物ドラムの核物質量を測定する SGS(分割型ガンマスキャナ)の精度向上のため、ウランを用いたドラム標準体(U drum standards) が設計・製作された。標準体は、既知量のウランを均一に配置し、マトリックス効果・自己吸収・幾何学的影響を最小化するよう設計され、SGS 校正に必要な再現性と安定性を確保している。初期評価では、これらの標準体が SGS の校正精度を大幅に改善し、廃棄物 NDA の信頼性向上に寄与することが示された。(LANL) | ||
| Design and Performance of a New High Accuracy Combined Small Sample Neutron/Gamma Detector | Howard Menlove, R. Wellum, D. Davidson, Jan Verplancke, H. G. Wagner, P. Vermeulen | ||
| 新型高精度小試料用中性子・ガンマ複合検出器の設計と性能 ― 多重度計測とガンマ線分析を統合した国際保障措置向け小試料アッセイ技術 |
(*)本研究では、測定井戸(well)を中心に配置した 中性子・ガンマ複合検出器(combined neutron/gamma detector) を新たに設計し、小試料の高精度アッセイを可能にすることを目指した。検出器は、中性子多重度計測とガンマ線スペクトロメトリを統合し、核種識別と核物質量評価を同時に行えるよう最適化されている。初期性能評価では、従来の単一モード検出器よりも高い感度と精度を示し、国際保障措置における小試料分析の信頼性向上に寄与することが確認された。(LANL, JRC) | ||
| Designing a National System to Account for and Control Nuclear Materials | William A. Higinbotham | ||
| 核物質を計量し管理する国家制度の設計 ― SSAC 構築に必要な法制度・組織体制・報告体系の要件 |
(*)核物質管理とは、国家が保有するすべての核物質を 計量(accounting)し、管理(control)する制度を構築することであり、各国は自国の状況に応じて SSAC を設計する必要がある。著者は、国家制度の設計に必要な要素として、法制度、組織体制、報告体系、検認(verification)、施設レベル MC&A との整合性を整理し、国家レベルと施設レベルの役割分担を明確化した。初期分析では、透明性・一貫性・検証可能性を備えた国家制度が、国際保障措置の信頼性向上と国内核セキュリティの強化に不可欠であることが示された。(BNL) | ||
| Detection of CBW Agents and Explosives With an Immunoassay Film Badge | H. R. Lukens | ||
| 抗体反応フィルムバッジによる CBW 剤および爆発物の検知 ― 小型・乾式バッジ型センサーによる蒸気相ターゲットの迅速スクリーニング |
(*)本研究では、化学剤・生物剤(CBW)および爆発物の蒸気を検知するための 小型・乾式の抗体反応フィルムバッジ(Antibody‑Reaction Film Badge) の実用性を評価した。バッジ表面に固定化された抗体が標的分子と反応し、可視的な変化(発色など) を示すことで、電源不要・携帯型の迅速スクリーニングを可能にする。初期試験では、爆発物蒸気や毒性化学剤に対して有望な感度を示し、現場での簡易検知ツールとしての有効性が確認された。(LANL) | ||
| Detection of Narcotics With an Immunoassay Film Badge | H. R. Lukens | ||
| 抗体反応フィルムバッジによる麻薬の検知 ― 小型・乾式バッジ型センサーを用いた蒸気相薬物の迅速スクリーニング |
(*)本研究では、麻薬(narcotics)の蒸気を検知するための 小型・乾式の抗体反応フィルムバッジ(Antibody‑Reaction Film Badge) の実用性を評価した。バッジ表面に固定化された抗体が薬物分子と反応し、可視的な変化(発色など) を示すことで、電源不要・携帯型の迅速スクリーニングを可能にする。初期試験では、薬物蒸気に対して良好な感度と選択性を示し、現場での簡易薬物検知ツールとして有望であることが確認された。(LANL) | ||
| Determining Importance and Grading of Items and Activities for the Yucca Mountain Project | Richard DeKlever, Bernard Verna | ||
| ユッカマウンテン計画における構成品目および活動の重要度評価とグレーディング ― 10 CFR 60 に基づくリスク対応型品質保証要求の適用手法 |
(*)Yucca Mountain Project(YMP)では、設計・建設・運用に関わる 構成品目(items)と活動(activities) を重要度に応じて分類し、適切な品質保証(QA)要求を適用する必要がある。RSN は、法規制(10 CFR 60)、DOE 要件、機能・安全性への影響を基準として、重要度分類(importance determination)とグレーディング手法 を体系化した。この手法により、リスクに応じた QA 適用が可能となり、YMP の設計・建設プロセスにおける効率性と安全性の両立が図られた。(Raytheon Services Nevada (RSN) ) | ||
| Development of a Basic Nuclear Materials Accounting Course for the DOE Central Training Academy: Learning to Be a Trainer | Francis E. Healy | ||
| DOE 中央訓練アカデミー向け基礎核物質計量管理コースの開発 ― 教材設計とトレーナー育成を組み合わせた MC&A 教育体系の構築 |
(*)DOE Central Training Academy(CTA)は、核物質計量管理(MC&A)の基礎を教える Basic Nuclear Materials Accounting(BANMAC)コース を開発し、DOE 施設の担当者教育を標準化しようとした。コース開発チーム(CDT)は、教育設計の専門家の支援を受けながら、教材開発・演習設計・評価手法・トレーナー育成(train‑the‑trainer) を体系化した。この取り組みにより、MC&A 教育の質が向上し、DOE 施設全体で一貫した核物質管理能力を確保するための基盤が整備された。(DOE Central Training Academy (CTA) ) | ||
| Development of a Demountable In-line Plutonium Calorimeter | J. A. Mason, N. Bainbridge | ||
| End(3) | 分解可能なインライン型プルトニウム・カロリメータの開発 ― 保守性向上と高感度測定を両立する新型熱量計構造 |
(*)本研究では、従来の in-line プルトニウム熱量計が抱えていた 保守性の悪さ・アクセス性の低さ を解決するため、高感度で分解可能(demountable)な in-line calorimeter を新たに開発した。新型装置は、測定セルを容易に取り外せる構造とし、サービス性の向上、ダウンタイムの削減、熱結合の最適化 を同時に実現している。初期性能評価では、従来型と同等以上の感度と安定性を示し、Pu アッセイの信頼性向上と運用効率の改善に寄与することが確認された。(AWE (Atomic Weapons Establishment), UK ) | |
| Development of an SNM Test Source Simulator | Walter R. Kane | ||
| SNM テストソース・シミュレータの開発 ― ポータルモニタの検知感度評価と背景放射線影響低減のための模擬放射源 |
(*)SNM(核兵器級核物質)を検知するポータルモニタの性能を最適化するため、背景放射線の影響を最小化しつつ検知感度を評価できる SNM テストソース・シミュレータが開発された。このシミュレータは、実際の核物質を使用せずに、中性子・ガンマ線の放射特性を模擬することで、ポータルモニタの調整・校正・比較試験を安全かつ再現性高く実施できるよう設計されている。初期評価では、実際の SNM を用いた試験結果と良好に一致し、標準化された性能試験ツールとして有効であることが確認された。(SNL) | ||
| Development of Guidelines for Optimal Selection and Deployment of Intrusion Detection Sensors | Charles R. Malone, Benny L. Carnes | ||
| 侵入検知センサの最適な選定と配置のためのガイドライン開発 ― 脅威・環境・性能を統合評価する IDS 設計(脅威・環境適合性)手法 |
(*)侵入検知センサを導入する際には、どのセンサを選ぶべきか、そして どのように配置すべきか の2点が最も重要であり、これらを体系的に判断するためのガイドラインが求められていた。著者らは、脅威シナリオ、環境条件、誤報率、検知性能、コスト、運用性などを総合的に評価し、最適なセンサ選定と配置(deployment)を行うための手順と基準 を整理した。このガイドラインは、DOE 施設を含む高セキュリティサイトにおいて、性能・信頼性・コスト効率を両立した IDS 設計 (脅威・環境適合性)を実現するための実務的ツールとして有効であることが示された。(SNL) | ||
| Development of High Efficiency Neutron Detectors | Mark M. Pickrell, H. O. Menlove | 高効率中性子検出器の開発 | |
| 高効率中性子検出器の開発 ― ³He 検出管と PE/黒鉛複合減速材を用いた高感度 NDA 用検出システム |
(*)本研究では、従来の ³He 検出管に ポリエチレン(PE)と黒鉛(graphite)の複合減速材を組み合わせることで、中性子検出効率を大幅に向上させる新型検出器システムを設計した。PE と黒鉛の最適配置により、熱化効率と散乱特性を改善し、高効率・高均一性の中性子応答を実現している。初期試験では、従来型検出器を上回る感度と安定性を示し、核物質アッセイ(特に Pu の受動中性子計測)における性能向上が確認された。(LANL) | ||
| Development of OCRWM Transportation System: Status and Plan | B. Teer, J. Carlson | ||
| DOE(OCRWM )輸送システムの開発:現状と計画 ― 高レベル放射性廃棄物輸送に向けたキャスク・運用・インフラの統合的整備 |
(*)本論文は、DOE(OCRWM) が進める 高レベル放射性廃棄物(HLW)および使用済燃料の全国輸送システム の開発状況と今後の計画を整理したものである。キャスク開発、輸送車両、運用手順、訓練、緊急時対応、インフラ整備など、輸送システムを構成する要素の統合的計画 が進められている。今後は、規制機関との調整、輸送ルート評価、州・地方政府との協力体制構築を進め、全国規模で安全かつ効率的な HLW 輸送ネットワークの実現を目指す。(DOE) | ||
| Development of Robotic Analysis for Input Solution Sample by Ion-exchange Separation and Isotope Dilution Method | Seiji Uchikoshi, M. Ishikawa, Y. Kato | ||
| イオン交換分離および同位体希釈法による入力溶液試料のロボット分析の開発 ― 再処理施設における MC&A タイムリネス向上のための自動化分析システム |
(*)本研究では、再処理施設の 入力溶液(input solution) の分析を迅速化・高精度化するため、イオン交換分離+同位体希釈法(IDMS)をロボットで自動実行する分析システム を開発した。ロボット化により、試薬添加、カラム操作、分離、分取、計量などの工程を自動化し、分析の再現性向上・作業者被ばく低減・処理能力向上 を実現した。初期評価では、従来の手分析と同等以上の精度を示し、再処理施設の MC&A(核物質計量管理)に必要なタイムリネス改善 に大きく寄与することが確認された。(PNC-Japan) | ||
| Development of Robotic Analysis for Mixed Oxide Sample by X-ray Fluorescence and Gamma-ray Spectrometric Method | Seiji Uchikoshi, M. Ishikawa, M. Midorikawa | ||
| X 線蛍光分析およびガンマ線スペクトロメトリ法による MOX 試料のロボット分析の開発 ― 再処理・MOX 製造施設における MC&A タイムリネス向上のための自動化分析システム |
(*)本研究では、MOX(Pu–U 混合酸化物)試料の分析を迅速化し、MC&A のタイムリネスを改善するため、XRF(蛍光 X 線分析)+ガンマ線スペクトロメトリをロボットで自動実行する分析システムを開発した。試料搬送、位置決め、測定、データ取得までを自動化し、作業者被ばく低減・分析の再現性向上・処理能力増大 を同時に実現した。初期評価では、従来の手分析と同等以上の精度を示し、MOX 製造・再処理施設における 核物質計量管理(MC&A)に必要な迅速分析手段 として有効性が確認された。(PNC) | ||
| Development Test Results of the Portable, Reconfigurable Sky Sensor (PRSS) | Daniel A. Blattman | ||
| 携行型再構成スカイセンサ(PRSS)の開発試験結果 ― 低空・低観測性空中侵入者に対する迅速展開型センサの性能評価 |
(*)PRSS(Portable, Reconfigurable Sky Sensor)は、低空・低観測性の空中侵入者(小型航空機、パラシュート侵入者、UAV 前史的対象)および水上侵入者 を検知するために開発された携行型センサである。センサは再構成可能(reconfigurable)で、任務・地形・脅威に応じて 配置・指向性・感度を現場で調整可能 とし、臨時展開や前線基地・重要施設の周辺防護に適する。開発試験では、低高度・低速度の侵入者に対して良好な検知性能を示し、空域監視のギャップを補完する軽量・迅速展開型センサ として有効性が確認された。(SNL) | ||
| Differential Pressure Corrections Calculated for a Tank Thermal Expansion Experiment | Frank E. Jones | ||
| タンク熱膨張実験における差圧補正の計算 ― バブラー管差圧測定に対する温度・密度変化補正による体積算定精度の向上 |
(*)タンクの熱膨張実験で得られたデータに対し、バブラー管(bubbler tube)による差圧測定の補正 を適用し、より正確な液位・体積変化を算出した。差圧測定には、温度変化に伴う 液体密度変化・気泡圧力変化・配管系の熱的影響 が含まれるため、これらを理論的に補正する手法を提示した。補正後のデータは、タンクの熱膨張挙動をより正確に反映し、体積較正(calibration)や核物質計量におけるタンク計測の精度向上 に寄与することが示された。(NIST) | ||
| DOE’s New Advanced & Simplified VA Technique | Ronald E. Timm | ||
| DOE の新しい高度・簡素化 VA (脆弱性評価)手法 ― 電子セキュリティシステムの弱点を迅速に特定するための実務的アプローチ |
(*)多くのセキュリティシステムは設計が不十分で容易に突破されるという経験から、DOE は より実践的で簡素化された脆弱性評価(VA)手法 を開発した。新手法は、複雑なモデル化よりも 脅威・資産・対策の関係を直感的に把握できる分析フレームワーク を重視し、現場担当者でも実施可能な構造となっている。このアプローチにより、VA の一貫性・再現性が向上し、電子セキュリティシステムの弱点を迅速に特定し改善につなげる ことが可能となった。(Timm & Associates, Inc.(物理防護・VA コンサルタント) ) | ||
| Effective Public Outreach Through Exhibits | MaryJo Acke, Kristine Lavery, Cheryl Sandoz | ||
| 展示を通じた効果的なパブリック・アウトリーチ ― 核関連テーマの理解促進と信頼構築のための展示設計アプローチ |
(*)本論文は、核関連テーマに対する 効果的なパブリック・アウトリーチ(Public Outreach) を実現するために、展示(Exhibits)が果たす役割と設計原則を整理したものである。展示は、複雑で誤解されやすい核技術・安全・輸送・廃棄物管理などの情報を、視覚的・体験的に理解させる強力なコミュニケーション手段 として機能する。成功する展示には、明確なメッセージ、ターゲット層の理解、双方向性、専門家との協働が不可欠であり、誤解の解消・信頼構築・リスクコミュニケーションの改善 に大きく寄与することが示された。(DOE) | ||
| ENERGY: THE ENGINEER AS A COMMUNICATOR | A. David Rossin | ||
| エネルギー:コミュニケーターとしての技術者 ― 複雑で論争的なエネルギー問題を社会に伝える専門家の役割 |
(*)本講演は、エネルギー問題がなぜ重要で、なぜ常に論争の的になるのかを示し、技術者が社会に対して説明責任を果たす必要性 を強調している。エネルギーは経済・生活・安全保障に不可欠であるにもかかわらず、一般市民はその複雑さを理解しにくく、誤解や不信が議論を混乱させる。技術者は専門知識を分かりやすく伝え、社会的対話に積極的に参加することで、健全なエネルギー政策形成に貢献すべき と論じている。(DOE) | ||
| Enhancing the Reliability of Lithium Batteries for Safeguards Applications | Steve Kadner, Kevin Ferguson | ||
| 保障措置用途におけるリチウム電池の信頼性向上 ー長期無人運用を支えるリチウム電池への温度・負荷・品質ばらつきへの対策による電源寿命の改善 |
(*)保障措置機器では、長期間の無人運用が求められるため、リチウム電池の信頼性 がシステム全体の性能を左右する。しかしリチウム電池は、温度依存性、自己放電、製造ばらつき、過負荷時の劣化などの問題があり、実フィールドでは期待通りの寿命を示さない ことが多い。本研究は、電池選定、負荷管理、温度制御、品質評価などの改善策を提示し、保障措置機器の長期安定運用に必要な電源信頼性向上の手法 を示した。(Aquila Technologies Group, Inc. ) | ||
| Environmentally Induced Variation in the Detectability of Fence-mounted Intrusion Detection Systems | Lindamae Peck | ||
| フェンス設置型侵入検知システム(IDS) の検知性能に対する環境条件の影響 ― 季節変化によるフェンス剛性の変動と検知率の変化 |
(*)CRREL の試験施設に設置されたフェンス型侵入検知システム(IDS)について、季節変化が検知性能に与える影響 を評価した。チェーンリンクフェンスの剛性は、気温・湿度・凍結・積雪などの環境条件により大きく変化し、同じ侵入刺激でも季節によってセンサ応答が異なる ことが確認された。これらの環境誘起変動を理解し補正することで、誤報の低減・検知率の安定化・季節別チューニングの必要性 が明確になった。(U.S. Army Cold Regions Research and Engineering Laboratory (CRREL) ) | ||
| Establishing a Volumetric Measurement Control Program | Eleanor W. Jenkins, Stephen H. Holt | ||
| 体積測定管理プログラムの確立 ― タンク較正・差圧測定・温度補正を統合した液体系 MC&A の精度向上 |
(*)SRS では核物質の大部分が溶液形態で存在するため、体積測定(volumetric measurement) が核物質計量の基盤となる。本論文は、タンク較正、差圧測定、温度補正、計測器の品質管理などを体系化した 体積測定管理プログラム(Volumetric Measurement Control Program) の構築方法を示した。このプログラムにより、測定誤差の低減、計量の一貫性向上、監査対応の強化が可能となり、液体系施設における MC&A の信頼性を大幅に向上 させた。(SRS) | ||
| Establishment of NDE/NDA System Performance Standards | William W. Weston | NDE/NDAシステム性能基準の確立 | |
| (*)本論文は、保障措置や物理防護で使用される NDE(非破壊検査)/NDA(非破壊分析)システムの性能基準 を確立する必要性を論じている。現場で使用される機器は、環境条件・運用者の熟練度・対象物のばらつきにより性能が大きく変動するため、統一された性能試験・校正・品質管理の枠組み が不可欠である。Weston は、試験手順、性能指標、受入基準、定期再評価などを含む 標準化された性能評価プログラム の構築を提案し、NDA/NDE の信頼性向上に寄与することを示した。(SNL) | |||
| Evaluation and Application of Commercial Environmental Measurement Techniques for the Monitoring and Detection of Nuclear Fuel Cycle Activities | Adam L. Hamilton, Larry J. Holcombe, D W. Swindle | ||
| 核燃料サイクル活動の監視・検知のための商用環境測定技術の評価と応用 大気・水・土壌分析を用いた核活動の兆候検知 |
(*)IAEA の最近の査察結果から、核燃料サイクル活動を検知するための環境測定技術の重要性が増している ことが明らかになった。本研究は、商用の環境測定技術(大気・水・土壌サンプリング、化学分析、放射線測定など)を評価し、核燃料サイクル活動の監視に応用可能か を検討した。その結果、特定の商用技術は、核活動の兆候(排出物・化学指標・放射性粒子)を検知するために有効であり、IAEA の補完的監視手段として利用可能 であることが示された。(ORNL) | ||
| Evaluation of Automatic Detection of Humans and Vehicles | Richard F. Davis, Daniel A. Pritchard | ||
| 人および車両の自動検知技術の評価と応用 ― VISDTA 広域監視システムにおける画像処理ベースの検知性能分析 |
(*)本論文は、広域監視システム VISDTA(Video Imaging System for Detection, Tracking, and Assessment) の自動検知性能を評価し、人間および車両の検知・追跡能力を分析した。VISDTA は画像処理アルゴリズムを用いて、広範囲の地形における移動物体を自動的に識別するが、背景変動・照明条件・地形の複雑さ により性能が大きく左右されることが確認された。評価結果から、アルゴリズム改良、環境適応型処理、センサ融合の必要性が示され、広域自動監視システムの実運用に向けた課題と改善方向 が明確になった。(SNL) | ||
| Evaluation of In-plant Neutron Coincidence Counters for the Measurement of Molten Salt Extraction Residues | D. G. Langner, P. A. Russo, Joseph R. Wachter | 溶融塩抽出残渣測定のための工場内中性子同時計数計の評価 | |
| 溶融塩抽出残渣の測定における施設内中性子コインシデンスカウンタの評価 ―― MSE プロセスで生成される Pu・Am 混在残渣に対する NDA 測定の適用性と限界を明らかにする検討 |
(*)プルトニウムからアメリシウムを抽出する MSE(Molten Salt Extraction)プロセス では、アメリシウムを含む残渣塩が大量に発生し、これらの核物質量を正確に測定する必要がある。本研究は、施設内で使用可能な 中性子コインシデンスカウンタ(neutron coincidence counters) を用いて、MSE 残渣の Pu・Am 含有量を測定する際の性能・限界・誤差要因を評価した。結果として、塩の化学組成・水分・自己遮蔽・Am の高い自発核分裂率などが測定精度に影響することが示され、適切な校正・補正モデルを導入することで実用的な測定が可能 であることが確認された。(LANL) | ||
| Evaluation of the Aquila Prototype Generic Review Station (GRS) | J. Whichello, S. Kadner, K.J. Gartner, M. Doppke | ||
| Aquila 試作汎用レビュー装置(GRS)の評価 ― IAEA 監視データを単一プラットフォームでレビューするための互換性・操作性・性能分析 |
(*)本研究は、IAEA が複数の監視システム(ビデオカメラ、デジタル記録装置、タイムラプス装置など)からのデータを 単一の装置でレビューできるようにするための汎用レビュー装置(GRS) の性能を評価した。GRS は、異なるメーカー・異なる世代の監視装置のビデオフォーマットを統一的に扱い、査察官が効率的に映像を確認できるよう設計されているが、互換性・操作性・画像品質 に課題があることが明らかになった。評価の結果、インターフェース改善、フォーマット変換機能の強化、データ管理機能の追加などが必要であり、IAEA の監視レビュー作業を効率化するための改良方向が示された。(IAEA, Aquila Technologies Group, Inc. ) | ||
| Factory Support – The Development of a Strategy for the Factory Support of a Fielded Surveillance System | James A. Coffing, Jesse Bozone | ||
| End(4) | 現場配備された監視システムに対するファクトリーサポート戦略の構築 ― MIVS の長期安定運用を支える故障解析・品質保証・構成管理の体系化 |
(*)1992〜1993 年にかけて、Aquila と IAEA は MIVS(Modular Integrated Video System)の実運用を支えるため、工場側(Factory)でのサポート体制を確立するプログラム を実施した。このプログラムでは、故障解析、部品交換、ソフトウェア更新、品質保証、構成管理(configuration control)など、フィールドで稼働する監視装置を継続的に支援する仕組み を整備した。その結果、MIVS の信頼性向上、ダウンタイムの削減、査察官の運用負荷軽減が実現し、IAEA の監視システムを長期的に維持するためのサポート戦略の重要性 が明確になった。(Aquila Technologies Group, Inc.) | |
| Feasibility of Dry Cask-to-cask and Pool-to-cask Spent Fuel Transfer Based on Single-Element Transfer Cask Experience | Duane S. Schmoker, Rita Bowser | ||
| 単一要素移送キャスクの経験に基づく、乾式キャスク間およびプールからキャスクへの使用済燃料移送の実現可能性 | (*)本研究は、単一燃料要素を移送するために開発された Single-Element Transfer Cask(SETC) の運用経験を基に、乾式キャスク間移送(cask-to-cask) および プールから乾式キャスクへの移送(pool-to-cask) の実現可能性を評価した。SETC の使用実績から、遮へい性能、熱管理、燃料取り扱い手順、施設側インフラ要求などの運用データを収集し、より大型の乾式貯蔵キャスクへの適用性 を検討した。その結果、適切な治具・手順・安全解析を整備すれば、乾式キャスク間移送やプールからの直接装荷は技術的に可能であり、使用済燃料管理の柔軟性向上と運用コスト削減につながる ことが示された。(WEC) | ||
| Fl BLOC – An Optical Fiber Intrusion Location Sensor for Perimeter Protection and Intruder Identification | Walter K. Kahn, Gerald F. Ross, Joseph D. Delorenzo | ||
| FlBLOC ― 周界防護および侵入者識別のための光ファイバ侵入位置検知センサ | (*)FlBLOC は、光ファイバケーブルに沿って発生する振動・曲げ・衝撃を解析し、侵入位置を特定(location sensing) できる周界警備用センサシステムである。本論文では、ANRO の特許技術に基づく FlBLOC の構造、信号処理方式、位置特定アルゴリズム、フェンス・地中・壁面などへの適用性を評価した。試験結果から、FlBLOC は高い位置特定精度と誤報耐性を示し、侵入者の識別(intruder identification)や周界監視の高度化に有効 であることが確認された。(ANRO Engineering, Inc. ) | ||
| Formation of a Performance-based MC&A Assessment Program | Heidi D. Johnson, Douglas A. Wolf | ||
| 性能ベースの MC&A 評価プログラムの構築 ― DOE Order 5633.3 に基づく要求適合性と性能能力を検証するための評価枠組みの整備 |
(*)DOE Order 5633.3 に基づき、核物質を保有する施設は MC&A(核物質管理・計量管理)システムの健全性・品質を評価するプログラムを確立することが求められた。WSRC では、この要件に応じて、要求事項への適合性と性能試験に基づくシステム能力を評価する「性能ベース評価グループ」を MC&A 部門内に設置した。評価は管理・封じ込め・計量・測定・在庫の 5 領域を対象とし、報告書は MC&A プログラムの品質保証と核物質防護能力の裏付けとして活用される。(WSRC) | ||
| Frequency of Attack and the Safeguards, and Security Risk Evaluation Process | David R. Pickering | ||
| 攻撃頻度と核物質防護・セキュリティのリスク評価プロセス ― 防護システムの質的要素を考慮した攻撃確率評価手法の体系化 |
(*)政治的・財政的要因により、核物質防護(S&S)政策の見直しが進む中、攻撃頻度(Frequency of Attack)を低く評価する議論が DOE 施設で広がっている。著者は、攻撃確率が低いのは「脅威が小さいから」ではなく、武装警備・物理障壁などの防護システムが強固で、核施設が“hard target”として機能しているためであると指摘する。本論文は、攻撃発生確率に影響する“質的”防護要素を定量化するため、AHP(Analytic Hierarchy Process)を用いたリスク評価手法を提示し、DOE の Design Basis Threat における内部脅威例でその適用性を示す。(Ogden Environmental and Energy Services Company) | ||
| Full Height Determinations of Materials in Sealed Cans Using a Transmission Source and a Multichannel Sealing Technique | Robert N. Ceo, L. Lloyd Collins | ||
| 透過線源と多チャンネルシーリング技術を用いた密封缶内材料の全高測定 ― 密封容器を開封せずに内容物高さを推定するための透過測定手法の高度化 |
(*)密封缶に収納された核物質の内容物高さ(full-height)を非破壊で測定するため、透過線源と多チャンネル検出器を組み合わせた新しい測定手法を開発した。多チャンネル化により、透過強度の空間分布を取得し、缶内部の充填高さを高精度で推定できることを示した。本手法は、密封容器の開封を伴わない在庫確認や MC&A の測定精度向上に寄与し、SRS での実運用に適用可能であることが示された。(WSRC) | ||
| Gamma Scanning at High Count Rates of Irradiated BWR Fuel for Safeguard Purposes | L. Hildingsson, Anders Backlin | 保障措置目的の照射済みBWR燃料の高計数率ガンマ線スキャニング | |
| 保障措置目的のための照射済 BWR 燃料に対する高計数率ガンマスキャン ― 高燃焼度燃料における ¹³⁷Cs スキャンの線形性確保と計数率特性の改善 |
(*)使用済 BWR 燃料のバーンアップ評価に用いられる ¹³⁷Cs ガンマ線スキャンは、保障措置目的で長年利用されてきたが、高計数率条件では検出器の死時間やパイルアップが問題となる。本研究は、高計数率下でも線形応答を維持できる検出器・電子回路系の改良を行い、照射燃料のガンマスキャン精度を向上させた。改良システムにより、高燃焼度燃料でも安定したスペクトル取得が可能となり、保障措置における燃焼度確認の信頼性向上に寄与することが示された。(Swedish Nuclear Fuel and Waste Management Company (SKB)) | ||
| Gamma-Ray Spectral Analysis Software Designed for Extreme Ease of Use or Unattended Operation | William M. Buckley, William Romine, Joseph B. Carlson | ||
| 極めて容易な操作性または無人運転を目的として設計されたガンマ線スペクトル解析ソフトウェア ― GUI 化と自動処理対応、ならびに MGA 手法の精度改善に向けた統合的開発 |
(*)核物質管理向けの同位体分析ソフトウェアを、GUI による操作性向上と、無人運転・自動処理向けの最小 UI の両方向で高度化した。MS‑Windows 上で動作するスペクトル閲覧エンジンを開発し、データ解析・取得・装置制御の共通 UI として統合する構想を示した。プルトニウム同位体比解析コード MGA の精度低下や誤差発生事例を調査し、手法拡張・置換により、専門家介入なしで広範な条件に対応可能とする改良を進めた。(LLNL) | ||
| GEMINI -Test of a Digital Surveillance System | C. Martinez, Steve Kadner, Mark Bronson | ||
| GEMINI ― デジタル監視システムの試験 ― Euratom 既存カメラのデジタル置換を目指した性能評価と運用信頼性の検証 |
(*)GEMINI は Euratom の Twin Minolta カメラを全デジタル化して置き換えるために開発された双子カメラ監視システムであり、1992 年に初期試験が実施された。試験では、画像品質、データ取得の安定性、長期連続運転、照明条件変化への耐性など、保障措置監視に必要な性能を重点的に評価した。結果として、デジタル化による信頼性向上と運用効率化の可能性が示され、Euratom 既存システムの後継候補として実装改善が進められた。(SNL, LANL) | ||
| Greater-than-class C Low-level Radioactive Waste: The Elastic Waste Stream | William F. Newberry | ||
| Class C を超える低レベル放射性廃棄物:不確実性の大きい廃棄物流 ― 規制境界の揺らぎと発生量変動が処分計画に与える影響 |
(*)1985 年 LLW 政策改正法により GTCC 廃棄物は DOE の責任となり、発生量・特性・規制境界が揺らぎやすい「不確実性の大きい廃棄物流」として扱う必要が生じた。GTCC の分類境界(Class C 超過)の曖昧さ、発生者側の管理方針の違い、将来の発生量変動などが、処分施設の容量設計・性能評価・コスト見積りを困難にしている。DOE は、発生量推計モデルの改善、規制機関との整合化、処分オプションの柔軟化を進め、長期的に安定した GTCC 管理体系の確立を目指している。(DOE) | ||
| High Wattage Calorimeter System for Measurement of the EP-61 Container | P. W. Kasperski, K. L. Breakall, D. P. Renz | ||
| EP‑61 コンテナ測定用の高発熱量カロリメータシステム ― 大型・高発熱試料に対応した熱制御最適化と測定精度の維持 |
(*)EG&G Mound は、EP‑61 コンテナに収納された高発熱量(high wattage)核物質を、従来と同等の精度を維持しつつ測定できる新型カロリメータを開発した。高ワット試料特有の熱負荷・温度勾配・安定化時間の課題に対し、断熱構造・熱制御・計測アルゴリズムを最適化し、長期安定性と再現性を確保した。実測試験では、EP‑61 コンテナの大型・高熱出力条件下でも信頼性の高い熱出力測定が可能であることが確認され、施設運用への適用性が示された。(EG&G Mound Applied Technologies) | ||
| High-level Quality for Low-Level Radioactive Waste | Don Sayre | ||
| 低レベル放射性廃棄物に対する高レベルの品質確保 ― NRC が求める合理的保証(reasonable assurance)を満たすための品質管理と性能評価 |
(*)LLW 処分場の所有者・運転者は、サイトの安全性・性能が規制要件を満たすことを NRC に対し「合理的保証(reasonable assurance)」として示す必要がある。この合理的保証を成立させるには、品質保証(QA)・運転管理・データ信頼性・性能評価の各要素を高いレベルで統合し、LLW であっても 高レベルの品質管理(high‑level quality) を適用することが不可欠である。論文は、規制遵守を確実にするための QA プログラムの構成要素、審査で重視されるポイント、そして LLW 処分事業者が直面する実務的課題を整理している。(NRC) | ||
| IAEA Safeguards and Detection of Undeclared Nuclear Activites | R. J. S. Harry | ||
| IAEA 保障措置と未申告核活動の検知 ― 申告の完全性確保と国家全体を対象とした包括的検証アプローチの必要性 |
(*)IAEA 保障措置の核心は、加盟国の申告内容が正確であるだけでなく、未申告核活動が存在しないことを合理的に検証する「完全性(completeness)」の確保にある。イラク事例以降、申告外活動の検知は国際社会の最重要課題となり、環境サンプリング、広域監視、情報解析などの新手法の導入が求められている。論文は、従来の施設中心の検認から、国家全体の核活動を俯瞰する包括的アプローチへの転換の必要性を論じ、IAEA が直面する技術的・制度的課題を整理している。(IAEA) | ||
| Impact of Different Backgrounds on Thermal Infrared IDS Performance | ames Lacombe | ||
| 熱赤外線侵入検知システム性能に対する背景条件の影響 ― 背景温度・地表面特性・コントラスト差が検知能力に及ぼす支配的要因の解析 |
(*)受動型熱赤外線 IDS(thermal IR IDS)の性能は、背景温度・地表面特性・植生・建造物など、視野内の背景条件の違いによって大きく変動する。背景が高温・低コントラストの場合は侵入者との温度差が小さくなり検知能力が低下し、逆に低温・高コントラスト背景では検知性能が向上するなど、背景の熱的特性が S/N 比を支配する。実験結果は、センサ設置位置の最適化、背景の熱挙動を考慮した感度設定、誤報低減のための環境評価が不可欠であることを示している。(SNL) | ||
| Implementation of Linear Bias Corrections for Calorimeters at Mound | Tina M. Barnett | ||
| Mound におけるカロリメータの線形バイアス補正の実装 ― 標準試料に基づく系統誤差推定と測定精度向上のための統一的補正手法 |
(*)Mound では従来、各カロリメータの較正時に相対バイアス補正を行っていたが、測定範囲全体で一貫した補正を行うために 線形バイアス補正(linear bias correction) を導入した。この手法は、複数の標準試料データから線形回帰により系統誤差を推定し、測定値に対して統一的に補正を適用することで、装置間のばらつきと長期ドリフトを低減する。適用結果として、測定精度・再現性が向上し、Mound の高精度カロリメトリ運用における品質管理の一貫性が強化された。(EG&G Mound Applied Technologies(DOE Mound Facility)) | ||
| Improvement of Safeguards by Remote Data Transmission and Evaluation of Satellite Data | W. Fischer, Bernd Richter, W. D. Lauppe | ||
| 遠隔データ伝送と衛星データ評価による保障措置の強化 ― 未申告活動検知のための遠隔監視と広域情報解析の導入可能性 |
(*)一部の国家が NPT を違反し IAEA 保障措置を損なった事例を受け、未申告活動の検知能力を強化するための遠隔データ伝送と衛星データの活用が重要課題として浮上した。遠隔監視は、査察官の現地滞在を減らしつつ、封印・監視装置のデータを継続的に取得することで、特別査察の必要性を判断するための客観的根拠を提供する。衛星画像解析は、核関連施設の建設・改変・活動兆候を広域的に把握する手段として有望であり、IAEA の検証能力を補完する技術として評価されている。(Euratom) | ||
| Information Sources for Transparency Measures at Sensitive Facilities | Chad T. Olinger, William D. Stanbro, D. A. Close, B. Kniss | ||
| 機微施設における透明性措置のための情報源 ― 核兵器解体の信頼醸成に向けた多層的情報活用と協力的監視の枠組み |
(*)透明性(transparency)とは、核兵器解体などの敏感な活動について、相手国に対し「約束どおり実施されている」ことを安心させるための情報提供・検証手段を指し、その実現には多様な情報源の活用が不可欠である。施設の安全性や機微情報を損なわずに透明性を確保するため、公開情報、環境データ、監視装置データ、協力的測定(cooperative monitoring)など、機密度の異なる複数の情報レベルを組み合わせる枠組みが検討されている。論文は、透明性措置に利用可能な情報源の分類、信頼性評価、相互検証の仕組みを整理し、将来の軍備管理・解体検証における実装可能性を論じている。(LANL) | ||
| Information Surety for Today and Tomorrow | Sharon K. Fletcher | ||
| 今日と将来に向けた情報確実性 ― 機密性・完全性・可用性を統合した多層防護と将来システムへの展開 |
(*)Information Surety とは、情報およびソフトウェアシステムの 機密性・完全性・可用性(CIA)を強化する総合的概念であり、従来の情報セキュリティを拡張した枠組みとして位置づけられる。今日のシステムはネットワーク化・自動化が進み、脅威の多様化に伴い、暗号・アクセス制御・監査・障害耐性など複数の技術を統合した 多層的防護アプローチ が不可欠となっている。将来のシステムでは、ソフトウェア信頼性、リアルタイム監視、自己診断機能など、継続的に安全性を維持する仕組みが重要となり、情報確実性(surety)の概念はさらに拡張されると論じている。(SNL) | ||
| Integrated Safeguards and Security for a Highly Automated Process | Neil R. Zack, Calvin D. Jaeger, William J. Hunteman | ||
| 高度自動化プロセスにおける統合保障措置・セキュリティ ― 自動化・ネットワーク化された核施設に向けたリアルタイム監視と統合的防護アーキテクチャ |
(*)トリチウム生産のための New Production Reactor(NPR)計画では、反応炉および関連プロセスが高度に自動化されており、保障措置(safeguards)と物理的セキュリティ(security)を統合的に設計する必要性が強く認識されていた。自動化されたプロセスでは、計測・制御・データ管理がネットワーク化されるため、核物質計量管理(NMC&A)、アクセス制御、システム監視を統合した リアルタイムの異常検知・相関分析 が不可欠となる。論文は、NPR 計画で検討された統合アーキテクチャを例に、自動化プロセスにおける保障措置・セキュリティの同時最適化の考え方と、将来施設への適用可能性を論じている。(LANL) | ||
| Interacting with a Security System: The Argus User Interface | Gregory Davis, Ervin Behrin | ||
| 高度自動化プロセスにおける統合保障措置・セキュリティ ― 自動化・ネットワーク化された核施設に向けたリアルタイム監視と統合的防護アーキテクチャ |
(*)トリチウム生産のための New Production Reactor(NPR)計画では、反応炉および関連プロセスが高度に自動化されており、保障措置(safeguards)と物理的セキュリティ(security)を統合的に設計する必要性が強く認識されていた。自動化されたプロセスでは、計測・制御・データ管理がネットワーク化されるため、核物質計量管理(NMC&A)、アクセス制御、システム監視を統合した リアルタイムの異常検知・相関分析 が不可欠となる。論文は、NPR 計画で検討された統合アーキテクチャを例に、自動化プロセスにおける保障措置・セキュリティの同時最適化の考え方と、将来施設への適用可能性を論じている。(LANL) | ||
| Interactive Computer-based Instruction: Basic Material Control & Accounting Demonstration | Bernard Keisch | ||
| End(5) | 高度自動化プロセスにおける統合保障措置・セキュリティ ― 自動化・ネットワーク化された核施設に向けたリアルタイム監視と統合的防護アーキテクチャ |
(*)トリチウム生産のための New Production Reactor(NPR)計画では、反応炉および関連プロセスが高度に自動化されており、保障措置(safeguards)と物理的セキュリティ(security)を統合的に設計する必要性が強く認識されていた。自動化されたプロセスでは、計測・制御・データ管理がネットワーク化されるため、核物質計量管理(NMC&A)、アクセス制御、システム監視を統合した リアルタイムの異常検知・相関分析 が不可欠となる。論文は、NPR 計画で検討された統合アーキテクチャを例に、自動化プロセスにおける保障措置・セキュリティの同時最適化の考え方と、将来施設への適用可能性を論じている。(LANL) | |
| International Verification of Nuclear Disarmament | Thomas E. Shea | ||
| 核軍縮の国際検証 ― NPT 義務に基づく厳格かつ効果的な国際管理と、完全性確保のための検証手法 |
(*)NPT に加盟するすべての国は、核軍縮に関する厳格かつ効果的な国際管理を確立する義務を負っており、その実現には 核軍縮措置を国際的に検証する枠組み が不可欠である。申告の正確性だけでなく、未申告活動の不存在を含む「完全性(completeness)」を検証するため、IAEA 保障措置の経験を基盤に、軍縮向けの新たな検証手法(封印・監視、環境サンプリング、協力的測定など)が検討されている。論文は、国家安全保障上の機微情報を保護しつつ、国際社会が信頼できる軍縮検証を実施するための制度的・技術的課題を整理し、将来の国際軍縮体制の方向性を論じている。(IAEA) | ||
| Investigations of the Performance and Nondestructive Assay applications of the EMR/Schlumberger Neutron Generator |
Mark M. Pickrell, Mehzrad Mahdavi | ||
| EMR/Schlumberger 中性子発生器の性能および NDA 応用の検討 ― アクティブ中性子照射による核分裂性物質応答の評価と適用可能性 <EMR/Schlumberger neutron generator は、 |
(*)LANL と EMR/Schlumberger は、EMR 中性子発生器システムを用いた アクティブ中性子照射による非破壊測定(NDA) の性能評価を共同で実施している。本研究では、発生器の中性子出力、パルス特性、安定性、バックグラウンド条件を測定し、核分裂性物質の誘導応答(prompt/delayed neutrons)を高精度に取得できるかを検証した。初期結果は、EMR 発生器が複数の NDA 手法(active coincidence、differential die-away、multiplicity analysis)に適用可能であり、既存の NDA システムの性能向上に寄与する可能性を示している。(LANL) | ||
| Issues in Sabotage Vulnerability Assessments | Thomas Edmunds, David S. Fortney | ||
| サボタージュ脆弱性評価における課題 ― DOE 政策変更を受けた統合的リスク評価の要件と実務上の問題点 |
(*)DOE の政策変更により、施設防護における サボタージュ脆弱性評価(SVA) を、より包括的かつ統合的に実施することが求められるようになった。SVA では、脅威定義、攻撃シナリオ、施設応答、結果評価(consequence analysis)を一貫した枠組みで扱う必要があるが、実務では 評価範囲の不統一、データ不足、モデルの不確実性 などの課題が顕在化している。論文は、SVA の信頼性を高めるために、脅威情報の標準化、シナリオ生成の体系化、結果評価の透明性向上など、DOE 施設に共通する改善ポイントを整理している。(LLNL) | ||
| LAN MAS Alpha Configured for Sandia National Laboratories and Paducah Gaseous Diffusion Plant | L. P. McRae, E. A. Kern, Al Alvarado, Jere T. Bracey | ||
| LANMAS Alpha の SNL/Paducah 向け構成 ― ネットワーク化核物質計量管理システムの初期実装と施設適用性の評価 |
(*)ANL と Westinghouse Hanford は、核物質計量管理(NMC&A)の標準化と近代化を目的として LANMAS Alpha を開発し、SNL と Paducah GDP 向けに構成した。LANMAS Alpha は、ネットワーク環境で核物質計量管理データを統合管理する初期アーキテクチャを提供し、施設固有要件に合わせたモジュール構成が試行された。初期導入の結果、ユーザビリティ、データ整合性、報告機能などの改善点が明らかとなり、後続の Beta 版・正式版に向けた重要なフィードバックが得られた。(SNL, WHC) | ||
| Large Capacity Water and Air Bath Calorimeters | S. J. James, P. W. Kasperski, D. P. Renz, J. R. Wetzel | ||
| 大容量水槽式・空気槽式カロリメータ ― 11×17 インチ試料対応の熱安定化設計と大質量試料の精密熱測定 |
(*)Mound は、11×17 インチの大型試料を測定できる水槽式(water bath)および空気槽式(air bath)カロリメータを新たに開発し、大容量試料の熱出力測定ニーズに対応した。水槽式は高い熱安定性と低ノイズを実現し、空気槽式は取り扱いの容易さと保守性に優れ、いずれも大型試料の熱平衡到達時間や熱損失特性を最適化する設計が施されている。初期性能評価では、従来の小型カロリメータでは困難だった 大質量・高体積試料の精密熱測定が可能であることが示され、Mound の NDA カロリメトリ能力が大幅に拡張された。(EG&G Mound Applied Technologies) | ||
| Local Government Network: an Interactive Approach to Issue Resolution | Judy Schwab, Alex Thrower, John Burge | ||
| 地方政府ネットワーク(LGN) ― 危険物・放射性物質輸送に関する課題を地方政府と連邦政府が共同で解決する対話型枠組み |
(*)Local Government Network(LGN)は、危険物・放射性物質輸送に関心を持つ 地方政府の公職者と連邦政府担当者を結びつける対話型ネットワークであり、輸送政策に関する懸念や課題を共有・解決する場として設計されている。LGN は、情報提供、双方向コミュニケーション、ワークショップ、技術支援を通じて、地方政府が輸送安全・緊急対応・規制調整に関する問題を迅速に解決できるよう支援する。初期運用の結果、地方政府の理解促進、誤解の解消、政策形成への参加強化など、輸送プログラムの信頼性向上に寄与する効果が確認された。(DOE) | ||
| Low-level Pu & Am Drum Waste Assay with Monte Carlo Modeling | Robert Buehl | ||
| 低レベル Pu/Am ドラム廃棄物の NDA ― 微量核種の光子計測におけるモンテカルロモデルの適用と補正精度の向上 |
(*)208 リットルドラムに含まれる微量の Pu・Am からの光子放出は非常に弱く、バックグラウンドやマトリクス減衰の影響が大きいため、低レベル廃棄物の NDA は高難度である。本研究では、実測データと モンテカルロ計算(MCNP 系) を組み合わせ、ドラム内の放射能分布・マトリクス組成・検出器配置が計測応答に与える影響を詳細に解析した。解析結果は、低レベル Pu/Am 廃棄物の定量において、モンテカルロモデルが補正係数の導出や不確かさ低減に有効であることを示し、Mound の低レベル NDA 能力向上に寄与した。(EG&G Mound Applied Technologies ) | ||
| Low-level Transuranic Waste Assay by Photon Interrogation and Neutron Counting | J. Romeyer-Dherbey, A. Lyoussi | ||
| 光子照射+中性子計測による低レベル TRU 廃棄物の NDA ― 微量 TRU 核種の高感度検出に向けた誘導応答計測の適用性 <光子照射とは、高エネルギーのガンマ線(通常 6〜20 MeV 程度)を対象物に照射し、誘起される核反応を利用して核物質を検出・定量する手法の総称。> |
(*)CEA を中心に、低レベル TRU 廃棄物のための 高感度・実用的な非破壊測定(NDA)手法 の開発プログラムが進行しており、その一環として光子照射と中性子計測を組み合わせた手法が検討されている。光子照射により誘起される核反応(photofission など)からの中性子応答を測定することで、微量の TRU 核種を含む廃棄物ドラムでも バックグラウンドに埋もれない信号取得 が可能となる。初期結果は、光子照射+中性子計測の組合せが、従来のガンマ線計測では困難だった 低レベル TRU の定量化に有望であることを示し、今後のシステム最適化に向けた基礎データを提供している。(CEA) | ||
| Material Control Evaluation | DeNise Anspach, Ivan Waddoups, John A. Abbott | ||
| 核物質計量管理(NMC&A)プログラムの評価 ― DOE 施設における統合的パフォーマンス評価手法の開発と適用 |
(*)DOE の業務範囲の拡大に伴い、複数の研究所や企業が 核物質計量管理(NMC&A)プログラムの性能評価手法 を開発しており、より体系的で比較可能な評価が求められている。本研究では、施設の運用状況、計量管理手順、データ品質、物質収支、測定管理などを総合的に評価するための 統合的評価フレームワーク を提示している。初期適用の結果、評価基準の標準化、データ整合性の向上、改善点の明確化など、DOE 施設の NMC&A プログラム強化に直接寄与する知見が得られた。(LANL) | ||
| Meeting The Complex 21 Challenge: Autonomous Mobile Robotics | John M. Holland | ||
| Complex 21 の課題に応える自律移動ロボティクス ― 核施設における在庫管理・移送・監視作業の自動化に向けた技術要件 |
(*)DOE の Complex 21(核兵器複合体の再構築・近代化構想)は、核兵器関連施設における保管・在庫管理・移送・監視などの作業を、より安全かつ効率的に行うための 高度自動化技術の導入 を求めている。本研究は、SNL が開発する 自律移動ロボット(autonomous mobile robotics) を、核施設の在庫管理・物品移送・監視作業に適用するための要件、センサ技術、ナビゲーション手法、障害物回避アルゴリズムなどを整理している。初期評価では、ロボットによる自動化が作業者の被ばく低減、人的エラー削減、運用効率向上に寄与する可能性が示され、Complex 21 の目標達成に向けた重要技術として位置づけられた。(SNL) | ||
| Modeling the Response of the Passive/Active Neutron Counting System | F. X. Haas, A. A. Marlowe, R. A. Buehl | ||
| パッシブ/アクティブ中性子ドラムカウンタの応答モデリング ― MCNP による核物質分布・マトリクス効果・照射条件の解析 |
(*)Rocky Flats Plant で使用されている パッシブ/アクティブ中性子ドラムカウンタの応答を、MCNP モンテカルロコードを用いて詳細にモデル化し、計測性能の理解と最適化を図った。モデルでは、ドラム内の核物質分布、マトリクス組成、検出器配置、遮蔽条件、アクティブ照射時の中性子場などを再現し、実測データとの比較によりモデルの妥当性を検証した。結果として、計測誤差の主要因(マトリクス減衰、幾何学効果、照射条件)を定量化でき、補正係数の導出やシステム最適化に MCNP モデルが有効であることが示された。( EG&G Rocky Flats / Rocky Flats Plant,G&G Mound Applied Technologies) | ||
| Moderation Control in Low Enriched 235U Uranium Hexafluoride | Francis M. Kovac, Robert H. Dyer | ||
| 低濃縮 235U 六フッ化ウランにおける減速材管理 ―パッケージ(容器・取扱体系)および輸送時の臨界安全を確保し、大型シリンダーによるバルク輸送を可能にする管理手法 |
(*)低濃縮 235U UF₆ の パッケージ(容器・取扱体系)および輸送において、中性子減速材(moderation)の管理が臨界安全を左右する主要パラメータであることを示す。適切な moderation control により、従来の多数の小型シリンダーではなく、大型シリンダーによるバルク輸送が安全性を損なわずに可能となり、運用効率と経済性が向上する。この管理手法は、輸送時の 全体的な安全性と核物質アカウンタビリティの強化に寄与し、パッケージ設計と運用手順の重要性を論じている。(ORNL, DOE) | ||
| Modular Intelligent Sensor System | David A. Fuess | ||
| モジュラー型インテリジェント・センサシステム(知能化検知系統装置) ―バッテリー駆動の無人監視用途に向け、低消費電力・拡張性・長期運用性を備えたセンサアーキテクチャ |
(*)バッテリー駆動の無人監視用途に適した、モジュール化されたインテリジェント・センサアーキテクチャを提示し、低消費電力で長期運用を可能にする設計思想を述べている。センサモジュールは、処理能力・通信機能・電源管理を統合し、用途に応じて構成を柔軟に変更できる拡張性を備えている。このアーキテクチャにより、核施設や防護領域における 長期無人監視・異常検知の信頼性向上が期待されることを論じている。(SNL) | ||
| Modular Material Monitoring System | DeNise Anspach, Ivan G. Waddoups, B. G. Self | ||
| モジュラー型物質監視システム ―人員追跡と物質監視を統合し、無人環境での防護性能と柔軟な構成変更を可能にする監視アーキテクチャ |
(*)Sandia が開発した モジュラー型の物質監視システムは、人員追跡と物質監視を統合し、無人環境でも高い防護性能を維持できることを示している。システムは、センサ、通信、処理モジュールを組み合わせて構成でき、施設ごとの脅威・配置条件に応じて柔軟に拡張・再構成できる点が特徴である。このアーキテクチャにより、核施設における 内部脅威対策・未承認移動検知・長期無人監視の信頼性が向上することが示されている。(SNL) | ||
| Monte Carlo Simulations of Plutonium Gamma-ray Spectra | Wayne Ruhter, Tzu-Fang Wang, Joseph B. Carlson, Zachary M. Koenig | ||
| プルトニウムのガンマ線スペクトルのモンテカルロ・シミュレーション ―スペクトル再現性の向上と同位体分析精度の強化に資する計算手法 |
(*)プルトニウムのガンマ線スペクトルを Monte Carlo 法でシミュレーションする手法を検討し、実測スペクトルの再現性向上を目的とした研究である。シミュレーション結果は、ピーク形状・相対強度・自己吸収効果などの理解を深め、同位体分析コード(例:MGA/MGAU)の精度向上に寄与することが期待される。得られた模擬スペクトルは、検出器応答や測定条件の最適化、校正作業の補助など、プルトニウム分析の高精度化に資する基礎データとして利用される。(LLNL) | ||
| Multipurpose Simulator “MR TRIOS” for Reprocessing Plant | Takeshi Mitsui, Shigeru Uehara, Hideo Takada, Naoyuki Kamishima | ||
| 再処理プラント向け多目的シミュレータ「MR TRIOS」 ―運転支援・教育訓練・異常時解析に対応するリアルタイム動的シミュレーション基盤 |
(*)MHI が開発した MR TRIOS は、再処理プラントの運転支援・教育訓練・異常時解析などに利用できる 多目的リアルタイム動的シミュレータである。プラントのプロセス挙動を詳細に模擬し、運転員が 異常時の対応手順や運転判断を訓練できる環境を提供する。このシミュレータは、運転最適化・安全性向上・教育効率化など、再処理プラント運用の総合的な支援基盤として機能する。(MHI) | ||
| Networked MS Windows 3.1 Based Classified Document control System (CDOCS) | Lawrence M. Desonier | ||
| ネットワーク化 MS Windows 3.1 ベース機密文書管理システム(CDOCS) ―文書追跡・貸出管理・監査ログを統合し、機密文書管理の自動化と信頼性向上を実現するシステム |
(*)従来の機密文書管理システムは、文書の所在管理・棚卸し・利用記録に多大なスペースと人手を要していたが、CDOCS はネットワーク化された Windows 3.1 ベースの自動化システムとして、これらの負荷を大幅に削減することを目的としている。CDOCS は、文書の登録・追跡・貸出管理・監査ログを統合し、利用者認証とアクセス制御を組み合わせた一元管理を可能にする。このシステムにより、機密文書の所在把握・不正利用防止・棚卸し作業の効率化が進み、核セキュリティ領域における文書管理の信頼性向上が期待される。(SNL) | ||
| Neural Information Processing and Self-organizing Maps as a Tool in Safeguards Storage Facilities | J. A. Howell, C. Fuyat | ||
| 保障措置貯蔵施設におけるニューラル情報処理と自己組織化マップの活用 ―大量センサデータの自動解釈を支援し、貯蔵施設の安全運用と保障措置信頼性を高める手法 |
(*)核物質貯蔵施設や兵器解体施設では、多数のセンサから膨大で多様なデータが生成されるため、自動的かつ効率的に解釈できる情報処理アルゴリズムが不可欠である。 本論文は、ニューラル情報処理と 自己組織化マップ(Self-Organizing Maps, SOM) を用いて、センサデータの特徴抽出・分類・異常検知を支援する ソフトウェアの概念設計を提示している。 この手法により、監視データの自動解釈能力が向上し、貯蔵施設の安全運用・保障措置の信頼性向上に寄与することが期待される。(LANL) | ||
| New Technologies for Monitoring Nuclear Materials | Bruce W. Moran | ||
| 核物質監視のための新技術 ―遠隔監視・自動記録・環境センサ統合により核物質存在確認の効率化と信頼性向上を図る手法 |
(*)ORNL では、核物質の継続的存在(continued presence)を確認するための 新しい監視技術を評価しており、従来の人手依存型監視の負荷を軽減することを目的としている。これらの技術には、遠隔監視・自動記録・環境センサ統合・データ通信などが含まれ、核物質の所在確認をより効率的かつ信頼性高く行うための手法が検討されている。新技術の導入により、核物質管理の 効率化・信頼性向上・監査容易化が期待され、保障措置運用の高度化に寄与する。(ORNL) | ||
| Nondestructive Assay Measurements in Support of HEU Suspension at the Portsmouth Gaseous Diffusion Plant | R. L. Mayer, B. R. McGinnis, J. Bailey, R. C. Hagenauer, R. R. Royce | ||
| End(6) | Portsmouth 濃縮工場における HEU 生産停止支援のための非破壊測定 ―残留核物質の定量化・在庫確定・臨界安全評価を支える NDA 手法の適用 |
(*)Portsmouth 濃縮工場での 高濃縮ウラン(HEU)生産停止(suspension) に伴い、設備・配管・プロセスラインに残留する核物質量を把握するため、非破壊測定(NDA) が重要な役割を果たす。本研究では、ガンマ線測定・中性子測定・ホールドアップ評価など複数の NDA 手法を組み合わせ、残留 HEU の定量化・在庫確定・安全な停止作業の支援を行っている。NDA データは、核物質会計の確定、臨界安全評価、洗浄・除染計画の策定に不可欠であり、HEU 生産停止プロセスの安全性と信頼性を高める基盤情報となる。(Martin Marietta Energy Systems / Portsmouth GDP) | |
| Nondestructive Measurement of Combustible Waste Containing Uranium in a B-25 Box | R. L. Mayer, J. F. Harris, R. C. Hagenauer | ||
| B-25 ボックス内のウラン含有可燃性廃棄物の非破壊測定 ―不均質廃棄物中のウラン定量化を可能にするガンマ線 NDA 手法の適用 |
(*)閉鎖された Oak Ridge K-25 施設では、ウランを含む可燃性廃棄物が B-25 ボックス(大型金属廃棄物容器)に多数保管されており、その核物質量を把握するため 非破壊測定(NDA) が必要となっている。本研究では、ガンマ線測定を中心に、可燃性廃棄物の不均質性・自己遮蔽・容器形状などの課題に対応しつつ、ウラン量を定量化するための測定手法と解析手順を検討している。得られた NDA データは、核物質会計、臨界安全評価、廃棄物処理計画の策定に不可欠であり、廃止措置における安全性と管理精度の向上に寄与する。(Oak Ridge K-25 Site(Martin Marietta Energy Systems)) | ||
| Nuclear Plant Security System Life Extension | Frank M. Carpency | ||
| 原子力発電所のセキュリティシステム寿命延長 ―老朽化した物理防護システムを段階的近代化により更新し、長期運転における防護性能を維持・強化する手法 <1950年代運開の商用プラント;「40 年寿命のプラントが寿命末期に入り、防護システムの老朽化が顕在化した」 > |
(*)原子力発電所が設計寿命の中盤〜末期に達するにつれ、物理防護システム(センサー、アクセス制御、監視装置、評価システム)の老朽化が深刻な課題となる。本論文は、既存システムの全面更新ではなく、段階的な近代化(life extension)により、コストを抑えつつ性能・信頼性を向上させるための技術的アプローチを提示している。センサー更新、通信基盤のデジタル化、評価アルゴリズムの改善などを組み合わせることで、長期運転を見据えた防護性能の維持・強化が可能となる。(WEC) | ||
| Open Skies: Facilitating the Many Dimensions of Transparency | Jack Allentuck | ||
| オープンスカイズ:多次元的透明性を促進する枠組み ―航空観測を通じた信頼醸成・軍備管理・危機管理の新たな透明性メカニズム |
(*)1992 年に 23 カ国+米国・カナダが署名した Open Skies 条約は、領空を相互に開放し、航空観測を通じて軍事活動の透明性を高めることを目的とする新しい信頼醸成措置である。本論文は、Open Skies が単なる観測飛行にとどまらず、軍備管理・危機管理・信頼醸成・政策対話など、多次元的な透明性を促進する枠組みであることを強調する。条約の実施には、センサー技術、データ共有、検証手順、国際協力などの要素が不可欠であり、透明性の制度化(institutionalizing transparency) に向けた重要なステップとなる。(DOE) | ||
| Optimization of the Spent Fuel Attribute Tester Using Radiation Transport Calculations | Stephen Dupree, Thomas W. Laub, Rolf Arlt | ||
| 放射線輸送計算を用いた使用済燃料属性テスター(SFAT)の最適化 ―検出器配置・遮蔽・コリメーション設計の解析による測定性能向上 |
(*)IAEA が使用する Spent Fuel Attribute Tester(SFAT) は、貯蔵中の燃料集合体からのガンマ線シグネチャを測定し、燃料の属性(燃焼度・冷却時間・存在確認)を評価する装置である。本研究では、放射線輸送計算(MCNP など) を用いて、コリメータ形状、検出器配置、遮蔽構造などを解析し、SFAT の測定感度と信号対雑音比を最適化する手法を検討している。最適化された設計により、測定時間の短縮、誤差低減、燃料属性の識別能力向上が期待され、保障措置における燃料確認作業の効率化と信頼性向上に寄与する。(LANL) | ||
| Overview of Russian HEU Transparency Issues | C. Ruth Kempf, Andrew Bieniawski | ||
| ロシアにおける HEU 透明性問題の概要 ―兵器級高濃縮ウラン削減に向けた米露協力の技術的・制度的課題 |
(*)米露間で進められていた HEU 透明性(transparency)プログラムは、ロシアの兵器級 HEU の削減・転換を検証するための重要な枠組みであり、その実施には技術・政治・制度の多層的課題が存在する。本論文は、ロシア側施設へのアクセス、測定技術の選定、データ共有、機密保護、相互信頼の構築など、透明性措置を成立させるための主要論点を整理している。HEU 透明性は単なる計測技術の問題ではなく、軍縮・不拡散・信頼醸成を統合する政策的枠組みであり、米露協力の成否を左右する要素であることが強調されている。(DOE) | ||
| Passive Sensor Systems for Nuclear Material Monitoring | J. T. Mihalczo, Marc L. Simpson, Lynn Boatner, S.A. McElhaney | ||
| 核物質監視のための受動型センサーシステム ―ガンマ線・中性子の自然放出を利用した非侵襲型監視技術の開発と応用 |
(*)本研究は、核物質の存在・移動・操作を検知するための 受動型センサー(Passive Sensor Systems) の開発と応用可能性を評価するもので、外部から線源を照射しない“非侵襲型監視”を重視している。ガンマ線・中性子の自然放出を利用し、シンチレータ材料、固体検出器、相関中性子計測などを組み合わせることで、核物質の存在確認・異常検知・監視の自動化を実現する技術的アプローチが示されている。受動センサーは、貯蔵施設・加工施設・輸送容器など多様な環境での適用が可能であり、保障措置の信頼性向上と運用負荷の低減に寄与することが期待される。(ORNL) | ||
| Passive Tamper-Indicating Secure Container | Jack C. Bartberger | ||
| 受動型改ざん検知セキュアコンテナ ―電源を用いない封印構造・材料設計による改ざん可視化コンテナの概念実証 |
(*)本論文は、電源を必要としない 受動型改ざん検知セキュアコンテナ(Passive Tamper‑Indicating Secure Container) の概念実証モデルを紹介し、材料・構造・封印方式の組み合わせによって改ざん痕跡を確実に残す設計思想を示している。コンテナは、特殊材料、破壊痕が不可逆な封印構造、光学・機械的特徴などを利用し、開封・切断・変形などの不正操作を必ず可視化することを目的としている。この受動型方式は、電源喪失・長期保管・過酷環境での使用に適しており、保障措置・輸送・保管における低コストかつ高信頼の改ざん検知手段として有望である。(SNL) | ||
| Performance Testing Accountability Measurements | Wanda G. Mitchell, Irene Spaletto, Robert D. Oldham | ||
| 核物質計量管理アカウンタビリティ測定における性能試験 ―NBL による核物質計量管理(MC&A)評価支援と測定品質保証の枠組み |
(*)NBL は DOE 各運転事務所(Operations Offices)に対し、核物質計量管理(MC&A)に関する 性能評価(Performance Testing) を提供しており、施設の測定精度・手順・データ品質を客観的に評価する役割を担っている。本論文は、アカウンタビリティ測定(Accountability Measurements)に対する性能試験の構成要素として、標準物質の使用、測定誤差の解析、統計的評価手法、施設間比較などを体系的に整理している。これらの性能試験は、DOE 施設の計量管理プログラムの信頼性向上、測定の一貫性確保、改善点の抽出に寄与し、MC&A の品質保証(QA)を支える重要な仕組みであることが強調されている。(NBL) | ||
| Performance Viewing and Editing in Assess Outsider | Mark K. Snell, Brad Key, Bryon Bingham | ||
| ASSESS 外部脅威における性能表示・編集機能 ―侵入経路解析に基づく性能指標の可視化とシナリオ編集による防護評価の高度化 |
(*)ASSESS Outsider Module は、侵入経路(path)と検知・遅延・対応の各要素を組み合わせて 物理防護システムの性能(performance)を定量評価するツールであり、本論文はその性能結果を閲覧・編集するための機能を解説している。Performance Viewing 機能では、侵入成功確率、検知時間、遅延時間、対応到着時間などの 性能指標(performance measures) を可視化し、複数シナリオの比較や弱点分析を容易にする。Performance Editing 機能では、施設データ、センサー配置、遅延要素、応答力などをユーザーが調整し、シナリオの再解析・改善案の検討・複数解析(multiple analyses) を効率的に行えるようにする。(SNL) | ||
| Phsyical Security Measures for the Reduction of Nuclear Material Physical Inventories | A. B. Whitworth, S. N. Callahan | ||
| 核物質物理在庫削減のための物理防護措置 ―DOE の方針転換に伴う防護レベル再評価と在庫縮減戦略 |
(*)DOE の優先事項の変化(冷戦後の在庫縮小・コスト削減・安全性向上)を受け、核物質の物理在庫(physical inventory)を削減するための物理防護措置を再評価する必要が生じた。本論文は、在庫削減を進める際に必要となる 防護レベルの再設定、保管形態の変更、アクセス制御の強化、統合的リスク評価 など、物理防護側の技術的・制度的課題を整理している。在庫削減は単なる数量削減ではなく、防護コストの最適化・脅威評価の更新・運用負荷の軽減を同時に達成するための戦略的取り組みであり、物理防護と MC&A の協調が不可欠であることが強調されている。(DOE) | ||
| Physical Protection Design Approach for the complex 21/Reconfiguration Facilities | Neil R. Zack, Calvin D. Jaeger, William J. Hunteman | ||
| Complex 21/再構成施設における物理防護設計アプローチ ―脅威評価・検知・遅延・情報セキュリティを統合した次世代防護アーキテクチャ |
(*)DOE の Complex 21/Reconfiguration Facilities(核施設再構成計画)において、物理防護・情報セキュリティ・保障措置を統合した 総合的防護設計アプローチが必要であることを示す。本論文は、脅威評価(DBT)、アクセス制御、遅延要素、検知システム、情報システム防護などを組み合わせ、施設の再構成に適した柔軟な防護アーキテクチャを提示する。統合的設計により、コスト最適化、運用効率向上、リスク低減を同時に達成し、次世代 DOE 施設に求められる防護要件の標準化に寄与することが強調されている。(SNL, LANL) | ||
| Preparing the 1993-94 Safeguards Implementation Support Programme for IAEA | Leon Green | ||
| IAEA 1993–94 年保障措置実施支援プログラムの準備 ―技術支援・機器整備・データ管理を統合した実施支援計画の構築 |
(*)1993–94 Safeguards Implementation Support(IS)Programme は、IAEA 保障措置の実施を支える技術支援・運用支援の全体計画であり、検証技術、データ管理、訓練、機器整備など多岐にわたる活動を体系化している。本論文は、IS プログラムの構成要素(機器開発、現場支援、データ処理、品質保証、訓練、協力国支援など)を整理し、保障措置の効率化・標準化・信頼性向上を目的とした重点分野を示している。1993–94 年度は、冷戦後の新たな検証要求や 93+2 準備作業を背景に、技術近代化・データ統合・現場支援強化が特に重要視されていることが強調される。(IAEA) | ||
| Prerequisites for an Improvement of International Safeguards | Gotthard Stein, RudolfWeh | ||
| 国際保障措置改善のための前提条件 ―NPT 保障措置の構造的限界と制度再構築に向けた要件整理 |
(*)現行の NPT 保障措置制度には、未申告活動の検知能力不足、国家申告依存、技術的制約などの 構造的な不十分さ が存在し、現状の枠組み内だけでは十分な改善が困難であると指摘する。改善の前提条件として、情報アクセスの拡大、補完的手段の導入、技術的検証能力の強化、国際的合意形成など、制度的・技術的・政治的条件の総合的整備が必要であると論じる。保障措置の実効性向上には、単なる技術改良ではなく、制度設計そのものの再構築(制度的透明性・包括的検証) が不可欠であり、将来の強化保障措置(93+2)につながる方向性を示している。(Forschungszentrum Jülich) | ||
| Process Monitoring in a Scrap Recovery Facility | Rosemarie N. Martyn | ||
| スクラップ回収施設におけるプロセス・モニタリング ― NDA 誤差・タンク校正・ホールドアップが複合する管理上の課題 |
(*)米国 NRC の規制により、5 kg 超の戦略特殊核物質(SSNM)を保有する施設には、急激な逸脱・損失を数日以内に検知するためのプロセス・モニタリングが義務付けられている。固体形態の SNM では重量測定による管理が容易だが、スクラップ回収施設では NDA 測定の不確かさ、ラッシグリングタンクの校正誤差、配管内ホールドアップなどにより管理が著しく複雑化する。 本論文は、Babcock & Wilcox のスクラップ回収施設におけるプロセス・モニタリング導入時の技術的手法と、実務上直面した課題を詳細に論じている。(Babcock & Wilcox) |
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| Proliferation Detection Using a Remote Resonance Raman Chemical Sensor | David Dougherty, Arthur J. Sedlacek | ||
| レーザー遠隔共鳴ラマン化学センサーを用いた拡散防止検知 ― スタンドオフ化学識別技術としての選択性・検出能力 |
(*)軍備管理・核不拡散の検証活動では、遠隔からの化学物質検知が不可欠であり、非接触・非破壊での識別能力が求められる。本研究は、レーザー励起による 遠隔共鳴ラマン分光(remote resonance Raman spectroscopy) を用いて、特定化学物質の存在をスタンドオフ距離から高選択的に検出する手法を提示する。実験では、背景光・大気散乱・信号減衰といった遠隔測定特有の課題に対し、波長選択・光学設計・信号処理による改善策が示され、検証技術としての有効性が論じられている。(BNL) | ||
| Python Fiber-Optic Seal | Keith Tolk, Kenneth W. lnsch, Jack C. Bartberger, Charles Brusseau, Kenneth J. Ystesund, Pat Fleming | Python光ファイバーシール | |
| Python 光ファイバーシール ― 高改ざん抵抗性を備えた光学式セキュリティシール技術 |
(*)SNL は、従来の光ファイバーシールでは困難であった 高度な改ざん抵抗性(tamper resistance) を実現するため、光学設計・機械構造・信号処理を統合した高セキュリティ光ファイバーシール「Python」を開発した。Python シールは、光路の複雑化、固有の光学パターン生成、改ざん時の光学応答変化の検知などにより、偽造・バイパス・再接続といった攻撃に対して高い検知能力を持つ。実験評価では、環境変動下でも安定した識別性能を示し、国際保障措置や物理防護用途における高信頼シールとしての実用性が確認された。(SNL) | ||
| Quality Assurance on DCI Transport/Storage Casks for Radioactive Material | Rudolf Weh, Reinhard Bittner | ||
| 放射性物質用 DCI 輸送・貯蔵キャスクの品質保証 ― 規制適合性と製造管理を支える QA 体系 |
(*)GNS はドイツ電力会社の共同事業体として、使用済燃料の輸送・貯蔵を担い、そのために DCI 型輸送/貯蔵キャスクの設計・製造・品質保証を実施している。品質保証(QA)活動は、材料選定、溶接、非破壊検査、寸法管理、製造記録の追跡性など、キャスクの安全性と規制適合性を確保するための多層的な管理プロセスで構成される。本論文は、規制要件・国際基準・顧客要求を満たすための QA 体系を具体的事例とともに示し、輸送・貯蔵キャスクの信頼性確保における QA の重要性を強調している。(Gesellschaft für Nuklear-Service(GNS)) | ||
| R & D on the Volume Measurements of Liquids in “TAME” Laboratory | C. Foggi, B. A. Hunt | ||
| TAME ラボにおける液体体積測定の研究開発 ― タンク校正・液位計測・密度補正による計量精度向上 |
(*)TAME Laboratory では、保障措置における液体タンク計量の精度向上を目的として、液体体積測定の R&D を体系的に実施している。研究は、タンク校正、液位計測、温度補正、密度測定など、体積算定に影響する主要因を実験的に評価し、測定不確かさの低減手法を検討するものである。本論文は、実験設備・測定手法・校正プロトコルの改善点を示し、保障措置用タンク計量の信頼性向上に向けた R&D の成果を報告している。(JRC Ispra(TAME Laboratory)) | ||
| Rationalization of the Current Safeguards System Under a Strengthened Regime | Hideo Nishimura | ||
| 強化保障措置下における現行保障措置制度の合理化 ― 国家全体評価とリスク基盤型査察による制度再設計 |
(*)IAEA 保障措置の強化(Strengthened Safeguards)に向け、従来制度の合理化と新たなアプローチの導入が国際的に議論されており、制度全体の再設計が求められている。本論文は、国家全体評価(state-level evaluation)や追加的情報利用、リスクに基づく査察配分など、強化保障措置下での合理化の方向性とその評価手法を提示する。保障措置の有効性・効率性を両立させるためには、技術的手段、情報分析、査察戦略を統合した体系的アプローチが不可欠であることを論じている。(JAERI) | ||
| Recent Changes in Materials Control and Accountability Policy | David Crawford | ||
| End(7) | 核物質管理・計量管理(MC&A)政策における最近の変更 ― 脅威環境の変化に対応したリスク指向型運用要件 |
(*)国際情勢の変化と国内の安全保障政策の見直しにより、DOE の核物質管理(MC&A)政策は近年大きく変化し、よりリスク指向・脅威指向の体系へ移行している。新たな国家的イニシアティブは、核物質の分類、測定管理、在庫差異(ID)評価、査察頻度、内部脅威対策など、MC&A の運用基準に直接的な影響を与えている。本論文は、これら政策変更の背景、制度的影響、実務上の調整点を整理し、今後の MC&A プログラムが備えるべき要件を提示している。(DOE) | |
| Reducing Nuclear Material Physical Inventory Requirements | Neil R. Zack, David W. Crawford | ||
| 核物質物理在庫量削減への要求 ― 物質集約化と MC&A 合理化に向けた運用最適化 |
(*)軍備管理合意や核兵器解体の進展により、核物質の返還量が増加し、DOE 施設では物質の集約化(consolidation)が進むことで、物理在庫量の削減が重要課題となっている。物理在庫(physical inventory)を削減することで、核物質計量管理(MC&A)の負荷軽減、在庫差(ID)評価の効率化、物理防護コストの低減が期待されるが、そのためには運用変更・施設改修・リスク評価の再設計が必要となる。本論文は、在庫削減のための実務的アプローチ(プロセス変更、保管形態の見直し、測定頻度の最適化など)を提示し、強化された脅威環境下での MC&A の合理化に向けた方向性を示している。(LANL) | ||
| Reduction of Nuisance Alarms in Exterior Sensors Using E.S.P. | Edward J. Foley | ||
| E.S.P. E.S.P.(環境信号処理)を用いた屋外センサーの不要警報低減 ― 雨・風・植生揺れに起因する環境ノイズ抑制 |
(*)屋外侵入検知センサーにとって、雨は最大の不要警報要因であり、従来は「不要警報を許容するか、検知性能を犠牲にするか」という二者択一を強いられてきた。本研究は、E.S.P.(Environmental Signal Processing)技術を用いて、雨・風・植生揺れなど環境起因の信号を識別し、不要警報を大幅に低減する手法を提示する。実験結果では、環境ノイズの抑制と侵入イベントの識別性能が両立できることが示され、屋外センサーの運用信頼性向上に寄与することが確認された。(SNL) | ||
| Regulation of the Barnwell Low-level Radioactive Waste Disposal Facility | Virgil F. Autry | ||
| Barnwell 低レベル放射性廃棄物処分施設の規制 ― 州規制権限と商業処分場運用管理の変遷 |
(*)Barnwell 低レベル放射性廃棄物処分施設は 1971 年から Chem-Nuclear Systems(CNSI)が運転しており、サウスカロライナ州 DHEC が規制権限を持つ「アグリーメント・ステート」制度下で管理されている。同施設は長年にわたり米国の大多数の州からの廃棄物を受け入れてきた商業処分場であり、規制基準の改訂に伴い、運転方法・受入基準・管理手続きが大きく変化してきた。本論文は、Barnwell 施設の運用概要、サウスカロライナ州の規制役割、そして州の低レベル廃棄物管理プログラムの具体的内容を整理している。(South Carolina Department of Health and Environmental Control(DHEC) ) | ||
| Remote Monitoring of Weapons Components | William Stanbro, D. A. Close | ||
| 兵器部材の遠隔監視 ― 金庫保管下における連続監視技術と改ざん検知手法 |
(*)LANL は、兵器部材を保管する金庫・保管庫に対し、連続的な遠隔監視(remote monitoring) を行うための複数の技術を開発してきた。これらの技術は、環境センサー、光学・電子タグ、データロガー、通信リンクを組み合わせ、改ざん・移動・開封 といった異常をリアルタイムで検知することを目的とする。本論文は、遠隔監視システムの構成、運用上の課題、データの信頼性確保、そして兵器部材管理における実装可能性を示し、核兵器管理の効率化と透明性向上に寄与する点を論じている。(LANL) | ||
| Results of the ESARDA International Workshop on Passive Neutron Counting | S. Guardini | ||
| 受動中性子計数に関する ESARDA 国際ワークショップの成果 ― NDA 技術の現状評価と研究開発課題 |
(*)本論文は、ESARDA が開催した 受動中性子計数(passive neutron counting)国際ワークショップ の成果を総括し、保障措置における非破壊分析(NDA)技術の現状と課題を整理したものである。ワークショップでは、^240Pu 有効質量評価、コインシデンス計数、リング比、マルチプル計数、廃棄物アッセイなど、受動中性子計数の主要手法が比較検討され、測定不確かさ・校正・標準化の問題が議論された。ESARDA NDA ワーキンググループは、技術の成熟度、国際的な整合性、保障措置適用性を踏まえ、今後の研究開発の優先分野と協力枠組みを提示している。(JRC) | ||
| Room-Temperature Scintillators for Gamma Detection | Lynn Boatner, A. Lempicki | ||
| ガンマ線検出用室温シンチレータ ― 高光出力・高速応答を目指した新材料開発 |
(*)本論文は、ガンマ線検出に用いる 室温動作型シンチレータ(room‑temperature scintillators) の研究開発動向を整理し、既存材料の限界と新材料探索の方向性を示している。NaI(Tl)、BGO、CsI(Tl) などの従来材料に加え、希土類ドープ酸化物・フッ化物結晶、ガラス系材料など、高光出力・高速応答・高密度 を目指した新規シンチレータの特性が比較検討されている。室温での安定動作、放射線耐性、製造性、コストなどの観点から、次世代ガンマ検出器に求められる材料要件を整理し、今後の研究課題を提示している。(ORNL) | ||
| Safeguards and Security – Developing Transistion Technologies | Donald G. Bruckner | ||
| 保障措置・セキュリティ:移行期技術の開発 ― DOE SAS 要件の近代化と統合的運用への移行 |
(*)現行の DOE Orders に規定される Safeguards and Security(SAS)要件は、各施設の Integrated Complex(IC)運用 の枠組みを規定してきたが、任務変更・脅威環境の変化により、移行期(transition)に対応した新技術の導入が求められている。本論文は、移行期における SAS 要件の合理化・近代化 を目的として、物理防護、アクセス制御、MC&A、監視技術などを統合する「トランジション技術(transition technologies)」の概念を提示する。これらの技術は、コスト削減、運用効率化、リスク低減を同時に達成することを狙いとしており、DOE 施設の将来のセキュリティ体系に向けた技術的方向性を示している。(DOE) | ||
| Safeguards and Security at OCRWM Facilities | Edward J. McGuinn, William C. Floyd | ||
| OCRWM 施設における保障措置・セキュリティ ― 使用済燃料・高レベル廃棄物管理における統合的防護要件 |
(*)DOE の OCRWM(民生放射性廃棄物管理局) が所管する施設では、使用済燃料・高レベル廃棄物の受入・輸送・保管・処分に関して、保障措置(safeguards)と物理防護(security) の両面で特有の要件が課されている。OCRWM 施設は、NRC 規制、DOE Orders、IAEA 保障措置の適用範囲が重層的に関係するため、設計段階から 核物質計量管理(MC&A)・アクセス制御・監視・輸送防護 を統合したセキュリティ体系が必要となる。本論文は、OCRWM プログラムにおけるセキュリティ設計の基本方針、施設間の整合性確保、輸送と受入の連携、そして将来の処分施設に向けた課題を整理している。(DOE) | ||
| Safeguards and Security Issues During Facility Transition | Neil R. Zack, Michele R. Smith | ||
| 施設移行期における保障措置・セキュリティ課題 ― D&D 移行に伴う核物質管理再構成と脆弱性対策 |
(*)DOE の生産施設が D&D(除染・解体)段階へ移行する際、核物質の移動・再配置・削減が発生し、保障措置(safeguards)と物理防護(security)の両面で 脆弱性が増大 する。移行期には、核物質計量管理(MC&A)の再構成、アクセス制御の変更、監視システムの再配置、責任分担の再定義など、通常運転とは異なる特有のリスク が生じる。本論文は、移行期におけるリスク評価、暫定措置の設計、核物質削減計画との整合性、そして D&D プロセス全体におけるセキュリティ維持のための実務的指針を提示している。(DOE) | ||
| Safeguards Design Approach for the Complex 21/Reconfiguration Facilities | Neil R. Zack, Calvin D. Jaeger, William J. Hunteman | ||
| Complex 21/再構成施設における保障措置設計アプローチ ― LANL/SNL による統合防護アーキテクチャとリスク指向設計 |
(*)DOE の Complex 21/Reconfiguration 計画では、核施設の再構成・近代化に伴い、保障措置(safeguards)・物理防護(security)・核物質計量管理(MC&A)を統合した設計アプローチが求められている。LANL と SNL は、核物質フロー、計量管理区域(MBA)、アクセス制御、監視システム、情報セキュリティを含む 統合的防護アーキテクチャを提示し、リスクベース設計の必要性を強調している。本論文は、再構成施設に特有の脆弱性、運用変更、核物質削減計画との整合性を踏まえ、初期設計段階からの Safeguards & Security 統合を実現するための指針を示している。(LANL, SNL) | ||
| Seasonal Variations in Calorimeter Baselines | Katerine Campbell, W. A. Sedlacek, Teresa L. Cremars | ||
| カロリメータ・ベースラインの季節変動 ― 年間熱環境変動に伴う零点ドリフトの評価と補正手法 |
(*)カロリメータのベースライン(零点)は、外気温・湿度・季節的熱環境の変化により 長期的ドリフト を生じ、特に低ワット測定では測定精度に大きく影響する。LANL は複数のカロリメータについて年間データを解析し、季節変動パターン(夏季上昇・冬季下降など) と装置構造・設置環境との相関を明らかにした。ベースライン補正、環境制御、測定手順の最適化により、季節起因のドリフトを低減し、年間を通じた安定した熱出力測定が可能であることを示している。(LANL) | ||
| Second Generation Reflective Particle Tag (RPT-2) | Robert L. Courtney, Jacob O. Young | ||
| 第 2 世代反射粒子タグ(RPT‑2) ― 光学パターン識別性能の向上と改ざん検知能力の強化 |
(*)第 1 世代 Reflective Particle Tag(RPT)は、ランダムに埋め込まれた反射粒子の光学パターンを固有識別子として利用する技術であるが、本研究はその改良版である RPT‑2(Second Generation RPT) の性能向上点を示している。RPT‑2 では、粒子材質・粒径分布・埋設密度・表面処理の最適化により、光学パターンのコントラスト向上・再現性の改善・読み取り精度の向上 が達成され、環境変動に対する安定性も強化された。実験結果は、RPT‑2 が改ざん検知・個体識別用途において、従来版より高い信頼性と運用性を提供することを示し、核物質管理・重要部品識別への適用性を拡大するものである。(SNL) | ||
| Secure Authenticated Video Equipment | Neall E. Doren | ||
| セキュア認証ビデオ装置 ― 暗号学的認証と改ざん検知を備えた監視映像システム |
(*)保障措置・検証技術の分野では、改ざんされていないことを保証できる監視映像(authenticated video) の需要が高まっており、SNL はそのための専用ビデオ装置を開発している。本装置は、映像データに対して 暗号学的認証(cryptographic authentication)・タイムタグ・改ざん検知 を付与し、収集から保管までの一貫した信頼性を確保する。システム構成、運用要件、セキュリティ機能、データ管理手順が示されており、IAEA・DOE の検証活動における将来の監視装置の基盤となる技術として位置づけられている。(SNL) | ||
| Secure Electronic Tags/Seals | Dale Gritton | ||
| セキュア電子タグ/電子封印 ― 改ざん検知と暗号認証を備えた次世代封印技術 |
(*)本論文は、核物質管理・保障措置用途に向けた セキュア電子タグ/電子封印(secure electronic tags/seals) の設計思想と性能要件を整理し、従来の機械式封印の限界を補う技術として位置づけている。電子封印は、固有識別子、改ざん検知回路、イベント記録、暗号学的認証などを組み込み、開封・切断・改変の試みを高感度で検知 し、信頼性の高い封印状態の証跡を提供する。SNL が開発したプロトタイプは、環境耐性、長期安定性、電源寿命、データ保全性などの実運用要件を満たすことを示し、IAEA・DOE の将来の封印技術としての適用可能性を提示している。(SNL) | ||
| Sensitivity Analysis of a Gas Flow Calorimetry System | John Crawford, Jerry Meitin | ||
| ガス流量カロリメトリシステムの感度解析 ― トリチウム処理施設における熱出力測定の主要誤差要因評価 |
(*)SRS の新しいトリチウム処理施設では、金属水素化物ベッドに大量のトリチウムガスを吸蔵・放出させる工程があり、その熱出力を測定するために ガス流量型カロリメトリ(gas‑flow calorimetry) が採用されている。本研究は、流量、入口・出口温度差、熱容量、環境条件など、カロリメータの出力に影響するパラメータについて 感度解析(sensitivity analysis) を行い、どの要因が測定不確かさに最も寄与するかを定量的に評価した。結果として、温度計測精度・流量安定性・熱損失モデルが主要因であることが示され、これらを最適化することで トリチウム処理工程の熱出力測定の信頼性向上 が可能であると結論づけている。(WSRC) | ||
| Shift Work in a Security Environment | Garland A. Longhouser | ||
| セキュリティ環境におけるシフト勤務 ― 生体リズム攪乱に伴うパフォーマンス低下と疲労管理対策 |
(*)人間は本来昼行性であり、夜勤や交替勤務は 生体リズム(circadian rhythm)を乱し、睡眠不足・集中力低下・判断力の劣化 を引き起こすため、セキュリティ業務では重大なリスク要因となる。特に DOE 施設のような高セキュリティ環境では、長時間勤務、夜間監視、単調作業、緊張状態の維持が重なり、疲労・ストレス・パフォーマンス低下 が顕著に現れる。本論文は、勤務スケジュール設計、休憩・仮眠戦略、照明・環境調整、健康管理など、シフト勤務者のパフォーマンス維持とリスク低減のための実務的対策 を提示している。(WSRC) | ||
| Short-form Risk Evaluation Method | C. J. Udell, J. A. Tilden | ||
| 簡易リスク評価手法 ― 核物質・セキュリティ活動における迅速スクリーニングと優先度付け |
(*)本論文は、核物質および関連セキュリティ活動に伴うリスクを、低コストかつ迅速に評価するための「簡易リスク評価法(Short‑form Risk Evaluation Method)」 を提示している。この手法は、脅威、脆弱性、結果(consequence)を簡潔に整理し、リスクの相対順位付け(prioritization) を可能にする構造化プロセスであり、詳細解析を行う前段階のスクリーニングとして利用できる。運用現場の担当者が短時間で適用できるよう、チェックリスト、重み付け、スコアリングを組み合わせ、コスト効率の高いリスク低減策の選定 を支援することを目的としている。(WSRC) | ||
| Site Implementation for MC&A Training Program | John Hehmeyer | ||
| MC&A 研修プログラムのサイト実装 ― 職務分析に基づく研修体系導入と運用管理 |
(*)DOE Complex では Safeguards & Security(SAS)要件の変化に伴い、MC&A Training Program の標準化・体系化 が進められており、各サイトはこれを現場に適用するための実装プロセスを確立する必要がある。本論文は、職務分析(job/task analysis)、対象者分類、学習目標設定、教材整備、評価手法など、MC&A 研修をサイトレベルで導入する際の実務的ステップ を整理している。また、既存業務との整合性、記録管理、監査対応、継続教育(refresher training)など、運用段階での維持管理と改善サイクル の重要性を強調している。(WHC) | ||
| STAR: Software Tool kit for Analysis Research | Justin E. Doak, R. Whiteson, B. Hoffbauer, B. Hoffbauer, J. Doak, J. Prommel, T.R. Thomas | ||
| STAR:解析研究用ソフトウェア・ツールキット ― 不拡散・軍備管理における異種データ統合と分析支援 |
(*)不拡散・軍備管理の分野では、多様な情報源から大量のデータを統合・解析する能力 が急速に重要性を増しており、STAR(Software Toolkit for Analysis Research)はそのための統合解析ツールキットとして開発された。STAR は、データ取得、前処理、可視化、統計解析、パターン認識、情報融合などを一つの環境で実行できるよう設計され、異種データの迅速な分析と意思決定支援 を可能にする。本論文は、STAR のアーキテクチャ、機能モジュール、適用事例を示し、非拡散監視・核検知・情報分析業務における 効率化と分析品質向上 を実証している。(LANL) | ||
| Statistical Techniques to Meet Performance Criteria for the Reduction of Nuclear Material Physical Inventories | G. L. Van Ryn, A. B. Whitworth | ||
| End(8) | 核物質物理在庫削減のための性能基準を満たす統計手法 ― 測定不確かさ評価と検知能力維持のための統計的枠組み |
(*)DOE の方針転換により、核物質の 物理在庫削減(inventory reduction) が重要政策となり、これに伴い MC&A(核物質計量管理)側では 性能基準(performance criteria)を満たすための統計的手法 が必要となった。本論文は、測定誤差、サンプリング、計量管理区域(MBA)再構成など、在庫削減に伴う不確かさを評価するための 統計的手法(variance analysis, detection sensitivity, confidence levels) を提示している。これらの手法により、在庫量が減少しても 検知能力(detection capability)と計量信頼性(accountability confidence)を維持 できることを示し、DOE の在庫削減政策を技術的に支える枠組みを提供している。(DOE) | |
| Streamlining the IAEA Safeguards – A Personal View | Hiroyoshi Kurihara | ||
| IAEA 保障措置の簡素化 ― 私見 ― 未申告活動検知能力強化と制度効率化に向けた提案 |
(*)イラク・北朝鮮事案が示したように、IAEA 保障措置は 未申告活動の検知能力(detection of undeclared activities) を十分に備えておらず、制度の抜本的見直しが必要であると筆者は主張する。現行制度は複雑化し、査察資源の制約、情報活用の不足、手続き偏重などの問題を抱えており、より柔軟で効率的な「簡素化された保障措置(streamlined safeguards)」 が求められる。筆者は、追加議定書的アプローチ、国家レベル評価(state‑level approach)、情報分析強化、査察戦略の重点化などを含む 個人的提案(a personal view) を提示し、将来の保障措置制度の方向性を論じている。(JAERI) | ||
| Supplying Technology To the OPCW Inspectorate: Lessons from the IAEA/POTAS Experience | Ann Reisman, E. Weinstock | ||
| OPCW 査察団への技術供給:IAEA/POTAS 経験からの教訓 ― 検証装置供給・訓練・品質保証に関する制度的知見 |
(*)1993 年の化学兵器禁止条約(CWC)採択により、OPCW は新たに査察団(Inspectorate)を構築する必要があり、検証技術・装置・訓練の体系的供給 が急務となった。著者らは、IAEA に対する米国の技術支援プログラム POTAS(Program of Technical Assistance to Safeguards) の経験を分析し、技術供給の成功要因(要件定義、品質保証、訓練、保守体制、国際協調)を抽出している。これらの教訓を OPCW に適用することで、査察装置の標準化、運用性の確保、持続的サポート体制の構築 が可能となり、CWC の検証体制を早期に安定化できると結論づけている。(LANL) | ||
| Tactical Automated Security System (TASS) RF Communications | J. J. Harrington, Capt. Jamie Thurber | ||
| TASS(戦術自動化セキュリティシステム)の RF 通信 ― 可搬・再配置型警備システムにおける無線通信アーキテクチャ |
(*)TASS(Tactical Automated Security System)は、米空軍が前線・臨時基地・展開拠点で迅速に構築できる 可搬・再配置型の自動化セキュリティシステム であり、その運用には信頼性の高い RF 通信ネットワークが不可欠である。本論文は、センサー、カメラ、アラーム、コマンドユニット間を接続する RF 通信リンクの構成、周波数管理、耐環境性、干渉対策 を詳細に説明し、野外環境での安定運用を可能にする設計要件を示している。実運用試験では、可搬性・迅速展開性・通信信頼性が確認され、TASS の RF 通信が 戦術環境における警備・監視能力の大幅な向上 に寄与することが示された。(U.S. Air Force(USAF)) | ||
| Tamper-evident Shrink-wrap Seal | Robert L. Courtney, Jacob O. Young | ||
| 改ざん痕跡表示型シュリンク包装封印 ― 低コスト・高可視性の物理封印デバイス |
(*)本論文は、物理的改ざんを容易に検知できる シュリンク包装型封印(shrink‑wrap seal) の設計と性能評価を示し、低コストで迅速に適用できる封印技術として位置づけている。封印は、加熱収縮によって対象物に密着し、切断・剥離・再貼付などの改ざん行為が不可逆的痕跡として残る ように設計されており、視覚的検知性(tamper‑evidence)が高い。材料特性、収縮挙動、マーキング方法、環境耐性試験などが示され、核物質容器・保管庫・輸送容器などへの 簡便で信頼性の高い封印手段 としての適用可能性が示されている。(SNL) | ||
| Technical Comparison of the Commercialized Racon Model 21000 Portable, Reconfigurable Line Sensor (PRLS) and Original Sandia/USAF Prototype | Daniel A. Blattman | ||
| 商用化された Racon Model 21000 携行型再構成ラインセンサ(PRLS)と Sandia/USAF 試作機の技術比較 ー商用版と原型機の性能差異・環境耐性・欺瞞耐性の比較 |
(*)軍の運用が「固定拠点防護」から「地域戦術対応」へ移行する中、迅速展開可能な高信頼センサとして PRLS が Sandia/USAF により開発され、Racon により商用化が進められた。 商用版 Model 21000 は、1980年代の Sandia/USAF 試作機の広範な野外試験データ(高温・低温・風雨・降雪、欺瞞耐性、誤警報抑制)を反映し、性能向上とコスト低減を実現した。 本論文は、原型機と商用版の技術的差異を比較し、1990年代の「可搬型センサシステム(RSS)」要件に応える屋外警備技術としての進展を示している。 (Racon, Inc.) | ||
| Temperature Effects and Corrections in Volume Measurements Based on Liquid-Level Detection | Bernard Keisch, Sylvester Suda | ||
| 液面検出に基づく体積測定における温度影響と補正 ータンク膨張・液体密度変化・液面位置変動の補正統合 |
(*)液面検出に基づく体積測定では、タンクの熱膨張・液体密度変化・液面位置の変動が温度によって同時に影響を受け、誤差要因が複合的に発生する。著者らは、これら温度依存性を個別に分離し、タンク寸法補正・液体密度補正・液面位置補正を統合した補正式を提示した。実験データに基づき、温度変化が体積測定に与える寄与を定量化し、液体系核物質計量における温度補正の必須性を示した。(NIST) | ||
| Test Results of a New Detector System for Gamma-Ray Isotopic Measurements | Jon R. Hurd, Jack E. Malcom, Charles Bonner | ||
| ガンマ線同位体測定用新型検出器システムの試験結果」 ― 二重検出器構成による同位体識別性能向上 |
(*)新たに開発された「Duo detector」ガンマ線検出システムは、二つの検出器アレイを組み合わせることで、従来方式より高い同位体識別能力を実現することを目的として設計された。試験では、複数のプルトニウム試料に対してエネルギー分解能・ピーク識別・計数効率を評価し、特に低エネルギー領域での性能向上が確認された。結果として、Duo detector システムは、保障措置用のガンマ線同位体測定において、精度向上と測定時間短縮の両面で有望であることが示された。(LANL) | ||
| Test Results of the MECH Probe at Mound | D. P. Renz, J. R. Wetze|, J. A. McDaniels | ||
| Mound における MECH プローブの試験結果 ― 電気加熱校正プローブによる熱量計校正精度向上 |
(*)Mound は、独自に開発した MECH(Mound Electrical Calibration Heater)プローブを、Mound 標準の熱量計運転条件下で評価し、電気加熱による校正精度の検証を行った。試験では、プローブの発熱安定性、再現性、熱結合の均一性を測定し、従来の校正手法と比較して、短時間で高精度の校正が可能であることが示された。結果として、MECH プローブは、プルトニウム熱量計の校正作業において、信頼性向上・作業効率化・校正ドリフト低減に寄与する有望な手段であると結論づけられた。(EG&G Mound Applied Technologies) | ||
| Test Results of the Solid State Stand Alone Developmental Calorimeter | D. P. Renz, K.L. Breakall, R. L. Fultz | ||
| 固体素子スタンドアロン開発用カロリメータの試験結果 ―固体素子化による熱量計の小型化・安定性向上 |
(*)EG&G Mound は、固体素子センサ技術を用いた スタンドアロン型開発用カロリメータを新たに設計し、その性能評価を実施した。試験では、熱応答の安定性、ノイズ特性、温度ドリフト、校正再現性を測定し、従来の熱電堆方式よりも小型化・高速応答・電子統合性の面で優位性が確認された。結果として、この固体素子カロリメータは、将来の NDA 用熱量計として、高安定性・低電力・可搬性を備えた有望な技術であることが示された。(EG&G Mound Applied Technologies) | ||
| The Assay of Pu by Neutron Multiplicity Counting Using Periodic and Signal Trigger Methods | W. Hage, J. A. Mason, L. Bandar, F. W. Ledebrink | ||
| 周期観測法および信号トリガ法を用いたプルトニウム中性子発生パターン解析によるアッセイ ― 観測区間方式の違いによる計数精度・バックグラウンド抑制の比較 |
(*)プルトニウムの非破壊測定において、核分裂で同時に放出される中性子の発生パターンを解析する手法を、周期的観測と信号トリガ観測の両方式で比較した。観測区間の取り方(周期固定 vs. 中性子信号に応じた可変)が、統計精度・計数効率・バックグラウンド抑制に与える影響を定量的に評価した。信号トリガ方式は、低計数率条件での有効性が高く、Pu アッセイの精度向上に寄与することが示された。(KfK, ドイツ) | ||
| The Authenticated Tracking and Monitoring System (ATMS) | J. L. Schoeneman | ||
| 認証追跡・監視システム(ATMS) ― 認証付き遠隔監視による物品状態・移動の全球的追跡 |
(*)ATMS(Authenticated Tracking and Monitoring System)は、重要物品の状態・位置・移動を全球規模で認証付き監視するために設計された次世代システムである。センサ、通信、暗号化、データログを統合し、改ざん検知・遠隔監視・長期無人運用を可能にするアーキテクチャを提示した。国際保障措置や軍備管理における「信頼性の高い遠隔監視」の要求に応えるため、認証データの一貫性確保と通信経路の安全性が主要設計要件として示された。(SNL) | ||
| The CCTV System Design Problem | Peter E. Walters | ||
| CCTV システム設計の課題 ― 検知性能を左右する配置・照明・運用要件の最適化 |
(*)多くの施設で CCTV システムの性能が期待値を下回る原因として、検知確率を含む物理防護システム全体の設計要件が十分に反映されていないことを指摘した。カメラ配置、視野、照明、背景条件、運用者の監視能力など、CCTV の性能を左右する要素を体系的に設計する必要性を論じた。CCTV を単独機器としてではなく、バリアシステムの一部として最適化する設計手法を提示し、誤警報・見逃しの低減を目指す枠組みを示した。(SNL) | ||
| The Design of a Common Safeguards Instrument Interface a Proposal | Steven Kadner, Mark Bronson, Vladimir Rhizikov | ||
| 保障措置機器の共通インタフェース設計に関する提案 ― モジュール化と標準化による機器互換性・統合性の向上 |
(*)保障措置で使用される多様な計測機器を、モジュール化された共通インタフェースで統合する設計提案を示し、機器間の互換性向上と保守性改善を目指した。電気的接続、通信プロトコル、データ形式、認証機能を標準化することで、機器開発・製造・統合の効率化を実現できる枠組みを提示した。この共通インタフェースは、IAEA の将来の機器調達・運用において、長期的な互換性確保とコスト削減に寄与することが期待される。(BNL, IAEA) | ||
| The Euratom Cooperative Support Programme to IAEA Safeguards | M. Cuypers | ||
| IAEA 保障措置に対する Euratom 協力支援計画 ― 技術支援再編による検証能力・実施基盤の強化 |
(*)欧州委員会(Euratom)の IAEA 保障措置向け技術支援計画は、近年の制度改革と技術要件の変化に合わせて、支援分野の再編と重点化が進められている。検証機器開発、データ処理、訓練、現場支援など、IAEA の実施能力を補完する協力活動が体系的に整理され、効率的な支援体制が構築された。これらの協力は、強化保障措置(93+2)への移行期において、国際的な検証能力の向上と技術基盤の強化に重要な役割を果たしている。(European Commission) | ||
| The Generic Review State on “More”: Design and Evaluation | J. Whichello, B. Richter, K. J. Gaertner, G. Neuman | ||
| “MORE” における汎用レビュー環境の設計と評価 ― 監視データ統合とレビュー効率向上のためのモジュール設計 |
(*)“MORE(Modular Review Environment)”は、IAEA の監視データを効率的にレビューするための汎用レビュー・ステーション(GRS)の設計思想を発展させたシステムであり、柔軟なモジュール構成を特徴とする。本論文は、MORE の設計要件、ユーザインタフェース、データ処理機能を整理し、多様な監視機器からのデータを統合的に扱う評価枠組みを提示した。評価結果として、MORE は将来の IAEA 監視運用において、レビュー効率・操作性・拡張性の向上に寄与することが示された。(Aquila Technologies Group) | ||
| The Holdup Measurement System II (HMSII) | J. K. Halbig, P. A. Russo, S. E. Smith, S. F. Klosterbuer, J. S. Gibson | ||
| 滞留量測定システム II(HMSII) ― 可搬化と信号品質向上による現場ホールドアップ測定の高度化 |
(*)HMSII(Holdup Measurement System II)は、既存ホールドアップ測定技術の課題である 可搬性不足と現場適用性の制約 を解決するために開発された改良型システムである。小型化・軽量化された検出器、改良されたデータ収集装置、現場向けソフトウェアを統合し、迅速測定・高感度・操作性向上 を実現した。初期試験では、配管・ダクト・装置内部の残留核物質の測定において、従来機より高い信号品質と安定性 が確認され、実運用への適合性が示された。(LANL) | ||
| The Lawrence Livermore National Laboratory Intelligent Actinide Analysis System |
William M. Buckley, Joseph B. Carlson, Zachary M. Koenig | ||
| ローレンス・リバモア国立研究所における知能化アクチニド分析システム ― 分析工程統合による自動化・再現性向上 |
(*)LLNL は、プルトニウム施設での材料管理を支援するため、アクチニド分析を自動化・知能化する IAAS(Intelligent Actinide Analysis System) を開発した。IAAS は、試料前処理、測定、データ解析、品質管理を統合し、分析手順の標準化・作業者依存性の低減・処理速度向上 を実現する構成となっている。初期運用では、Pu・Am・U などのアクチニド分析において、再現性の高い結果と運用効率の改善が確認され、施設運用の信頼性向上に寄与することが示された。(LLNL) | ||
| The Making of Nondestructive Assay Standards to Resolve Shipper/Receiver Differences | Larry Hall | ||
| 出荷者/受入者差異解消のための非破壊測定標準の作成 ― 不均質試料に対する標準化と測定整合性確保 |
(*)廃棄物・スクラップの NDA は不均質性のため精度確保が難しく、出荷者(Shipper)と受入者(Receiver)の測定値が一致しない S/R 差異問題が深刻化している。著者は、代表性の高い試料作成、均質化、校正基準の確立、測定手順の標準化を含む NDA 標準(Standards)作成プロセスを提示し、S/R 差異を体系的に低減する方法を示した。初期成果として、標準化された NDA 基準は、測定不確かさの縮減・施設間の整合性向上・紛争回避に有効であることが示された。(WSRL) | ||
| The Prospective Usage of the Multi-purpose Canister and Impacts on the Waste Management and Disposal System | N. Barrie Mcleod | ||
| 多目的キャニスターの将来的利用と廃棄物管理・処分システムへの影響 ― 輸送・貯蔵・処分の統合化によるシステム最適化と設計要件調整 |
(*)Multi-Purpose Canister(MPC)は、原子炉サイトで使用済燃料を封入し、そのまま 輸送・中間貯蔵・最終処分 の各段階で共通利用できるよう設計された統合キャニスターである。MPC の導入は、キャスク設計、輸送物流、貯蔵施設レイアウト、処分場パッケージ要件に影響を与え、廃棄物管理システム全体の最適化とコスト削減をもたらす可能性がある。一方で、処分場での熱管理、臨界安全性、廃棄物分類、規制整合性など、システム全体での設計調整が不可欠であることが指摘されている。(SNL) | ||
| The Role of Non-quantifiable Aspects in Nuclear Safeguards | W. Kloeckner, R. Schenkel | ||
| End(9) | 核保障措置における非定量的要素の役割 ― 運用文化・手続き遵守・人的要因が検証信頼性に与える影響 |
(*)核物質計量管理は Euratom と IAEA 保障措置の中核であるが、制度運用には数値化できない要素(運用文化、信頼性、手続き遵守、人的要因)が大きく影響することを指摘した。これら非定量的側面は、計量データの品質、検証活動の実効性、査察官と事業者の相互理解に影響し、保障措置の信頼性を左右する重要因子として分析された。著者らは、制度設計・査察計画・訓練において、技術的手法と非定量的要素の統合的評価が不可欠であると結論づけている。(EC) | |
| The Role of Regional Systems in International Nonproliferation Safeguards | W. Gmelin | ||
| 国際不拡散保障措置における地域システムの役割 ― 地域枠組みによる検証負担分担と資源最適化 |
(*)1990 年当時、IAEA 保障措置資源の約 80% が、核転用リスクの低い地域に投入されており、資源配分の効率性が課題となっていた。著者は、Euratom のような 地域保障措置システム(Regional Systems) が、IAEA の負担軽減・検証の冗長性確保・地域的専門性の活用により、国際保障措置を補完できると論じた。地域システムと IAEA の役割分担を最適化することで、資源の重点化・検証の信頼性向上・国際的整合性の確保が可能になると結論づけている。(EC) | ||
| The Technical Implementation of a Safeguards Location Indicating Device | Kaluba Chltumbo | ||
| 保障措置用位置表示デバイスの技術的実装 — MIVS・Twin Minolta カメラの位置自動報告技術と共同査察効率化のための実装提案 <MIVS (Modular Integrated Video System) > |
(*)IAEA が共同査察で使用する MIVS や Twin Minolta カメラの設置・撤去には、共同査察原則維持のための重複作業が発生していた。Safeguards Location Indicating Device(位置表示デバイス)は、1 名の査察官でも共同査察の要件を満たしつつ作業を実施できる可能性を示す技術提案である。E‑Tag(電子識別タグ)や ARR(Aquila Remote Recording)装置を用いて監視カメラ位置を自動報告する方式を検討し、IAEA 査察官による初期評価結果を紹介している。(Aquila Technologies Group, Inc. ) | ||
| Thermal Imaging Systems for Air Force Security Applications | Daniel A. Pritchard, Glenn E, Herosian | ||
| 空軍警備用途における熱画像システム — 空軍基地警備におけるサーマルイメージャの適用性評価と運用上の有効性 |
(*)サーマルイメージャ(熱画像装置)は、これまで軍・民間のセキュリティ用途では限定的にしか利用されてこなかった。近年、既存の軍用サーマルイメージャをセキュリティ分野へ転用する試みが増加し、夜間監視・侵入者検知能力の向上が期待されている。本研究は、空軍基地の警備運用における熱画像システムの性能・適用性を評価し、従来の可視光監視では困難な状況での有効性を示している。 | ||
| Thermal Neutron Multiplicity Measurements Using the Pyrochemical Multiplicity Counter at Lawrence Livermore National Laboratory | M. S. Krick, D.G. Langner, D.R. Parks | ||
| ローレンス・リバモア国立研究所におけるパイロ化学プロセス用熱中性子相関計数測定 — 単一・二重・三重中性子同時計測法を用いたプルトニウム残渣評価の性能検証 |
(*)ロスアラモスで設計・製作された「パイロ化学プロセス用相関中性子計数器」が、LLNL に搬送され、熱中性子領域での性能評価が進められている。プルトニウム含有パイロ化学残渣の測定において、核分裂による中世発生(1,2,3..同時発生中性子の相関計数の安定性と計測精度を検証することが主目的である。初期試験では、計数器の検出効率・ランダム計数補正・死時間補正などの要素が LLNL の測定環境に適合するかを評価している。(LANL) | ||
| THORP: The Lessons for Safeguards | M. S. Krick, D.G. Langner, D.R. Parks | ||
| THORP:保障措置への教訓 — 大規模再処理施設における設計段階からの保障措置適用と計量管理・監視手法の知見 |
(*)英国セラフィールドの THORP は 1993 年運転開始を予定し、年間 800 tHM 規模の大規模再処理施設として、保障措置の観点から前例のない挑戦を伴っていた。設計段階から IAEA・Euratom・BNFL が三者協力し、計量管理、プロセス監視、C/S(封じ込め・監視)を統合した「設計段階からの保障措置(Safeguards by Design)」の実践例となった。大規模連続プロセスにおける計量不確かさ、遠隔監視、オンライン計測の限界など、将来の再処理施設に適用可能な教訓を提示している。(BNFL, URATOM, UK Safeguards, IAEA,) | ||
| Total Quality Development of Material Control and Accountability Software – LANMAS | L. P. McRae, D. Yearsley | ||
| 核物質計量管理ソフトウェア LANMAS の総合的品質開発 — DOE 要件に基づく品質保証・構成管理・ユーザ要求分析を統合した開発手法 |
(*)DOE の新しいガイドラインにより、核物質計量管理(MC&A)ソフトウェアは Total Quality(総合的品質管理) の要求を満たすことが義務づけられ、開発プロセスの抜本的改善が必要となった。LANMAS(Local Area Network Material Accountability System)は、品質保証、構成管理、文書化、ユーザ要求分析を統合した TQM ベースの開発手法 によって構築されている。本論文は、MC&A ソフトウェアに特有の要求(計量精度、トレーサビリティ、監査性)を満たすための品質管理プロセスと、DOE 施設への適用可能性を示している。(INEL) | ||
| Total Quality in Spent Fuel Pool Reracking | James S. Cranston, John N. Taglianetti, Robert B. Bradbury, Richard J. Cacciapouti, David G. Schaeffer | ||
| 使用済燃料プール再ラック化における総合的品質管理 — 再ラック化プロジェクトにおける品質保証・作業管理・サプライヤ管理の統合的適用 |
(*)原子力発電所の運営環境は、厳格な規制とコスト管理、そして高まる社会的監視のもとにあり、使用済燃料プールの再ラック化作業にも Total Quality(総合的品質管理) の導入が求められている。再ラック化は、燃料貯蔵容量の拡大を目的とするが、作業は水中・高放射線環境で行われ、寸法精度・構造健全性・作業手順の厳密性が極めて重要となる。本論文は、品質保証(QA)、品質管理(QC)、作業手順管理、サプライヤ管理を統合した Total Quality アプローチ により、再ラック化プロジェクトの安全性・信頼性・コスト効率を向上させた事例を示している。(Yankee Atomic Electric Company) | ||
| Transition Efficiencies in Safeguards and Security | D. J. Frank, J .E. Beranek, V.F. Witherill | ||
| 保障措置・セキュリティ移行期における効率化 — RFP における運用再編・リスクベース最適化・コスト削減手法の検討 |
(*)Rocky Flats Plant(RFP)の保障措置・セキュリティ(SAS)プログラムは、施設の閉鎖・再編・環境修復への移行に伴い、運用手順・人員配置・技術システムの大幅な見直しが必要となった。移行期の効率化を図るため、SAS の機能を分析し、重複作業の削減、リスクベースの優先順位付け、運用コストの最適化を行う手法を検討している。本論文は、移行プロセスにおける効率化の成功例と課題を示し、他の DOE 施設にも適用可能な移行管理モデルを提示している。(Rocky Flats Plant / EG&G) | ||
| Transition of the Rocky Flats Plant to Environmental Restoration and Waste Management | Yvonne M. Ferris, Milton Haas, Leanne Smith, Jeff A. Kerridge | ||
| ロッキーフラッツ施設の環境修復・廃棄物管理への移行 — 核兵器製造から環境修復への使命転換に伴う組織再編・運用管理の課題と対応 |
(*)国際情勢の変化により米国の核兵器生産需要が減少し、Rocky Flats Plant(RFP)は核兵器部品製造から 環境修復(Environmental Restoration) と 廃棄物管理(Waste Management) を中心とする新たな使命へ移行することになった。この移行は、組織構造、人員配置、運用手順、核物質管理、セキュリティ、廃棄物処理能力など、施設全体の大規模な再編を必要とした。本論文は、移行プロセスにおける課題(規制遵守、核物質の安全管理、環境リスク低減)と、効率的な移行を実現するための管理手法・計画策定の経験をまとめている。(Rocky Flats Plant / EG&G) | ||
| Transparency of National and Regional Safeguards Systems | Hellen M. Hunt | ||
| 国家および地域保障措置制度の透明性 ― 不拡散体制強化に向けた公開性・説明責任の役割 |
(*)核兵器の水平的拡散防止への関心が高まる中、国家・地域レベルの保障措置制度の透明性向上が国際社会の信頼醸成に不可欠であると論じている。透明性を高めることで、各国の核活動が平和目的であることを示し、IAEA 保障措置との整合性や相互補完性を強化できると指摘する。著者は、公開情報の拡充、制度運用の説明責任、地域協力枠組みの活用などが、不拡散体制の強化に寄与する実践的手段であると述べている。(DOE) | ||
| Trends in Digital Video Surveillance at Euratom Safeguards | H. G. Wagner | ||
| EURATOM 保障措置におけるデジタル映像監視の動向 ― アナログからデジタルへの移行がもたらす技術的進展と課題 |
(*)EURATOM 保障措置において、アナログ監視からデジタル監視への移行が主要課題となり、その技術的・運用的要件が整理されている。デジタル化により、画像品質、データ保存性、タイムタグ精度、遠隔監視能力が大幅に向上し、保障措置の信頼性強化に寄与する。EURATOM が進めるデジタル監視システムの導入動向として、標準化、データ認証、システム統合が重要な技術トレンドとして示されている。(Euratom) | ||
| U.S. Bilateral Physical Protection Program | Ira N. Goldman, Rebecca D. Horton | ||
| 米国の二国間物理的防護プログラム ― 核物質密輸増加を背景とした国際協力型防護能力強化の枠組み |
(*)欧州で核兵器級核物質の密輸・売買事案が増加したことを受け、米国の二国間物理的防護支援プログラム(Bilateral PP Program)の重要性が高まっていると論じる。このプログラムは、各国の核物質防護能力を強化するため、評価、訓練、技術支援、設備改善を二国間協力の枠組みで提供する。著者らは、国際不拡散体制の強化には、国家間の協力的アプローチと物理的防護の標準化が不可欠であると指摘する。(DOE) | ||
| U.S. Cooperation With the Former Soviet Union in Establishing National Safeguards Systems | Ronald Cherry, Kenneth E. Sanders, George Kuzmycz, Philip Ting | ||
| 旧ソ連諸国における国家保障措置制度構築に向けた米国の協力 ― MC&A・物理的防護・法制度整備を含む包括的支援枠組み |
(*)旧ソ連諸国で国家保障措置制度を新たに構築するため、米国が MC&A・物理的防護・制度設計の分野で包括的支援を行った取り組みを整理している。支援内容は、法制度整備、核物質台帳システム、査察手順、技術供与、訓練など多岐にわたり、各国の自立的な保障措置能力の確立を目指すものであった。著者らは、政治・技術・組織面の課題を踏まえつつ、米国・NRC・DOE・研究所の協働による制度構築支援の成果と今後の展望を示している。(DOE, NRC) | ||
| U.S. Department of Energy Insider Protection Program | Neil R. Zack, H. R. Martin, David W. Crawford | ||
| 米国エネルギー省の内部脅威対策プログラム ― 悪意・過失の双方に備える多層的セキュリティ枠組み |
(*)DOE の保障措置・セキュリティ体系において、内部脅威(insider threat)からの防護は最重要要素であり、悪意ある行為だけでなく、非意図的な行動によるリスクも対象とする包括的プログラムである。Insider Protection Program(IPP)は、人物信頼性評価(PRP/HRP)、行動観察、アクセス管理、監査、教育訓練など多層的な対策を統合して運用されている。著者らは、内部脅威対策の有効性向上には、組織文化、継続的監視、データ統合、管理者の関与が不可欠であると指摘し、DOE 内での改善事例と課題を示している。(SNL, DOE) | ||
| U.S. Department of Energy’s International Safeguards Program | Kenneth B. Sheely | ||
| 米国エネルギー省の国際保障措置プログラム ― IAEA 保障措置強化に向けた政策分析・技術開発・国際協力の枠組み |
(*)DOE の International Safeguards Program は 1978 年以来、国際保障措置政策の分析、戦略立案、技術開発を通じて、IAEA 保障措置の強化に継続的に貢献してきた。プログラムは、計測技術、データ管理、査察支援ツール、保障措置機器の開発など、技術的基盤の提供を中心に国際協力を推進している。著者は、保障措置の高度化には、政策・技術・運用の統合的アプローチが不可欠であり、DOE の役割が今後も重要であると述べている。(DOE) | ||
| U.S. Department of Energy, Defense Programs, Activities to Support the Safe, Secure Dismantlement of Nuclear Weapons in the Former Soviet Union | James Turner | ||
| 旧ソ連における核兵器の安全・確実な解体支援 ― DOE 防衛プログラムによる輸送・保管・解体工程の安全化措置 |
(*)1991 年のブッシュ大統領による核兵器削減宣言を受け、DOE Defense Programs は、旧ソ連の核兵器の安全かつ確実な解体(SSD: Safe & Secure Dismantlement)を支援するための活動を開始した。支援内容は、核弾頭輸送の安全化、貯蔵施設の防護強化、解体工程の安全管理、核物質の保管改善など、核兵器解体に伴うリスク低減を目的とした包括的措置である。著者は、米国の技術支援と協力枠組みが、旧ソ連地域の核兵器削減を円滑に進め、核拡散リスクの抑制に重要な役割を果たしたと述べている。(DOE) | ||
| Uncertainty Estimates for Volume Calibration Measurements that Exhibit Significant Run-to-run Variability | Albert M. Liebetrau, Ivan R. Thomas | ||
| 測定ごとに変動が顕著な体積較正測定における不確かさ推定 ― 系統誤差・環境要因を考慮した現実的評価手法 |
(*)体積較正測定において、測定ラン間のばらつき(run-to-run variability)が大きい場合の不確かさ評価手法を検討し、従来の単純統計では不十分であることを示す。著者らは、系統誤差・装置特性・環境要因がラン間変動に寄与する点を分析し、これらをモデル化することで、より現実的な不確かさ推定が可能になると論じる。提案手法は、核物質計量で重要な大容量容器の体積較正に適用でき、測定信頼性の向上に寄与する。(PNL, ORNL) | ||
| Understanding Requirements via Natural Language Information Modeling | John K. Sharp, Steven D. Becker | ||
| 自然言語情報モデリングによる要求理解 ― 平易な英語文から形式モデルへの変換による要求分析の明確化 |
(*)情報システムの要求仕様を 自然言語(平易な英語文)で記述することで、関係者間の理解を明確化できるとし、その構造化手法として Natural Language Information Modeling(NLIM)を提示している。NLIM は、自然言語文を 概念・関係・制約に分解し、形式的モデルへ変換することで、要求の曖昧さや不整合を低減する。著者らは、自然言語と形式モデルの橋渡しを行うことで、要求分析の効率化・誤解防止・仕様の完全性向上が可能になると論じている。(SNL) | ||
| Uranium Hexaflouride Packaging Tiedown Systems Overview at Portsmouth Gaseous Diffusion Plant, Piketon, Ohio | David L. Becker, Donald J. Green, Marlin R. Lindquist | ||
| End(10) | オハイオ州パイクトンに所在する Portsmouth ガス拡散プラント ― 運転体制・安全管理・保障措置活動の概要 |
(*)オハイオ州パイクトンにある Portsmouth Gaseous Diffusion Plant(PORTS) の運転状況、組織体制、運営責任(Martin Marietta Energy Systems)について概説し、同施設の役割と現状を整理している。PORTS は、ウラン濃縮・核物質管理・環境安全など複数の機能を担い、DOE の規制・監督のもとで 保障措置、核物質計量管理(MC&A)、物理的防護、環境管理を統合的に実施している。著者らは、施設運営における 安全性、セキュリティ、環境遵守の改善活動を示し、将来の運転方針や課題について論じている。(Portsmouth Gaseous Diffusion Plant (PORTS) Martin Marietta Energy Systems, Inc.) | |
| Use of the Waste Curie Monitor to Measure Combustible Waste Containing Mixed Uranium Isotopes | R. C. Hagenauer | ||
| 混合ウラン同位体を含む可燃性廃棄物の測定における Waste Curie Monitor の適用 ― 208 L ドラム中の微量ウランを対象とした高感度非破壊測定 |
(*)Waste Curie Monitor(WCM)は、208 L ドラム内の微量ウランを高感度で測定できる装置であり、特に可燃性廃棄物に含まれる混合ウラン同位体の評価に有効である。本研究では、WCM の測定原理・校正方法・検出限界を示し、可燃性廃棄物中の低レベル核物質の非破壊測定における性能を評価している。著者は、WCM が 核物質計量管理(MC&A)・廃棄物分類・安全管理において信頼性の高い測定手段となり得ることを示している。(ORNL) | ||
| Using the Safety/Security Interface to the Security Manager’s Advantage | Bernard W. Stapleton | ||
| 安全・セキュリティのインターフェースをセキュリティ管理者の利益に活用する ― 要員安全と安全プログラムの活用によるセキュリティ運用の強化 |
(*)本論文は、核セキュリティ業務における 安全(Safety)とセキュリティ(Security)の接点に着目し、特に核セキュリティ要員の個人安全と、セキュリティ管理者が安全プログラムを活用する方法の 2 点を論じている。著者は、安全プログラムの仕組み(訓練、手順、リスク評価)が、セキュリティ運用の効率化・事故防止・要員保護に直接的な利益をもたらすことを示す。安全とセキュリティを統合的に運用することで、組織文化の改善、要員の士気向上、運用リスクの低減が可能となり、セキュリティ管理者にとって戦略的な利点となると結論づけている。(SNL) | ||
| Vulnerability Assessment Using Two Complementary Analysis Tools | William K. Paulus | ||
| 2 つの補完的分析ツールを用いた脆弱性評価 ― 攻撃シナリオ解析と防護性能評価を統合した DOE の脅威評価手法 |
(*)核物質の盗取・破壊工作に対する脆弱性を評価するため、DOE 施設では 1989 年以降、2 種類の補完的な分析ツールを併用して脅威評価を実施している。これらのツールは、攻撃シナリオのモデル化・防護システムの性能評価・応答時間分析など異なる観点から脆弱性を解析し、相互補完的に結果の信頼性を高める。著者は、複数ツールの併用により、単一手法では見落とされる弱点の発見・評価の一貫性向上・防護改善策の具体化が可能になると述べている。(SNL) | ||
| Waste Management of Line Item Projects at Oak Ridge National Laboratory | David S. Zill | ||
| ORNL における Line Item プロジェクトの廃棄物管理 ― 多数の契約者が関与する大型プロジェクトにおける統一的管理枠組み |
(*)ORNL の Line Item プロジェクト(大型建設・設備更新プロジェクト)に関与する企業が増加する中、廃棄物管理の要件・手続き・責任分担が複雑化していることを指摘している。著者は、プロジェクトごとに異なる契約者・下請け企業が発生させる廃棄物を、ORNL の環境・安全・廃棄物管理基準に統一的に適合させるための管理枠組みを説明する。効果的な廃棄物管理には、明確な手順、教育訓練、文書化、監査、コミュニケーション体制が不可欠であり、Line Item プロジェクトの成功に直結すると結論づけている。(ORNL) | ||
| WHAT WILL THE INTERNATIONAL NON-PROLIFERATION REGIME BE AFTER 1995? | Andre Petit | ||
| 1995 年以降の国際不拡散体制の行方 ― NPT 延長、保障措置強化、輸出管理の将来展望 |
(*)本論文は、1995 年の NPT 再検討・延長会議を境に、国際不拡散体制がどのように変化するかを分析し、制度的・政治的課題を整理している。著者は、冷戦終結後の新たな安全保障環境のもとで、保障措置の強化、輸出管理の厳格化、核兵器国の透明性向上が不可欠であると指摘する。1995 年以降の不拡散体制の持続性は、NPT の延長方式、IAEA 追加措置、地域的安全保障枠組みの進展に左右されると結論づけている。(European Commission/JRC) | ||
| When Things Began to Move at Yucca Mountain | John H. Peck | ||
| End(11) | ユッカマウンテン計画が動き始めた時期とその要因 ― 地質調査・QA 体制・政策決定の進展がもたらした転換点 |
(*)本論文は、ユッカマウンテン処分場計画において 「物事が動き始めた」転換点(政策決定・技術進展・組織体制の変化) を振り返り、計画が本格化した背景を整理している。著者は、地質調査、サイト特性評価、品質保証(QA)体制の整備、DOE 内部の意思決定プロセスなど、計画推進の鍵となった要素を具体的に示す。ユッカマウンテン計画の進展は、技術的課題の克服・規制当局との調整・政治的合意形成が相互に作用した結果であると結論づけている。(DOE) |