INMM米国年次大会論文集(1991年)
メンター部会の活動の一環としてINMM米国年次大会におけるProceedingタイトルリスト(日本語訳付き)の1991年分を作成しました。
タイトル、著者のほかに、タイトルだけではよくわからない専門用語や略号を日本語で補足した備考欄(訳注、補足・コメントなど)を付加しましたので有効活用いただければ幸いです。
| Sub-Volume End-marker | Title/タイトル | Authors | 備考 (訳注、補足・コメントなど) |
| A Computerized, Pictorial Representation of Sensor Status for Intrusion Detection Systems | Darwin R. Perkins | ||
| センサー状態をコンピュータ化し図示する侵入検知システム用表示手法 — 航空写真とゾーン情報を統合した動的可視化 ADM による運用改善 |
(*)ハンフォードサイトで10年以上運用されてきた AMS(Alarm Monitoring System)に対し、センサー状態を動的に可視化する新しい Alarm Display Map(ADM) を開発した。ADM は航空写真上にセンサー状態・ゾーン情報・建屋階層情報を重ね合わせ、多数のデータポイント(1000点超)を直感的に表示する。オブジェクト指向設計と Macintosh システム機能を活用し、非プログラマでも維持管理でき、既存 IDS への統合も容易な拡張性の高い表示サブシステムを実現した。(Boeing Computer Services ) | ||
| A METHOD FOR CALCULATING THE CONSEQUENCES OF EXPLOSIVE RADIOLOGICAL RELEASES | B. J. Layman | ||
| 爆発事象に伴う放射性物質放出影響の計算手法 ー破砕量・爆風輸送・大気拡散を統合した線量評価体系の提示 |
(*)爆薬によって放射性物質が破砕・分散される事象を対象に、初期破砕量・粒径分布・爆風輸送を統合した放射性物質の拡散量推定手法を提示している。近距離の高濃度沈着と遠距離の希薄拡散を同時に扱うため、爆風モデルと大気拡散モデルを連結した計算体系を構築している。結果として、避難判断・除染規模・防護距離の設定に必要な線量評価を迅速に算出できる手法として、核施設のセキュリティ評価に適用可能であることを示している。(SNL) | ||
| A NEW APPROACH TO PERFORMING HOLDUP MEASUREMENTS ON GLOVE BOX EXHAUSTS* | G. A. Sheppard, P. A. Russo, T. R. Wenz, Eric C. Piquette, M. C. Miller, J. Bruce Glick, Francis X. Haas | ||
| グローブボックス排気ダクトにおけるホールドアップ測定の新手法 — ダクト幾何とコリメート測定を統合した残留核物質量の推定技術 |
(*)グローブボックス排気ダクトに蓄積する核物質(主に Pu 化合物)の holdup(付着残留量) を、従来より高精度かつ作業者負担を減らして測定する新手法を提示している。排気ダクトの形状・遮蔽・流量条件を考慮し、コリメート γ 測定と幾何学モデルを組み合わせて、線源分布を逆算する計測体系を構築した。実機ダクトでの検証により、従来法よりも不確かさを低減し、核物質管理(MC&A)および安全評価に適用可能であることを示した。(LANL) | ||
| A Survey of Equipment Used Routinely for Safeguards by the Euratom Safeguards Directorate | B. G. R. Smith, R. Schenkel, P. Chare, M. Swinhoe, K. Collier | ||
| EURATOM 保障措置局が日常運用する検認機器の調査 ― NDA・C/S・計量確認装置の適用範囲と運用特性の整理 |
(*)EURATOM 保障措置局が日常的に使用している検認機器(NDA、DA 支援機器、C/S 装置、データ処理装置)を体系的に整理し、その運用実績と性能特性をまとめた。核燃料サイクル施設での実地検認において、どの機器がどの測定目的(Pu/U 定量、封じ込め監視、計量確認)に適用されているかを示し、信頼性・携行性・校正要求などの運用条件を比較した。結果として、EURATOM が採用する標準的な保障措置機器体系と、今後の改良が必要な領域(高精度 NDA、デジタル化、C/S の自動化)が明確化された。(EURATOM) | ||
| Arms Control Today- An Annual Update | Michael F. Heaney | ||
| 軍備管理の現状:年次アップデート — START・CFE・化学兵器交渉など主要交渉の進展と停滞要因の整理 |
(*)過去 12 か月の軍備管理交渉では、CFE 合意や化学兵器破壊に関する米ソ合意など重要な進展があった一方、他の交渉は停滞した。START 交渉は複雑性とソ連の政治的不安定、湾岸戦争への米国の集中により難航し、批准プロセスも厳しい状況にある。Open Skies 構想の停滞や多国間化学兵器条約交渉の遅れなど、検証制度や政策上の課題が進展を妨げている。(Meridian Corporation ) | ||
| Automated Questionnaire for Sensitive Positions, SF-86 (QSP System) | Melinda J. Fisher, Kelley W. Deatherage | ||
| 機微職務向け身辺調査票 SF‑86 の自動化システム QSP — 入力支援・整合性チェック・データ管理を統合した電子化フォーム |
(*)米国政府の身辺調査用フォーム SF‑86 を電子化し、入力支援・整合性チェック・データ管理を自動化する QSP(Questionnaire for Sensitive Positions)システム を開発した。従来の紙ベースでは発生しやすかった記入漏れ・矛盾・不備を、対話型入力と自動検証機能により大幅に削減した。DOE 施設での運用を想定し、セキュリティ要件・データ保護・審査プロセスとの連携を考慮した実装となっており、審査効率の向上に寄与する。(Martin Marietta Energy Systems) | ||
| Automatic Spent Fuel ID Number Reader | Shozo Tanabe, Hayao Kawamoto, Kazunori Fujimaki, Akira Kobe | ||
| 使用済燃料 ID 番号の自動読取システム — 水中画像補正とパターン認識を用いた燃料識別の自動化 |
(*)使用済燃料集合体に刻印された ID 番号を、画像処理により自動読取するシステムを開発し、プール内での燃料識別作業を大幅に効率化した。水中撮影で生じる歪み・反射・低コントラストといった画像劣化を補正し、文字抽出とパターン認識により ID を自動判定するアルゴリズムを構築した。実機プールでの試験により、従来の目視確認よりも誤読率を低減し、保障措置検認や燃料管理への適用可能性を示した。(PNC) | ||
| Cerenkov Light Images of Irradiated Fuel and Non-fuel Assemblies from the WWER Reactor in Loviisa, Finland | P. Vodrazka, J. Dennis Chen, Gary .Young | ||
| フィンランド・ロヴィーサ発電所 WWER 炉における照射済燃料および非燃料集合体のチェレンコフ光画像 — CVD を用いた燃料識別性能の評価 |
(*)フィンランド・ロヴィーサ発電所の WWER 型炉から取り出された燃料集合体および非燃料集合体を対象に、Cerenkov 光を用いた識別画像を取得し、保障措置検認への適用性を評価した。燃焼度・冷却期間・水深などの条件が Cerenkov 光強度に与える影響を測定し、燃料と非燃料集合体の識別が可能であることを実証した。結果として、IAEA の CVD(Cerenkov Viewing Device)を用いた現場検認において、WWER 燃料プールでも十分な識別性能が得られることが確認された。(IAEA) | ||
| Cobra Sealing System – From Field Evaluation to Practical Safeguards Application | P. Vodrazka, L. Cermak | ||
| COBRA 電子封印システム:現場試験から保障措置実運用への展開 — 改ざん検知性能・環境耐性・運用要件の確立 |
(*)COBRA 電子封印システムのフィールド試験結果を踏まえ、IAEA 保障措置での実運用に向けた改良点と適用条件を整理し、従来のメカニカル封印に対する優位性を示した。ケーブル連続性監視・改ざん検知・データ記録機能の信頼性を、実際の核施設での長期試験により検証し、環境条件・取扱性・保守性の観点から運用要件を確立した。その結果、COBRA 封印は C/S(Containment & Surveillance)技術として、IAEA の現場検認における実用的な電子封印として導入可能であることが示された。(IAEA) | ||
| Determining System Effectiveness Against Outsiders Using Assess | Mark K. Snell, Byron Gardner, William K. Paulus | ||
| ASSESS を用いた外部侵入者に対する防護システム有効性の評価 — 侵入経路解析・遅延要素・応答時間を統合した定量評価手法 |
(*)外部侵入者(outsider adversary)を想定した物理防護システムの有効性を、SNL の ASSESS ツールを用いて定量的に評価する手法を提示した。侵入経路、突破手段、警報・遅延・応答の各要素をモデル化し、シナリオごとの成功確率(Probability of Interruption / Neutralization)を算出する枠組みを示した。実施設を模擬したケーススタディにより、弱点の特定、改善策の比較、システム全体の防護性能の最適化が可能であることを示した。(SNL) | ||
| Development of Fuel Number Reader by Ultrasonic Imaging Techniques | Tatsuyuki Ornate, Tomiharu Yoshida, Makoto Senoh, Tuyoshi Takeuchi | ||
| 超音波イメージング技術による燃料番号読取装置の開発 — 金属刻印の凹凸再構成を用いた非接触識別手法 |
(*)使用済燃料集合体の端部に刻印された ID 番号を、超音波イメージングにより非接触で読み取る新方式を開発し、光学撮影が困難な条件下でも識別可能とした。超音波反射パターンから金属刻印の凹凸を再構成し、画像化アルゴリズムにより文字形状を抽出して ID を判定する手法を構築した。実機燃料を用いた試験で、光学法では読取困難な腐食・汚れ・水中濁度条件でも安定した識別性能を示し、保障措置検認への適用可能性を確認した。(PNC) | ||
| Development of the AWE (A) NMM Transportable Plutonium Assay Calorimeters | J. A. Mason | ||
| AWE(A) による可搬型プルトニウム定量カロリメータの開発 — 現場測定を可能にする断熱構造・温度制御・校正体系の最適化 |
(*)AWE が核物質管理および保障措置検認のために開発した 可搬型プルトニウム・カロリメータ の設計思想と性能評価を示し、固定式装置では困難な現場測定を可能にした。熱出力測定の安定性を確保するため、断熱構造・温度制御・校正手法を最適化し、輸送性と計測精度を両立させた装置構成を採用した。実試験により、可搬型でありながら固定式に近い測定精度を達成し、施設間移動や現場検認での迅速な Pu 定量に適用可能であることを示した。(AWE(A)/UK Atomic Weapons Establishment (Aldermaston)) | ||
| Development of Verification Procedures for the Chemical Weapons Convention | Richard W. Hutchinson | ||
| 化学兵器禁止条約(CWC)における検証手順の開発 — 査察・サンプリング・分析を統合した実効的検証モデルの構築 |
(*)化学兵器禁止条約(CWC)の発効を見据え、査察・サンプリング・分析・立入手続などの検証プロセスを体系化し、実効性のある検証手順を開発した。化学剤・前駆体・生産設備の特性を踏まえ、査察官の行動規範、施設側の協力手順、サンプリング方法、分析チェーン・オブ・カストディを統合した検証モデルを提示した。実地演習とシミュレーションを通じて、検証の信頼性・透明性・再現性を確保するための要件を明確化し、CWC の国際検証体制構築に寄与した。(SNL) | ||
| Evaluating Safeguards Effectiveness Against Protracted Theft of Special Nuclear Material by Insiders | R. A. AI-Ayat, A. Sicherman | ||
| 内部者による長期的な少量持ち出し(盗取)に対する保障措置有効性の評価 — 計量管理・アクセス権限・監査頻度を統合した検知モデル |
(*)内部者による長期的・計画的な少量持ち出し(盗取, protracted theft)を対象に、保障措置システムの有効性を定量的に評価する枠組みを提示した。内部者のアクセス権限、作業パターン、計量管理の検知能力、監視・記録の整合性をモデル化し、長期間にわたる少量持ち出しの検知確率を算出した。ケーススタディにより、計量管理の精度向上、職務分離、監査頻度の最適化などが、内部脅威に対する検知性能を大きく左右することを示した。(LLNL) | ||
| Experimental Inventory Verification System: An Apllication of Image Processing to Nuclear Safeguards | C. A. Steverson, M. I. Angerman | ||
| 実験的在庫検認システム:核物質保障措置への画像処理技術の応用 — ラベル識別・形状特徴抽出を用いた自動照合手法の評価 |
(*)核物質在庫検認(Inventory Verification)を自動化するため、保管容器・ドラム・設備の識別を画像処理で行う実験的システムを構築し、手作業による照合作業の負荷を大幅に低減した。ラベル・バーコード・形状特徴を画像から抽出し、データベース照合と組み合わせることで、在庫リストと現物の一致確認を自動化するアルゴリズムを開発した。実施設での試験により、誤読率の低減、検認時間の短縮、記録の一貫性向上が確認され、保障措置における画像処理技術の有効性が示された。(LLNL) | ||
| Graphics-based Nuclear Facility Modeling and Management | Samuel Rod | ||
| グラフィックスベースの核施設モデル化・管理システム — レイアウト・物質フロー・計量情報の統合可視化による運転・保障措置支援 |
(*)核施設の配置・機器・核物質フローを グラフィックスベースのモデルとして統合表示し、運転管理・保障措置・核物質管理(MC&A)を支援するシステムを開発した。施設レイアウト、工程間の物質移動、計量ポイント、監視装置などを視覚的に表現し、運転状態・在庫状況・異常イベントをリアルタイムに把握できる管理環境を構築した。実施設データを用いた評価により、作業者の状況認識向上、検認作業の効率化、核物質フローの透明性向上に寄与することが示された。(LANL) | ||
| Holdup Data Analysis for Portsmouth Building X705 | N. R. Zack, K. E. Thomas, S. A. Jones, S. P. Pederson | ||
| Portsmouth 施設 X‑705 建屋における核物質滞留量データ解析 — 測定・工程情報・物質収支モデルを統合したホールドアップ評価 |
(*)Portsmouth GDP の建屋 X‑705 における核物質滞留量(holdup)を、測定データ・工程情報・統計解析を組み合わせて評価し、在庫差(MUF)管理と保障措置検認の信頼性向上を図った。配管・装置内部に残留する U 材料の分布を、γ 線測定・工程履歴・物質収支モデルを統合して推定し、測定誤差・モデル不確かさを定量化した。解析結果に基づき、重要区画のホールドアップ寄与、測定頻度、改善すべき工程要因を特定し、MC&A の精度向上に資する運用指針を提示した。(DOE) | ||
| IAEA Inspections – Experience and Future Tasks | V. Schuricht | ||
| IAEA 査察:経験と将来の課題 — 計量管理の限界、C/S 強化、ランダム査察・プロセス監視の必要性 |
(*)IAEA 査察の過去 10 年間の経験から、計量管理の限界・C/S の重要性・査察官訓練の高度化など主要課題を整理した。将来の保障措置では、ランダム査察・短時間予告査察(SNRI)・プロセス監視・無人監視システムの導入が不可欠であると指摘。93+2 方式に向け、国家レベル評価(State-level approach)・情報分析・技術統合を強化すべきと結論づけた。(IAEA) | ||
| IAEA SAFEGUARDS AND TECHNICAL SUPPORT PROGRAMS: POTAS IN THE 1990s* | Ann Reisman, J. Christian Kessler | ||
| IAEA 保障措置と技術支援プログラム:1990 年代の POTAS — C/S・NDA・プロセス監視・査察機器開発を支える米国技術支援の方向性 |
(*)1990 年代に向けて、POTAS が IAEA に提供する技術支援の重点領域(C/S、NDA、プロセス監視、査察機器、データ管理)を整理し、支援の戦略的方向性を提示した。IAEA の査察負荷増大・未申告活動検知の必要性を踏まえ、無人監視・高度 NDA・データ統合などの技術開発を強化する必要性を指摘。米国政府・研究機関・産業界の協働により、IAEA 保障措置の信頼性向上と効率化を支える技術基盤を構築することを提案した。(DOE) | ||
| IMPLEMENTATION OF A COMMUNITY RELATIONS PROGRAM FOR THE HANFORD FEDERAL FACILITY AGREEMENT AND CONSENT ORDER (TRI-PARTY AGREEMENT) | James M. Peterson | ||
| End(1) | (*)Hanford サイトの環境修復に関する Tri‑Party Agreement(TPA) の実施にあたり、地域住民・自治体・部族政府との信頼構築を目的とした Community Relations Program の設計と運用を整理した。情報公開、住民説明会、技術ワークショップ、ニュースレター、問い合わせ窓口など、多層的なコミュニケーション手段を組み合わせ、透明性と参加型意思決定を強化した。大規模環境修復プロジェクトにおいて、技術的課題だけでなく社会的受容性(public acceptance)を確保することが成功の鍵であると結論づけた。(DOE) | ||
| IMPLEMENTATION OF AN ENHANCED MEASUREMENT CONTROL PROGRAM FOR HANDLING NUCLEAR SAFETY SAMPLES AT WSRC | Cynthia Boler-Melton, Michael K. Holland | ||
| WSRC における核燃料安全サンプル取扱いのための強化測定管理プログラムの実施 — 校正・品質管理・手順遵守を統合した高信頼性データ取得体制 |
(*)核燃料安全サンプル(Nuclear Safety Samples)の分析・取扱いにおける測定誤差・手順逸脱を低減するため、強化版 Measurement Control Program(測定管理プログラム)を WSRC で導入した。校正標準、品質管理試料、分析手順、サンプルチェーン・オブ・カストディを体系化し、測定の再現性・精度・トレーサビリティを向上させた。強化プログラムにより、核安全限界評価の信頼性が向上し、MC&A・安全解析・運転管理の三領域で整合性の高いデータ提供が可能になった。(WSRC) | ||
| Improved Measurement of Aluminum in Irradiated Fuel Reprocessed at the Savannah River Site | Sherrod. L. Maxwell Ill | ||
| Savannah River Site における照射済燃料再処理溶液中のアルミニウム測定精度の改善 — 高放射線場・多元素マトリックス下での干渉補正と標準添加法の最適化 <SRS(特に F-Canyon / H-Canyon)は、1950〜1990 年代にかけて以下の燃料を再処理してた:U–Al 合金燃料(研究炉用)、MTR(Materials Test Reactor)型、ATR、ETR、HFIR などの研究炉燃料、アルミ被覆+U–Al 合金マトリックス、アルミ被覆の UO₂・U₃Si₂ プレート燃料(後期)> いずれも アルミニウムを大量に含む燃料体系> |
(*)SRS の再処理工程で生成する照射済燃料溶解液中の アルミニウム(Al)濃度測定精度を改善するため、分析手法・前処理・校正体系を最適化した。高放射線場・高酸濃度・多元素共存という困難なマトリックス条件下で、干渉補正・標準添加法・装置設定を組み合わせ、測定の再現性と信頼性を向上させた。改良手法により、プロセス制御・核物質収支・安全解析に必要な 高精度 Al データの安定供給が可能となった。(WSRC) | ||
| International Safeguards: Re-thinking the Approach | Andre Petit | ||
| 国際保障措置:アプローチ再考 — 計量管理依存から情報分析・国家レベル評価・柔軟査察への転換 |
(*)従来の計量管理中心の保障措置は、未申告活動の検知や国家全体の核活動把握に限界があるとして、保障措置アプローチの抜本的見直しを提案した。情報分析、国家レベル評価、ランダム査察、補完的アクセス、プロセス監視などを統合し、より包括的で柔軟な査察体系の必要性を指摘。技術的手法だけでなく、国家との協力枠組み・透明性向上・データ統合を重視した、次世代保障措置(後の 93+2)への方向性を示した。(IAEA) | ||
| ODELS FOR GAMMA-RAY HOLDUP MEASUREMENTS AT DUCT CONTACT* | G. A. Sheppard, P. A. Russo, T.R. Wenz, Eric C. Piquette, M. C. Miller, F. X. Haas, J. Bruce Glick, Albert G. Garrett | ||
| ダクト接触型ガンマ線ホールドアップ測定のためのモデル化 — 自己吸収・幾何補正・ダクト形状依存性を考慮した定量手法 |
(*)ダクト外壁に検出器を密着させて行う ガンマ線ホールドアップ測定のため、放射線輸送・自己吸収・幾何学効果を考慮した 定量モデルを構築した。ダクト形状(円形・矩形)、壁厚、Pu/U の分布、自己吸収係数をパラメータ化し、接触測定(duct‑contact geometry)特有の補正因子を導出した。モデルは実測データと良好に一致し、プロセス配管・ダクト内滞留量の定量精度向上に寄与することを示した。(LANL) | ||
| NEW IN-PLANT HOLDUP COURSE* | Norbert Ensslin, H. A. Smith Jr., P. A. Russo, Gregory A. Sheppard, R. Likes, Michael C Miller, C. Bjork, D. A. Close | ||
| 新しい施設内ホールドアップ測定研修コース — ガンマ線測定・幾何補正・実機演習を統合した実務者教育プログラム |
(*)施設内(in‑plant)での核物質ホールドアップ測定の技能向上を目的に、LANL は 新しい実務者向けホールドアップ教育コースを開発した。コースは、ガンマ線測定、自己吸収補正、幾何学補正、ダクト・配管・グローブボックスの実測演習など、現場で必要な実践的スキルに重点を置く。この教育プログラムにより、施設運転者・査察官・MC&A 担当者が より正確で一貫性のあるホールドアップ評価を行えるようになることを示した。(LANL) | ||
| Nondestructive Uranium Enrichment Determination in Process Holdup Deposits | Richard Hagenauer | ||
| プロセスホールドアップ堆積物におけるウラン濃縮度の非破壊測定 — ²³⁵U 特性線比と自己吸収補正を用いた濃縮度推定手法 |
(*)プロセス配管・ダクト・装置内部に蓄積した ウランホールドアップ(U holdup) の濃縮度を、非破壊で推定するための ガンマ線スペクトロメトリ手法を開発した。186 keV(²³⁵U)と 1001 keV(²³⁴mPa)などの特性線比を用い、自己吸収・壁厚・堆積形状の影響を補正することで、濃縮度の定量精度を向上させた。この手法により、プロセスホールドアップの 核物質収支(MC&A)・臨界安全・査察対応に必要な濃縮度情報を非破壊で取得できることを示した。(LANL) | ||
| Nuclear Materials Control & Accountability Internal Audit Program: The Contractor’s Perspective | Margaret Barham, Richard R. Abbott | ||
| 核物質管理・計量管理(MC&A)内部監査プログラム:請負事業者側の視点 — 記録精度・手順遵守・データ整合性を評価する監査体系 |
(*)事業者(Contractor)の立場から、核物質管理・計量管理(MC&A)内部監査プログラムの構築と運用経験を整理し、監査の実効性と現場負荷のバランスを論じた。記録精度、在庫確認、測定管理、手順遵守、データ整合性などの監査項目を体系化し、改善サイクル(feedback loop)を組み込むことで継続的改善を実現した。DOE 要件との整合性を保ちながら、現場運転に支障を与えない監査設計の重要性を強調した。(WSRC) | ||
| PERIMETER INTRUSION DETECTION SENSOR TUNING USING SIMULATION TECHNIQUES | Michael Horner, Nigel D. E. Custance | ||
| シミュレーション技術を用いた周界侵入検知センサのチューニング — 誤報要因のモデル化と感度最適化による性能向上 |
(*)周界侵入検知センサ(赤外線、マイクロ波、フェンスセンサ等)の最適チューニングを行うため、環境条件・侵入シナリオを再現するシミュレーション技術を開発した。風・動物・植生・地形などによる誤報要因をモデル化し、センサ感度・しきい値設定の最適化を可能にした。シミュレーションに基づくチューニングにより、誤報率低減・検知性能向上・現場調整時間の短縮が実現できることを示した。(AEA Technology) | ||
| Preparing Safeguards Implementation for Complex Fuel Cycle Facilities | W. Gmelin, W. Kloeckner, R. Schenkel, P. Clare | ||
| 統合型燃料サイクル施設における保障措置実施準備 — 設計情報審査・計量点配置・プロセス監視を統合した実装アプローチ |
(*)再処理・MOX 製造・高度燃料サイクル施設などの統合型施設に保障措置を適用する際の準備プロセスを体系化した。設計情報審査(DIA)、計量点配置、プロセス監視、C/S、オンライン計測などを統合し、施設設計段階からの保障措置統合(SbD 的アプローチ)の重要性を強調した。事業者・規制当局・EURATOM・IAEA の協働により、査察容易性・データ信頼性・運転負荷の最適化を図る枠組みを提示した。(JRC) | ||
| PROOF-OF-CONCEPT ADVANCED NONPYROTECHNIC SMOKE GENERATOR COMPONENT TEST REPORT* | Charles J. GreenhoIt | ||
| 非火工式高性能発煙装置の概念実証試験報告 — 安全性・発煙性能・物理防護応用性の評価 |
(*)火薬を使用しない 非火工式(non‑pyrotechnic)発煙装置の概念実証試験を行い、発煙性能・安全性・環境耐性を評価した。従来の火工式発煙装置に比べ、安全性向上・保守性向上・誤作動リスク低減が期待できることを示した。物理防護システムや侵入検知訓練における応用可能性を検討し、さらなる開発課題を提示した。(DOE) | ||
| Safeguarding Spent Fuel Storage and Final Disposal Activities | Rudolf Weh, E. Wogatzki | ||
| 使用済燃料の貯蔵および最終処分活動における保障措置 — C/S・燃料識別・不可逆性・終了条件を中心とした技術的課題の整理 |
(*)使用済燃料の貯蔵(乾式・湿式)および最終処分(地層処分)における保障措置適用の課題と技術的要件を体系的に整理した。貯蔵段階では C/S(封じ込め・監視)、核物質計量、燃料識別、無人監視の信頼性が重要であり、最終処分段階では不可逆性(irreversibility)と保障措置終了条件が中心論点となる。長期的な透明性確保、記録管理、国際合意形成の必要性を強調し、将来の地層処分に向けた保障措置枠組みの方向性を示した。(Forschungszentrum Jülich(FZJ, ドイツ)) | ||
| Safeguards by Design | R. W. Foulkes | ||
| Safeguards by Design(設計段階からの保障措置統合) — 計量点配置・プロセス監視・C/S を組み込む施設設計アプローチ <1991 SbD , 2000年代 +Security、2009年以降 3S by Design (国際的定着)) |
(*)核施設の設計段階から保障措置要件を組み込む Safeguards by Design(SbD) の概念を整理し、運転開始後に対策を追加する従来方式の限界を指摘した。計量点配置、プロセス監視、封じ込め・監視(C/S)、アクセス管理などを設計段階で最適化することで、査察効率・データ信頼性・運転負荷の低減が可能になると論じた。AECL の実例をもとに、SbD の実装手順と、IAEA・規制当局・事業者の協働の重要性を示した。(AECL) | ||
| Safeguards In The Chemical Separation Area of a Reprocessing Plant | R. D. Marsh | ||
| 再処理施設の化学分離工程における保障措置 — 溶解・抽出・中間貯槽における計量管理とプロセス監視の統合 |
(*)再処理施設の中でも最も複雑で計量誤差が大きい 化学分離工程(Chemical Separation Area) における保障措置の課題と対策を整理した。溶解槽・抽出工程・中間貯槽などの計量点において、計量管理(MBA 設計)・サンプリング・オンライン計測・プロセス監視を組み合わせる必要性を示した。プルトニウムの未申告移動やプロセス逸脱を検知するため、流量監視・濃度測定・タンクレベル計測の精度向上が不可欠であると結論づけた。(British Nuclear Fuels plc (BNFL)) | ||
| Some Remarks Relating to Short Notice Random Inspection (SNRI) and Verifiaction of Flow Strata | William M. Murphey, Charles W. Emeigh, Lance J. Lessler | ||
| 短時間予告ランダム査察(SNRI)と流量層構造の検証に関する若干の考察 — ランダム査察とプロセス流量監視を統合した保障措置手法 |
(*)核施設に対する Short Notice Random Inspection(SNRI:短時間予告ランダム査察) の有効性と実施上の課題を、運用経験と理論的検討から整理した。SNRI の実効性を高めるためには、プロセス流量の層構造(flow strata)を正確に把握し、流量の変動・偏りを検証する手法が不可欠であると指摘。ランダム査察と流量検証を組み合わせることで、核物質移動の秘匿化を困難にし、保障措置の信頼性を向上させる枠組みを提示した。(URC, DOE) | ||
| Survey of High Security Tamper-indicating Enclosures | Billy D. Black | ||
| 高セキュリティ改ざん防止エンクロージャ(保護筐体)の調査 — 工具攻撃・環境ストレス・改ざん手法に対する耐性評価 |
(*)核物質防護・保障措置で使用される 高セキュリティ改ざん防止エンクロージャ(High‑Security TID Enclosures) の種類、構造、性能を体系的に調査した。工具攻撃・環境ストレス・長期使用・改ざん手法に対する耐性を比較し、封印の信頼性を左右する設計要素を分析した。DOE・IAEA の封印標準化に向け、評価基準の整備と改良の方向性を提示した。(DOE) | ||
| Tamper-indicating Device (TID) Training Program | Elaine F. Mackey | ||
| 改ざん防止封印(TID)研修プログラム — 封印の取り付け・点検・記録管理を標準化する技能訓練体系 |
(*)保障措置で使用される Tamper‑Indicating Device(TID:改ざん防止封印) の正しい使用・点検・記録管理を習得させるため、DOE が体系的な研修プログラムを構築した。研修は、封印の選択、取り付け手順、改ざん兆候の識別、記録の完全性確保など、査察官・施設担当者に必要な技能を実習中心で提供する。標準化された訓練により、封印の信頼性向上、査察効率化、データ完全性の確保に寄与することを示した。(DOE) | ||
| Test and Training Facilities at JRC, lspra for Safeguards Inspectors | M. Cuypers, C. Foggi, D. Landat, B. Hunt, H. Dworschak | ||
| JRC・Ispra における査察官向け試験・訓練施設 — NDA・封じ込め監視・模擬プロセス設備を用いた技能訓練と装置評価 |
(*)保障措置査察官向けに、非破壊測定(NDA)、封じ込め・監視(C/S)、核物質取扱手順を実地で訓練できる 試験・訓練施設群 を JRC-Ispra に整備した。施設には、実物核物質を用いた NDA 校正場、封じ込め・監視装置の試験エリア、模擬プロセスラインなどが含まれ、査察官の技能向上と装置評価を同時に実施できる。IAEA・EURATOM・各国当局との共同訓練を通じ、保障措置技術の標準化と査察能力の強化に寄与することを示した。(JRC-Ispra) | ||
| The Chemical Weapons Convention: A Perspective from Geneva | C. Ruth Kempf,Jonath an B. Sanborn | ||
| 化学兵器禁止条約をジュネーブから見る — 交渉現場における検証制度・申告制度・査察方式の論点整理 |
(*)ジュネーブ軍縮会議で進行中の化学兵器禁止条約(CWC)交渉の最新状況を、交渉現場の視点から整理した。申告制度、査察方式、産業界への影響、検証技術、遵守確保など、条約成立に向けた主要論点と各国の立場を分析した。冷戦終結後の国際環境変化を背景に、包括的・検証可能な化学兵器禁止体制の早期実現の必要性を強調した。(U.S. Arms Control and Disarmament Agency (ACDA)) | ||
| The Media, From Inside and Outside | Llewellyn King | ||
| End(2) | メディア報道を内側と外側から見る — 核・保障措置分野における情報伝達の課題と専門家の役割 |
(*)核エネルギー・核保障措置分野におけるメディア報道の構造と限界を、内部(専門家)と外部(一般報道)の両視点から分析した。技術的複雑性・機密性・政治的センシティビティが、正確な報道や社会的理解を妨げる要因であると指摘。専門家とメディアの協働、透明性の向上、誤解を避ける情報提供の重要性を強調した。(Publisher & Editor) | |
| The UK Safeguards R&D Support Programte Type | G Andrew, Neil Tuley, B. H. Patrick | ||
| 英国における保障措置研究開発支援プログラム — IAEA・EURATOM への技術供与と国際共同研究の枠組み |
(*)英国政府が IAEA・EURATOM・米国 DOE など国際保障措置機関に対して提供する保障措置 R&D 支援プログラムの構造と成果を整理した。プルトニウム計測、封じ込め・監視(C/S)、データ認証、遠隔監視など、英国研究機関が開発した技術の実証状況と国際共同研究の枠組みを示した。研究資源の最適化、国際標準化への貢献、査察効率化に向けた英国の役割を明確化し、継続的な技術支援の重要性を強調した。(UKAEA) | ||
| Unattended Mode Monitoring of Neutron Coincidence Data and High Resolution Gamma-Ray Spectra | B. G. R. Smith, F. Van Der Straat,G. Ballette | ||
| 中性子同時計数データと高分解能ガンマ線スペクトルの無人監視 — 長期連続運転を可能にする自動データ取得・解析システム |
(*)中性子同時計数(neutron coincidence counting)と高分解能ガンマ線スペクトルの無人・連続監視(unattended mode)を実現するためのデータ取得・保存・解析システムを開発した。システムは長期間の自動運転を前提とし、計数データの安定性、スペクトル品質、タイムスタンプ管理、データ完全性(data integrity)を確保する設計が特徴。プルトニウム計量管理や保障措置検認において、査察官の立会いを必要としない測定の信頼性向上に寄与することを示した。 | ||
| USING FIBER OPTIC SENSORS TO PROTECT INTAKE, OUTFLOW, AND OTHER ENVIRONMENTALLY EXPOSED OPENINGS | Michael Tennefoss | ||
| End(3) | 環境に曝される吸気口・排出口などの開口部を光ファイバセンサで防護する — 流体通過を妨げず、腐食環境下でも作動するメッシュ型侵入検知センサ技術 |
(*)外気・水流・腐食環境に曝される吸気口・排出口などの開口部を防護することは、核施設において極めて困難な工学課題である。新たに開発された光ファイバセンサは、ネオプレン枠内に光ファイバケーブルとケブラー糸/鋼ケーブルを組み込み、空気・水の流れを妨げずに侵入を阻止するメッシュ構造を形成する。ケーブル断線を光源の監視光で検知し、完全水没環境を含む多様な開口部で良好な性能と遅延効果(delay barrier)を示した。(Stellar Systems Inc. ) |