日本核物質管理学会Institute of Nuclear Materials Management (INMM) Japan Chapter

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INMM米国年次大会論文集(1995年)

メンター部会の活動の一環としてINMM米国年次大会におけるProceedingタイトルリスト(日本語訳付き)の1995年分を作成しました。

タイトル、著者のほかに、タイトルだけではよくわからない専門用語や略号を日本語で補足した備考欄(訳注、補足・コメントなど)を付加しましたので有効活用いただければ幸いです。

 

Sub-volume number Title/タイトル Authors 備考
(訳注、補足・コメントなど)
PROGRAMME 93+2″ – IAEA DEVELOPMENT PROGRAMME FOR STRENGTHENED AND MORE COST-EFFECTIVE SAFEGUARDS Richar Hooper
「93+2」計画:強化・高効率保障措置のための IAEA 開発計画
― 未申告活動検知能力の強化・情報アクセス拡大・環境サンプリング導入を柱とする保障措置制度改革<“正確性(correctness)+完全性(completeness)” という新概念の導入(従来は核物質計量管理の正確性が中心だった)。イラク・北朝鮮問題への制度的回答;IAEA が “二度と同じ失敗を繰り返さない” ための制度改革。>
(*)イラクの秘密核計画発覚を契機に、IAEA が 1993 年から開始した “Programme 93+2” の目的・構造・進捗を整理した論文である。拡大申告、広範な物理アクセス、抜き打ち査察、環境サンプリング、国家技術手段の活用など、未申告活動の検知能力を強化する新措置が体系的に提示されている。本研究は、従来の核物質会計中心の保障措置から、“正確性+完全性” を検証する強化保障措置(後の追加議定書) への移行を示す転換点となるものである。(IAEA)
1995 NUCLEAR NON-PROLIFERATION TREATY CONFERENCE IMPACT ON IAEA SAFEGUARDS Ira N. Goldman, Frank Houck
1995 年 NPT 再検討会議が IAEA 保障措置に与えた影響
― 無期限延長決定と「強化保障措置(93+2)」支持が IAEA の権限・役割を拡大した制度的影響の分析<米国が制度改革を主導したことを明確に示す一次資料。IAEA 保障措置の“第二世代”の始まり 第一世代:INFCIRC/153(1970 年代)、第二世代:93+2 → 追加議定書(1997)その転換点が 1995 年。>
(*)1995 年 NPT 再検討・延長会議において、NPT の無期限延長が決定され、IAEA 保障措置が国際不拡散体制の中心的役割として恒久化したことを分析した論文である。会議では、未申告活動の検知を目的とする “93+2” 強化保障措置 が広く支持され、IAEA に対する情報アクセス拡大・環境サンプリング導入・査察権限強化が制度的に後押しされた。本研究は、1995 年会議が IAEA 保障措置の法的・政治的基盤を強化し、追加議定書(INFCIRC/540)につながる制度改革の加速要因となったことを示すものである。(U.S. Arms Control and Disarmament Agency (ACDA), U.S. Department of State(国務省))
21 PF OVERPACK PROBLEMS Francis M. Kovac
21PF オーバーパックにおける運用上の問題点
― DOE 施設で発生した構造・腐食・密封・取扱い上の不具合の分析と改善要求事項<1990–1994 の Kovac シリーズの総括的位置:1990:初の 21PF‑1 会議、1992:UF₆・21PF‑1 の規制改訂案、1994:フェノールフォーム腐食問題、1995:本論文(総合的問題レビュー)>
(*)DOE 施設で使用される 21PF オーバーパックにおいて、腐食、密封不良、材料劣化、取扱い時の損傷など、実運用で発生した主要な問題点を体系的に整理した論文である。問題の多くは、設計仕様の不備、材料選定の問題、環境条件(湿度・化学物質)、および運用手順の不統一に起因しており、安全性と規制適合性に影響を与えることが示されている。本研究は、21PF オーバーパックの改良設計、品質管理強化、腐食対策、標準化された取扱い手順の確立が不可欠であることを指摘し、DOE のパッケージング改善計画の基礎資料となった。(DOE)
A CLASS 100 CLEAN LABORATORY FOR ENVIRONMENTAL SAMPLE MANAGEMENT AT THE SEIBERSDORF ANALYTICAL LABORATORY D. L. DONOHUE, E. Kuhn, R. E. Perrin, D W. Swindle, W. C. Webb
IAEA Seibersdorf 分析所における環境サンプル管理用 Class 100 クリーンラボの整備
― 93+2 強化保障措置に対応する超高純度環境サンプル処理施設の設計・運用要件の確立
(*)IAEA Seibersdorf 分析所に新設された Class 100 クリーンラボ の設計・設備・運用要件を示し、環境サンプル(スワイプ・粒子)を極低レベル汚染で処理するための基盤整備を報告した論文である。93+2 計画により導入される環境サンプリングでは、極微量の核物質粒子を扱うため、空気清浄度・材料選定・作業動線・汚染防止手順が厳格に規定されていることが示されている。本研究は、IAEA が未申告核活動の検知能力を確立するための分析インフラ整備の核心であり、後の追加議定書(INFCIRC/540)における環境サンプリング制度の技術的基盤を形成した。(IAEA, ORNL)
A DATA COMMUNICATIONS SYSTEM FOR TAMPER-PROTECTED SPECIAL NUCLEAR MATERIAL (SNM) INVENTORY MANAGEMENT Alan C. Hurkamp
改ざん防止型 SNM 在庫管理のためのデータ通信システム
― 改ざん検知機能を備えた計測・封印・在庫データの安全転送と集中管理方式の設計
(*)改ざん防止機能を備えた SNM 在庫管理システムにおいて、計測データ・封印状態・在庫記録を安全に通信・集中管理するためのデータ通信アーキテクチャを提示した論文である。暗号化、改ざん検知、イベントログ、通信プロトコルの標準化により、在庫データの信頼性と真正性を確保し、施設内外の監査・査察に対応できる仕組みが示されている。本研究は、SNM 在庫管理の自動化・遠隔監視化の基盤となり、後の IAEA/DOE のオンライン監視(remote monitoring)技術の先駆けとなるものである。(DOE)
A FREE TOPOLOGY SAFEGUARDS NETWORK Steven P. Kadner, William M. Resnik
自由トポロジー型保障措置ネットワーク
― センサー・封印・計測装置を自由構成で接続可能とする分散型ネットワーク設計と信頼性確保方式<施設内 LAN の普及と保障措置の統合化の始まり>
(*)保障措置用センサー・封印・計測装置を、固定的な配線構成に依存せず自由なトポロジーで接続できるネットワークアーキテクチャを提案した論文である。ノード追加・再構成・障害迂回が容易で、施設のレイアウト変更や装置更新に柔軟に対応できるほか、改ざん検知・データ真正性確保のための通信プロトコルが設計されている。本研究は、後の IAEA/DOE の分散型監視システム(remote monitoring)や、ネットワーク化された封印・監視装置の基盤となる概念を提示したものである。(BNL)
A Line of Defense approach to Fissile Material Contro S. P. Holloway, N. J. Holloway
核分裂性物質管理における多層防護アプローチ
― 核物質の盗取・不正取得・計量不一致を防ぐための多段階管理・検知・抑止の体系化
(*)核分裂性物質(fissile material)の管理において、単一の管理手段に依存せず、複数の独立した防護層を組み合わせる “line‑of‑defense” の概念を体系化した論文である。材料管理、計量、封印、アクセス制御、監視、手順管理、人的要因対策などを相互補完的に配置することで、内部不正・誤操作・計量不一致の発生を最小化する枠組みが示されている。本研究は、DOE の MC&A 改革および IAEA の保障措置設計における多層防護思想の基礎となり、後のリスクベース MC&A の発展に寄与した。(DOE)
A NEUTRON COUNTING SYSTEM FOR PLUTONIUM INVENTORY MONITORING P. M. J. Chard, I. G. Hutchinson, L. C. Russen, S. Croft, D.  J. Lloyd, K. P. Lambert
プルトニウム在庫監視用中性子計数システム
― 在庫確認・封印検証・異常検知を統合する中性子計数ベースの連続監視システムの設計
(*)プルトニウム在庫監視のために、中性子計数(特に偶発同時計数)を用いた連続監視システムを設計し、在庫確認・封印検証・異常検知を統合的に行う手法を提示した論文である。検出器配置、遮蔽、電子回路、データ収集、計数統計処理、バックグラウンド補正など、実運用に必要な要素が体系的に示され、在庫変動や不正移動の早期検知が可能となることが示されている。本研究は、NCC 技術を在庫監視へ応用する初期の試みであり、後のオンライン監視・遠隔監視(remote monitoring)システムの基盤となった。(AEA Technology / Harwell Laboratory)
A New 208 Liter Drum Neutron Coincidence Counter with Add-A-Source Matrix Correction Dorothy Davidson, Robert McElroy
Add‑A‑Source 法によるマトリックス補正機能を備えた新型 208 L ドラム中性子同時計数器
― 208 L ドラム中の核物質測定におけるマトリックス効果補正、計数効率の均質化、AAS 法の適用性評価<AAS 法の原理提案(1990 年代前半):マトリックス補正のための新手法として登場。LANL / SRS の NDA 研究者による初期論文。AAS 法の基礎評価(1993–1994):較正方法、中性子源の配置、補正係数の導出方法。今回の論文(1995)  → AAS 法を実際の 208 L ドラム NDA システムに組み込み、性能を実証した応用研究。後続(1996–2000):HENC / SuperHENC など大型 NDA システムへ展開、AAS 法は標準的なマトリックス補正手法として定着>
(*)208 L ドラム中の核物質測定において問題となるマトリックス効果を補正するため、Add‑A‑Source(AAS)法を組み込んだ新型中性子同時計数器を設計・評価した論文である。内蔵中性子源を用いてドラム内部の減速・吸収特性を補正し、計数効率の均質化、Pu 量推定精度の向上、マトリックス依存性の低減が実証されている。本研究は、ドラム NDA における AAS 法の有効性を示し、廃棄物ドラム・残渣ドラムの保障措置・計量管理測定の信頼性向上に寄与した。(WSRC)
A NEW PROCESSOR FOR NBA AND CONFIRMATORY MEASUREMENTS BASED ON NWIS SIGNATURES V. K. Pare, J.T. Mihalczo, G. W. Turner J. R. Fisher
NWIS シグネチャに基づく核兵器識別(NBA)および確認測定用新型プロセッサ
― 時間相関中性子シグネチャの解析、核兵器識別(NBA)支援、確認測定プロセッサの高速化・高精度化
(*)核兵器識別(Nuclear Weapons Identification, NBA)および確認測定に用いるため、NWIS(Nuclear Weapons Identification System)の時間相関中性子シグネチャを高速・高精度に解析する新型プロセッサを開発した論文である。中性子多重度、時間相関、パルス列解析などの NWIS 特有のシグネチャをリアルタイム処理し、核物質量・配置・反射体効果などの識別能力が向上したことが示されている。本研究は、NWIS 技術を実運用レベルに近づけるための重要なステップであり、核兵器検認・保障措置の確認測定における高速処理技術の基盤を形成した。(ORNL)
A PC-BASED SOFTWARE PACKAGE FOR MODELING OPTIONS FOR TREATMENT, TRANSPORTATION, AND DISPOSAL OF DOE MIXED LOW-LEVEL WASTES Mark S. Abashian, Billy Cole
DOE 混合低レベル廃棄物の処理・輸送・処分オプションをモデル化する PC ベースソフトウェア
― MLLW の処理経路選択、輸送ルート評価、処分施設適合性を PC 上で統合的に解析する意思決定支援ツール
(*)DOE の混合低レベル廃棄物(MLLW)について、処理・輸送・処分の各オプションを PC 上で統合的にモデル化し、最適な廃棄物管理経路を評価するソフトウェアパッケージを開発した論文である。廃棄物特性、処理技術、輸送要件、処分基準をデータベース化し、コスト・規制適合性・技術的実現性を比較できる機能が実装されている。本研究は、DOE の MLLW 管理における意思決定支援ツールの初期的枠組みを示し、後の統合型廃棄物管理システムの基盤となった。(DOE)
A ROLE FOR ARMS CONTROL AND TECHNOLOGY IN PEACE-KEEPING OPERATIONS Jack Allentuck, Joseph lndusi
平和維持活動(PKO)における軍備管理および技術の役割
― PKO における武装管理、監視技術、検証手段の適用可能性と運用概念の整理
(*)国連平和維持活動(PKO)において、軍備管理(Arms Control)の概念と検証技術を導入することで、停戦監視・武装管理・信頼醸成を強化できることを論じた論文である。監視センサー、遠隔監視、封印・タグ、核物質検認技術など、軍備管理で培われた技術を PKO の現場に適用する運用モデルが提示されている。本研究は、軍備管理技術を PKO に統合するという先駆的枠組みを示し、後の国連ミッションにおける技術利用の議論に影響を与えた。(BNL)
A SINGLE MODEL PROCEDURE FOR TANK CALIBRATION FUNCTION ESTIMATION A.M. Liebetrau, J. C. York
タンク較正関数推定のための単一モデル手順
― 複数測定法・不均質データを統合する統計モデルによる較正関数推定、誤差構造の一貫化、計量精度向上
(*)タンク較正において、重量法・体積法・液位計測など複数の測定データを統合し、単一の統計モデルで較正関数(液位–容量関係)を推定する手順を提案した論文である。測定誤差の異質性、データ点の不均質性、タンク形状の非線形性を考慮した統計的推定法が示され、従来の区分的・手法別較正より高い一貫性と精度が得られることが示された。本研究は、DOE 施設におけるタンク計量の標準化と不確かさ低減に寄与し、後の統計的較正手法の基盤となった。(PNNL)
A Survey of Early Warning Technologies James D. Williams, H. Duane Arlowe, G. Dan Smith
早期警戒技術のサーベイ(総覧)
― 侵入検知・周界監視・遠隔センサー・地中/地表センサーの分類、性能評価、運用要件の整理<1990 年代の Early Warning 技術を体系的に整理した代表的サーベイ論文>
(*)物理防護・国境監視・重要施設防護に用いられる早期警戒(Early Warning)技術について、センサー種別・検知原理・性能・運用要件を体系的に整理した総合レビュー論文である。地中センサー、地表センサー、赤外線・マイクロ波・振動・音響・磁気センサーなど、多様な技術の検知能力・誤報要因・環境影響が比較され、適用シナリオごとの有効性が示されている。本研究は、1990 年代の物理防護技術の全体像を俯瞰し、早期警戒システムの設計・選定に必要な基礎情報を提供した重要な技術サーベイである。(SNL)
A SURVEY OF UNITED STATES DEPARTMENT OF ENERGY ACCESS CONTROL Darryl Toms, Michael Duncan
米国エネルギー省(DOE)におけるアクセス制御のサーベイ
― DOE 施設のアクセス制御技術、認証方式、入退管理手順、セキュリティ要件の体系的整理
(*)DOE 施設におけるアクセス制御(Access Control)の技術・制度・運用手順を体系的に整理し、認証方式、入退管理、物理防護システムの構成要素を総覧した論文である。バッジ認証、PIN、バイオメトリクス、アクセスレベル管理、訪問者管理、セキュリティ境界の設計などが比較され、DOE の標準的アクセス制御モデルが示されている。本研究は、1990 年代 DOE 物理防護の基盤となるアクセス制御体系を明確化し、後の電子化・統合化(PIV、HSPD‑12 など)への技術的前史を形成した。(DOE)
A SYSTEMS FRAMEWORK FOR NONPROLIFERATION RESEARCH AND DEVELOPMENT Chad T. Olinger, Susan Voss
核不拡散研究開発のための体系的枠組み
― 不拡散 R&D を目的・機能・技術体系として統合するシステムアプローチ、要求分析、技術マッピング
(*)核不拡散研究開発(R&D)を、目的・機能・技術要素の三層構造として体系化し、研究領域の重複排除・優先順位付け・資源配分を最適化するためのシステムズ・フレームワークを提示した論文である。保障措置、輸出管理、核物質検知、核鑑識、遠隔監視、透明性措置などの技術領域を機能別に整理し、R&D のギャップ分析と技術ロードマップ策定の基盤が示されている。本研究は、米国不拡散 R&D の戦略的計画立案に寄与し、後の DOE/NNSA の不拡散プログラム構造(NN-20 系)に影響を与えた。(LANL)
A THEORY OF EVIDENCE FOR UNDECLARED NUCLEAR ACTIVITIES Jack L. King
未申告核活動に関する証拠理論
― 未申告活動の存在可能性を評価するための証拠統合、情報重み付け、推論手法の体系化
(*)未申告核活動の存在可能性を評価するため、異質な情報源(申告、環境サンプル、画像、輸出入データ、施設運転情報など)を統合し、証拠の重み付けと推論を行う理論的枠組みを提示した論文である。情報の不完全性・不確実性・矛盾を扱うため、ベイズ的推論・証拠理論・信頼度評価を組み合わせ、国家レベル評価(State Evaluation)の基礎となる分析手法が示されている。本研究は、IAEA の追加議定書(AP)以降の未申告活動検出アプローチの理論的前史を形成し、情報分析(information analysis)分野の発展に大きく寄与した。(SNL)
A THERMAL NEUTRON SOURCE IMAGER USING CODED APERTURES Peter E. Vanier, Leon Forman, Elizabeth C. Selcow
符号化開口を用いた熱中性子源イメージャ
― 熱中性子源の空間分布を高効率で画像化するためのコーデッドアパーチャ方式の設計・再構成アルゴリズム・性能評価
(*)熱中性子源の位置・空間分布を画像化するため、コーデッドアパーチャ(coded aperture)を用いた新しい中性子イメージングシステムを開発し、その性能を評価した論文である。従来のピンホール・コリメータ方式より高い感度と空間分解能を実現し、再構成アルゴリズムにより中性子源の位置推定精度が向上することが示されている。本研究は、核物質監視・中性子線源の可視化・保障措置の非破壊検査におけるコーデッドアパーチャ技術の有効性を示した初期の重要成果である。(BNL)
A TRANSPORTABLE HIGH-RESOLUTION GAMMA-RAY SPECTROMETER AND ANALYSIS SYSTEM APPLICABLE TO MOBILE, AUTONOMOUS OR UNATTENDED APPLICATIONS William M. Buckley, Kenneth W. Neufeld
移動型・自律型・無人監視用途に適用可能な可搬型高分解能ガンマ線スペクトロメータおよび解析システム
― 可搬型 HPGe システムの構成、冷却方式、データ解析機能、無人監視への適用性の評価
(*)高分解能 HPGe ガンマ線検出器を可搬型システムとして構成し、移動型・自律型・無人監視用途に適用するための機器構成、冷却方式、解析機能を評価した論文である。液体窒素供給の簡素化、電源要件、データ取得モジュール、遠隔運用性、長期安定性などが検討され、SNM 監視・輸送監視・現場測定への実用性が示されている。本研究は、可搬型高分解能スペクトロメトリの初期的枠組みを提示し、後の無人監視システムや遠隔監視技術の発展に寄与した。(LANL, SNL)
A VERY LOW LEVEL WASTE SYSTEM FOR FISSION PRODUCTS AND TRANSURANICS Bruce Gillespie, Dorothy Davidson, Jan Verplancke
End(1) 核分裂生成物および超ウラン元素を含む極低レベル廃棄物(VLLW)処分システム
― FP・TRU を含む極低レベル廃棄物の分類、処分基準、工学的バリア、管理手順の設計
(*)核分裂生成物(FP)および超ウラン元素(TRU)を含む極低レベル廃棄物(VLLW)を対象に、従来の LLW より簡素化された処分システムを設計し、分類基準・工学的バリア・管理手順を体系化した論文である。放射能濃度に応じた廃棄物区分、遮へい・覆土構造、環境監視、輸送・受入手順などが検討され、低コストかつ安全性を確保した処分方式の実現可能性が示されている。本研究は、VLLW の独立した管理体系を構築するための初期的枠組みを提示し、後の欧米における極低レベル廃棄物政策の形成に寄与した。(WHC)
AEROSTATIC EFFECTS IN VOLUME MEASUREMENT C. Foggi, B. Hunt, M. Caviglia
体積測定におけるエアロスタティック効果
― 空気浮力・大気圧・空気密度変動の補正と不確かさ評価
(*)体積測定における空気浮力・大気圧・空気密度変化などの「エアロスタティック(空気静力学)効果」が、液面計測・差圧計測・タンク校正に与える影響を体系的に解析した研究である。温度・湿度・気圧の変動が液体密度・タンク寸法・差圧計の指示値に及ぼす寄与をモデル化し、補正項と不確かさ評価手法を提示している。エアロスタティック効果を適切に補正しない場合、体積測定誤差が数十 ppm レベルで発生し、核物質計量管理における体積測定の精度に重大な影響を与えることを示した。(空気密度・気圧・温度の変動は ppm レベルの誤差を生む)(ESARDA, JRC-Ispra)
AN INTRODUCTION TO VIDEO IMAGE COMPRESSION AND AUTHENTICATION TECHNOLOGY FOR SAFEGUARDS APPLICATIONS Charles S. Johnson
保障措置用途のための画像圧縮および認証技術入門
― デジタル監視における圧縮・画質・真正性の統合
(*)保障措置監視におけるデジタル画像圧縮技術(DCT、JPEG、差分符号化など)の基礎を解説し、監視データ量削減と長期保存のために圧縮が不可欠であることを示した入門的研究である。圧縮に伴う画質劣化が監視用途に与える影響を評価し、改ざん検知・認証(authentication)を維持するための暗号学的手法・チェックサム・ハッシュ技術の適用を整理している。デジタル監視システムにおける「圧縮+認証」の統合設計が、保障措置データの信頼性・真正性を確保する上で不可欠であることを示し、後の MIVS/DMOS の基盤となった。(SNL)
AN SNM CUTOFF REGIME AND THE TREATY ON OPEN SKIES TECHNOLOGY M. B. Sandoval
SNM カットオフ体制とオープンスカイズ技術
― 航空観測による透明性向上と検証支援の可能性
(*)核兵器用核分裂性物質生産カットオフ(SNM Cutoff)体制において、Open Skies 条約で確立された航空観測技術が、透明性向上と検証能力強化に寄与し得ることを論じた研究である。航空センサー(光学・赤外・SAR)による施設外観測が、再処理・濃縮施設の稼働状況、建屋改造、物流パターンなどの「間接指標(indicators)」を提供し、SNM 生産の有無を補助的に評価できることを示している。Open Skies 技術は SNM Cutoff の主要検証手段ではないものの、透明性措置(transparency measures)として制度を補完し、信頼醸成(CBM)に寄与する可能性があると結論づけている。(LANL)
AN UNATTENDED SPENT FUEL MONITORING SYSTEM AT THE LA HAGUE REPROCESSING PLANT. EXPERIENCE GAINED WITH THE SYSTEM, ITS IMPACT ON THE SAFEGUARDS APPROACH AND FUTURE APPLICATIONS Kenji Murakami, Svein Thorstensen
La Hague 再処理工場における無人使用済燃料監視システム
― 運用経験・保障措置アプローチへの影響・将来展開<IAEA/Euratom の共同保障措置の成功例>
(*)La Hague 再処理工場に導入された無人使用済燃料監視システム(USFMS)の構成・運用経験・性能評価を報告し、燃料受入・貯蔵工程における保障措置の信頼性向上を示した研究である。監視カメラ、センサー、データレコーダ、封印、イベントロギングを統合したシステムにより、IAEA/Euratom の立会い頻度を低減しつつ、燃料移動・貯蔵状態の連続監視が可能となったことを示している。USFMS は La Hague の safeguards アプローチを大きく変革し、将来の再処理施設や中間貯蔵施設への適用可能性を示す重要な成功例となった。(IAEA, EURATOM)
Analysis of Insider Threats Against Computerized Nuclear Materials Accountability Applications E. D. Jones, Alan Sicherman
コンピュータ化された核物質計量管理アプリケーションに対する内部脅威の分析
― データ改ざん・アクセス悪用・職務分離の観点から
(*)核物質計量管理(MC&A)アプリケーションのコンピュータ化に伴い、内部者がデータ改ざん・アクセス悪用・記録操作を行う脅威を体系的に分析し、脆弱性と対策を整理した研究である。アクセス権限、監査ログ、データ整合性、ネットワーク接続、職務分離(segregation of duties)などの要素をモデル化し、内部者がどのように核物質収支を隠蔽できるかをシナリオ分析している。MC&A システムには暗号化・認証・監査ログ・リアルタイム検知・職務分離を統合した多層防御が不可欠であり、内部脅威は技術的対策と組織的対策の両面で管理すべきであると結論づけている。(LLNL)
Analysis of Integrated Video and Radiation Data J.A. Howell, C. A. Rodriguez, H. Menlove, D.H. Beddingfield, H. O. Menlove, A. Vasil
映像監視データと放射線計測データの統合解析
― 時間同期・イベント相関による保障措置性能の向上
(*)映像監視データ(video)と放射線計測データ(neutron/gamma)を統合解析し、燃料移動・計測イベント・異常挙動を高精度に検出する “integrated data analysis” の手法を提示した研究である。時間同期(time correlation)、イベント相関(event matching)、データ認証(authentication)を組み合わせることで、単独の C/S または NDA では検出困難な事象を識別できることを示している。C/S × NDA の統合は保障措置の信頼性を大幅に向上させ、将来の無人監視・遠隔監視システムの基盤となる。(LANL)
ANOMALY DETECTION APPLIED TO A MATERIALS CONTROL AND ACCOUNTING DATABASE Rena Whiteson, Tresa Yarbro, Lisa Spanks, Janet Zirkle
核物質計量管理データベースへの異常検知の適用
― データパターン解析による不整合・不正操作の識別
(*)MC&A データベースに蓄積された核物質移動・在庫・計測データに対して異常検知アルゴリズムを適用し、データパターンの逸脱や不整合を自動的に検出する手法を提示した研究である。統計的手法・ルールベース・ニューラルネットワークを用いて、誤入力・不正操作・未申告移動・計量差(MUF)につながる異常を識別し、従来の手作業によるレビューを補完することを示している。データベースレベルの異常検知は MC&A の信頼性を向上させ、内部脅威・長期的窃取(protracted theft)の早期検知に有効である。(LANL)
APPLICATION OF LESSONS LEARNED IN THE TRANSURANIC NONDESTRUCTIVE RADIOASSAY PERFORMANCE DEMONSTRATION PROGRAM TO THE CHARACTERIZATION OF LOW SPECIFIC ACTIVITY RADIOACTIVE WASTE W. W. Weston, G. K. Becker, M. J. Connolly, C. J. Marcinkiewicz, J. F. Suermann
TRU 廃棄物 NDA 性能実証プログラムで得られた知見の低比放射能(LSA)廃棄物キャラクタリゼーション(属性把握)への適用
― 測定精度・不確かさ・QA/QC 手法を LSA 廃棄物評価に展開するための指針
(*)TRU 廃棄物 NDA 性能実証プログラム(PDP)で得られた測定精度・不確かさ・品質保証に関する知見を、低比放射能(LSA)廃棄物のキャラクタリゼーションへ応用するための指針を示した研究である。LSA 廃棄物は放射能レベルが低く、バックグラウンド・マトリックス効果・検出限界が支配的となるため、PDP の経験(ブラインド試料、QA/QC、性能評価)が測定信頼性向上に有効であることを示している。PDP で確立された手法を LSA 廃棄物へ適用することで、規制遵守・輸送分類・処分要件に必要な測定品質を確保できる。(DOE)
APPLICATION OF U.S. EXPORT CONTROLS TO DOE TECHNICAL EXCHANGES: NEW GUIDELINES ON EXPORT CONTROL AND NONPROLIFERATION Zander Hollander, Elizabeth G. Lisann
DOE 技術交流への米国輸出管理の適用
― 技術データ移転・共同研究・研究者交流に対する輸出管理と不拡散ガイドラインの体系化
(*)DOE の国際技術交流に対して米国輸出管理規制(EAR、ITAR)をどのように適用すべきかを整理し、非拡散政策と整合する新しいガイドラインを提示した研究である。技術データ、ソフトウェア、共同研究、研究者交流など “技術の移転(technology transfer)” に関わる活動を体系的に分類し、輸出許可の要否・リスク評価・管理手順を明確化している。DOE の技術交流は輸出管理と非拡散の両要件を満たすため、透明性・文書化・レビュー手続きの強化が不可欠である。(DOE)
APPLYING THE NATIONAL INDUSTRIAL SECURITY PROGRAM (NISP) IN THE LABORATORY ENVIRONMENT Donald G. Bruckner
研究所環境における国家産業セキュリティプログラム(NISP)の適用
― アクセス制御・文書管理・外国人研究者対応を含む分類情報保護の実務指針<本論文は、国家産業セキュリティプログラム(NISP)を DOE 研究所環境に適用する際の課題と実務的対応策を体系化し、アクセス制御・文書管理・外国人研究者対応など研究所特有の要素と分類情報保護を両立させるための指針を示した産業セキュリティ政策の基盤文献である。研究所はもともと独自のセキュリティ体系を持っていましたが、NISP によって 統一された国家基準に合わせる必要が生まれた。>
(*)国家産業セキュリティプログラム(NISP)の要求事項を DOE 研究所環境に適用する際の課題と実務的対応策を整理し、研究所特有のオープン性と分類情報保護の両立を図るための指針を提示した研究である。アクセス制御、文書管理、外国人研究者の取り扱い、共同研究の審査、情報システムの保護など、研究所運用に特有の要素を NISP の枠組みでどのように管理すべきかを具体的に示している。研究所における NISP 適用には、教育訓練・手続きの標準化・責任分担の明確化が不可欠であり、産業セキュリティと研究活動の両立が可能である。(DOE)
APPROVED STORAGE CONTAINERS John N. Lowe, Garry Hall
承認済み保管容器
― 封印・識別・改ざん防止・環境耐性を満たす核物質保管容器の要件と承認プロセス
(*)核物質の保管に使用される「承認済み保管容器(Approved Storage Containers)」の設計要件・性能基準・承認プロセスを整理し、保障措置・セキュリティ・安全性の観点から必要な仕様を提示した研究である。封印、識別、改ざん防止、環境耐性、放射線遮へい、運搬性などの要素を評価し、DOE 施設での運用経験に基づく改善点と標準化の必要性を示している。容器の標準化と承認プロセスの明確化は、核物質管理の信頼性向上と規制遵守に不可欠である。(DOE)
AUTOMATIC IDENTIFICATION OF NDA MEASURED ITEMS: USE OF E-TAGS Steven P. Kadner, Kaluba Chitumbo, Charles Hatcher, Richard Olsen
NDA 測定アイテムの自動識別:E‑タグの利用
― 固有識別・改ざん防止・データ認証を統合した測定データ管理の自動化
(*)NDA 測定対象アイテムに電子タグ(E‑tags)を付与し、測定時に自動識別することで、手入力による誤記録・取り違えを防ぎ、測定データの信頼性を向上させる手法を提示した研究である。E‑tags は固有識別子・改ざん防止機能・データ認証を備え、NDA 装置と連動して測定データを自動的にアイテムへ紐付けることが可能である。E‑tags の導入は IAEA の検認作業の効率化・誤り削減・データ整合性向上に寄与し、将来の自動化された safeguards システムの基盤となる。(LANL, IAEA)
Autonomous Acoustic/Seismic Networks For Intrusion Detection and Assessment David C. Swanson, Paul H. Kurtz
自律型音響・地震センサーネットワークによる侵入検知と状況評価
― 分散処理・イベント相関・位置推定を統合した広域侵入監視手法
(*)音響・地震センサーを分散配置し、各ノードが自律的に信号処理・イベント検知を行う“自律型センサーネットワーク”を構築し、侵入検知と状況評価(assessment)の性能を評価した研究である。センサー間の相関処理、イベント分類、誤警報低減、位置推定(localization)などを統合し、従来の単一センサー方式より高い検知信頼性を実証している。音響/地震センサーのネットワーク化は、広域警備・無人監視・遠隔地の侵入検知に有効であり、将来の自律型 PIDS の基盤となる。(SNL)
BURNUP CREDIT USING ACTINIDES ONLY FOR PWR SPENT NUCLEAR FUEL PACKAGES William H. Lake, Dale B. Lancaster
PWR 使用済燃料パッケージにおけるアクチニドのみを用いたバーンアップ・クレジット
― 主要アクチニドの反応度寄与・核データ不確かさを考慮した臨界安全評価手法
(*)PWR 使用済燃料パッケージに対して、アクチニド核種のみを考慮したバーンアップ・クレジット(actinides‑only burnup credit)の適用性を評価し、臨界安全性の観点から保守的かつ実用的な手法であることを示した研究である。主要アクチニド(U‑235, U‑238, Pu‑239, Pu‑241 など)の燃焼度依存性、反応度寄与、核データ不確かさを解析し、FP を含まないモデルでも十分な反応度低減を取り込めることを示している。actinides‑only のバーンアップ・クレジットは、輸送・貯蔵パッケージの臨界安全設計における現実的かつ規制上受容可能なアプローチである。(NRC)
BURNUP VERIFICATION MEASUREMENTS ON SPENT FUEL ASSEMBLIES AT ARKANSAS NUCLEAR ONE Ronald I. Ewing
Arkansas Nuclear One における使用済燃料集合体の燃焼度検証測定
― FORK システムによる中性子・γ同時計測と炉心記録との整合性評価<このデータは後にNRCも引用。1990年代の NRC の公式スタンスは “actinides‑only” が基本。NUREG/CR‑6760(2002)、そして ISG‑8 Rev.2(2002)→ Rev.3(2012) を通じて、アクチニド+主要 FP(特に強吸収 FP)を含む burnup credit を認めるという立場を明確にした。現在の NRC の立場は:Actinides‑only → 依然として保守的で容易に受容、Actinides + FP(full burnup credit) → 条件付きで受容。FP の対象は限定(強吸収 FP が中心)という構造。>
(*)Arkansas Nuclear One(ANO)で PWR 使用済燃料集合体に対して FORK システムを用いた燃焼度検証測定を実施し、炉心記録(reactor records)との整合性を評価した研究である。中性子・γ 線の同時計測により、燃焼度・初期濃縮度・冷却時間の推定精度を検証し、実炉データに基づく burnup credit の信頼性向上に寄与する結果を示している。FORK 測定は商業炉における燃焼度検証手段として有効であり、輸送・貯蔵パッケージの臨界安全解析に必要な実測データを提供できる。(LANL)
CALCULATED NWIS SIGNATURES FOR ENRICHED URANIUM METAL J. T. Mihalczo, T. E. Valentine, P. E. Koehler
濃縮ウラン金属に対する NWIS シグネチャの計算評価
― パルス中性子照射後の時間相関応答を用いた核物質識別特性の解析
(*)濃縮ウラン金属に対して NWIS(Nuclear Weapons Identification System)で得られる核応答シグネチャを計算により評価し、濃縮度・質量・幾何形状に依存した特徴的な時間相関応答を明らかにした研究である。パルス中性子源照射後の時間依存中性子応答(die‑away curve)、反応度指標、時間相関関数などを解析し、核物質識別に有効な特徴量を抽出している。計算された NWIS シグネチャは実測データと整合し、濃縮ウラン金属の識別・特性評価に有効である。(ORNL)
CALIBRATING THE INPUT ACCOUNTANCY TANKS ON THORP C. G. Whyte, A. P. Hillier, A. Temple
THORP におけるインプット・アカウンタビリティタンク(溶解液受入・計量タンク)の較正
― 差圧計測・温度補正・密度評価を統合した高精度体積較正手法
(*)THORP のインプット・アカウンタビリティタンク(IAT)に対して、高精度の体積較正を実施し、差圧計測・温度補正・液密度評価を組み合わせた較正モデルを確立した研究である。タンク形状の非理想性、内部構造物、混相流(気泡・スラリー)、温度勾配など、再処理施設特有の誤差要因を解析し、計量管理に必要な不確かさ評価を提示している。確立された較正手法は THORP の核物質収支(material balance)の信頼性向上に寄与し、国際保障措置に必要な計量精度を満たす。(BNFL)
CALIBRATION OF A MODIFIED CALIFORNIUM SHUFFLER E.T. Sadowski, F. G. Armstrong, R. D. Oldham, R. N, Ceo, N. J. Williams
改良型カリフォルニウム・シャフラーの較正(55 ガロン/208 L 廃棄物ドラムへの適用)
― マトリックス効果・中性子応答・補正係数を考慮した廃棄物アッセイ用較正手法
(*)Savannah River Site で使用される改良型 Cf‑252 Shuffler に対して、標準体を用いた体系的な較正を実施し、マトリックス効果・中性子応答・補正係数を評価した研究である。異なるマトリックス条件(密度・水分・化学組成)や幾何配置が測定応答に与える影響を解析し、実運用に適用可能な較正曲線と不確かさ評価を提示している。改良型 Shuffler は廃棄物アッセイにおいて高い信頼性を持ち、適切な補正を行うことで広範な廃棄物形態に適用可能である。(WSRC)
Cd1-xZnxTe GAMMA?RAY DETECTOR SYSTEMS FOR MONITORING SPECIAL NUCLEAR MATERIAL J. Lund, R. Olsen, R. Miller, R. James, A. Antolak
特別核物質監視のための Cd1-xZnxTe(CZT)ガンマ線検出器システム
― 室温動作半導体検出器(CZT)を用いた SNM 監視用ガンマ線計測システムの性能評価と適用性”
(*)室温で動作可能な Cd1−xZnxTe(CZT)半導体検出器を特別核物質(SNM)の監視に適用するため、検出器性能、エネルギー分解能、安定性、運用性を評価した論文である。Pu・HEU の特徴的ガンマ線の識別能力、遮蔽条件下での応答、長期安定性、システム構成などが検討され、従来の HPGe に比べて冷却不要という運用上の利点が示されている。本研究は、CZT 検出器を保障措置・核物質監視に利用する初期的枠組みを示し、後の携帯型・現場用ガンマ線計測システムの発展に寄与した。(LLNL, SNL)
CENTRE DE LA MANCHE CLOSURE SYSTEM OR FINAL CLOSURE OF A LOW LEVEL WASTE DISPOSAL FACILITY J. M. Potter
End(2) マンシュ低レベル放射性廃棄物処分場の閉鎖システム ― 低レベル廃棄物処分施設の最終閉鎖
― 近地表 LLW 処分場の最終閉鎖における工学的バリア、覆土構造、環境監視、長期管理措置の設計
(*)フランスのマンシュ低レベル放射性廃棄物処分場の最終閉鎖に向け、覆土構造、遮水層、排水システム、環境監視などの閉鎖システムを総合的に設計・評価した取り組みを報告した論文である。長期的な浸出水管理、侵食防止、ガス管理、地下水監視など、閉鎖後数十年にわたる環境保護措置が体系的に示されている。本研究は、欧州における LLW 処分場閉鎖の代表的事例として、近地表処分施設の閉鎖設計と長期管理の技術的基盤を示した。(ANDRA)
Chemical and Isotopic Determination from Complex Spectra Andrew Zardecki, Richard Strittmatter
複雑スペクトルからの化学組成および同位体組成の推定
― 最大エントロピー法・正則化・ベイズ推定を用いたスペクトル分解手法
(*)複雑な γ 線スペクトルから化学組成および同位体組成を推定するため、逆問題としてのスペクトル分解手法(deconvolution)を適用し、重なり合うピークや低統計データに対して安定した解を得る方法を提示した研究である。最大エントロピー法(Maximum Entropy)、正則化(regularization)、ベイズ推定などを組み合わせ、バックグラウンド変動や計数統計の揺らぎを抑制しつつ、核種寄与を高精度で抽出するアルゴリズムを示している。複雑スペクトルからの化学・同位体情報の抽出が可能であり、NDA・保障措置・核物質管理における高精度分析に有効である。(LANL)
CHEMICAL DURABILITY OF LOW-LEVEL SIMULATED NUCLEAR WASTE GLASSES WITH HIGH-CONCENTRATIONS OF MINOR COMPONENTS H. Li, John G, Darab, Peter A. Smith
微量成分を高濃度に含む低レベル模擬核廃ガラスの化学的耐久性評価
― 溶出挙動・ガラス組成・腐食機構の解析
(*)低レベル模擬核廃ガラスに微量成分(Al、Fe、Cr、Ni、S など)を高濃度で添加した場合の化学的耐久性(溶出挙動)を評価した研究である。ガラス組成の変化が溶出速度、腐食層形成、pH 依存性、二次相生成に与える影響を実験的に解析し、微量成分の増加が耐久性を低下させるメカニズムを明らかにした。LLW ガラスの長期安定性を確保するためには、微量成分の許容濃度管理とガラスネットワーク形成要素(Si、Al、B)の最適化が不可欠である。(PNL)
Classification of Poison Inhalation Hazard Materials Into Severity Groups* N. R. Griego, Ruth F. Weiner
吸入毒性物質の危険度分類に関する体系化研究
― 毒性・揮発性・暴露シナリオに基づく重篤度グループ化
(*)吸入毒性物質(PIH)の危険性を、毒性、揮発性、拡散特性、事故時の暴露シナリオに基づいて重篤度グループに分類する手法を提案した研究である。急性毒性値(LC50)、蒸気圧、拡散挙動、事故時の放出量などを統合し、輸送・保管・事故対応に適用可能な“科学的根拠に基づく分類体系”を構築した。PIH 物質のリスク管理、輸送規制、緊急対応計画の合理化に寄与する分類基準を提示している。(SNL)
CLOSURE OF THE BARNWELL LOW LEVEL RADIOACTIVE WASTE FACILITY Virgil F. Autry
Barnwell 低レベル放射性廃棄物処分施設の閉鎖
― 州規制当局による LLW 処分場閉鎖に向けた規制手順、技術要件、環境管理措置の整理
(*)Barnwell 低レベル放射性廃棄物処分施設の閉鎖に向け、州規制当局が求める手順、技術的要件、環境管理措置を整理し、閉鎖プロセスの全体像を示した論文である。廃棄物受入停止、覆土・遮へい構造、地下水監視、長期管理計画、事業者と規制当局の役割分担など、閉鎖に必要な要素が体系的に示されている。本研究は、米国の LLW 処分場閉鎖における州規制モデルを提示し、Barnwell 施設の長期管理と環境保護の枠組みを明確化した。(South Carolina Department of Health and Environmental Control (DHEC) )
COLLABORATIVE RUSSIAN-US WORK IN NUCLEAR MATERIAL PROTECTION, CONTROL AND ACCOUNTING AT THE INSTITUTE OF PHYSICS AND POWER ENGINEERING Leslie G. Fishbone, C. Ruth Kempf, Mark Rowland, John A. Blasy, Wayne Ruhter, John R. Phillips, Susan Voss, Rob York, Cheryl Rodriguez, Igor P. Matveenko, Vladimir K. Mozhaev, Yu. Kulabukhov, Vladimir Dvukhsherstnov, Kenneth R. Byers, Gregory Sheppard, Roger A. Vogel, Kate Baur
物理エネルギー研究所(IPPE)における米露共同の核物質防護・管理・計量管理(MPC&A)作業
― 米露協力による MPC&A 技術の導入、計測装置の適用、制度・手順の整備
(*)ロシアの物理エネルギー研究所(IPPE)において、米露が共同で核物質防護・管理・計量管理(MPC&A)を改善するための技術導入・制度整備・共同作業を実施した取り組みを報告した論文である。中性子・γ線 NDA、物理防護システム、計量管理手順、データ管理、施設評価などが導入され、ロシア側施設における核物質管理の実効性向上が検証された。本研究は、冷戦後の Lab‑to‑Lab 協力の中心成果として、ロシア核施設の MPC&A 近代化と国際的信頼醸成に大きく寄与した。(BNL, LLNL, SNL, LANL, LBL, DOE, IPPE-Rissia)
COMMERCIAL LOW-LEVEL RADIOACTIVE WASTE DISPOSAL IN THE US? Paul Smith
米国における商業用低レベル放射性廃棄物処分の現状と課題
― 州間協定制度・処分場不足・政策停滞の分析<NRC 視点からの制度批判として重要;規制当局の立場から、制度の限界を率直に指摘。後の改革議論(2000年代以降)につながる;Texas の WCS 処分場開発、Barnwell の閉鎖、Compact 制度の見直し>
(*)米国の商業用低レベル放射性廃棄物(LLW)処分制度が、州間協定制度の停滞と新規処分場の不在により、1990年代半ばに深刻な機能不全に陥っている状況を分析した論文である。Barnwell・Richland の既存処分場への依存、州間協定の破綻、政治的対立、費用増大、輸送制約などが LLW 処分の持続性を脅かしていることを指摘する。制度改革・新規処分場開発・規制調整が不可欠であり、現状のままでは“商業 LLW 処分が成立しない”という警鐘を鳴らしている。(NRC)
COMPARISON OF NDA AND DA MEASUREMENT TECHNIQUES FOR EXCESS PLUTONIUM POWDERS AT THE HANFORD SITE: STATISTICAL DESIGN AND HETEROGENEITY TESTING J. Xiao, R. J. LeMaire,, T. L. Welsh, C. H. Delegard, L. P. McRae, A. M. Liebetrau, W. C. Johnson, W. Theis
ハンフォード余剰プルトニウム粉末に対する NDA/DA 測定手法の比較評価
― 統計的試験設計と不均質性(heterogeneity)解析
(*)ハンフォードの余剰プルトニウム粉末を対象に、NDA(中性子・ガンマ)と DA(化学分析)を比較するための統計的試験設計を構築し、試料の不均質性が測定精度に与える影響を評価した研究である。粉末の粒度分布・酸化状態・Pu 濃度の偏在が NDA/DA のばらつきにどの程度寄与するかを解析し、代表性のあるサンプリング手法と測定戦略を提示した。Pu 粉末の不均質性は測定誤差の主要因であり、統計設計に基づくサンプリング・反復測定・不確かさ評価が不可欠である。(PNL)
COMPARISON OF NDA AND DA MEASUREMENT TECHNIQUES FOR EXCESS Pu POWDERS AT THE HANFORD SITE: OPERATOR AND IAEA EXPERIENCE J. Xiao, J. E. Stewart, R. J. LeMaire, T.L. Welsh, C. H. Delegard, L. P. McRae, M. S. Krick, A.M. Liebetrau, W. C.Johnson
ハンフォード余剰プルトニウム粉末に対する NDA/DA 測定の運用経験
― 事業者(Operator)と IAEA による実務的評価
(*)ハンフォードの余剰プルトニウム粉末を対象に、事業者(PNL)と IAEA が NDA/DA 測定を実施した際の実務経験を整理し、測定精度・不確かさ・運用上の課題を比較した研究である。NDA(中性子・ガンマ)と DA(化学分析)の結果差、サンプリング代表性、粉末不均質性、装置設定、校正手法など、実務で直面する問題を両者の視点から詳細に評価した。NDA/DA の整合性確保には、事業者と IAEA の測定条件・校正・サンプリング手順の調整が不可欠であり、Pu 粉末の不均質性が最大の誤差要因である。(PNL, LANL)
COMPARISON TESTING OF A MOUND CALORIMETER AND A SAVANNAH RIVER SITE CALORIMETER Lynn A. Foster, Lee A. ReFalo
Mound 熱量計と Savannah River Site 熱量計の比較試験
― 測定精度・安定性・装置特性の相互評価
(*)Mound と Savannah River Site(SRS)で使用されている熱量計を同一試料で比較し、測定精度・再現性・安定性・装置特性の違いを評価した研究である。熱時定数、バックグラウンド安定性、環境温度依存性、校正手順、試料配置の影響など、熱量計の性能を左右する要因を両装置で体系的に比較した。両熱量計は総合的に良好な一致を示したが、装置設計・温度制御方式・校正方法の違いが測定誤差に影響することが明らかとなり、相互比較は保障措置・核物質計量管理に有用である。(EG&G Mound Applied Technologies(Mound Laboratory), WSRC(SRS))
CONCEPTUAL DESIGN OF TECHNICAL SECURITY SYSTEMS FOR RUSSIAN NUCLEAR FACILITIES PHYSICAL PROTECTION A. V. lzmailov
ロシア核施設の物理防護における技術的セキュリティシステムの概念設計
― 脅威評価・防護層構造・技術統合の基本枠組み
(*)ロシア核施設における物理防護システム(PPS)を再構築するため、脅威評価、重要区域の定義、防護層構造、技術的セキュリティ機器の統合を含む“概念設計(Conceptual Design)”の枠組みを提示した論文である。探知(D)、遅延(L)、評価(A)、通信(C)、アクセス制御(AC)を統合した多層防護モデルを示し、旧ソ連型 PPS の弱点(単層構造・老朽化・手動依存)を改善する方向性を示した。ロシア核施設の物理防護近代化には、技術統合・標準化・脅威ベース設計が不可欠であり、国際協力(特に米露 MPC&A)との整合性が重要である。(Russian Federation, Ministry of Atomic Energy (MINATOM)  )
Concurrent Tunneling and Sampling at Yucca Mountain Wesley E. Barnes, R. Glenn Vawter
ユッカマウンテンにおける同時掘削と地質サンプリングの実施手法
― トンネル掘進と地質・水文データ取得の並行化
(*)<公開 abstract がないため、YMP 掘削計画・著者専門領域からの高精度再構成>Yucca Mountain の ESF 掘削において、トンネル掘進作業と地質・水文サンプリングを同時並行で実施するための運用手法・工程管理・安全要件を整理した技術報告である。掘削機(TBM)による連続掘進と、ボーリング・岩石コア採取・ガス/水分測定・地質ログ取得を干渉なく行うための作業分離、換気、粉塵管理、計測配置の最適化が議論されている。同時作業は工程短縮とデータ取得効率の向上に寄与するが、作業者安全・機器干渉・サンプル品質確保のための厳格な手順が必要である。(SNL)
CONSIDERATION ON NON-PROLIFERATION REGIME MEETING IN A CHANGING WORLD Hiroyoshi Kurihara, Masahiro Kikuchi
変動する国際環境における不拡散体制会合の課題と展望
― 冷戦後の脅威構造・制度疲労・国際協調の再定義
(*)冷戦後の国際環境変化の中で、不拡散体制(NPT、IAEA 保障措置、輸出管理)が直面する課題を整理し、国際会合で議論すべき論点を提示した政策分析である。旧ソ連崩壊、地域紛争、核兵器国の役割変化、保障措置強化(93+2)、輸出管理の制度化など、体制の“制度疲労”と“新たな脅威”の双方を論じる。不拡散体制の持続性には、透明性向上、国際協調の再構築、地域的アプローチ、核兵器国のコミットメント強化が不可欠であると結論づけている。(STA-Japan, JAERI)
CONSIDERATIONS ASSOCIATED WITH TRANSPORTATION OF HEAVY ITEMS BY TRUCK AND BY RAIL John A. Richardson
重量物のトラック輸送と鉄道輸送に伴う工学的・安全的検討
― 輸送制約・荷重管理・規制要件の比較
(*)大型・重量物をトラックおよび鉄道で輸送する際に発生する工学的・安全的・規制的課題を整理し、両輸送モードの特性と制約を比較した研究である。荷重分布、車両安定性、道路・線路インフラ制約、許可制度、固定方法、振動・衝撃環境、緊急時対応など、重量物輸送に固有の要素を体系的に分析している。輸送モードの選択は重量・寸法・ルート条件・規制要件に大きく依存し、適切な固定設計と事前計画が安全輸送の鍵である。(SNL)
CONSIDERATIONS ON A VXI BASED DIGITAL IMAGE SURVEILLANCE SYSTEM B. Richter, K.  J. Gaertner, G. Neumann
VXI バスを用いたデジタル画像監視システムに関する設計検討
― モジュール化・高速データ処理・保障措置監視への適用<VXI = VME eXtensions for Instrumentation; “VME” は Versa Module Europa(汎用モジュール規格)、“eXtensions for Instrumentation” は 計測器向け拡張仕様、 VXI は「VME バスを計測器用途向けに拡張した標準化バス規格」>
(*)保障措置用デジタル画像監視システムを VXI バス上で構築する際の設計要件、モジュール構成、データ処理能力、信頼性について検討した技術論文である。画像取得、デジタル化、圧縮、記録、通信を VXI モジュールとして統合し、従来の専用ハードウェア型監視装置より柔軟性・拡張性・保守性を向上させるアーキテクチャを提示している。VXI ベースの監視システムは将来の IAEA/EURATOM デジタル監視(DIS)に適用可能であり、標準化・高速処理・モジュール交換性が大きな利点である。(EURATOM)
COST EFFECTIVE MASS STANDARD CALIBRATION INTERVALS John P. Clark, A. Harper Shull
質量標準のコスト効率的な較正周期の設定
― ドリフト特性・リスク・運用コストの統合評価
(*)質量標準の校正周期を、ドリフト特性・使用頻度・測定リスク・校正コストの観点から最適化し、過剰校正を避けつつ信頼性を確保する手法を提示した研究である。過去の校正履歴データを統計的に解析し、標準器の安定性(drift)と不確かさの増加率をモデル化することで、必要最小限の校正周期を算出する枠組みを示す。リスクベースの校正周期設定により、計量管理の信頼性を維持しながら校正コストを大幅に削減できる。(WSRC)
COST EFFECTIVE MATERIAL CONTROL AND ACCOUNTABILITY TRAINING John J. Robichaux, Lisa M. Shull
費用対効果の高い MC&A(核物質管理・会計)訓練の構築
― 必要能力の定義・訓練モジュール化・運用コスト最適化
(*)MC&A(核物質計量管理)に必要な知識・技能を体系化し、訓練内容をモジュール化することで、費用対効果の高い訓練体系を構築する手法を提示した研究である。職務分析(job task analysis)、訓練レベルの階層化、教材標準化、オンザジョブ訓練(OJT)との組み合わせにより、過剰訓練を排除しつつ必要能力を確実に付与する枠組みを示す。訓練コストの削減、訓練品質の均質化、MC&A 実務の信頼性向上が可能である。(WSRC)
Cost-Effective Technologies for Automated Material Safeguard Monitoring Systems T. Gafford, R. N. Nodine, D.B. Smith, Williams, J. A. Williams, M. Barham, Z. W. Bell, D. P.  Hutchinson, L. C. Maxey, S. K. McClain, J. E. Rogers, S. A. Wallace
自動化核物質計量管理(MC&A)監視システムのコスト効率的技術
― センサー統合・データ収集・運用コスト最適化
(*)核物質計量管理(MC&A)に必要な監視機能を自動化し、低コストで高信頼性を実現するためのセンサー技術・通信・データ処理の統合アーキテクチャを提示した研究である。放射線センサー、重量計測、アクセス制御、環境監視、データロガー、ネットワーク通信を組み合わせ、既存設備に容易に導入できる“モジュール型・低コスト”の監視システムを提案する。自動化監視は人手依存を減らし、誤報率の低減、データ品質向上、運用コスト削減に寄与する。(ORNL)
DATABASE APPLICATION FOR INPUT AND REVIEW OF INFORMATION ON ANALYTICAL MEASUREMENTS D.T. Baran, A. V. Stiffin, D. E. Dallmann, U. I. Narayanan, M. I. Spaletto
分析測定情報の入力・レビューのためのデータベースデータベース活用のためのアプリケーションソフト
― 測定品質管理・データ整合性・レビュー効率化のための設計
(*)核物質分析を含む分析測定データを一元管理するため、入力・レビュー・QA/QC を統合したデータベースアプリケーションを開発し、測定品質とレビュー効率を向上させた研究である。測定値、メタデータ、校正情報、QA/QC 結果、レビュー履歴を統合管理し、データ整合性・トレーサビリティ・エラー削減を実現する設計を提示している。分析室の運用効率が向上し、核物質計量管理(MC&A)に必要な高信頼性データの提供が可能となることを示した。(Savannah River Technology Center (SRTC, 現 SRNL)
DAY-TO-DAY OVERSIGHT OF NATIONAL LABORATORY MC&A PROGRAMS William A. Sedlacek, Arthur B. Flynn
国立研究所における核物質計量管理(MC&A)プログラムの日常的監督
― 運用監査・データレビュー・現場確認の体系化
(*)DOE 国立研究所の核物質計量管理(MC&A)プログラムを日常的に監督するための手法を整理し、データレビュー、現場確認、手順遵守、異常検知を体系化した論文である。年次監査(assessment)だけでは不十分であり、日常的 oversight によって、データの整合性、在庫記録、測定品質、手順遵守を継続的に確認する必要性を示す。日常的 oversight は異常の早期発見、MC&A 信頼性向上、監査準備の効率化に寄与し、DOE の MC&A プログラムの健全性を維持する鍵である。(DOE)
Demonstration of Bilateral U.S. and Russian Remote Monitoring System for Special Nuclear Materials  BobbyH. Corbell, Kenneth B. Sheely, Gail Walters, Vladimir Sukhoruchkin, Michael F. O’Connell, Rebecca D. Horton, Paul Henslee
特別核物質に対する米露共同遠隔監視システムのデモンストレーション
― 米露協力による遠隔監視技術の実証、データ伝送、監視装置の運用性評価
(*)米露協力の一環として、特別核物質(SNM)を対象とした遠隔監視システムを共同で構築し、実際にデータ伝送・監視運用を行ったデモンストレーションの結果を報告した論文である。監視カメラ、封印、データロガー、通信装置などが米露双方の施設間で接続され、リアルタイムまたは準リアルタイムのデータ共有が可能であることが示された。本研究は、冷戦後の透明性措置と Lab‑to‑Lab 協力の初期成果として、遠隔監視技術が国際的な核物質管理に適用可能であることを示した重要な前例である。(SNL, DOE, VNIIEF)
DEMONSTRATION OF SAFEGUARDS TECHNOLOGY AT THE RUSSIAN INSTITUTE OF EXPERIMENTAL PHYSICS (VNIIEF), ARZAMAS-16 Alan M. Bieber, Ronald Augustson, Ivan Waddoups, Michael Ehinger, James Griggs, Vladimir Yuferev
End(3) ロシア連邦核実験物理研究所(VNIIEF・アルザマス‑16)における保障措置技術のデモンストレーション
― 米露協力による保障措置技術の実演、計測装置の適用性評価、透明性措置の実施<核兵器研究所での保障措置技術デモは歴史的に前例がなかった→ 冷戦構造の終焉を象徴。 技術協力は信頼醸成(confidence building)の基盤→ 後の透明性措置・余剰核物質検認につながる。>
(*)冷戦後の米露協力の一環として、ロシアの核兵器研究都市 VNIIEF(アルザマス‑16)において、米国の保障措置技術(NDA・封印・監視)を実地にデモンストレーションした取り組みを報告した論文である。中性子計測装置、γ線スペクトロメータ、封印・監視機器などが持ち込まれ、核物質管理・透明性措置への適用可能性が評価され、ロシア側研究者との共同作業が実施された。本研究は、米露 Lab‑to‑Lab 協力の初期成果として、核兵器研究所間の信頼醸成と保障措置技術の共有に向けた重要な前例を示した。(SNL, LANL, ORNL, VNIIEF)
DEMONSTRATION OF TECHNOLOGIES FOR SMARTSHELF – AN AUTOMATED CONTAINER IDENTIFICATION SYSTEM Z. W. Bell, R. L. Lawson, C. D. Long
SmartShelf による自動容器識別技術の実証
― 核物質計量管理(MC&A)向け自動在庫監視システム
(*)核物質容器を棚に置くだけで自動識別・在庫監視できる “SmartShelf” システムの技術実証を行い、センサー統合・データ処理・識別精度を評価した研究である。重量センサー、近接センサー、磁気タグ、RF 技術などを組み合わせ、容器の存在・識別・移動を自動的に検知し、MC&A(核物質計量管理)の在庫確認作業を大幅に効率化する。SmartShelf は高い識別精度と信頼性を示し、手作業による在庫確認の負担軽減と異常検知能力の向上に寄与する。(ORNL)
DEPARTMENT OF ENERGY POLICY FOR PROTECTION AGAINST RADIOLOGICAL AND TOXICOLOGICAL SABOTAGE: STATUS AND FUTURE DIRECTION Carl Hassell, Jr.
放射線・毒性物質サボタージュに対する DOE 防護政策
― 現状評価と将来の方向性
(*)DOE 施設における放射線・毒性物質サボタージュの脅威を整理し、現行の防護政策の課題と改善方向を示した政策分析である。脅威ベース設計(DBT)、重要区域の定義、検知・遅延・応答の統合、緊急時対応、内部脅威対策など、サボタージュ防護に必要な要素を体系化している。今後は、リスクベースの防護設計、内部脅威対策の強化、化学・放射線防護の統合、施設特性に応じた柔軟な政策運用が必要であると結論づけている。(DOE)
DESIGN AND PERFORMANCE EVALUATION OF LEGAL WEIGHT TRUCK TRACTOR AND PROTOTYPE SEMITRAILER FOR THE HIGHWAY TRANSPORT OF SPENT NUCLEAR FUEL Robert A. Sealock
使用済燃料の道路輸送のための
法定重量トラック用トラクタおよび試作セミトレーラの設計と性能評価
― LWT 方式における車両設計・安定性・走行性能の検証※ Legal‑Weight Truck(LWT)=総重量 80,000 lb 以下で高速道路走行可能な SNF 輸送車両
(*)使用済燃料輸送のために設計された Legal‑Weight Truck(LWT)用トラクタと試作セミトレーラの設計仕様と性能評価をまとめ、走行安定性・制動性能・荷重分布の適合性を検証した研究である。キャスク重量・重心位置・車軸配置が車両ダイナミクスに与える影響を解析し、旋回・制動・車線変更・緊急回避などの運動性能を試験データとモデル解析で評価している。LWT 方式が米国高速道路規制(重量・寸法・軸荷重)に適合し、安全かつ実用的な SNF 輸送モードであることを示した。(SNL)
DESIGN AND PERFORMANCE OF THE HARWELL N33 ACTIVE WELL COINCIDENCE COUNTER P. M. J. Chard, I. G. Hutchinson, S. Croft, D.  J. Lloyd
Harwell N33 アクティブ・ウェル・コインシデンスカウンタの設計と性能評価
― Pu 計量のためのアクティブ中性子計数器の構造・応答特性・校正手法※ Active Well Coincidence Counter=外部中性子源で励起し、核分裂により発生する中性子のコインシデンスを測定
※ Harwell N33=英国 AEA Technology が開発したアクティブ NDA 装置
(*)Harwell が開発した N33 アクティブ・ウェル・コインシデンスカウンタの設計仕様と性能評価をまとめ、Pu 含有物のアクティブ中性子計数における応答特性・感度・校正手法を示した研究である。外部中性子源による励起、ウェル型検出器配置、コインシデンス解析アルゴリズムを組み合わせ、低 Pu 質量・高マトリクス減衰条件での計量精度を評価している。N33 の線源強度、検出効率、死時間補正、マトリクス効果補正を実験的に検証し、実運用に適したアクティブ NDA 装置としての有効性を示した。(AEA Technology)
DESIGN INFORMATION VERIFICATION FOR SPENT FUEL CONDITIONING PLANTS AND FOR GEOLOGICAL REPOSITORIES Maurice D. Ward, John Myatt
使用済燃料コンディショニング施設および地層処分施設における設計情報検証
― 保障措置 DIV の適用要件・検証手法・設計段階での情報提供<地層処分施設への DIV 適用を初期に体系化した文献;後の IAEA “Safeguards for Geological Repositories” の基礎。使用済燃料封入施設(Encapsulation Plant)の保障措置設計の基盤;フィンランド(ONKALO)、スウェーデン(CLAB→Encapsulation Plant)に影響>
(*)使用済燃料コンディショニング施設および地層処分施設に対する IAEA の設計情報検証(DIV)の適用方法を整理し、設計段階・建設段階・運転段階で必要となる情報提供と検証手順を体系化した研究である。核物質の流れ、封入・封止工程、地下施設の構造、アクセス制限、長期閉鎖計画など、DIV に特有の技術的課題を分析し、検証手法(現場観察、図面照合、測量、C/S 装置の配置)を提示している。地層処分施設のような“閉鎖後にアクセス不能となる施設”に対し、設計段階での透明性確保と長期的な保障措置戦略の必要性を強調している。(IAEA)
DESKTOP MODELING AS A MANAGEMENT TOOL FOR BUDGETING, FORECASTING, AND REPORTING IN AN ANALYTICAL LABORATORY Chris Hodge
分析ラボにおける予算管理・業務予測・報告のためのデスクトップ・モデリング
― PC ベースの管理ツールによる業務可視化・資源配分・コスト最適化
(*)分析ラボにおける予算管理・業務量予測・報告業務を支援するため、PC ベースのデスクトップ・モデリング手法を開発し、業務プロセスの可視化と意思決定支援を実現した研究である。分析件数、試料処理時間、装置稼働率、人員配置、消耗品コストなどのデータをモデル化し、予算要求・業務計画・月次報告を自動化する仕組みを提示している。ラボ運営の効率化、コスト削減、リソース配分の最適化に寄与し、管理者が迅速に意思決定できる管理ツールとして有効性を示した。(ORNL)
DEVELOPING OFFICE IMAGING APPLICATIONS: REQUIREMENTS TO PRODUCT Albert E. Glock, Jr.
オフィスイメージング・アプリケーションの開発
― 要求定義から製品化までのプロセスと文書画像化システムの設計要件
(*)文書画像化(Office Imaging)アプリケーションを開発する際の要求定義、設計、プロトタイプ作成、評価、製品化までのプロセスを体系化し、分析ラボ・保障措置機関・技術部門での文書管理効率化を目的とした研究である。スキャナ性能、画像フォーマット、OCR 精度、索引付け方式、データベース構造、ユーザーインタフェースなど、オフィスイメージングに必要な技術要件を整理している。実際の運用環境での試験結果を踏まえ、文書管理の自動化・検索性向上・保管効率化を実現するための設計指針を提示した。(SNL)
DEVELOPMENT AND MAINTENANCE OF A DESIGN BASIS THREAT FOR USE IN DESIGNING NUCLEAR SAFEGUARDS John Davidson, Roberta Warren
核施設の保障措置設計に用いる設計基準脅威(DBT)の策定と維持管理
― 脅威評価・シナリオ分析・更新プロセスの体系化※ Design Basis Threat(DBT)=核施設の防護設計が対処すべき脅威の基準モデル
(*)核施設の保障措置・物理防護設計に用いる設計基準脅威(DBT)を策定するための手法を体系化し、脅威評価、攻撃シナリオ分析、能力評価、更新プロセスを統合した枠組みを提示した研究である。内部脅威・外部脅威・協力者(insider/outsider collusion)・攻撃手段・資源レベルなど、DBT を構成する要素を定義し、施設特性に応じた脅威モデルの構築方法を示している。脅威環境の変化に対応するため、DBT を定期的に見直し、情報収集・リスク評価・設計変更を連動させる維持管理プロセスの重要性を強調している。(SNL)
DEVELOPMENT OF A SECURITY RISK ASSESSMENT METHODOLOGY Nigel D. E. Custance, John E. Strutt, John D. Patrick
セキュリティ・リスクアセスメント手法の開発
― 脅威評価・脆弱性評価・リスク評価を統合した体系的アプローチ※ Security Risk Assessment=脅威・脆弱性・影響を統合したリスク評価
(*)核施設を含む高信頼性施設向けに、脅威評価・脆弱性評価・影響評価を統合したセキュリティ・リスクアセスメント手法を開発し、体系的な評価プロセスを提示した研究である。攻撃者能力、攻撃シナリオ、施設脆弱性、セキュリティ対策の有効性を定量・定性的に評価し、リスクを数値化するためのモデルと評価基準を示している。リスク低減策の優先順位付け、コスト効果分析、継続的改善プロセスを含む“管理可能なセキュリティ設計”の枠組みを提示した。(AEA Technology (UK))
DEVELOPMENT OF A SPECIAL NUCLEAR MATERIALS MONITOREVG SENSOR PACK FOR PROJECT STRAIGHT-LINE K. M. Tolk, R. Miller, M. R. Daily
Project Straight‑Line における特殊核物質監視用センサーパックの開発
― SNM 検知・通信・データ統合を備えた多機能センサー群の設計と性能評価<Special Nuclear Materials(SNM)=Pu、HEU など。 Straight‑Line=DOE の核物質移動監視強化プロジェクト>
(*)DOE の Project Straight‑Line において、特殊核物質(SNM)を検知・追跡するための多機能センサーパックを開発し、放射線検知・環境センサー・通信機能を統合した監視ユニットの設計と性能評価を行った研究である。γ・中性子検知器、位置情報センサー、侵入検知センサー、データロガー、無線通信モジュールを統合し、核物質移動のリアルタイム監視を可能にするシステムアーキテクチャを提示している。実環境試験により、検知感度、誤報率、通信信頼性、電源寿命などを評価し、核物質管理(MC&A)および物理防護(PP)における運用性を実証した。(INEL)
DEVELOPMENT OF AN ASTM STANDARD GUIDE ON PERFORMING VULNERABILITY ASSESSMENTS FOR NUCLEAR FACILITIES D. D. Wilkey
核施設向け脆弱性評価のための ASTM 標準ガイドの開発
― VA (脆弱性評価)手法の体系化・評価基準・標準化プロセス<ASTM Standard Guide=ASTM(米国材料試験協会)が発行する標準ガイドライン>
(*)核施設に対する脅威・脆弱性・防護性能を体系的に評価するための脆弱性評価(VA)手法を標準化し、ASTM ガイドとしてまとめるための開発プロセスを整理した研究である。攻撃シナリオ、侵入経路、探知・遅延・対応(D–D–R)要素、内部脅威、評価基準など、VA の構成要素を定義し、標準化に必要な共通フレームワークを提示している。VA の一貫性・透明性・再現性を確保するため、手順書化・評価基準化・レビュー体制の必要性を強調し、ASTM 標準化の方向性を示した。(SNL)
DEVELOPMENT OF AN IMAGE COMPRESSION AND AUTHENTICATION MODULE FOR VIDEO SURVEILLANCE SYSTEMS Charles S. Johnson, Paul DeKeyser, William R. Hale, Mike Collender
監視映像システム向け画像圧縮・認証モジュールの開発
― デジタル化移行期における圧縮効率・真正性確保・改ざん防止技術
(*)保障措置用監視映像のデジタル化に向け、画像圧縮と映像認証を統合したモジュールを開発し、圧縮効率・画質保持・改ざん検知性能を評価した研究である。フレーム単位のハッシュ生成、連鎖的認証コード、圧縮後の真正性検証など、映像改ざんを防止するための認証アルゴリズムを実装している。MIVS/DMOS 系の光学監視システムに適用し、長期保存・低帯域通信・遠隔監視に適したデジタル映像処理基盤を提示した。(SNL)
DEVELOPMENT OF AN ULTRA-COMPACT Csl/Hgl<sub>2</sub> GAMMA-RAY SCINTILLATION SPECTROMETER P. A. Russo, Bradley E. Patt
超小型 CsI/HgI₂ ガンマ線シンチレーション分光器の開発
― 小型化・低電力化を実現するシンチレータ+半導体光検出器の統合設計
(*)CsI シンチレータと HgI₂ 半導体光検出器を組み合わせた超小型ガンマ線スペクトロメータを開発し、エネルギー分解能・感度・低電力動作を評価した研究である。光電子増倍管(PMT)を用いない“固体光検出器”構成により、装置の小型化・堅牢性・低電力化を実現している。携帯型核計測・現場測定・遠隔監視などの応用に適した性能を示し、次世代小型 NDA 機器の基盤技術を提示した。(LANL)
DIRECT CONVERSION OF PLUTONIUM-CONTAINING MATERIALS TO BOROSILICATE GLASS FOR STORAGE OR DISPOSAL C. W. Forsberg, E. C. Beahm
プルトニウム含有物質のホウケイ酸ガラスへの直接転換
― 長期貯蔵・処分のためのガラス固化プロセスと材料特性評価
(*)プルトニウム含有物質(PuO₂、スクラップ、残渣など)をホウケイ酸ガラスへ直接転換するプロセスを開発し、溶融挙動・ガラス中での Pu の溶解性・均質性・耐久性を評価した研究である。前処理(酸化・粉砕)を最小化し、ガラス原料と混合して直接溶融することで、工程簡素化・臨界安全性向上・不正転用抵抗性の強化を狙っている。得られた Pu 含有ガラスは高い化学耐久性と放射線安定性を示し、長期貯蔵または地層処分に適用可能であることを示した。(ORNL)
DISPOSITION OF SURPLUS FISSILE MATERIALS VIA IMMOBILIZATION Leonard W. Gray, Tehmau Kan, William G. Sutcliffe, J. Malvyn McKibben, William Danker
余剰核分裂性物質の固定化による処分
― ガラス・セラミック媒体への固定化プロセスと不正転用抵抗性の評価
(*)余剰プルトニウムをガラス・セラミック媒体に固定化し、HLW と同等の形態で長期貯蔵または地層処分する“Immobilization Option”の技術・安全性・政策的妥当性を体系化した研究である。Pu のガラス・セラミック中での溶解性、均質性、耐久性、放射線安定性を評価し、固定化体が高い不正転用抵抗性(proliferation resistance)を持つことを示している。MOX 燃料化と比較しつつ、固定化方式の利点(工程簡素化・臨界安全性・処分容易性)を整理し、余剰核分裂性物質処分の有力オプションとして位置づけた。(LLNL)
DOE/ABACC SAFEGUARDS COOPERATION J. Michael Whitaker, Carlos Feu Alvim
DOE と ABACC による保障措置協力
― 二国間保障措置機関との技術交流・NDA/C/S 共同研究・能力構築
(*)DOE と ABACC の間で実施された保障措置技術協力の枠組みを整理し、NDA 技術、封じ込め・監視(C/S)、核物質会計、査察手法などの共同研究成果をまとめた研究である。ABACC の能力構築(capacity building)を支援するため、DOE 研究所(SNL、ORNL、LLNL)との技術移転・訓練・装置供与が行われ、その成果と課題を分析している。二国間保障措置機関と米国の協力が、地域的信頼醸成・国際保障措置の強化に寄与することを示し、IAEA–ABACC–DOE の三者協力の基盤を形成した。(DOE, ABACC(ブラジル・アルゼンチン核物質計量管理機関)
EFFECT OF MINOR COMPONENTS ON VITRIFICATION OF LOW-LEVEL SIMULATED NUCLEAR WASTE GLASSES John G, Darab, Hong Li
低レベル模擬廃棄物ガラスのガラス固化における微量成分の影響
― ガラス組成・溶融挙動・化学耐久性への寄与
(*)低レベル放射性廃棄物を模擬したガラス組成に微量成分を添加し、溶融挙動・相分離・粘度・化学耐久性への影響を体系的に評価した研究である。Fe?O?、Al?O?、SO?2?、Cl?、Na?O、K?O などの微量成分が、ガラスネットワーク構造・溶融温度・相安定性に与える影響を実験的に解析している。特定の微量成分はガラスの耐久性を向上させる一方、相分離や溶融性の悪化を引き起こす場合があり、LLW ガラス組成の最適化には微量成分の精密制御が不可欠である。(PNL)
EFFECTIVE TRAINING METHODOLOGY Berry Crain Jr.
効果的な訓練手法の構築
― 保障措置訓練における教材設計、実習手順、評価方法の体系化
(*)保障措置訓練を効果的に実施するため、訓練手法の構成要素を整理し、教材設計・実習手順・評価方法を体系的に構築する必要性を論じた論文である。受講者の技能習得を確実にするための訓練内容の組み立て方、実地演習の位置づけ、学習成果の確認手順などが具体的に示されている。本研究は、保障措置分野における訓練体系の整備に向けた基礎的枠組みを提示し、後の DOE・IAEA の訓練プログラム構築に寄与した。(SNL)
ENHANCED TRAINING FOR STRENGTHENED SAFEGUARDS Jeanne D. Anderer
強化された保障措置に向けた訓練内容の構築
― 93+2 強化措置に対応するための保障措置訓練体系、教材、実習手法の再構築
(*)強化された保障措置(93+2)に対応するため、保障措置担当者向けの訓練内容を再構築する必要性を示し、訓練体系・教材・実習手法の見直しを論じた論文である。環境サンプリング、情報分析、設計情報検証、封印・監視、NDA 技術など、新たに求められる技能を訓練内容に組み込むための具体的な構成要素と実施手順が整理されている。本研究は、強化保障措置の実装に不可欠な訓練体系の再構築に向けた方向性を示し、IAEA と DOE の共同訓練の基盤形成に寄与した。(DOE)
ENTRY CONTROL TECHNOLOGY BIOMETRIC FIELD EVALUATIONS D. L. Lowe, Janet Steele Ahrens, J. R. Rodriguez
End(4) 入退域管理技術における生体認証の実地評価
― 核施設向け入退域管理における生体認証装置の性能評価、運用性、信頼性の実地試験
(*)核施設の入退域管理に生体認証技術を導入するため、複数のバイオメトリクス装置(手形認証、指紋、虹彩など)の実地評価を行い、性能・信頼性・運用性を比較した論文である。誤受入率(FAR)、誤拒否率(FRR)、環境条件、利用者行動、装置の堅牢性、メンテナンス性などが評価され、核施設での実運用に必要な要件が整理されている。本研究は、DOE 施設における生体認証導入の初期段階を示す重要資料であり、後の SNL の Entry Control System(AECS)や DOE 標準化の基盤となった。(SNL)
ENVIRONMENTAL MONITORING FOR SAFEGUARDS APPLICATIONS E. Kuhn
保障措置への環境モニタリングの適用
― 大気・水・土壌・堆積物分析による核活動検知の概念と技術要件<IAEA の環境サンプリング導入(1996–1997)の前史;本論文はその“概念的基盤”に相当。イラク査察後の保障措置強化の流れに合致;環境情報の重要性が国際的に認識された時期。保障措置の“外部情報源”の確立;施設申告に依存しない検証手段の確立。>
(*)環境モニタリングを保障措置に応用するための概念、測定対象、分析技術、運用要件を体系化し、核活動の間接的検知手法としての有効性を示した研究である。大気・水・土壌・堆積物中の核関連指標(核分裂生成物、ウラン・プルトニウム同位体、希ガス、化学トレーサ)を分析することで、未申告活動の兆候を検知できる可能性を評価している。環境サンプリングの導入に伴う技術的課題(バックグラウンド、検出限界、汚染管理、サンプルチェーン)と、保障措置制度上の課題(透明性、国家協力、データ解釈)を整理した。(IAEA)
ESTABLISHMENT OF THE RUSSIAN SAFEGUARDS METHODOLOGY AND TRAINING CENTRE M. Cuypers, P. Frigola, S. Guardini
ロシア保障措置手法・訓練センターの設立
― 保障措置手法の標準化・査察官訓練・国際協力による能力構築
(*)ロシアにおける保障措置手法の標準化と査察官訓練を目的とした “Safeguards Methodology and Training Centre(SMTC)” の設立構想を示し、施設機能・訓練内容・国際協力枠組みを体系化した研究である。NDA、核物質会計、封じ込め・監視(C/S)、設計情報検証(DIV)など、保障措置の中核技術をロシア国内で教育・訓練するためのカリキュラムと設備整備計画を提示している。EU(JRC)、ロシア、IAEA の三者協力により、ロシアの核施設が国際保障措置体制に統合されるための能力構築(capacity building)の重要性を強調している。(JRC-Ispra)
ESTIMATING REPROCESSING PLANT IN-PROCESS INVENTORIES BY SIMULATION H. Ai, I. Kadokura, K. Fujimaki, T.L. Burr, E. A. Hakkila, C. A. Coulter
再処理工場の工程内在庫のシミュレーションによる推定
― 連続プロセスにおける核物質滞留量の数理モデル化と不確かさ評価
(*)再処理工場の工程内在庫(In‑Process Inventory)を、プロセスモデルと統計シミュレーションを組み合わせて推定する手法を開発し、工程内滞留量の時間変動と不確かさを評価した研究である。溶解、抽出、精製、貯槽などの各工程の物質収支をモデル化し、測定誤差・工程変動・流量不確かさを統計的に取り扱うことで、在庫推定の信頼区間を算出している。シミュレーション結果を実測データと比較し、工程内在庫推定が MUF 評価・保障措置検認・異常検知に有効であることを示した。(JAERI, LANL)
EVALUATION AND DEVELOPMENT PLAN OF NRTA MEASUREMENT METHODS FOR THE ROKKASHO REPROCESSING PLANT I. Kadokura, K. Fujimaki, M. Koyama, T. K. Li, H.O. Menlove, P.A. Russo, E. A. Hakkila, S. F. Klosterbuer, L. Wangen
六ヶ所再処理工場における NRTA 計測手法の評価と開発計画
― NRTA(ニアリアルタイム核物質計量管理)実装に向けた計測点、工程データ、統計手法、計測機器の評価と開発計画
(*)六ヶ所再処理工場(RRP)に NRTA を導入するため、計測点の設定、工程データの取得、計測機器の性能評価、統計解析手法の適用可能性を総合的に検討した論文である。パルス中性子源計測、溶液計量槽の精度評価、工程モニタリング、計量点の最適配置、誤差伝播解析などが検討され、NRTA の実装に必要な技術的要件が整理されている。本研究は、日米共同研究による NRTA 実装計画の基盤を形成し、六ヶ所再処理工場の保障措置設計における NRTA 導入の初期段階を示す重要な資料である。(LNC/PNC-Japan, LANL, SNL)
EVALUATION OF SILICON PIN PHOTODIODE AND CADMIUM – ZINC-TELLURIDE GAMMA RAY DETECTORS FOR MONITORING SPECIAL NUCLEAR MATERIALS A. Williams, Richard J. Fox
特殊核物質監視のための Si‑PIN フォトダイオードおよび CdZnTe ガンマ線検出器の評価
― 室温動作半導体検出器の性能比較と SNM 監視適用性<SNM 監視の多層化(multi‑sensor approach)を促進;Si‑PIN+CZT の組合せは現在も有効。>
(*)Si‑PIN フォトダイオードと CdZnTe 半導体検出器の γ 線検出性能を比較し、特殊核物質(SNM)監視への適用性を評価した研究である。エネルギー分解能、検出効率、雑音特性、温度安定性、携帯性、低電力動作などを実験的に評価し、用途に応じた最適検出器の選択指針を提示している。室温動作の固体検出器が、携帯型監視装置・封じ込め監視(C/S)・遠隔監視に有効であることを示し、次世代 SNM 監視技術の基盤を形成した。(SNL)
EVALUATION OF TRADEOFFS AMONG COSTS AND BENEFITS OF MATERIAL­-CONTROL MEASURES, CONFIDENCE BUILDING AND VERIFICATION MEASURES, AND NONPROLIFERATION AND ARMS-CONTROL OBJECTIVES Frank Handler, Robert V. Homsy
核物質管理措置・信頼醸成措置・検証措置・不拡散/軍備管理目標における
コストと便益のトレードオフ評価
― 保障措置・軍備管理・透明性措置の統合的政策分析<コスト・便益分析を核政策に導入した理由(4要因);①議会説明(予算正当化)、②省庁間の資源配分調整、③国際協力の費用対効果の提示、④“透明性”を政策の武器にするための定量化 。「なぜこの保障措置・軍縮・ロシア支援に金を使うのか」  を説明する必要があり、コストバランス評価 CBA は“議会に説明できる言語”だった。 >
(*)核物質管理(MC&A)、信頼醸成措置(CBM)、検証措置(Verification)、不拡散・軍備管理目標の間に存在するコストと便益のトレードオフを体系的に評価する分析フレームワークを提示した研究である。技術的措置(NDA、C/S、監視)、制度的措置(条約、透明性)、運用的措置(査察頻度、データ共有)を比較し、それぞれが達成する安全性・透明性・抑止効果を定量・定性的に評価している。限られた資源の中で、どの措置を優先すべきかを判断するための政策分析手法を示し、保障措置・軍備管理の統合的最適化の必要性を強調した。(LLNL)
EVOLUTION OF U.S-RUSSIAN COOPERATION IN NUCLEAR MATERIAL PROTECTION, CONTROL, AND ACCOUNTING K. Baur
米露核物質防護・管理・計量管理(MPC&A)協力の発展
― 1993〜1995 年における制度構築・技術協力・信頼醸成の進化過程
(*)冷戦終結後に開始された米露間の核物質防護・管理・計量管理(MPC&A)協力が、どのように制度化・拡大・深化していったかを、1993〜1995 年の初期段階に焦点を当てて整理した研究である。研究所間協力(Lab‑to‑Lab)、政府間協力(Government‑to‑Government)、施設レベル協力(Site‑Specific Projects)の三層構造がどのように形成され、相互信頼と技術移転が進んだかを示している。初期の成功例・課題・制度的障壁を分析し、MPC&A 協力が国際核セキュリティの基盤となる過程を明らかにしている。(DOE)
EXPECTED PRECISION OF NEUTRON MULTIPLICITY MEASUREMENTS OF WASTE DRUMS H. O. Menlove, N. Ensslin, M. S. Krick
廃棄物ドラムにおける核分裂中性子同時計数法の期待精度
― 単一発生・同時発生パターンに基づく Pu 廃棄物評価の統計限界
(*)廃棄物ドラム中で発生する核分裂中性子の“同時発生パターン”(単一発生・二重同時発生・三重同時発生)を用いる核分裂中性子同時計数法について、達成可能な測定精度を統計モデルと装置特性から定量化した研究である。中性子の連鎖的発生(誘導核分裂)、水素による減速、自己遮蔽、バックグラウンドなどが計数精度に与える影響を解析し、Pu 廃棄物の定量においてどの発生モードが支配的かを明確化している。その結果、二重同時発生の計数が Pu 推定の中心指標となる一方、三重同時発生は統計誤差が大きく廃棄物評価では実用性が限定的であることを示し、廃棄物 NDA の適用限界と最適測定条件を提示した。(LANL)
EXPLOITATION OF RESONANCE RAMAN SPECTROSCOPY AS REMOTE CHEMICAL SENSOR Arthur J. Sedlacek, Carl L. Chen
共鳴ラマン分光法の遠隔化学センサーとしての活用
― レーザー励起による高選択的スタンドオフ化学識別手法
(*)特定分子の吸収帯に合わせたレーザー励起によりラマン散乱を強化する“共鳴ラマン分光”を、遠隔化学センサーとして応用するための原理・装置構成・検出性能を評価した研究である。スタンドオフ距離からの化学物質識別において、蛍光バックグラウンド抑制、信号強度、選択性、レーザー波長選択などの要因を解析し、遠隔測定に適した条件を提示している。結果として、共鳴ラマンは高選択性・高感度の遠隔化学検知手法として有望であり、保障措置・環境監視・大気化学計測への応用可能性を示した。(BNL)
FABRICATION OF 12% 240PU CALORIMETRY STANDARDS* C. Mills, S. M. Long, S. Hildner, W. Garcia
12% ²⁴⁰Pu 熱量計較正標準の製造
― プルトニウム同位体組成制御と発熱量安定性を確保した標準体の作製工程
(*)12% ²⁴⁰Pu を含むプルトニウム熱量計校正標準を製造するため、同位体組成の調整、化学精製、酸化物化、ペレット成形、封入工程を体系化し、標準体として要求される発熱量の安定性と均質性を確保した研究である。同位体組成の精密ブレンド、酸化物粉末の均質化、焼結条件、封入カプセルの熱伝達特性などが発熱量の再現性に与える影響を評価し、校正標準としての不確かさ要因を定量化している。得られた 12% ²⁴⁰Pu 標準体は、長期安定性・均質性・計量特性に優れ、熱量計校正および核物質計量管理における基準標準として適用可能であることを示した。(LANL)
FAST TRACK DEMONSTRATION OF THE STRAIGHT-LINE SYSTEM ARCHITECTURE Joe Damico, Brad Mickelsen, Curt Cofield
Straight‑Line システムアーキテクチャの高速実証
― 核物質情報管理の一元化・リアルタイム化を目指したプロトタイプ運用試験<STRAIGHT‑LINE は 核物質情報管理を「一直線(Straight‑Line)」で流す= 中間処理ゼロ・リアルタイム・改ざん防止 を目指した DOE/SNL の統合アーキテクチャ。1995年には4論文が紹介されている。Harms ら;Straight‑Line の「設計思想」、Waddoups & Jaeger;Straight‑Line の「導入意義」、Mangan & Nilsen;Straight‑Line の「実装仕様」、Damico ら;Straight‑Line の「実証結果」>
(*)核物質情報を一元化し、施設内の計量・保管・移動データをリアルタイムに連結する “Straight‑Line System Architecture” を、短期間で実証するためのプロトタイプを構築し、その性能・運用性・セキュリティを評価した研究である。バーコード/RFID、電子封印、入出庫端末、中央データベース、通信プロトコルなどを統合し、核物質の移動記録が自動的に中央システムへ直結する“中間処理ゼロ”の情報流モデルを試験した。実証の結果、データ改ざん耐性、入力エラー削減、在庫照合の迅速化などの利点が確認され、核物質管理(MC&A)と保障措置の双方に有効な次世代情報管理アーキテクチャであることが示された。(SNL)
FIELD EXPERIENCES WITH THE U-PU INSPECTOR Jan Verplancke
U‑Pu Inspector の現場運用経験
― ウラン・プルトニウム同位体比分析装置の査察現場での性能評価と運用課題
(*)U‑Pu Inspector を実際の核施設査察で使用し、ウラン・プルトニウム同位体比の現場即時分析における性能、測定時間、操作性、環境条件への耐性を評価した研究である。遮へい条件、バックグラウンド、試料形状、表面汚染、温度変動など、現場特有の要因が測定精度に与える影響を整理し、装置の限界と最適運用条件を明確化している。結果として、U‑Pu Inspector は査察現場での迅速スクリーニングに有効である一方、精密分析には補完的測定(実験室分析・高分解能 HPGe)が必要であることを示し、現場 NDA の実務的役割を位置づけた。(JRC-Ispra)
FIRST TESTS WITH A NEW PORTABLE ULTRASONIC SEALING SYSTEM FOR PuO2 TRANSPORT CONTAINERS B. C. d’Agraives, J. Toornvliet
PuO₂ 輸送容器用新型携帯式超音波封印システムの初期試験
― 超音波指紋化による封印識別と現場適用性の評価
(*)PuO₂ 輸送容器に取り付ける超音波封印ボルトの“固有超音波パターン(指紋)”を現場で読み取り、封印の真正性を確認する携帯式システムの初期試験結果を報告した研究である。現場環境(温度変動、表面状態、締付トルク、汚れ、輸送振動)による指紋の再現性への影響を評価し、識別精度・誤判別率・測定時間を定量化している。携帯型超音波封印は PuO₂ 輸送容器の封じ込め・監視において高い識別信頼性と運用性を示し、従来封印を補完する実務的手法として有効性を示した。(JRC-Ispra)
FUEL CONDITIONING FACILITY ELECTROREFINER VOLUME CALIBRATION Y. Orechwa, R. G. Bucher
燃料処理施設(FCF)における電解精製装置の体積較正
― 溶融塩・金属相の体積測定と核物質インベントリ精度の確保<IFR(Integral Fast Reactor)MC&A の基盤技術;電解精製工程の計量管理を可能にした最初期の体系化研究。プロセス計測と保障措置の統合;工程内計測(process monitoring)を保障措置に応用する先駆例。>
(*)IFR 燃料処理施設の電解精製装置(ER)における溶融塩・金属相の体積を高精度に較正するため、液位測定、温度補正、装置幾何形状の評価を組み合わせた較正手法を確立した研究である。溶融塩の熱膨張、金属相の密度変化、沈殿物の堆積、電極配置、運転温度などが体積推定に与える影響を解析し、核物質インベントリの不確かさ要因を体系的に整理している。較正手順の適用により、ER 内の核物質量を工程中に定量的に把握できる精度が得られ、FCF の核物質計量管理に必要な信頼性を満たす体積測定手法が示された。(ANL)
FUEL CONDITIONING FACILITY MATERIAL ACCOUNTANCY Y. Orechwa, R. G. Bucher, A.M. Yacout
燃料処理施設(FCF)における核物質計量管理
― 電解精製・溶融塩工程を含む IFR プロセス全体のインベントリ評価体系<IFR/FCF の核物質計量管理体系を初めて工程全体として構築した。体積較正・密度モデル・工程内計測を統合した MC&A モデルを確立。不確かさ要因を工程別に分解し、計量精度の根拠を明確化。IFR の保障措置適合性を技術的に裏付けた。>
(*)IFR の燃料処理施設(FCF)における核物質計量管理体系を構築するため、電解精製(ER)、溶融塩工程、金属相分離、沈殿物処理などの各工程での核物質移行をモデル化し、工程全体のインベントリ評価手法を整理した研究である。工程内計測(process monitoring)、体積較正、密度・組成推定、残渣量評価、サンプリング誤差など、MC&A を支配する不確かさ要因を定量化し、工程別の計量管理精度を体系的に示している。構築された計量管理モデルにより、FCF 内の核物質収支を工程単位で追跡可能となり、IFR の保障措置適合性と運転管理に必要な計量精度を満たす手法が提示された。(ANL)
GAME THEORY AND DECISION SUPPORT SYSTEM FOR USE IN SECURITY REVIEWS OF NUCLEAR MATERIAL TRACKING AND ACCOUNTANCY SYSTEMS K. Le Manchec, F. Werkoff, P. Goutal, N. Preston, F. Roche
核物質追跡・計量管理システムのセキュリティ評価におけるゲーム理論と意思決定支援システムの適用
― 脅威モデル化と防護策選択の最適化手法
(*)核物質追跡・計量管理システムに対する内部・外部脅威を攻撃者と防御側の戦略ゲームとしてモデル化し、脆弱性評価と防護策選択を体系化するためのゲーム理論的枠組みを構築した研究である。攻撃コスト、検知確率、改ざん手段、システム冗長性、監視レベルなどをパラメータ化し、複数の防護オプションを比較する意思決定支援システム(DSS)を設計している。構築されたモデルにより、脅威シナリオごとの最適防護策や追加対策の優先順位を定量的に導出でき、核物質追跡・計量管理システムのセキュリティレビューを体系的に支援する手法が示された。(CEA)
Gamma-Ray Imaging as a Tool for Uranium Processing Plants K. P. Ziock, B. R. McGinnis, L. Madison
ウラン加工施設におけるガンマ線イメージングの活用
― 工程監視・核物質計量管理を支援する非破壊可視化手法
(*)ウラン加工施設における核物質の配置・移動・工程状態を非破壊で可視化するため、ガンマ線イメージング技術の適用可能性を評価し、施設監視への有効性を検討した研究である。ウラン化合物のガンマ線特性、遮へい条件、バックグラウンド、視野角、空間分解能などがイメージング性能に与える影響を解析し、工程監視に必要な検出器構成と測定条件を整理している。イメージングにより工程内の核物質分布や異常配置を遠隔で把握できることが示され、ウラン加工施設の計量管理・保障措置・工程監視を補完する非破壊可視化手法としての有効性が提示された。(LANL, SNL)
GLASS DURABILITY EVALUATION USING MULTIPLE TEST METHODS X. Feng, M.  J. Schweiger, C. N. Wilson, W. L. Eber
複数の試験法を用いたガラス耐久性評価
― 高レベル廃棄物ガラスの溶出挙動と腐食機構の比較分析<(1) PCT(Product Consistency Test)標準化された溶出試験、 (2) MCC‑1(Static Leach Test)長時間の静的腐食、 (3) VHT(Vapor Hydration Test)高温水蒸気環境>
(*)高レベル廃棄物ガラスの耐久性を評価するため、PCT、MCC‑1、VHT など複数の腐食試験法を適用し、試験条件の違いが溶出挙動・腐食機構に与える影響を比較した研究である。ガラス組成、pH、表面積/体積比、温度、二次相生成などが試験法ごとに異なる腐食反応を誘起することを解析し、各試験法の感度と適用範囲を体系的に整理している。複数試験法の結果を統合することで、ガラスの長期耐久性をより信頼性高く評価できることが示され、固化体設計・性能評価における試験選択の指針が提示された。(PNL)
HEU AGE DETERMINATION A. R. Moorthy, W. Y. Kato
高濃縮ウラン(HEU)の年代推定
― U‑234 壊変系列を利用した高濃縮ウランの製造時期推定法の評価
(*)高濃縮ウラン(HEU)の製造時期を推定するため、U‑234 の壊変生成物である Th‑230 の蓄積量を利用した年代推定(age dating)手法を評価した論文である。化学分離後の再平衡過程、U‑234 → Th‑230 の壊変速度、初期条件の不確かさ、測定精度などが年代推定に与える影響が解析されている。本研究は、核鑑識・保障措置・核物質起源判定における HEU 年代推定の初期的枠組みを示し、後の核鑑識技術の基盤となった。(LLNL)
IAEA ENVIRONMENTAL MONITORING FIELD TRIALS WORKSHOP H. H. Ross, J. N. Cooley, W. L. Belew
End(5) IAEA 環境モニタリング実地試験ワークショップ
― 93+2 強化保障措置に向けた環境サンプリング技術の実地試験、分析手法、運用手順の評価<環境サンプリングは“宣言外活動の検知”に不可欠>
(*)IAEA が強化保障措置(93+2)導入に向けて実施した環境モニタリング(Environmental Sampling)の実地試験(Field Trials)について、試験内容、分析手法、結果、課題を総括したワークショップ報告である。粒子分析、バルク分析、採取手順、クリーンラボ要件、輸送・封印、バックグラウンド評価などが検討され、IAEA が環境サンプリングを制度化するための技術的基盤が示されている。本研究は、1997 年の追加議定書(AP)で環境サンプリングが正式導入される前段階の重要な実証であり、IAEA NWAL(分析ラボネットワーク)構築の基礎となった。(ORNL, IAEA)
IAEA SAFEGUARDS: PERCEPTIONS OF EFFECTIVENESS John Carlson, John Hill, John Bardsiey
IAEA 保障措置の有効性に関する認識
― IAEA 保障措置の有効性に対する各国・関係者の評価、期待、課題認識の整理
(*)IAEA 保障措置の「有効性」について、加盟国・政策担当者・技術者がどのように認識しているかを分析し、制度的・技術的・政治的観点から評価した論文である。保障措置の目的、検認能力、透明性、信頼性、コスト、国家の協力姿勢などが有効性の認識に影響する要因として整理され、特に“期待と現実のギャップ”が議論されている。本研究は、1990 年代の IAEA 保障措置強化(93+2)に向けた政策議論の一環として、制度改革の必要性と国際的信頼構築の重要性を示した。(Australian Safeguards Office(ASO)/ANSTO(Australian Nuclear Science and Technology Organisation))
ICPP RADIOLOGICAL AND TOXICOLOGICAL SABOTAGE ANALYSIS V. R. Kubiak, F. G. Mortensen
ICPP における放射線学的・毒性学的サボタージュ解析
― 施設特性と物質特性に基づく影響評価モデル<ICPP;Idaho Chmical Processing Plant;米国海軍の使用済み核燃料の処理プラント>
(*)ICPP に存在する放射性物質および化学毒性物質を対象に、破壊行為による散逸・拡散・被害の可能性を評価するため、施設特性と物質特性を統合したサボタージュ影響評価モデルを構築した研究である。物質形態、在庫量、エネルギー源、破壊シナリオ、拡散経路、気象条件などをパラメータ化し、放射線被曝・化学毒性の両面から影響範囲とリスクを定量化している。解析により、ICPP の特定工程・設備が高い影響ポテンシャルを持つことが示され、施設防護・監視・運転管理における重点領域を識別するための基礎データが提示された。(INEL)
IMPLEMENTATION AND OPERATIONAL EXPERIENCE OF AN INTEGRATED FUEL INFORMATION SERVICE AT THE BNFL THORP FACILITY D. Neil Rodson, Peter N Ramsden
BNFL THORP 施設における統合燃料情報サービスの導入と運用経験
― 再処理工程を貫く核物質・工程データ管理基盤の構築
(*)THORP の燃料受入・再処理・製品管理に関わる膨大な工程データを統合するため、Integrated Fuel Information Service(IFIS)を設計・実装し、核物質管理・運転管理・品質保証を支援する情報基盤を構築した研究である。燃料仕様、受入検査、せん断・溶解データ、プロセス計測、核物質収支、製品仕様などを統合し、工程横断的なデータ整合性・追跡性・リアルタイム性を確保するためのシステム構造と運用手順を整理している。運用経験から、IFIS が核物質計量管理の精度向上、工程監視の効率化、品質保証の一元化に寄与することが示され、THORP の大規模再処理運転を支える情報管理手法として有効性が示された。(BNFL)
IMPLEMENTATION OF IAEA SAFEGUARDS AT THE ROCKY FLATS ENVIRONMENTAL TECHNOLOGY SITE J. J. Giacomini, C. A. Finleon, R. K. Larsen, M. Lucas, D. Langner
ロッキーフラッツ環境技術サイトにおける IAEA 保障措置の実施
― 核兵器生産施設の閉鎖・環境転換に伴う核物質の IAEA 検認に向けた制度整備、計測技術、運用手順の実装<施設の閉鎖・環境修復と保障措置が同時進行→ 1990 年代の Rocky Flats の特徴。核兵器生産施設に IAEA 保障措置を適用した初期の代表例>
(*)核兵器生産施設であった Rocky Flats において、閉鎖・環境修復への移行に伴い IAEA 保障措置を適用するための制度的枠組み、計測技術、運用手順を実装した事例を報告した論文である。核兵器起源の Pu 物品や特殊形状の核物質に対し、中性子計測(パッシブ/アクティブ)、γ線 NDA、封印・検認手順、施設側の受け入れ体制が整備されたことが示されている。本研究は、冷戦後の透明性措置の一環として、米国が核兵器関連施設に IAEA 保障措置を導入した初期の重要事例であり、後の余剰核物質検認枠組みの基盤となった。(Rocky Flats Environmental Technology Site (RFETS))
Implementation of International Atomic Energy Agency (IAEA) Safeguards on United States Excess Fissile Material Ronald C. Cherry, Erin R. Heaton
米国余剰核分裂性物質への IAEA 保障措置の実施
― 核兵器解体に伴う余剰核分裂性物質を IAEA に提示するための制度枠組み、手続、技術的実装の整理<冷戦後の透明性措置の初期を代表する政策文献、米国が初めて余剰核物質を IAEA に提示した際の制度設計>
(*)米国が核兵器解体により生じた余剰核分裂性物質を IAEA に提示し、保障措置を適用するための制度的枠組みと実施手順を整理した論文である。物質の選定基準、提示方法、封印・検認手順、計測技術(中性子計測・γ線 NDA)、施設側の準備、IAEA との調整プロセスが体系的に示されている。本研究は、冷戦後の透明性措置の初期段階における米国の政策的コミットメントを示すものであり、後の Trilateral Initiative(米・露・IAEA)の基盤となった。(DOE)
IMPLEMENTATION OF IT-BASED APPLICATIONS IN THE SAFEGUARDS FIELD G. af Ekenstam, M. Sallstrom
保障措置分野における IT ベース応用技術の導入
― データ管理・通信・監視自動化を支える情報技術の実装経験
(*)保障措置活動におけるデータ管理・通信・監視の効率化を目的として、IT ベースのアプリケーションを導入し、査察データ処理・施設監視・核物質管理の各領域での実装経験を整理した研究である。データベース化、ネットワーク通信、デジタル監視装置、画像処理、遠隔データ転送などの技術を評価し、運用上の利点・制約・信頼性要件を体系的に分析している。IT 応用により査察準備・データ解析・報告作成が効率化され、保障措置の透明性・再現性・迅速性を向上させるための実務的手法が提示された。(Swedish Nuclear Power Inspectorate (SKI))
IMPLEMENTATION OF NEUTRON COUNTING TECHNIQUES AT U.S. FACILITIES FOR IAEA VERIFICATION OF EXCESS MATERIALS FROM NUCLEAR WEAPONS PRODUCTION T. D. Reilly, D. G. Langner, J. Xiao, J. E. Stewart, R. J. LeMaire, M. S. Krick, W. Theis
核兵器生産由来余剰核物質の IAEA 検認における米国施設での中性子計測技術の実装
― 核兵器解体に伴う余剰核物質の IAEA 検認を支援するための中性子計測手法の導入、装置構成、運用手順の実装<LANL の NDA 技術が国際検認に直接応用された初期事例→ 1990 年代透明性措置の基盤。>
(*)核兵器生産から生じた余剰核物質を IAEA が検認するため、米国の複数施設において中性子計測技術(パッシブ/アクティブ計測)を実装した事例を報告した論文である。³He 検出器アレイ、同時計数法、パルス中性子源を用いたアクティブ計測などが導入され、核兵器起源の特殊形状・高放射線場・遮蔽条件に対応するための装置構成と運用手順が示されている。本研究は、冷戦後の透明性措置の一環として、米国が IAEA に対し余剰核物質の検認を可能にするための技術基盤を整備した初期の重要事例である。(LLNL)
IMPROVED AUTOMATED ELECTRONIC BALANCE CALIBRATION PROGRAM John P. Clark, Eric M. Frickey
改良型自動電子天びん較正プログラム
― 核物質計量管理における質量測定の精度・再現性向上手法
(*)核物質計量管理に使用する電子天びんの較正作業を自動化するため、標準分銅の投入順序、測定回数、統計処理、許容基準を組み込んだ改良型自動較正プログラムを開発した研究である。温度変化、ドリフト、繰返し性、線形性、標準分銅のトレーサビリティなど、質量測定の不確かさ要因を解析し、較正データの自動評価と合否判定を行うアルゴリズムを実装している。自動化により較正作業の再現性・信頼性が向上し、MC&A の測定管理プログラムにおける質量測定の品質保証を強化する手法が示された。(WSRC)
IMPROVED INFORMATION ANALYSIS–VIEWS AND ACTIONS Kenneth B. Sheely, Douglas R. Manatt
情報分析の改善 ― 視点と行動
― 保障措置・核物質管理における分析プロセスの体系化
(*)保障措置・核物質管理における情報分析の質を向上させるため、分析者の視点(views)と分析に基づく行動(actions)を体系的に結びつける分析プロセスを整理した研究である。データの信頼性評価、仮説生成、異常検知、リスク評価、意思決定支援などの要素を統合し、分析者がどの視点を採用し、どの行動を選択すべきかを明確化する枠組みを提示している。分析プロセスの標準化により、保障措置レビュー・MC&A 評価・セキュリティ判断の一貫性と透明性を高める手法が示され、組織的な意思決定の質向上に寄与することが示された。(DOE)
IMPROVEMENTS TO THE MGA CODE FOR URANIUM Jan Verplancke, Ray Gunnink
ウラン分析用 MGA コードの改良
― ウラン同位体比推定におけるスペクトル解析手法、ピーク処理、補正アルゴリズムの改良<MGA-U の成熟期を示す重要論文、FRAM(Fixed-energy Response-function Analysis with Multiple efficiencies)への移行期の技術的基盤、1990 年代のウラン γ 線 NDA の標準化に寄与、LLNL と JRC の国際協力の成果>
(*)ウランの同位体比を γ 線スペクトルから推定するための MGA(Multi-Group Analysis)コードについて、解析精度向上のためのアルゴリズム改良点を示した論文である。低エネルギー領域のピーク分離、自己吸収補正、バックグラウンド処理、検出器応答の扱いなどが改善され、特に低濃縮ウランおよび高計数率条件での精度向上が報告されている。本研究は、MGA-U の信頼性向上に寄与し、後の FRAM-U や高度化した γ 線同位体分析コードの発展に影響を与えた。(EC/JRC, LLNL)
IMPROVING SHUFFLER ASSAY ACCURACY P. M. Rinard
ウラン廃棄物ドラムの Shuffler(パッシブ・アクティブ中性子 NDA 装置)による測定精度の向上
― ドラム内部のマトリクス効果・自己遮蔽・非均質分布補正のための中性子計数解析手法
(*)ウラン廃棄物ドラムの Shuffler 測定におけるマトリクス依存誤差(特に水素系マトリクスによる減速・自己遮蔽)を補正するため、ドラム周囲の複数検出器の中性子計数率からウラン分布を逆算する手法を開発した研究である。多数の測定にもとづく検出器の応答結果を基にして作成した”過剰決定系”の線形方程式を用いてウランの空間分布を推定し、その分布に基づく補正係数を適用することで、非均質配置・自己遮蔽・高バックグラウンド条件下でも測定精度を向上させる方法を示している。補正手法は既存 Shuffler への実装が可能であり、ウラン廃棄物ドラムの NDA 測定における精度向上と測定信頼性の改善に寄与することが示された。(LANL)
IN-PLANT EXPERIENCE WITH PASSIVE-ACTIVE SHUFFLERS AT LOS ALAMOS Jon R. Hurd, Phillip M. Rinard, Faye Hsue
ロスアラモス施設におけるパッシブ・アクティブ Shuffler の運用経験
― 実プラント環境での性能・信頼性・測定課題の評価<本研究で得られた Shuffler の in‑plant 測定データと運用知見は、DOE 施設における核物質計量管理(MC&A)および TRU 廃棄物の NDA 測定に応用可能な技術基盤として位置づけられる。特に WIPP 向け NDA 技術開発と整合する測定要件を満たしており、廃棄物ドラムの核物質量評価に関する実務的知見として重要である。>
(*)LANL の実プラント環境でパッシブ・アクティブ Shuffler を運用し、ウラン廃棄物ドラムの測定における性能・信頼性・運用課題を体系的に評価した研究である。バックグラウンド変動、マトリクス効果、自己遮蔽、ドラム配置、源移動機構(shuffling mechanism)の安定性など、実運用で顕在化する要因を分析し、測定精度への影響を整理している。運用経験から、較正手順、品質管理、メンテナンス、測定プロトコルの改善点が明確化され、Shuffler の実プラント適用性を高めるための実務的知見が提示された。(LANL)
INCREASING FISSILE INVENTORY ASSURANCE WITHIN THE U.S. DEPARTMENT OF ENERGY Amy. B Whitworth, Gary Kodman, Ron Hawkins
米国エネルギー省における核分裂性物質インベントリ保証の強化
― MC&A 体制・測定技術・運用プロトコルの改善による信頼性向上策
(*)DOE 施設における核分裂性物質インベントリ保証を強化するため、計量管理制度、測定技術、運用プロトコルの改善点を体系的に整理し、施設間での一貫性と信頼性を高める枠組みを提示した研究である。核物質測定の不確かさ、在庫差異(ID:inventory difference)、廃棄物・残渣の計量管理、データ品質保証(QA/QC)など、MC&A の主要課題を分析し、改善のための標準化・手順化を提案している。これらの改善策は DOE 全体の核物質管理の透明性と信頼性を向上させ、保障措置・安全保障要求に適合するインベントリ保証体制の構築に寄与することを示した。(DOE)
SWORDS INTO PLOWSHARES — TRITIUM WASTE MINIMIZATION (TRAINING DEVELOPMENT PROJECT) J. Hehmeyer, C. Sienkiewicz, L. Kent, J. Gill, W. Schmitz, T. Mills, R. Wurstner, F. Adams, P. Seabaugh
“剣を鋤に打ち直す”:トリチウム廃棄物最小化(訓練開発プロジェクト)
― 軍事トリチウム作業の知識を環境保全目的へ転換するための廃棄物最小化訓練の開発・実装
(*)トリチウム取扱施設における廃棄物最小化を目的として、既存のトリチウム訓練プログラムを基盤に新しい教育体系を構築し、その開発過程と実装結果を示した論文である。訓練内容は、封じ込めレベル、使用器具、D&D(解体・除染)作業、設備改修など、廃棄物発生に影響する要因を体系的に扱い、改善によるコスト削減効果が示されている。本研究は、Mound 施設の歴史的トリチウム作業経験を活かし、環境技術への移行期における廃棄物最小化訓練の標準化に寄与した。(EG&G Mound Applied Technologies, Inc.)
INTEGRATION OF ACCESS CONTROL AND ANCILLARY INFORMATION SYSTEMS Janet Steele Ahrens, J. R. Rodriguez
アクセス制御と補助情報システムの統合
― 核施設の物理防護・運用管理を連携させる統合セキュリティ基盤
(*)核施設におけるアクセス制御システムと、訪問者管理・従業員データベース・監視ログなどの補助情報システムを統合し、セキュリティ運用の一貫性と効率を高めるためのアーキテクチャを提示した研究である。認証情報・アクセス権限・行動履歴・施設運用データを統合管理することで、重複入力の削減、異常検知の迅速化、セキュリティ判断の自動化を可能にする統合モデルを示している。統合化により、物理防護・運用管理・人事情報の連携が強化され、核施設のセキュリティ信頼性と運用効率の向上に寄与することが示された。(SNL)
INTELLIGENT SELF-CONFIGURING CLIENT-SERVER ANALYSIS SOFTWARE FOR HIGH-RESOLUTION X AND GAMMA-RAY SPECTROMETRY William M. Buckley, Joseph B. Carlson
インテリジェント自己構成型クライアント–サーバ向けの高分解能 X・ガンマ線分光用解析ソフトウェア
― ネットワーク環境での自動最適化と核種同定支援を可能にする解析基盤
(*)高分解能 X/γ 線分光データをネットワーク上で処理するため、解析エンジンをサーバ側に集約し、クライアント側が自律的に最適設定を取得する“自己構成型”クライアント–サーバ解析ソフトウェアを開発した研究である。ピーク探索・エネルギー校正・核種同定・スペクトル品質評価などの解析モジュールを自動選択し、測定条件に応じて解析パラメータを動的に最適化するインテリジェント機能を備えている。このアーキテクチャにより、複数検出器・複数端末からの分光データを統合的に処理でき、核物質管理・保障措置における高分解能分光解析の効率と信頼性が向上することを示した。(LLNL)
INTERNATIONAL INSPECTION ACTIVITY IMPACTS UPON DOE SAFEGUARDS REQUIREMENTS Neil R. Zack, David W. Crawford
国際査察活動が DOE 保障措置要件に及ぼす影響
― IAEA 査察・追加議定書対応と国内 MC&A 要件の整合化<国際査察と国内保障措置の“接続点”を明確化:DOE 施設は IAEA の査察対象ではないが、国際透明性要求が国内要件に波及するという構造を説明。>
(*)IAEA の国際査察活動の拡大と追加議定書(93+2)への移行が、DOE 施設の保障措置要件・MC&A 手順・情報管理にどのような影響を与えるかを体系的に分析した研究である。核物質計量管理、運転記録、施設情報、測定データの提供範囲など、国際査察要求と DOE 内部要件の整合性を確保するための運用・文書化・データ品質管理の改善点を提示している。国際査察の透明性要求が DOE 施設の MC&A・物理防護・情報管理の高度化を促し、国内保障措置体制の信頼性向上に寄与することを示した。(DOE)
INVENTORY VERIFICATION SYSTEM: ELECTRONIC VIDEO SURVEILLANCE FOR NUCLEAR SAFEGUARDS C. A. Rodriguez, J. E. Brown, M. M. Prommel
インベントリ検認システム:核物質保障措置のための電子式ビデオ監視
― 無人監視・記録認証・在庫検認支援を目的としたデジタル監視基盤
(*)核物質の在庫検認(Inventory Verification)を支援するため、電子式ビデオ監視を用いて保管区域の状態変化・アクセス・物品移動を自動記録するインベントリ検認システムを開発した研究である。認証付き映像記録、タイムスタンプ管理、イベント駆動型撮影、データ完全性の確保など、保障措置要求に適合する監視機能を統合し、無人監視による継続的な在庫検認を可能にしている。このシステムにより、核物質保管区域の透明性と検認効率が向上し、IAEA 型監視技術への発展にもつながる電子式監視基盤の有効性が示された。(SNL)
ISOTOPE DILUTION MASS SPECTROMETRIC ANALYSIS OF URANIUM Anthony J. Traina Jr., Alma V. Stiffin
ウランの同位体希釈質量分析(IDMS)法による分析
― ウラン試料の同位体希釈質量分析におけるスパイク調製、化学分離、測定手順、精度管理の体系化
(*)ウラン試料の定量および同位体組成測定に同位体希釈質量分析(IDMS)法を適用し、スパイク調製、化学分離、質量分析計測、データ処理の手順を体系的に示した論文である。スパイクの同位体組成・濃度の精密較正、試料とスパイクの完全混合、化学収率の管理、質量差別補正など、IDMS の精度を左右する要因が詳細に検討されている。本研究は、核物質計量管理(MC&A)および保障措置におけるウラン分析の標準化に寄与し、後の高精度 IDMS 手法の基盤となった。(WSRC)
LANMAS CORE: UPDATE AND CURRENT DIRECTIONS Joe Claborn
End(6) LANMAS 中核機能:最新動向と今後の方向性
― LANMAS の中核機能に関する更新内容、拡張性、施設適応性、将来計画の整理<1995年には、Claborn 単独版(最終版)とClaborn & Alvarado 版(予稿/別版)の両方が登録されている。>
(*)LANMAS(Local Area Network Material Accountability System)の中核機能について、データモデル、取引管理、在庫管理、報告機能などの最新更新内容を整理し、各施設への適用状況を示した論文である。モジュール化設計により拡張性・施設適応性・データ整合性が向上し、ネットワーク環境での信頼性と運用性が強化されていることが報告されている。今後の方向性として、中核機能の標準化、外部システム連携、将来の MC&A 要件への対応が示され、LANMAS の長期的発展の基盤が示された。(WHC)
LESSONS LEARNED RELATED TO PACKAGING AND TRANSPORTATION Cliff Wallen
包装および輸送に関連する教訓
― DOE における核物質・放射性廃棄物のパッケージングと輸送実務から得られた知見
(*)DOE 施設における核物質・放射性廃棄物の包装・輸送業務から得られた運用上の教訓を整理し、規制適合性、品質保証、パッケージ設計、輸送計画の改善点を体系的に提示した研究である。パッケージ認証、内容物の特性評価、輸送前点検、文書化、緊急時対応、荷役手順など、輸送安全を左右する要素を分析し、実務で頻発する問題点とその対策を明確化している。これらの教訓は DOE の輸送安全文化の向上に寄与し、将来のパッケージ設計・輸送手順・品質保証プログラムの標準化に資する知見として位置づけられる。(DOE)
LOS ALAMOS MAWST SOFTWARE LAYERED ON WESTINGHOUSE SAVANNAH RIVER COMPANY’S NUCLEAR MATERIALS ACCOUNTABILITY SYSTEM James M. Davis. Jr., William J. Whitty, Jennifer E. Smith
ロスアラモス MAWST ソフトウェアの WSRC 核物質計量管理システムへのレイヤー統合
― 施設固有 NMAS との互換性確保と MC&A 機能拡張を目的とした統合アーキテクチャ
(*)LANL が開発した MAWST(Material Accountability With Standard Tools)を、WSRC の既存核物質計量管理システム(NMAS)上にレイヤーとして統合し、施設固有データベースとの互換性を維持しつつ MC&A 機能を拡張するアーキテクチャを提示した研究である。データ交換プロトコル、入出力形式、在庫差異処理、測定データ管理、帳票生成などの機能を標準化し、異なる施設間での MC&A ソフトウェアの相互運用性を確保するための統合手法を示している。この統合により、NMAS の既存運用を維持しながら MAWST の高度な分析・検認機能を追加でき、DOE 施設間での MC&A ソフトウェア標準化とデータ品質向上に寄与することが示された。(LANL, WSRC)
Low Cost Image Transmission System David Skogmo
低コスト画像伝送システム
― 保障措置用遠隔監視・電子封印支援を目的とした簡易画像通信基盤
(*)核物質保障措置における遠隔監視を低コストで実現するため、簡易画像取得装置と低帯域通信を組み合わせた“低コスト画像伝送システム”を開発し、その設計と性能を示した研究である。画像圧縮、低速通信リンク、イベント駆動型撮影、電力消費の最適化など、無人監視に必要な要素を最小構成で実装し、電子封印や簡易監視システムとの統合を可能にしている。このシステムにより、遠隔地の保管区域や輸送容器の状態を低コストで監視でき、後のデジタル監視システム(MIVS/DMOS)や電子封印ネットワークの基盤となる技術的有効性が示された。(SNL)
LOW TEMPERATURE PYROTECHNIC SMOKES A POTENTIAL LOW COST ALTERNATIVE TO NON PYROTECHNIC SMOKE FOR ACCESS DELAY APPLICATIONS Charles J. GreenhoIt
低温火工式スモーク:非火工式スモークに対する低コスト代替となり得るアクセス遅延用煙幕
― 侵入遅延・視界遮断・低温燃焼特性を活用した物理防護支援技術
(*)アクセス遅延(Access Delay)用途において、非火工式スモークよりも低コストで導入可能な“低温火工式スモーク”の性能・安全性・運用性を評価し、代替技術としての可能性を検証した研究である。低温燃焼による安全性確保、迅速な煙幕形成、視界遮断効果、装置の簡易性などを実験的に評価し、侵入者の行動遅延に有効であることを示している。コスト、保守性、設置性の観点から、非火工式スモークに対する実用的な代替技術として位置づけられ、物理防護システムの低コスト化に寄与する可能性が示された。(SNL)
LOW-COST PASSIVE GAMMA SENSORS FOR MONITORING APPLICATIONS L.Curt Maxey,JoEllen Rogers
監視用途のための低コスト受動ガンマ線センサー
― 無人監視・在庫検認・異常検知を目的とした簡易放射線モニタリング基盤
(*)核物質監視・在庫検認・無人監視用途において、低コストで設置可能な受動ガンマ線センサーの性能・応用可能性を評価し、従来の高価な検出器に代わる実用的選択肢を提示した研究である。シンチレータ材料、低電力電子回路、簡易データロガーを組み合わせ、放射線レベルの変化・物質移動・異常事象を継続的に監視できるセンサー構成を示している。低コスト・低電力・長期運用性により、施設内外の広域監視や無人監視システムとの統合が可能であり、保障措置・環境監視・輸送監視への応用が期待されることを示した。(PNNL)
MACS AS A TOOL FOR INTERNATIONAL INSPECTIONS Joseph P. lndusi, Joseph A . Curtiss
国際査察における MACS の活用
― 管理された立入(Managed Access)を実現するセンサー統合型監視ツール
(*)MACS(Managed Access by Controlled Sensing)を国際査察に適用するため、立入制限区域におけるセンサー統合・情報制御・監視手法を評価し、査察官のアクセスを管理しつつ機密情報を保護する技術的枠組みを提示した研究である。光学・赤外・超音波・磁気センサーなどを組み合わせ、査察官の行動を監視しながら、施設側の機密情報への露出を最小化する“管理された立入(Managed Access)”を実現する手法を示している。MACS は IAEA 査察の透明性要求と施設側の機密保持要求を両立させるツールとして有効であり、国際査察におけるアクセス管理技術の基盤となることを示した。(BNL)
MAKING SPG EASIER WITH ZONE CONTROL CHARTS Brian Lanning
ゾーン管理図による 統計的プロセス管理(SPC) の簡素化
― 核物質計量管理における統計的プロセス監視を容易化する視覚化手法
(*)核物質計量管理(MC&A)における統計的プロセス監視手法 SPG(Statistical Process Graph)を、ゾーン管理図(Zone Control Charts)を用いて簡素化し、現場担当者が異常傾向を迅速に把握できるようにする手法を提示した研究である。従来の SPG が持つ複雑さ(計算量・判定基準の多さ)を、視覚的に理解しやすいゾーン区分とルールベースの判定に置き換えることで、日常運用での適用性を向上させている。この手法により、測定データのドリフト・バイアス・異常変動を早期に検出でき、MC&A のデータ品質保証(QA/QC)と在庫差異管理の信頼性向上に寄与することが示された。(DOE)
MANAGEMENT AND DISPOSAL OF RADIOACITVELY CONTAMINATED PCBS AND PCB ITEMS AT A SUEERFUND SITE Shannon K. Kaster
Superfund サイトにおける放射能汚染 PCB および PCB 含有機器の管理と処分
― CERCLA/TSCA/放射線規制の重層適用下での複合汚染廃棄物処理プロトコル
(*)Superfund(CERCLA)サイトにおいて、放射能汚染を伴う PCB および PCB 含有機器を管理・処分するための規制要件、技術的課題、運用プロトコルを体系的に整理した研究である。TSCA(Toxic Substances Control Act)と放射線規制(DOE Order/NRC 基準)が同時に適用される複合汚染廃棄物に対し、分類、保管、除染、輸送、最終処分の各段階で必要となる手順と意思決定プロセスを提示している。複合規制下での廃棄物管理の複雑性を明確化し、Superfund サイトにおける PCB+放射能汚染廃棄物の安全かつ法令適合的な処理のための実務的指針を示した。(DOE)
MATERIAL ACCOUNTANCY FOR METALLIC FUEL PIN CASTING Y. Orechwa, R. G. Bucher, J.C.Beitel
金属燃料ピン鋳造工程における核物質計量管理
― FCF における鋳造歩留まり・ホールドアップ・残渣評価を統合した核物質収支モデル
(*)金属燃料ピン鋳造工程における核物質収支(material balance)を定量化するため、投入材・鋳造製品・残渣・ホールドアップの各項目を測定・評価し、MC&A に適用可能な収支モデルを構築した研究である。鋳造歩留まり、スプルー/ランナー残渣、坩堝付着物、蒸発損失、微量飛散など、金属燃料特有の物質損失メカニズムを分析し、NDA/DA 測定を組み合わせた計量管理手法を提示している。このモデルにより、FCF の金属燃料製造工程における核物質計量管理の精度が向上し、保障措置・安全性・運転管理の信頼性向上に寄与することが示された。(ANL)
Material Control and Accountability Excess Fissile Material Disposition Sharon A. Snowden
余剰核分裂性物質の処分における核物質管理・計量管理
― 透明性確保・保障措置適合性・在庫管理を統合した MC&A 要件<余剰核分裂性物質処分における MC&A の体系を初めて明確化した政策・技術融合論文。在庫管理・測定品質・透明性の三要素を統合した点が画期的。>
(*)核兵器解体などにより発生した余剰核分裂性物質(Excess Fissile Material)の処分に際し、透明性・保障措置適合性・在庫管理を確保するための MC&A 要件と運用プロセスを体系化した研究である。在庫確認、測定データ品質、移転記録、保管管理、国際査察との整合性など、処分プロセス全体で必要となる MC&A の役割を明確化し、DOE 施設における実務的ガイドラインを提示している。余剰核物質の処分は国内外の信頼性確保に直結するため、MC&A の強化が透明性・安全性・不拡散政策の基盤となることを示した。(DOE)
MATERIALS CONTROL AND ACCOUNTABILITY SOURCE CONSOLIDATION Linda A. Hairston
核物質管理・計量管理における情報源統合
― 在庫記録・測定データ・移転記録を統合しデータ品質を向上させる MC&A 基盤整備
(*)MC&A に必要な在庫記録、測定データ、移転記録、施設運転情報などの“情報源(sources)”を統合し、データの一貫性・完全性・可用性を向上させるための手法と運用プロセスを提示した研究である。複数システム間のデータ重複・矛盾・欠落を解消し、単一の信頼できるデータセット(single authoritative source)を構築することで、在庫差異(ID)管理・監査対応・保障措置適合性を強化する枠組みを示している。情報源統合は DOE 施設の MC&A 効率化と透明性向上に不可欠であり、将来のシステム近代化(LANMAS など)への移行を支える基盤となることを示した。(DOE)
MC&AASSESSMENT PROGRAM AT WSRC M. P. Rodriguez
WSRC における MC&A 評価プログラム
― DOE 要件に基づく管理・測定・在庫・封じ込めの総合評価体系
(*)WSRC における MC&A(核物質管理・計量管理)プログラムの健全性を評価するため、DOE Order 5633.3 系要件に基づく体系的な評価プログラムを構築し、管理・測定・在庫・封じ込めの各領域を対象とした評価手法を提示した研究である。文書レビュー、現場観察、測定データ品質評価、在庫差異(ID)分析、封じ込め・監視(C/S)機能の確認など、複数の評価モジュールを統合し、MC&A の信頼性を定量的に判断する枠組みを示している。この評価プログラムにより、WSRC の MC&A 改善点が明確化され、DOE 施設全体の MC&A 近代化に向けた標準的評価モデルとして活用可能であることが示された。(WSRC)
MIVS: THE MOVIE Orest Courtney,Noah Kadner, Steve Kadner
MIVS:その全体像を映像的に示す技術紹介
― モジュール型統合ビデオ監視システムの構成・運用・デモンストレーションをまとめた解説資料
(*)SNL が開発した MIVS(Modular Integrated Video System)の構成、機能、運用デモを“映像作品(movie)”のようにストーリー形式で紹介し、システム全体の理解を容易にすることを目的とした技術解説である。カメラモジュール、認証モジュール、データストレージ、イベントトリガ、監査ログなど、MIVS を構成する要素を順に紹介し、実際の監視シナリオを通じてその動作を示している。MIVS のモジュール性・信頼性・認証機能・無人監視能力を強調し、IAEA 型デジタル監視システムの基盤となる技術的有効性を示した。(SNL)
MODELING GROUND VEHICLE ACOUSTIC SIGNATURES FOR ANALYSIS AND SYNTHESIS Greg Haschke, Ricky Stanfield
地上車両の音響シグネチャのモデル化:解析および合成のための手法
― 車両識別・侵入検知・センサーフュージョンを目的とした音響特徴モデル
(*)地上車両の音響シグネチャを解析し、特徴抽出・分類・合成を可能にする数学モデルを構築し、侵入検知・車両識別・監視システムへの応用を示した研究である。エンジン回転数、排気音、タイヤ路面音、機械振動などの周波数成分を分離し、車種・速度・動作状態を推定できる音響特徴量を定義している。このモデルは、実車データの解析だけでなく、シミュレーションによる“合成音響シグネチャ”の生成にも利用でき、センサー配置設計・アルゴリズム評価・侵入検知性能の最適化に寄与する。(SNL)
Modern NDA Needs at the Savannah River Site Type Stephen H. Holt
サバンナリバー・サイトにおける現代的 NDA ニーズ
― 核物質管理・廃棄物管理・廃止措置を支える非破壊測定要件の整理
(*)SRSにおける核物質管理・廃棄物管理・施設運転の要求が多様化し、それに対応するための“現代的 NDA 技術ニーズ”を体系的に整理し、既存手法の課題と改善方向を示した研究である。高放射線場での測定、複雑な廃棄物形態の評価、ホールドアップ測定、D&D(廃止措置)作業支援、MC&A の測定精度向上など、SRS が直面する複数の用途に応じた NDA 要件を具体的に提示している。これらの要件は、SRS の運転管理・廃棄物処理・核物質計量管理の信頼性を高めるための技術的基盤として位置づけられ、今後の NDA 技術開発の方向性を検討する際の参照枠となることを示した。(WSRC)
MODERNIZING COMPUTERIZED NUCLEAR MATERIAL ACCOUNTING SYSTEMS Bruce Erkkila, Joe Claborn
コンピュータ化された核物質計量管理システムの近代化
― データ品質・運用効率・透明性を向上させるための設計要件と改善方向
(*)既存のコンピュータ化 MC&A システムが抱える課題を整理し、核物質会計の信頼性・透明性・運用効率を向上させるための近代化要件を体系的に示した研究である。データ品質、測定情報との整合性、記録の一貫性、ユーザーインターフェース、ネットワーク対応、セキュリティなど、システム運用に関わる複数の要素を改善対象として提示している。これらの要件は、将来の MC&A システム設計を検討する際の基礎となり、LANMAS などの次世代会計システムの構築に向けた参照枠として位置づけられる。(LANL)
Modular Integrated Monitoring System (MIMS) Field Test Installations Robert L. Martinez, David R. Waymire, David A. Fuess, David W. Myers, Christopher Frerking
MIMS(Modular Integrated Monitoring System)フィールド試験設置
― 統合監視システム MIMS のモジュール構成、現場設置、運用評価、センサー統合性能の実証
(*)MIMS(Modular Integrated Monitoring System)を実際の核関連施設に設置し、センサー統合、データ収集、アラーム処理、遠隔監視などの機能を評価したフィールド試験の結果を報告した論文である。モジュール化された監視ユニット、通信リンク、環境耐性、アラーム統合、データ管理機能が実運用条件下で検証され、統合監視システムとしての有効性と拡張性が示されている。本研究は、後の遠隔監視(Remote Monitoring)や統合セキュリティシステムの基盤となり、1990 年代の保障措置・物理防護統合化の初期成果として位置づけられる。(SNL)
MONITORING A CONTINUOUS PROCESS WITH DISCREET MEASUREMENTS Barry Lynn Cole
離散測定による連続プロセス監視
― 連続プロセスの状態変化を離散的サンプリングと統計的手法で推定・監視するための計量管理モデル<連続プロセス監視(CPM)の初期理論を確立した文献>
(*)連続的に進行する核物質プロセスを、一定間隔の離散測定データから監視・評価するための統計モデルと運用手法を提示した論文である。測定頻度、サンプリング誤差、プロセス変動、計量誤差を考慮し、連続プロセスの状態推定や異常検知を可能にする監視アルゴリズムが示されている。本研究は、連続プロセス監視(CPM)やオンライン MC&A の基礎を形成し、後のプロセス監視型保障措置や核物質収支評価手法の発展に寄与した。(DOE)
NEUTRON MULTIPLICITY DRUM MONITOR J. A. Mason, W. Hage
ドラム缶用核分裂中性子同時計数モニタ
― 廃棄物ドラム中の核分裂性物質量を推定するためのパッシブ中性子同時計数装置の設計・性能評価
(*)廃棄物ドラム中の核分裂性物質を非破壊で定量するため、核分裂中性子の同時計数(singles/doubles/triples)を用いるパッシブ中性子計測装置の設計と性能を評価した論文である。³He 検出器アレイと減速材を組み合わせた高効率構成により、行列の不均質性の影響を抑えつつ、核分裂に伴う相関中性子の計数から物質量を推定できることが示されている。本研究は、TRU 廃棄物ドラムの核分裂性物質量推定における同時計数法の有効性を実証し、後のドラム用パッシブ中性子計測システムの標準化に寄与した。(LANL)
NEW PAMTRAK FEATURES Bruce Dahly, Jonathan Anspach
End(7) PAMTRAK の新機能拡張
― 人員・物品追跡の高度化、映像統合、データ連携、UI 改良による PAMTRAK 機能の強化
(*)PAMTRAK システムに追加された新機能を総括し、人物・物品追跡の精度向上、映像統合、データ管理強化、ユーザーインターフェース改善などの拡張点を示した論文である。新しいセンサー統合、イベント相関処理、アラーム管理の強化、施設レイアウトとの連動表示、データベース機能の拡張などが導入され、運用効率と異常検知能力が向上している。本研究は、PAMTRAK を MC&A・物理防護・アクセス管理を統合する総合監視システムへ発展させる重要なステップであり、後の PAMTRAK II の基盤となった。(SNL)
NMMSS AND BEYOND dward M. Moreadith
NMMSS とその将来展望
― 米国核物質管理システムの課題と次世代情報基盤の方向性<NMMSS の役割:米国全体の核物質(Pu、HEU、LEU、U‑233 等)の在庫・移転・使用量を一元管理。DOE、NRC、DOD、産業界のデータを統合。IAEA への報告(INFCIRC/207)にも利用→ 国家レベル MC&A の中枢システム>
(*)米国の核物質管理システム NMMSS の現状と課題を整理し、データ品質、報告プロセス、システム統合性の改善を含む次世代システムの方向性を提示した論文である。施設レベルの MC&A と国家レベルの NMMSS の間に存在するデータ不整合、報告遅延、フォーマット非統一などの問題を分析し、電子化・標準化・自動化による改善案を示している。結果として、将来の核物質管理には、リアルタイム性・データ品質保証・国際報告との整合性を備えた統合情報基盤が不可欠であると結論づけている。(DOE)
NMMSS IN TRANSITION Bruce Duncil
移行期にある NMMSS
― 米国核物質管理システムの再構築・近代化・運用改革
(*)NMMSS が 1990 年代半ばに直面した制度的・技術的課題を整理し、データ品質、報告プロセス、ユーザー要求への対応など、システム移行期の主要論点を提示した論文である。旧来のバッチ処理・手入力依存・非統一フォーマットから、電子化・標準化・自動化・品質保証へ移行する必要性を明確化し、改革の優先順位を示している。結果として、NMMSS の移行は単なるシステム更新ではなく、国家レベル MC&A の運用文化そのものを変革するプロセスである。(DOE)
NON-DESTRUCTIVE ASSAY OF 242PU BY RESONANCE NEUTRON CAPTURE Ming-Shih Lu, Peter E. Vanier, Leon Forman, Walter R. Kane, Arnold Aronson
共鳴中性子捕獲による ²⁴²Pu の非破壊アッセイ
― 重同位体の選択的検出と共鳴領域解析による高感度測定
(*)²⁴²Pu のような重い Pu 同位体を、共鳴中性子捕獲を利用して非破壊で測定する手法を開発し、実験的にその有効性を示した論文である。中性子エネルギー領域に存在する ²⁴²Pu 固有の捕獲共鳴を利用し、γ 線検出と TOF(飛行時間法)を組み合わせて同位体選択性を実現している。従来の NDA(γ、パッシブ中性子)では困難だった ²⁴²Pu の定量が可能となり、核物質管理・保障措置・核データ研究に有用である。(ORNL, BNL)
NONDESTRUCTIVE ASSAY (NDA) OF FISSILE MATERIAL SOLUTIONS IN TANKS AT ROCKY FLATS ENVIRONMENTAL TECHNOLOGY SITE J. G. Fleissner, F. W. Lamb, M. R. Maul
ロッキーフラッツにおけるタンク内核分裂性物質溶液の非破壊アッセイ
― パッシブ中性子・γ 線・プロセス計測を統合した溶液タンク監視
(*)ロッキーフラッツにおける Pu/HEU 溶液タンクの核物質量を、非破壊測定(NDA)で定量するための手法・装置・校正・運用経験をまとめた論文である。パッシブ中性子計測、γ 線計測、タンク計量(load cell)、サンプリング分析(DA)を組み合わせ、タンク内の核物質量を高精度で推定する統合アプローチを提示している。溶液タンクの NDA は単独技術では不十分であり、プロセス計測・DA・NDA を統合したハイブリッド手法が最も信頼性が高い。(Rocky Flats Environmental Technology Site (RFETS))
NONDESTRUCTIVE MEASUREMENT UNCERTAINTY AT A PLUTONIUM SCRAP RECOVERY FACILITY Joseph Wachter
プルトニウム・スクラップ回収施設における非破壊測定の不確かさ
― スクラップ特性・装置応答・校正モデルに起因する誤差要因の体系分析
(*)プルトニウム・スクラップ回収施設における NDA 測定の不確かさを、材料特性・装置応答・校正手法・運用条件の観点から体系的に評価した論文である。スクラップ特有の不均質性、自己遮蔽、化学形態の多様性、容器形状のばらつきが NDA の不確かさを増大させる主要因であることを示し、誤差低減のための校正・サンプリング・補正モデルを提示している。スクラップ測定では単一の NDA 技術では限界があり、複数手法の統合と保守的な不確かさ評価が MC&A の信頼性確保に不可欠である。(Plutonium Scrap Recovery Facility / DOE Complex)
NONPROLIFERATION ANALYSIS OF THE REDUCTION OF EXCESS SEPARATED PLUTONIUM AND HIGH-ENRICHED URANIUM Paul J. Persiani
余剰分離プルトニウムおよび高濃縮ウラン削減の不拡散分析
― 余剰核物質の処分・転換・利用オプションの比較評価<MOX vs 固化の比較評価の源流;2000 年代の米露 MOX 合意(後に中断)につながる。 HEU blend‑down(HEU Purchase Agreement)の正当化;ロシア HEU の LEU 化(Megatons to Megawatts)の政策的背景。>
(*)冷戦後に発生した余剰兵器級 Pu・HEU の削減オプションを、核不拡散・保障措置・透明性・技術的実現性の観点から体系的に比較した論文である。MOX 化、ガラス固化、希釈(blend‑down)、貯蔵、国際管理など複数の処分・転換オプションを評価し、それぞれの拡散リスク・コスト・実装性を分析している。余剰核物質削減には技術的手段だけでなく、透明性措置・国際協力・長期管理体制が不可欠である。(ANL)
NOVEL TAMPER-INDICATING PROTECTIVE METHODS A. DeVolpi
新規改ざん検知保護手法
― 物理・化学・情報的手段を統合した不可逆改ざん検知技術
(*)従来の封印・監視技術を超える新しい改ざん検知手法を、物理・化学・情報技術の観点から体系的に提示した論文である。光学・磁気・材料変化・微細構造・電子的手段など、多様な改ざん検知メカニズムを比較し、不可逆性・偽造困難性・環境耐性を評価している。改ざん検知は単一技術では不十分であり、複数の独立メカニズムを統合した“多層防護(layered tamper indication)”が最も有効である。(ANL)
NRF TRIGA Packaging E. P. Clements
NRF(Naval Reactors Facility(米海軍原子炉施設)) 向け TRIGA 燃料のパッケージング
― 研究炉燃料の輸送・保管における安全設計・臨界管理・構造評価
(*)NRF 向け TRIGA 燃料の輸送・保管パッケージの設計要件、構造解析、臨界安全性、熱解析、運用条件を体系的にまとめた技術報告である。落下衝撃・火災・水没などの事故条件に対する容器の健全性、燃料配置による臨界安全性、放射線遮へい性能を評価し、規制要件を満たすことを示している。NRF TRIGA パッケージは研究炉燃料の輸送に必要な安全裕度を確保し、DOE/USN の運用要件に適合することが確認された。(Naval Reactors Facility (NRF) / DOE Complex)
NUCLEAR MATERIAL PRODUCTION VULNERABILITY ANALYSIS Terry Bott
核物質生産工程の脆弱性分析
― 盗取・転用・内部不正に対する工程別リスク評価手法
(*)核物質生産施設における工程別の脆弱性(盗取・転用・内部不正・計量抜け)を体系的に分析し、リスク低減のための防護・MC&A・運用対策を提示した論文である。原料受入 → 精製 → 転換 → 加工 → 貯蔵 → 廃棄物処理 の各工程における脆弱性を評価し、内部脅威・計量誤差・監視ギャップなどの主要リスクを明確化している。核物質生産工程の防護には、物理防護(PPS)・MC&A・プロセス監視(process monitoring)を統合した多層防護が不可欠である。(DOE)
NUCLEAR REFERENCE MATERIALS TO MEET THE CHANGING NEEDS OF THE GLOBAL NUCLEAR COMMUNITY U. I. Narayanan, C.G. Gradle, H. Rodney Martin, R. D. Oldham
国際核コミュニティの変化する需要に対応する核標準物質
― MC&A・保障措置・分析化学・NDA 校正に向けた標準物質供給の課題と展望
(*)核標準物質(NRMs)の需要が、冷戦後の保障措置強化・環境監視・NDA 校正の高度化により大きく変化していることを分析した論文である。Pu・U の同位体標準、溶液標準、固体標準、環境試料標準などの供給体制を整理し、品質保証(QA/QC)・国際整合性・長期供給の課題を提示している。核標準物質の供給は国家的インフラであり、国際協力・品質保証・多様化した標準物質の開発が不可欠である。(NIST, EG&G, SRL/SRS)
NuMAS: A LAN-based Materials Control and Accounting System in Production Jere T. Bracey, Timothy W. Strickland
NuMAS:LAN ベース核物質計量管理システムの実運用
― 施設導入・データ管理・報告機能の実装経験
(*)Savannah River Site に導入された LAN ベース MC&A システム NuMAS の設計、機能、運用経験をまとめた論文である。在庫管理、取引記録、NMMSS 報告、施設固有モジュール、ユーザインタフェースなどの機能を LAN 環境で統合し、従来のメインフレーム型 MC&A からの移行を実現している。NuMAS はデータ整合性・操作性・報告効率を大幅に改善し、LAN ベース MC&A システムの実用性を示した。(WSRC)
NWIS SIGNATURES FOR CONFIRMATORY MEASUREMENTS WITH 833 TRAINERS V. K. Pare, J. T. Mihalczo
833 トレーナーに対する確認測定のための NWIS シグネチャ
― 時間相関中性子応答を用いた核物質識別シグネチャ解析<「833 トレーナーは 核兵器形状模擬体を示す。」「核兵器関連であることをタイトルに明示しないためのDOE/DoD の公開審査上の暗黙ルール」。>
(*)833 型トレーナーに対する NWIS の時間相関中性子シグネチャを測定し、核物質確認測定に利用可能な特徴量を整理した研究である。TOF(飛行時間法)・相関関数・多重度応答など複数の NWIS シグネチャを比較し、幾何配置・遮蔽・中性子源特性が応答に与える影響を分析した。833 トレーナーの識別に有効なシグネチャ構造を抽出し、NWIS を用いた確認測定の適用範囲を明確化した。(ORNL)
OFFICE OF SAFEGUARDS AND SECURITY EFFORTS IN SUPPORT OF THE BASELINE MATERIAL INVENTORY PROJECT C. R. Raeder
Baseline Material Inventory プロジェクトを支援する OSS の取り組み
― 在庫基準化・MC&A 要件整備・監査支援の実施内容<Baseline Material Inventory=DOE 全施設の核物質在庫の基準値確立プロジェクト>
(*)DOE の Baseline Material Inventory(BMI)プロジェクトを支援するため、OSS (Office of Safeguards and Security(DOE 本部の保障措置・核物質管理部門))が実施した政策整備・技術支援・監査基準の策定内容を整理した報告である。在庫基準化のためのデータ要件、施設間の整合性確保、MC&A 手順の標準化、監査プロトコルの統一など、OSS の役割を体系化している。BMI を DOE 全体の核物質管理基盤として機能させるための制度的・技術的枠組みを提示した。(DOE)
ON SETTING NRC ALARM THRESHOLDS FOR INVENTORY DIFFERENCES AND PROCESS UNIT LOSS ESTIMATORS: CLARIFYING THEIR STATISTICAL BASIS WITH HYPOTHESIS TESTING METHODS AND ERROR PROPAGATION MODELS FROM JAECH, BOWEN AND BENNETT AND IAEA L. (Cookie) Ong
在庫差異および工程損失推定量に対する NRC 警報閾値の設定
― 仮説検定と誤差伝播モデルに基づく統計的根拠の整理<本論文は、在庫差異および工程損失推定量に対するNRC 警報閾値の統計的根拠を、仮説検定と誤差伝播モデルに基づいて整理。Jaeck・Bowen & Bennett・IAEA の古典的モデルを統合したMC&A 統計基準の基盤文献である。>
(*)在庫差異(ID)および工程損失推定量に対する NRC の警報閾値設定を、仮説検定と誤差伝播モデルに基づいて再整理し、統計的根拠を明確化した研究である。Jaeck、Bowen & Bennett、IAEA の古典的誤差モデルを比較し、計量誤差・系統誤差・工程変動を含む総合不確かさの扱いを統一的に説明している。警報閾値を“統計的検出問題(hypothesis testing)”として定式化し、誤報率・見逃し率・検出力の観点から合理的な設定枠組みを提示した。(NRC)
Open Skies and Monitoring A Fissile Materials Cut-Off Treaty James R. Lemley, Jack Allentuck
オープンスカイズと核分裂性物質生産禁止条約の監視
― 航空観測による透明性措置の適用可能性と監視枠組み<Open Skies=領空開放による相互航空観測>
(*)Open Skies の航空観測技術を、FMCT の監視に応用する可能性を分析し、施設の存在・活動・変更を検知する透明性手段としての有効性を整理した研究である。
再処理・濃縮・転換などの核分裂性物質生産施設に対し、航空センサー(光学・赤外・SAR)がどの程度の監視能力を持つかを比較し、観測頻度・分解能・アクセス権の要件を検討している。航空観測を FMCT の補完的監視手段として位置づけ、衛星監視・申告制度・査察と組み合わせた多層的透明性枠組みを提示した。(LANL, DOE)
OPERATING EXPERIENCES AT EL CABRIL LOW LEVEL RADIOACTIVE WASTE DISPOSAL FACILITY A. Guerra, J. M. Gravalos, P. Zuloaga
El Cabril 低レベル放射性廃棄物処分施設の運転経験
― セル型処分方式・受入管理・品質保証の実務知見
(*)(Abstract登録なし;タイトル+公開情報からの再構成)スペイン El Cabril 低レベル放射性廃棄物処分施設の運転経験を整理し、セル型処分方式における受入管理・品質保証・環境監視の実務的知見をまとめた報告である。廃棄体の受入検査、コンクリート vault への配置、セル封止、長期監視の運用プロセスを通じて得られた技術的課題と改善点を提示している。欧州型 LLW 処分施設の運転経験として、処分セル設計・受入基準・安全監視の枠組みを示した。 ( ENRESA(Empresa Nacional de Residuos Radiactivos, Spain))
OPERATIONAL EXPERIENCE OF ULTRASONIC SEALING BOLTS FOR SAFEGUARDS CONTAINMENT OF MULTI-ELEMENT BOTTLES IN BRITISH NUCLEAR FUEL’S THORP SPENT FUEL STORAGE PONDS B. Wilt, C. D. Hatt, J. Toornvliet
BNFL THORP 使用済燃料貯蔵プールにおける
マルチエレメントボトル用超音波封印ボルトの運転経験
― 保障措置 C/S のための封印性能・耐久性・検認性の評価※ Multi‑Element Bottles(MEBs)=使用済燃料の輸送・貯蔵に用いる英国型容器
※ Ultrasonic Sealing Bolts=超音波識別コードを内蔵した封印ボルト(tamper‑indicating bolt seals)
※ THORP=英国 BNFL の再処理施設(Thermal Oxide Reprocessing Plant)
(*)BNFL THORP の使用済燃料貯蔵プールで、マルチエレメントボトル(MEB)に適用した超音波封印ボルトの運転経験を整理し、保障措置 C/S における封印の信頼性と検認性を評価した報告である。超音波識別コードの読み取り性能、封印の取り付け作業性、腐食環境下での耐久性、改ざん検知能力を実運用データに基づいて分析している。MEB の水中保管環境における封印ボルトの長期安定性と検認手順の有効性を示し、プール型貯蔵施設での C/S 技術としての適用性を明確化した。(BNFL, JRC-Ispra)
OTDR-BASED ACTIVE SEALS FOR MATERIAL CONTROL AND ACCOUNTABILITY D. B. Smith, T. V. Smith, J. D. Muhs
OTDR を用いたアクティブ封印システム
― 核物質管理のための光ファイバ封印の検認性・改ざん検知性能※ OTDR=光ファイバ内部の反射パターンを測定し、改ざん・切断・交換を検知する技術
(*)光ファイバに固有の反射パターンを OTDR で測定し、封印の切断・交換・改ざんを検知するアクティブ封印システムの設計と運転経験をまとめた研究である。光ファイバループの構成、反射パターンの再現性、環境変動の影響、改ざんシナリオに対する検知能力を実験的に評価している。MC&A の C/S 手段として、光ファイバ封印の信頼性・検認性・運用性を示し、将来の施設監視への適用可能性を明確化した。(ORNL)
OVERVIEW OF LOW LEVEL WASTE DISPOSAL FACILITY COSTS P. M. Saverot
低レベル放射性廃棄物処分施設のコスト概要
― 建設・運転・閉鎖における主要コスト要因と国際比較<Saverot(ANDRA)は 1990 年代、以下の 2 施設のコスト分析を専門的に扱っていた:1) Centre de la Manche(CdM)フランス初の LLW 処分場、1969–1994 年運転、1994 年に閉鎖 → 長期監視フェーズへ移行、コストデータが豊富。2) Centre de l’Aube(CdA);CdM の後継施設、1992 年運転開始、コンクリート vault 型、欧州で最も整備された LLW 処分場の一つ。INMM 1995 の Saverot 論文は、この 2 施設のコスト構造を基礎データとしている と判断できる。>
(*)低レベル放射性廃棄物処分施設の建設・運転・閉鎖にかかるコスト構造を整理し、主要なコスト要因とその変動要素を体系化した報告である。処分セル建設、廃棄体受入、品質保証、環境監視、閉鎖後管理などの費用項目を国際的事例と比較し、施設設計・規制要件・廃棄体特性がコストに与える影響を分析している。LLW 処分の長期的費用見積りに必要な要素を明確化し、コスト評価の標準化に向けた枠組みを提示した。(ANDRA)
Overview of the DOE Packaging Certification Process Y. Y. Liu, R. D. Carlson, R. W. Carlson, A. Kapoor
DOE における輸送容器認証プロセスの概要
― 安全解析・設計審査・品質保証に基づく認証手順の体系化
(*)DOE の放射性物質輸送容器に対する認証プロセスを体系的に整理し、設計審査、安全解析、品質保証、運用要件を含む認証手順の全体像を示した報告である。構造・熱・遮へい・臨界・材料特性などの安全解析、試験データ、QA プログラム、運用手順書を含む Safety Analysis Report for Packaging(SARP)の要求事項を詳細化している。DOE 独自の認証体系と NRC 基準(10 CFR 71)との整合性を示し、輸送容器の設計・運用における規制遵守の枠組みを明確化した。(LLNL, SNL, DOE)
OVERVIEW OF TRANSPARENCY ISSUES UNDER THE U.S.-RUSSIAN HIGHLY ENRICHED URANIUM PURCHASE AGREEMENT Andrew J. Bieniawski, David R. Dougherty
米露高濃縮ウラン購入協定における透明性措置の概要
― 兵器級 HEU の希釈・転換プロセスに対する検証、測定、データ共有、相互アクセスを含む透明性措置の制度設計
(*)米露 HEU 購入協定(1993–2013)における透明性措置の目的・構造・実施方法を整理し、兵器級 HEU の希釈・転換プロセスを検証するための技術的・制度的枠組みを示した論文である。希釈前後のウラン同位体測定、希釈施設へのアクセス、封印・監視、データ交換、サンプル採取など、透明性確保のための具体的手段が体系的に説明されている。本研究は、米露核軍縮協力における透明性措置の基礎を確立し、後の HEU 透明性プログラムおよび国際的な核物質削減協力のモデルとなった。(DOE)
PASSIVE NEUTRON ASSAY OF HETEROGENEOUS WASTE DRUMS USING THE SEGMENTED ADD-A-SOURCE METHOD Howard O. Menlove
End(8) 不均質廃棄物ドラムのパッシブ中性子測定におけるセグメント化 Add‑A‑Source 法
― 行列効果補正のためのセグメント化外部中性子源法を用いたパッシブ中性子 NDA の高精度化手法
(*)不均質廃棄物ドラムに対するパッシブ中性子 NDA の精度向上のため、外部中性子源を用いたセグメント化 Add‑A‑Source(AAS)法を適用し、行列効果を補正する手法を実験的に検証した論文である。ドラムを複数セグメントに分割して AAS 応答を取得することで、密度・水素含有量・遮蔽材の不均質性を補正し、従来の全体測定よりも高い精度で Pu 量を推定できることが示されている。本研究は、TRU 廃棄物の NDA における行列補正技術の基盤を形成し、後のドラムスキャナや AAS 併用型 NDA システムの標準化に大きく寄与した。(LANL)
PASSIVE NEUTRON/FIBER OPTIC SENSORS FOR STORAGE VAULT APPLICATIONS V. C. Miller, J. A. Ramsey, D. P. Hutchison
貯蔵庫向けパッシブ中性子/光ファイバーセンサ
― 核物質存在確認と侵入検知を統合した低電力監視システム
(*)核物質貯蔵庫における監視強化のため、パッシブ中性子検出器と光ファイバー侵入検知センサを統合したハイブリッド監視システムの設計・試験結果を示した論文である。中性子計測により核物質の存在・移動を検知し、光ファイバーセンサにより扉・壁・ラックの侵入を検知することで、低電力・高信頼性の連続監視を実現している。両技術の併用は保障措置・物理防護の双方に有効であり、貯蔵庫監視のコスト効率と信頼性を向上させる。(ORNL)
PLUTONIUM GAMMA-RAY MEASUREMENTS FOR MUTUAL RECIPROCAL INSPECTIONS OF DISMANTLED NUCLEAR WEAPONS DeLynn Clark, Thomas B. Gosnell, Joseph B. Carlson, Zachary M. Koenig
核兵器解体プルトニウムの相互査察に向けた γ 線測定
― 属性確認・情報バリア・遠隔監視を統合した透明性技術<技術実証(demonstrations)と共同試験(joint experiments)までは実施された。 (1) 米ロ共同ワークショップ(1994–1998)LLNL・LANL・SNL と MINATOM(ロシア原子力省)が参加、γ 測定、情報バリア、封印・監視の共同評価を実施  (2) 属性確認(attribute verification)の共同試験 Pu 金属・酸化物サンプルを用いたHPGe、CZT、情報バリアの試験 ロシア側も自国の装置を持ち込み、相互評価  (3) “Black Sea Experiments”(黒海実験)透明性技術の国際共同試験 米・ロ・欧州の研究者が参加 γ 測定+情報バリアの実証  (4) 透明性技術のプロトタイプは完成 Attribute Measurement System (AMS) Trusted Radiation Identification System (TRIS) これらは 相互査察を想定した実機レベル>
(*)核兵器解体で発生したプルトニウムを米露が相互に査察するため、γ 線測定を用いた属性確認(attribute verification)の技術的可能性を評価した論文である。Pu 同位体比、線源強度、自己遮蔽、容器形態などを γ スペクトロメトリーで非破壊測定し、情報バリア(information barrier)を用いて機微情報を保護しつつ査察可能な手法を提示している。γ 測定は相互査察の透明性向上に有効であり、弾頭レベル透明性プログラムの基盤技術となる。(LLNL, LANL, SNL)
PLUTONIUM ISOTOPIC ASSAY FROM ALPHA SPECTROSCOPY: A PROGRESS REPORT David T. Baran
α 線スペクトロメトリーによるプルトニウム同位体分析:進捗報告
― 高精度同位体比測定・化学分離・スペクトル解析手法の改良<α スペクトロメトリーは、極薄・均質な Pu 膜を電着し、真空中で高分解能 Si 検出器で α 線を測定する、高度な実験室分析技術である。飛程の短さゆえに試料調製がすべてであり、NDA 校正・保障措置・核鑑識の基準分析として不可欠である。>
(*)プルトニウムの同位体比を α 線スペクトロメトリーで高精度に測定するための化学分離、試料調製、スペクトル解析手法の改良状況をまとめた進捗報告である。ピーク重なり(peak overlap)、自己吸収(self‑absorption)、検出効率補正、バックグラウンド低減など、α スペクトル特有の課題に対する改良手法を提示し、測定精度の向上を実証している。α スペクトロメトリーは Pu 同位体比の基準分析法としての信頼性をさらに高め、NDA 校正・保障措置・MC&A に不可欠な基礎データを提供。(LANL)
PREVENTING UNAUTHORIZED USE OF FIREARMS BY IMPLEMENTING USE CONTROL TECHNOLOGIES Douglas R. Weiss
使用制御技術(本人認証・機構ロック・電子制御など)による銃器の不正使用防止
― 認証・機構制御・安全装置統合によるアクセス管理体系
(*)銃器の不正使用を防ぐために、本人認証・機構ロック・電子制御などの「使用制御技術(use‑control technologies)」を体系的に整理し、実装可能性と安全性向上効果を評価した論文である。PIN・磁気キー・RFID・生体認証・電子ロック・タイムロックなど、複数の技術を組み合わせることで、盗難・誤用・内部不正を防止する多層防護(layered protection)を提案している。銃器の安全性向上には、機械的安全装置だけでなく、電子的・人的要素を統合した「使用制御体系」が不可欠である。(SNL)
PRIVATE SECTOR INVOLVEMENT IN THE U.S. PROGRAM OF TECHNICAL ASSISTANCE TO IAEA SAFEGUARDS S. E. Pepper, L. Epel, G. Maise, A. Reisman, J. SkaIyo
IAEA 保障措置に対する米国技術支援プログラムへの民間部門の参画
― 装置開発・専門サービス・運用支援による官民協力モデル
(*)米国の IAEA 保障措置技術支援プログラム(USSP)における民間企業の役割を整理し、装置開発、技術サービス、運用支援などの具体的貢献を体系的に示した論文である。NDA 装置の設計・製造、封印・監視システム、ソフトウェア開発、現場技術者の派遣、研修支援など、民間部門が USSP の中核機能を担っていることを明らかにしている。官民協力は IAEA 保障措置の技術基盤を強化し、迅速な装置開発・高品質な技術支援・コスト効率の向上に寄与する。(DOE,BNL, IAEA, DOS, Consultant
Privatization Projects Across the U.S. Department of Energy Complex Mary Maglebey, Jan Chavez
DOE 複合体における民営化プロジェクトの展開
― 契約改革・施設運営移管・コスト削減を目的とした事業再編<本論文は、DOE 複合体における民営化プロジェクトの全体像を整理し、運営委託・契約改革・民間資金導入・施設移管などの取り組みを効率化・コスト削減・リスク分担の観点から体系化したDOE 組織改革・運営政策の重要文献>
(*)DOE 複合体における民営化(privatization)プロジェクトの全体像を整理し、施設運営の外部委託、契約方式改革、民間資金導入などの取り組みを体系的に示した論文である。環境管理(EM)プロジェクト、廃棄物処理、インフラ運営、研究施設の一部機能などを対象に、民間企業の活用によるコスト削減・効率化・リスク移転の効果を分析している。民営化は DOE の財政負担軽減と運営効率向上に寄与する一方、契約管理・品質保証・安全文化の維持が重要な課題である。(DOE)
PROCUREMENT AND CHARACTERIZATION OF LEU SPECIAL NUCLEAR MATERIAL STANDARDS FOR PERLA S. Guardini, H. Aigner, S. Deron, F. Mousty
PERLA 用 LEU 特殊核物質標準の調達と特性評価
― 校正・品質保証・国際共同開発による標準物質体系
(*)IAEA PERLA (IAEA の NDA 校正・性能試験ラボ(Performance Laboratory)) で使用する LEU 標準物質を調達し、同位体組成・化学純度・均質性・安定性を評価して校正用標準として確立するための手順と結果を示した論文である。IRMM による DA(破壊分析)と IAEA による NDA(非破壊分析)を組み合わせ、国際的に整合した特性評価を行い、保障措置測定の精度向上に資する標準物質体系を構築している。LEU 標準物質は NDA 校正・性能試験・品質保証の基盤となり、IAEA の測定信頼性を国際的に担保する重要な要素である。(IAEA, Institute for Reference Materials and Measurements (IRMM, EU))
PROGRESS TOWARD MUTUAL RECIPROCAL INSPECTIONS OF FISSILE MATERIALS FROM DISMANTLED NUCLEAR WEAPONS T. B. Gosnell, M. W. Johnson
核兵器解体で発生した核分裂性物質に対する相互査察の進展
― 米露間の透明性措置・属性確認・共同検証枠組みの構築<属性確認(attribute verification)+情報バリアの基礎を確立。2000 年代の透明性技術の中心概念。>
(*)米露が核兵器解体で発生した核分裂性物質に対して相互に査察を実施するための枠組みを検討し、透明性措置・属性確認技術・立入手順の進展状況を整理した論文である。弾頭由来核物質の量・形態・保管状況を相互に確認するため、NDA 技術、情報バリア、封印・監視、共同立入(managed access)などの実務的手段を提示している。これらの取り組みは、核軍縮の信頼性向上と誤解防止に寄与し、将来の弾頭レベル透明性プログラムの基盤となる。(LLNL)
Project Planning at the Hanford Site for International Atomic Energy Agency (IAEA) Safeguards of Excess Fissile Material Larry P. McRae, Brian W. Smith, Alan C. Walker
余剰核分裂性物質に対する IAEA 保障措置のためのハンフォード・サイトにおけるプロジェクト計画
― 施設準備・測定体制・データ管理を含む保障措置実装計画<米国が余剰核物質に IAEA 保障措置を適用する初期事例、冷戦後の透明性政策の象徴。>
(*)ハンフォード・サイトに保管される余剰核分裂性物質に対し、IAEA 保障措置を適用するためのプロジェクト計画を整理し、施設準備・測定体制・データ管理・運用手順を体系化した論文である。NDA/DA 測定設備の整備、封印・監視システムの導入、IAEA 立入のためのアクセス管理、記録体系の整備など、保障措置受入れに必要な実務的要素を詳細に示している。余剰核物質の透明性向上と国際信頼醸成には、技術・運用・文書化を統合した計画的アプローチが不可欠である。(WHC)
PROLIFERATION RESISTANCE CRITERIA FOR FISSILE MATERIAL DISPOSITION ISSUES Bryan L. Fearey, Donald A. Close, Jack T. Markin, Dennis L. Mangan, Cal Jaeger, Keith M. Tolk, Lonnie Moore, Debra A. Rutherford
核分裂性物質処分における不拡散抵抗性評価基準
― プルトニウム処分オプションの比較に用いる指標体系<“不拡散抵抗性”という概念を処分政策に導入した初期文献。後の NAS 報告書(1994, 1995)や DOE の Pu Disposition Program に直結。>
(*)核兵器解体で発生するプルトニウムなどの核分裂性物質をどの処分オプションに回すべきかを評価するため、不拡散抵抗性(proliferation resistance)の体系的な評価基準を提示した論文である。物理的形態、化学的安定性、放射線障壁、回収難易度、施設要件、監視可能性など、核兵器再利用を困難にする要素を複数の指標として整理し、MOX、ガラス固化、地層処分などの処分方法を比較可能にしている。処分オプションの選択には技術性能だけでなく“不拡散抵抗性”を定量的に評価する枠組みが不可欠である。(LANL, SNL)
PROPOSAL FOR BROADER UNITED STATES–RUSSIAN TRANSPARENCY OF NUCLEAR ARMS REDUCTIONS Andrew J. Bieniawski, C. Mark Percival
米露核兵器削減における透明性拡大の提案
― 相互信頼醸成・検証補完・削減措置の可視化メカニズム
(*)米露間の核兵器削減をより確実かつ信頼性の高いものとするため、既存の条約検証を補完する透明性措置(transparency measures)の拡大を提案した政策論文である。弾頭削減の進捗確認、貯蔵・解体工程の可視化、核物質の移転・保管の追跡、相互訪問やデータ交換など、実務的な透明性手段を体系的に提示している。これらの措置は信頼醸成(confidence building)と誤解防止に寄与し、将来の深い削減や協力枠組みの基盤となる。(DOE)
PROVIDING TRAINING AND TECHNICAL ASSISTANCE TO CUSTOMS OFFICERS AND BORDER GUARDS: AN EFFECTIVE MECHANISM TO IMPROVE EXPORT CONTROLS Scott Jones,  William Lowell
税関職員および国境警備隊への訓練と技術支援の提供
― 輸出管理の実効性向上に資する能力構築メカニズム
(*)輸出管理の実効性を高めるためには、税関職員および国境警備隊に対する訓練と技術支援が不可欠であることを示し、制度運用能力の向上を目的とした国際協力の枠組みを整理した論文である。不正輸出の識別、貨物検査、書類審査、デュアルユース品目の理解、リスクベース選別など、現場で必要となる技能を体系的に教育するプログラムの構成要素を提示している。能力構築は制度整備よりも即効性が高く、国境での不拡散措置を強化する最も効果的な手段の一つである。(University of Georgia)
Provision of NDA Instrumentation for the Control of Operations on Plutonium Finishing and  Waste Plants at the Sellafield Nuclear Fuel Reprocessing Facility K. R. Whitehouse, C. H. Orr
Sellafield 再処理施設におけるプルトニウム仕上げ・廃棄物処理プラントの運転管理のための NDA 装置の導入
― 工程管理・在庫確認・廃棄物測定を支える非破壊分析体系<工程管理(process control)と MC&A の統合を示した先駆>
(*)Sellafield のプルトニウム仕上げおよび廃棄物処理プラントにおいて、工程管理と核物質計量管理(MC&A)を支援するために導入された NDA 装置の種類・配置・運用方法を体系的に整理した論文である。中性子計数、γ 分光、パッシブ/アクティブ NDA、廃棄物ドラム測定などを工程ラインに組み込み、運転管理・在庫確認・廃棄物分類の精度向上を実現している。NDA 装置の適切な配置とデータ統合は、プルトニウム取扱工程の安全性・透明性・MC&A 信頼性を大幅に向上させる。(BNFL)
QUALITY ASSURANCE IN THE TRANSPORT AND PACKAGING OF RADIOACTIVE MATERIAL Judy Hale
放射性物質の輸送・パッケジングにおける品質保証
― 設計・製造・運用・文書化の体系的管理
(*)放射性物質の輸送・包装における品質保証(QA)を、設計・製造・検査・運用・文書化の全工程で体系化し、規制要求(NRC・DOT・IAEA)に適合させる手法を示した論文である。パッケージの設計審査、材料管理、溶接・製造工程の QA、受入検査、運用手順、記録管理、監査など、輸送安全を確保するための QA 要素を詳細に整理している。輸送パッケージの信頼性は“技術性能”だけでなく“QA の一貫性”に依存し、組織的な QA 体制が輸送安全の核心である。(DOE)
RADIOLOGICAL/TOXICOLOGICAL SABOTAGE ASSESSMENTS AT THE SAVANNAH RIVER SITE H. D. Johnson, M. D. Pascal, D. L. Richardson
サバンナリバーサイトにおける放射線・毒性物質サボタージュ評価
― 脅威シナリオ・影響解析・防護要件の体系化
(*)SRS における放射線・毒性物質サボタージュの脅威を整理し、破壊・散布・システム妨害などのシナリオを用いて影響評価と防護要件を体系化した実務的研究である。重要区域の特定、脅威ベース設計(DBT)、防護機能(探知・遅延・応答)、内部脅威対策、緊急時対応を統合し、SRS の施設特性に適合したサボタージュ評価手法を提示している。放射線・化学物質の防護は PPS と Safety の統合が不可欠であり、施設固有のリスクに基づく柔軟な防護設計が必要である。(SRS)
RECENT RUSSIAN-HANFORD MPC&A RECIPROCAL EXCHANGES R. J. Sorenson, S. Schlegel
ロシアとハンフォードにおける MPC&A 相互交流の最新動向
― 施設訪問・技術交換・信頼醸成の成果<米露 MPC&A 協力の“初期段階”を記録した貴重文献。1994–1995 年は 協力の黎明期。 Lab‑to‑Lab 協力の前段階 Kurchatov–US の大規模協力の基盤。>
(*)ロシア核施設と米国ハンフォードの間で実施された MPC&A 相互交流(reciprocal exchanges)の内容を整理し、施設訪問・技術デモ・運用手法の共有を通じて信頼醸成が進展したことを報告する。ロシア側は計量管理・在庫確認・封印技術に関心を示し、米国側はロシアの物理防護・アクセス制御・運用手順を学ぶなど、双方が実務的知見を交換した。これらの交流は、後の大規模 MPC&A 協力(Lab‑to‑Lab、DOE–MINATOM 協力)の基盤となり、技術協力と透明性向上に大きく寄与した。(WHC)
REMOTE CONTAINER MONITORING AND SURVEILLANCE SYSTEMS W. M. Resnik, S. P. Kadner
核物質容器の遠隔監視システム
― 状態監視・移動検知・センサー統合による自動化
(*)核物質容器の状態・位置・移動を遠隔から監視するため、センサー・通信・データロギングを統合した遠隔監視システムの設計と実証を示した研究である。封印(seal)、重量、開閉状態、位置情報、環境条件などを自動取得し、中央監視ステーションに送信することで、MC&A(核物質計量管理)と保障措置の双方を支援する。遠隔監視は人手による巡回・記録作業を削減し、異常検知能力を向上させ、IAEA/DOE の将来の遠隔監視(remote monitoring)構想に適合する。(SNL)
REMOTE SENSING OF ATMOSPHERIC CHEMICAL CONTAMINATION C. R. Philbrick, P. H. Kurtz
大気中化学汚染物質の遠隔検知
― レーザー分光・大気伝搬モデルを用いたスタンドオフ識別技術
(*)大気中の化学汚染物質を遠隔から検知・識別するため、レーザー分光・LIDAR・大気伝搬モデルを組み合わせたスタンドオフ検知技術を評価した研究である。吸収スペクトル・散乱特性・大気バックグラウンドを解析し、化学物質の濃度推定・空間分布・時間変動を遠隔から測定する手法を提示している。遠隔化学検知は環境監視・事故対応・保障措置支援に有効であり、特にレーザー分光技術が高感度検知に有望である。(Penn State University)
Remote Video Assessment for Missile Launch Facilities G. G. Wagner, W. A. Stewart
ミサイル発射施設における遠隔映像評価システム
― 発射施設周辺の侵入・異常事象を遠隔映像で評価する監視システムの設計・運用・性能評価
(*)ミサイル発射施設(MLF)における侵入・異常事象を遠隔地から映像で評価するための遠隔映像監視システムを設計・試験し、その性能と運用上の知見を示した論文である。低照度カメラ、動体検知、通信リンク、環境耐性、アラーム連動などの要素を統合し、警備員の現地派遣を最小化しつつ迅速な状況把握を可能とする仕組みが提示されている。本研究は、軍事施設の物理防護(PPS)における遠隔監視技術の初期実装例であり、後の核施設・軍事施設の C/S(Continuity of Surveillance)技術の基盤となった。(SNL)
REPORT ON FUEL POOL WATER LOSS TESTS Richard F. Zalenski
End(9) 燃料プール水位低下試験に関する報告
― 水位喪失時の燃料プール挙動、計測応答、熱的影響、保障措置上の監視要件の実験的評価
(*)燃料プールの水位低下(部分喪失・全喪失)を模擬した試験を実施し、温度上昇、蒸発挙動、構造物への熱負荷、計測器の応答などを評価した報告である。水位低下時には、燃料集合体周辺の局所的温度上昇、蒸気発生、構造材の加熱、監視計測の異常応答などが発生し得ることが示され、早期検知のための監視パラメータが特定されている。本研究は、保障措置上の連続監視(C/S)や安全解析における燃料プール異常検知の基礎データを提供し、後の事故時対応計画や監視システム設計に影響を与えた。(DOE)
REQUIREMENTS FOR THE TRANSPORT OF SURPLUS FISSILE MATERIALS IN THE UNITED STATES Rodney K. Wilson
米国における余剰核分裂性物質の輸送要件
― 規制基準・安全解析・政策的背景
(*)冷戦後に米国が余剰と判断した核分裂性物質(主に Pu・HEU)を安全に輸送するため、規制要件・パッケージ基準・安全解析・運用手順を体系的に整理した報告である。輸送規則(10 CFR Part 71)、臨界安全性、遮へい、熱解析、品質保証(QA)、物理防護(security)など、余剰核物質特有の要件を明確化している。余剰核物質の処分・保管・再配置に向けた DOE の政策的背景を踏まえ、輸送が全体計画の中で果たす役割と課題を提示している。(DOE)
ROUTINE INSPECTION EFFORT REQUIRED FOR VERIFICATION OF A NUCLEAR MATERIAL PRODUCTION CUTOFF CONVENTION Jonathan Sanborn, Leslie G. Fishbone
核物質生産停止条約の検証に必要な日常査察負荷
― 施設別モデル化による査察頻度・労力の定量評価<本論文は、核物質生産停止条約(Cutoff Convention)の検証に必要な日常査察負荷を施設別に定量化し、条約履行を確実にするためには現行の IAEA 体制を大幅に超える査察リソースが必要であることを示した核軍縮検証研究の基盤的文献である。>
(*)核分裂性物質の新規生産を禁止する「生産停止条約(Cutoff Convention)」を検証するために、各種核施設に対して必要となる日常的査察(routine inspections)の頻度・労力・人員を定量化した研究である。ウラン濃縮施設、再処理施設、研究炉、転換施設などを対象に、査察時間、サンプル採取、NDA 測定、記録確認、封印点検などの作業量をモデル化し、条約履行を確実にするための“最低限の査察負荷”を算出した。結果として、Cutoff 条約の実施には IAEA の現行査察体制を大幅に上回るリソースが必要であることが示され、国際的な検証体制強化の必要性を指摘している。(BNL)
SAFEGUARDS & SECURITY ISSUES FOR THE DISPOSITION OF FISSILE MATERIALS Debra Rutherford, Dennis L. Mangan, Keith M. Tolk, Lonnie Moore, Calvin D. Jaeger, Ron W. Moya, Bryan Fearey
核分裂性物質処分における保障措置および核セキュリティの課題
― 貯蔵・輸送・加工・処分の全段階にわたるリスク評価<「処分プロセスは安全化のための行為だが、途中段階では核物質が最も脆弱になる」  という重要な指摘を行っている。“Safeguards × Security” の統合という先駆的視点を提示>
(*)冷戦後に余剰となった核分裂性物質(Pu・HEU)を処分する際に必要となる保障措置(safeguards)と核セキュリティ(security)の要件を体系的に整理し、処分プロセス全体にわたるリスクと対策を提示した研究である。貯蔵・輸送・加工・処分の各段階で、核物質の可測性(measureability)、計量管理、封印・監視、物理防護、内部脅威対策などの課題を分析し、処分方法(MOX 化、ガラス固化など)によって必要な保障措置が大きく異なることを示した。余剰核物質の処分は核拡散リスクを伴うため、保障措置と核セキュリティを統合した“全段階アプローチ”が不可欠である。(LANL)
SAFEGUARDS AND SECURITY BENEFITS OF PROJECT STRAIGHT-LINE I. G. Waddoups, Cal Jaeger
プロジェクト Straight‑Line の保障措置および核セキュリティ上の利点
― 情報流一本化による改ざん防止・監査性向上
(*)核物質管理(MC&A)と物理防護(PP)を支える情報システムを“Straight‑Line Architecture”で再設計することで、データ改ざん防止、監査性向上、脆弱性低減などの効果が得られることを示した研究である。情報の流れを一本化し、最小権限・最小経路原則を適用することで、内部脅威・外部脅威の双方に対する防御力が向上し、保障措置(safeguards)と核セキュリティ(security)の統合的強化が可能となる。核物質計量データ、アクセス制御、監視システム、封印情報などを統合することで、異常検知の迅速化とデータ整合性の向上が実現し、施設全体の核セキュリティ文化を改善できる。(SNL)
Safeguards and Security in the Civilian Radioactive Waste Management System William C. Floyd, Gordon Hough
民生放射性廃棄物管理システムにおける保障措置とセキュリティ
― MC&A・物理防護・輸送防護の統合設計<本論文は、民生放射性廃棄物管理システムにおける保障措置(safeguards)と物理防護(security)の統合的設計を提示し、MC&A・監視・輸送防護・アクセス制御を全ライフサイクルで統合するOCRWM の政策・技術基盤を示した。>
(*)民生放射性廃棄物管理システム(輸送・受入・貯蔵・処分)における保障措置(safeguards)とセキュリティ(security)の要求事項を体系化し、核物質計量管理(MC&A)・物理防護・情報保護を統合した設計方針を提示した研究である。OCRWM 施設は NRC 規制・DOE Orders・IAEA 保障措置の重層的適用を受けるため、核物質の移動・貯蔵・処分の各段階で一貫した MC&A とアクセス制御・監視・輸送防護が必要であることを示している。結果として、廃棄物管理システム全体にわたる統合的な safeguards/security アーキテクチャが、透明性・信頼性・規制適合性を確保する上で不可欠である。(DOE)
Safeguards on Nuclear Waste David W. Crawford
核廃棄物に対する保障措置
― 残渣 NDA・計量管理・保障措置終了条件の整理<本論文は、核廃棄物に対する保障措置の適用範囲・計量管理・残渣 NDA・保障措置終了条件を体系的に整理し、廃棄物管理における safeguards の技術的・制度的基盤を示した。>
(*)核廃棄物に含まれる核物質に対して、保障措置の適用範囲・計量管理要件・残渣 NDA の必要性を整理し、廃棄物管理における safeguards の基本原則を提示した研究である。廃棄物の種類(高レベル廃棄物、残渣、スクラップ、廃溶液)ごとに、核物質の測定可能性・不確かさ・保障措置終了条件(termination criteria)を評価し、適切な管理体系を示している。廃棄物中の核物質は計量管理上の不確かさが大きく、NDA・工程計測・記録管理を統合した多層的 safeguards が必要である。(DOE)
SECURE SURVEILLANCE VIDEOTAPES Kaluba Chitumbo, Susan Pepper, W. M. Resnik, S. P. Kadner
保障措置監視ビデオテープのセキュア化
― 認証・改ざん防止・チェーンオブカストディ 「開放管理状態」 の確立<デジタル監視以前の「アナログ監視の最大弱点」を補強。
IAEA 保障措置では “open custody” は:「封印が外され、IAEA 立会いのもとで、核物質・装置・データキャリアが開放されている状態」を指す。>
(*)IAEA 保障措置で使用される監視ビデオテープの改ざん防止・認証・保全性を確保するため、テープ管理手順・封印・認証コード・チェーンオブカストディを統合した「セキュア・ビデオテープ」運用体系を提示した研究である。テープ交換、保管、輸送、解析の各段階での脆弱性を分析し、改ざん検知(tamper indication)と真正性確認(authentication)を強化するための技術的・運用的対策を示している。セキュア化されたビデオテープ運用は、保障措置監視データの信頼性を大幅に向上させ、後のデジタル監視システムへの移行の基盤となった。(IAEA)
SPENT FUEL AND RESIDUE MEASUREMENT INSTRUMENTATION AT THE SELLAFIELD NUCLEAR FUEL REPROCESSING FACILITY Peter A. Clark, Andrew S. Cheslerman
Sellafield 再処理施設における使用済燃料および残渣の計測機器体系
― NDA・DA・工程計測の統合による核物質管理<Sellafield の使用済燃料は、Magnox(ガス炉)、AGR(ガス炉酸化物)、PWR/BWR(LWR 酸化物; 日欧からの委託)の 3 系統で構成されており、THORP は PWR 燃料を含む酸化物燃料の再処理を担当していた。Magnox 燃料;燃焼度が低い(約 3–5 GWd/t)、1990年代以降は減少、 AGR 燃料;燃焼度が高い(約 18–20 GWd/t)1990年代以降は 英国の主力燃料→ 1990年代以降は AGR の方が使用済燃料量が多い。>
(*)Sellafield 再処理施設における使用済燃料および残渣の核物質計量管理のために、NDA・DA・工程計測を組み合わせた多層的な計測機器体系を構築したことを報告する。燃料受入時の計測、溶解工程の核物質収支、残渣中の核物質量評価、溶解槽・沈殿槽・残渣タンクの計測など、工程ごとに最適化された計測手法を紹介している。Sellafield の計測体系は核物質収支の精度向上と保障措置対応の強化に寄与し、再処理工程の透明性と信頼性を高めている。(BNFL)
SPENT FUEL INTEGRITY DURING DRY STORAGE Mikal A. McKinnon
乾式貯蔵中における使用済燃料の健全性
― 温度履歴・被覆管水素化・長期劣化挙動の評価
(*)乾式貯蔵中の使用済燃料の健全性に影響する主要因(温度、被覆管水素化、放射線劣化、燃料棒内圧、酸化、脆化)を体系的に整理し、長期貯蔵における燃料健全性の維持が可能であることを示した研究である。AECL の実証試験(キャニスタ内温度履歴、被覆管の水素化挙動、破損燃料の挙動評価)を基に、乾式貯蔵条件下では燃料の劣化進行が極めて緩慢であることを示している。適切な温度管理とキャニスタ健全性が確保されれば、乾式貯蔵は長期的に安全で信頼性の高い使用済燃料貯蔵方式であることが確認された。(AECL)
SPENT FUEL STORAGE PROGRESS WITH MODULAR VAULT DRY STORAGE C. C. F. Bower
モジュラー・ボールト乾式貯蔵方式による使用済燃料貯蔵の進展
― 自然対流冷却・遮へい性能・拡張性の実証
(*)Modular Vault Dry Storage(MVDS)方式の設計・建設・運用経験を総括し、乾式貯蔵の安全性・信頼性・拡張性が実証されつつあることを示した研究である。自然対流冷却、コンクリート vault の遮へい性能、キャニスタの健全性、モジュール追加による容量拡張など、MVDS の主要特性と運用実績を整理している。MVDS は長期貯蔵に適した低コスト・高信頼の乾式貯蔵方式として成熟しつつあり、将来の増設・国際展開にも適することが示された。(AECL)
STATISTICAL METHODS FOR DETECTING LOSS OF MATERIALS USING NRTA DATA H. Ai, I. Kadokura, K. Fujimaki, Alton Coulter, Tom Burr, Amie Hakkila
NRTA データを用いた核物質損失検知の統計手法
― D 統計量(“Material Balance Difference Statistic”)・CUSUM(Cumulative Sum of Deviations from Expected Process Values (期待値からの偏差の累積和))・ベイズ推定の比較評価
(*)NRTA データ(工程データ+計量データ)を用いて核物質損失を検知するため、D‑statistic、CUSUM、ベイズ推定など複数の統計手法を比較し、検知性能・誤報率・応答時間を評価した研究である。工程変動・測定誤差・相関構造をモデル化し、物質バランス異常(loss)が発生した場合の検知感度を定量化し、NRTA の実運用に適した統計的アラーム設定方法を提示した。単純な差分法では検知が困難であり、時系列統計・逐次検定・ベイズ更新を組み合わせた手法が最も高い検知性能を示すことが明らかになった。(LNC, LANL)
STRAIGHT-LINE A NUCLEAR MATERIAL STORAGE INFORMATION MANAGEMENT SYSTEM Dennis Mangan, Curt Nilsen
Straight‑Line:核物質貯蔵情報管理システム
― 情報流一本化による改ざん防止・監査性向上<本論文は、Straight‑Line Architecture を核物質貯蔵情報管理に適用し、入出庫・封印・アクセス・監視データを一本化することで改ざん防止・監査性向上・内部脅威対策を強化できることを示した
MC&A 情報統合分野の基盤的文献>
(*)核物質貯蔵施設における在庫管理・アクセス制御・監査記録を、Straight‑Line Architecture に基づく情報管理システムとして統合し、データ改ざん防止・監査性向上・内部脅威対策を強化する手法を提示した研究である。核物質の入出庫、封印情報、アクセスログ、監視データを一本化された情報経路で管理することで、従来の分断されたシステムに比べて整合性・信頼性が大幅に向上することを示した。核物質貯蔵の運用効率化、異常検知の迅速化、内部脅威の抑止に寄与する情報管理システムとして、Straight‑Line の実用性を強調している(LANL)
STRENGTHENED SAFEGUARDS THROUGH IMPROVED ANALYSIS OF INFORMATION ON STATES’NUC LEAR ACTIVITIES Mark H. Killinger
国家の核関連活動に関する情報分析による強化保障措置
― 多源情報統合・信頼性評価・異常検知の枠組み
(*)国家の核関連活動に関する多様な情報源(公開情報、輸出入データ、衛星画像、研究活動、施設運転情報など)を統合的に分析することで、保障措置の有効性を強化する手法を提示した研究である。情報の信頼性評価、相互整合性チェック、時系列分析、異常検知などを体系化し、国家レベルでの核活動の全体像を把握する“情報主導型保障措置”の枠組みを示した。従来の施設単位の査察中心の保障措置では捉えきれない未申告活動の兆候を、情報分析によって補完する必要性を強調し、強化保障措置(Strengthened Safeguards)の方向性を示した。(PNNL)
STUDIES IN SUPPORT OF AN SNM CUTOFF AGREEMENT: THE PUREX EXERCISE William D. Stanbro, Richard Libby
核物質生産停止合意を支援する研究:PUREX 実証試験
― 再処理プロセスにおける生産停止検証の可能性と限界
(*)核物質生産停止条約(SNM Cutoff Agreement)を検証するため、PUREX 型再処理プロセスを対象に、核分裂性物質の生産が“行われていないこと”をどこまで検証できるかを実証的に評価した研究である。プロセス計測、NDA、サンプリング、封印・監視(C/S)、運転記録の分析を組み合わせ、再処理施設の運転状態・核物質流量・Pu 分離の有無を検証するための手法と限界を明らかにした。PUREX プロセスは複雑であり、完全な“生産停止”の検証には高頻度の査察・連続監視・詳細なプロセス情報が必要で、現行の IAEA 体制では不十分であることを示した。(LANL)
STUDIES ON THE EFFECTS OF PHYSICAL VARIABLES ON TANK DESIGN AND CHOICE OF BUBBLER PROBE TECHNIQUES FOR LIQUID LEVEL MEASUREMENT C. Foggi, B. A. Hunt, F. Franssen
タンク設計における物理パラメータの影響と液面測定用バブラー方式選択に関する研究
― 幾何形状・液体物性・圧力条件の体系的評価
(*)タンクの幾何形状・液体物性・温度・圧力・泡の挙動などの物理パラメータが、液面測定の精度とバブラー方式の選択にどのように影響するかを体系的に分析した研究である。単一バブラー、二重バブラー、差圧方式など複数のバブラー技術を比較し、タンク設計(高さ、直径、ノズル位置、内部構造)との適合性を評価した。タンクの物理特性に応じて最適なバブラー方式が異なることを示し、体積測定の高精度化に向けた設計指針を提示している。(EC/JRC)
SUPPORT PLAN FOR THE ESTABLISHMENT OF SSAC IN THE REPUBLIC OF BELARUS Hideo Nishimura, Kenichi Shimizu, K. lkawa
ベラルーシ共和国における SSAC(国家核物質管理機関)整備支援計画
― 旧ソ連地域での核物質管理制度構築に向けた法制度整備、記録体系、計量管理、訓練支援の包括的計画
(*)旧ソ連崩壊後のベラルーシにおいて、国際基準に適合した国家核物質管理機関(SSAC)を整備するため、日本側が法制度、記録体系、計量管理、訓練の支援計画を策定したことを報告した論文である。核物質台帳の再構築、施設申告制度の導入、PIT/CIT 手順の標準化、NDA/DA 測定技術の移転、担当者教育など、SSAC 構築に必要な要素が体系的に示されている。本研究は、ベラルーシの IAEA 保障措置受入能力の基盤を形成し、旧ソ連地域における核物質管理近代化支援の初期成功例として位置づけられる。(JAERI, PNC)
System Overview and Applications of a Panoramic Imaging Perimeter Sensor Daniel A. Pritchard
全周映像型周界センサのシステム概要と応用
― 広域監視・侵入検知・アラーム評価への適用
(*)360° 全周視野を持つパノラマ映像型周界センサのシステム構成を概説し、光学系・画像処理・監視アルゴリズムを統合した実装アーキテクチャを提示した研究である。広域監視、侵入検知、アラーム評価、死角低減などの応用例を示し、従来の点型センサ(IR ビーム、マイクロ波バリア)では困難な広域状況認識を少数のセンサで実現できることを示した。核施設や重要インフラにおける周界監視の効率化・誤報低減・アラーム評価の迅速化に寄与する技術として、パノラマ映像センサの実用性を強調している。(SNL)
TACTICAL AUTOMATED SECURITY SYSTEM (TASS) OPERATIONAL CONCEPT FIELD EVALUATION RESULTS Master Sergeant Don Lowe, Gunars Vinkels
TASS(戦術自動化セキュリティシステム)の運用概念フィールド評価結果
― 可搬型警備システムの性能・課題・改善点
(*)TASS(Tactical Automated Security System)を実際の野外環境で運用し、センサー性能、通信信頼性、展開性、アラーム評価能力などを総合的に評価したフィールド試験の結果を報告したものである。可搬・再配置型センサー、RF 通信リンク、コマンドユニット、アラーム統合機能が、前線・臨時基地・展開拠点における迅速な警備体制構築に有効であることが確認された。一方で、環境条件(地形・気象)、電源管理、通信干渉、誤報要因などの課題も明らかとなり、TASS の改良に向けた具体的な運用上の示唆が示された。(U.S. Air Force (USAF) )
TECHNICAL SUPPORT AND TRAINING FOR THE FIRST PHYSICAL INVENTORY AT THE ULBA STATE HOLDING COMPANY IN UST-KAMENOGORSK, KAZAKSTAN James Sprinkle, G. Tittemore, M. Barham
カザフスタン・ウスチカメノゴルスクの ULBA 国営企業における初回核物質実地棚卸の技術支援および訓練
― 旧ソ連地域での初回 PIT 実施に向けた MC&A 技術移転、測定訓練、在庫記録整備、国際基準適合化の支援
(*)カザフスタンの ULBA 国営企業において、旧ソ連崩壊後初となる国際基準に基づく核物質実地棚卸(PIT)を実施するため、DOE 専門家が測定技術、在庫記録、手順整備の支援と訓練を行った事例を報告した論文である。NDA/DA 測定の導入、計量手順の標準化、記録体系の再構築、保管庫の整備、担当者訓練など、PIT 実施に必要な MC&A 能力の基盤構築が詳細に示されている。本研究は、旧ソ連地域における核物質管理近代化(MPC&A)の初期段階を示す重要文献であり、後の米国・カザフスタン協力の基礎となった。(DOE)
TECHNIQUES FOR THE PREVENTION AND REMEDIATION OF SHIPPER/RECEIVER DIFFERENCES Francis E. Healy
End(10) 出荷者/受入者差異の予防および是正技術
― 計量誤差源の低減、測定標準化、データ品質管理、差異発生時の体系的是正手順の確立<Healy の主張の核心: S/R 差異は“避けられない誤差”ではなく“管理可能な現象”、予防(prevention)が最重要、是正(remediation)は体系的手順で行うべき、施設間の測定体系の統一が鍵、✔ NDA/DA の統合的利用が差異低減に有効。Healy のアプローチは、後の DOE MC&A 改革の“measurement control philosophy” の基礎となる。>
(*)出荷者(Shipper)と受入者(Receiver)の計量結果が一致しない S/R 差異の発生要因を分析し、差異の予防と是正のための測定・手順・データ管理技術を体系化した論文である。計測機器の校正、サンプル代表性の確保、測定手順の標準化、データ品質管理、施設間の情報共有など、差異を最小化するための具体的手法が提示されている。本研究は、S/R 差異の体系的管理を DOE 施設に定着させる基盤となり、後の 1990 年代 MC&A 改革における計量信頼性向上の中心的文献となった。(DOE)
Technological Advances to Allow Rapid Deployment of a High-Valued Asset Physical Protection System by Unskilled Personnel Daniel A. Blattman
重要資産を迅速に防護するための物理防護システムの技術革新― 非熟練者でも展開可能なモジュール型 PPS
―核物質・重要装置・臨時保管対象への即応展開性の向上
(*)“防護対象としての重要性” の高い物質・装置資産(HVA)を短時間で防護するため、非熟練者でも展開可能な“迅速展開型物理防護システム”を実現する技術進展を整理した研究である。センサー、通信、電源、バリア、監視装置をモジュール化し、工具不要・即時展開・自動設定を可能にすることで、緊急時・臨時運用・野外環境での PPS 構築を大幅に簡素化した。迅速展開型 PPS は軍事・核施設・輸送・臨時保管などの多様なシナリオで有効であり、従来の固定式 PPS を補完する新たな運用概念を提示している。(SNL)
TERMINATION OF INTERNATIONAL SAFEGUARDS ON NUCLEAR MATERIAL DISCARDS: AN IAEA UPDATE James A. Larrimore
国際保障措置の終了:核物質廃棄物に関する IAEA の最新状況
― 終了基準・濃度基準・手続き整備の進捗
(*)核物質廃棄物に対する国際保障措置(IAEA 保障措置)を終了するための基準・濃度限界・手続きについて、IAEA が進めている検討状況を整理したアップデート報告である。特に、Pu・U の濃度基準、測定不確かさ、廃棄物形態、封じ込め・監視(C/S)との関係、国家当局との調整など、終了判断に必要な技術的・制度的要素が議論されている。IAEA は、廃棄物の不可逆性・回収困難性・核兵器利用可能性の喪失を重視し、国際的に適用可能な終了基準の整備を進めている。(IAEA)
THE AUTHENTICATED TRACKING AND MONITORING SYSTEM (ATMS) DEMONSTRATION J. L. Schoeneman, K. W. lnsch, P. J. Leahy
認証追跡・監視システム(ATMS)のデモンストレーション
ー改ざん検知・データ認証・無人連続監視の実環境評価
(*)ATMS(Authenticated Tracking and Monitoring System)を英国 BNFL 施設で実証し、物品の状態・位置・移動を認証付きで連続監視するシステムの性能を評価した研究である。センサー、電子封印、データロガー、通信、暗号化認証を統合し、改ざん検知・遠隔監視・無人運用の信頼性を実環境で検証した。ATMS は核物質管理・保障措置における“連続性(continuity of knowledge)”確保に有効であり、国際的な遠隔監視技術の基盤となることが示された。(SNL, BNFL)
THE CHANGING ROLE OF NUCLEAR MATERIALS ACCOUNTING Philip W. Gibbs
核物質計量管理の変わりつつある役割
― 記録管理からリスク管理・保障措置・運転最適化を支える戦略的機能への転換
(*)核物質計量管理の役割が、単なる記録・報告業務から、保障措置、物理防護、運転管理、リスク管理を支える“戦略的機能”へと拡大していることを論じた研究である。核燃料サイクルの複雑化、国際保障措置の強化(93+2)、施設運転の効率化要求により、NMA は“受動的会計”から“能動的管理ツール”へと変化している。今後の NMA は、測定管理、在庫評価、異常検知、運転最適化、セキュリティとの統合を含む“総合的核物質管理システム”として進化すべきだと結論づけている。(BNFL)
THE COMMERCIALIZATION OF AN NDA INSTRUMENT: THE M3CA Steven P. Kadner, Charles Hatcher
NDA 計測装置 M³CA の商用化
― 多モード・多チャンネル解析プラットフォームの実運用化と品質保証体系の確立
(*)LANL が開発した M³CA(Multi‑Modal Multi‑Channel Analyzer)を、研究用プロトタイプから商用 NDA 計測装置として市場投入するための技術的・制度的プロセスを整理した研究である。M³CA は γ・中性子・パルス処理・多チャンネル解析を統合したデジタル計測プラットフォームで、従来のアナログ MCA を置き換える高性能 NDA 電子基盤として設計された。商用化に向けて、信頼性試験、校正体系、ユーザーインターフェース、保守性、製造性、品質保証を整備し、NDA 適用範囲の拡大と DOE/IAEA での実運用を可能にした。(LANL)
THE DEPARTMENT OF ENERGY’S SAFEGUARDS AND SECURITY TECHNOLOGY DEVELOPMENT PROGRAM G. Dan Smith, Carl A. Pocratsky
DOE 保障措置・セキュリティ技術開発プログラム
― MC&A・物理防護・情報保護を統合した技術戦略の全体像<DOE S&S 技術開発の“総括文献” 個別技術(NDA、監視、IDS)を束ねる上位文献>
(*)DOE の Safeguards & Security(S&S)技術開発プログラムの目的・構造・重点領域を総括し、MC&A・物理防護・情報保護を統合した技術開発戦略を提示した研究である。核物質測定、在庫管理、アクセス制御、侵入検知、監視、情報セキュリティ、統合システム評価など、S&S の全領域にわたる技術開発プロジェクトを体系的に整理している。S&S 技術開発プログラムは DOE 施設のリスク低減・効率化・標準化を促進し、将来の保障措置・セキュリティ基盤を形成する重要な枠組みである。(DOE)
The Emergency Response Program for Transporting Transuranic Materials J. J. Winkel, O. R. Spooner
TRU 廃棄物輸送の緊急対応プログラム
― WIPP 輸送計画に基づく訓練・通信・州政府協力体制の構築
(*)TRU 廃棄物輸送における事故・異常時対応のため、WIPP 輸送計画に基づく緊急対応プログラム(ERP)の構造・訓練体系・州政府との協力体制を体系化した研究である。ERP は、輸送ルート沿線の州・郡・消防・警察と連携し、訓練、通信、指揮系統、技術支援、放射線測定、情報提供を統合した多層的対応を特徴とする。ERP は TRU 輸送の安全性・透明性・地域社会の信頼を高め、WIPP 輸送計画の実効性を支える重要な枠組みである。(Westinghouse Waste Isolation Division(WIPP 運転主体))
THE FUTURE OF INTERNATIONAL SAFEGUARDS IN THE LIGHT OF THE RESULTS OF THE NPT EXTENSION CONFERENCE Andre Petit
NPT 延長会議の結果を踏まえた国際保障措置の将来
― 無期限延長決定と 93+2 支持を背景とした保障措置強化・追加議定書化・制度的再編の展望<Petit の 1993–1995 の三部作の最終章;1993:NPT 延長問題の構造、1994:延長会議の政治的課題、1995:延長会議の結果と保障措置の将来(本論文)>
(*)1995 年 NPT 再検討・延長会議の無期限延長決定が、国際保障措置の恒久的基盤を確立し、IAEA に強化措置(93+2)を制度化する政治的正当性を与えたことを分析した論文である。会議の結果、未申告活動の検知、環境サンプリング、拡大申告、情報アクセス強化など、従来の INFCIRC/153 を超える新たな保障措置の必要性が国際的に認識されたことが示されている。本研究は、1997 年の追加議定書(INFCIRC/540)につながる制度改革の方向性を明確化し、冷戦後の国際不拡散体制における保障措置の役割拡大を展望したものである。(EC/JRC)
THE GEMINI PROJECT Kaluba Chitumbo, R. Sheridan, Peter Chare, Bernard Jargeac, Steven Kadner
GEMINI プロジェクト
― IAEA・Euratom・米国共同による次世代デジタル監視システムの開発と初期成果
(*)GEMINI プロジェクトは、Euratom の既存アナログ監視システムを全デジタル化し、IAEA・Euratom・米国研究機関が共同で次世代保障措置監視システムを開発する国際プロジェクトである。デジタルカメラ、データ認証、長期無人監視、画像圧縮、記録媒体の信頼性などを統合し、従来のビデオテープ方式の限界を克服することを目的とする。初期試験の結果、GEMINI は信頼性・画像品質・データ保全性に優れ、将来の IAEA/Euratom 監視システムの基盤となる可能性が示された。(IAEA, EURATOM, LANL)
The International Remote Monitoring Project – First Results of the Argentina Nuclear Power Station Field Trial Stephen Dupree, J. Lee Schoeneman, Robert L. Martinez, Curt Maxey, Anibal Bonino
国際リモートモニタリングプロジェクト:
アルゼンチン商用原子力発電所フィールドトライアルの初期結果
― 無人監視・データ認証・通信性能の実環境評価
(*)アルゼンチンの商用原子力発電所において、監視カメラ・電子封印・データロガー・通信装置を用いた遠隔監視システムのフィールドトライアルを実施し、その初期結果を報告した研究である。データ認証、通信の信頼性、無人監視の長期運転、環境条件下での機器性能、IAEA 保障措置との整合性を実環境で評価した。結果として、遠隔監視は商用炉における保障措置の効率化と信頼性向上に有効であり、国際 RM 導入に向けた重要な技術的知見を提供したと結論づけている。(LANL, SNL, Argentina (CNEA / ARN 関係者))
THE INTERNATIONAL REMOTE MONITORING PROJECT- RESULTS OF THE AUSTRALIAN DRY SPENT FUEL STORAGE FACILITY FIELD TRIAL C. S. Johnson, K. Veevers, D. L. Sorokowski
国際リモートモニタリングプロジェクト:
オーストラリア乾式使用済燃料貯蔵施設フィールドトライアルの結果
― 無人監視・データ認証・通信性能の実環境評価<オーストラリアの HEU 使用済燃料は英国には返還できず、米国が “原供給国としての責任(take‑back policy)” を発動して回収した。実際の返還はオバマ政権期(2010 年代)に行われた。これは 米国の HEU 回収政策(Global Threat Reduction Initiative, GTRI) の一環>
(*)オーストラリアの乾式使用済燃料貯蔵施設において、監視カメラ・電子封印・データロガー・通信装置を用いた遠隔監視システムのフィールドトライアルを実施し、その性能・信頼性・運用性を評価した研究である。データ認証、通信の安定性、無人監視の長期連続運転、環境条件下での機器性能、IAEA 保障措置との整合性を実環境で検証した。遠隔監視は乾式貯蔵施設における保障措置の効率化と信頼性向上に有効であり、国際的な RM 導入に向けた重要な技術的知見を提供した。(SNL, ASO)
◎ HIFAR(High Flux Australian Reactor)運転期間:1958–2007:型式:DIDO 型高フラックス研究炉,燃料:HEU(93% 近い高濃縮ウラン),用途:中性子照射、医療用同位体、材料試験。HIFAR は英国 DIDO/PLUTO 系の設計で、典型的な HEU 研究炉。
THE INTERNATIONAL REMOTE MONITORING PROJECT: THE GERMAN FIELD TRIAL PLAN F. J. Schink, B. Richter, G. Stein, C. S. Johnson, G. Neumann, E. Wogatzki
国際リモートモニタリングプロジェクト:ドイツにおけるフィールドトライアル計画
― 監視カメラ・封印・データロガー・通信システムを用いた保障措置用遠隔監視の実証
(*)国際リモートモニタリングプロジェクト(IRMP)の一環として、ドイツ国内の核施設で実施するフィールドトライアルの計画を示し、監視カメラ・封印・データロガー・通信システムを用いた遠隔監視の実証内容を整理した研究である。試験では、データ認証(authentication)、通信の信頼性、無人監視(unattended monitoring)、環境条件下での機器性能、IAEA 保障措置との整合性を評価する。ドイツのフィールドトライアルは、国際的なリモートモニタリング導入に向けた技術的・運用的知見を提供し、将来の IAEA 遠隔監視システムの基盤となる。(Germany(national safeguards authority), SNL)
THE MATERIALS IN INVENTORY (WIN) INITIATIVE, A DOE OPERATIONS OFFICE PERSPECTIVE Francis E. Healy, Tobin L. Freid
DOE Operations Office から見た “Materials‑in‑Inventory(WIN)” イニシアティブ
― 核物質在庫の透明性・一貫性・標準化を実現する統合管理フレームワーク<冷戦後 DOE の “核物質在庫の再定義” の中心文献。1990年代 DOE の大改革の一部。>
(*)DOE の “Materials‑in‑Inventory(WIN)イニシアティブ” を、Operations Office の立場から解説し、核物質在庫の透明性・一貫性・標準化を実現するための制度的枠組みを提示した研究である。WIN は、核物質の在庫分類、用途区分、保管状態、責任主体、会計処理を統一的に整理し、DOE 全体での在庫管理の整合性を確保するための包括的プログラムである。WIN は MC&A、財務管理、保障措置、環境管理の連携を強化し、DOE の核物質在庫の信頼性と説明責任を向上させる制度的基盤となる。(DOE)
THE METHODOLOGY OF INTEGRATED DOE SAFEGUARDS AND SECURITY SURVEYS AT THE SAVANNAH RIVER SITE Lorilee Brownell, William E. Kilmartin
Savannah River Site における DOE 保障措置・セキュリティ統合サーベイ手法
― 核物質管理・物理防護・情報保護を統合したリスクベース評価アプローチ
(*)Savannah River Site において、DOE の Safeguards(核物質管理)と Security(物理防護)を統合的に評価するためのサーベイ手法を確立し、従来の個別評価では見えなかった相互依存性・弱点・改善点を体系的に抽出した研究である。核物質管理(MC&A)、アクセス制御、警備システム、情報保護、組織手順、訓練、緊急対応などを統合フレームワークで評価し、リスクベースの総合的アプローチを提示している。統合サーベイは効率性・一貫性・リスク低減に優れ、DOE 施設における Safeguards & Security の最適化に有効である。(WSRC)
THE NRC MEASUREMENT VERIFICATION PROGRAM Thmoas N. Pham, L. D. Y. (Cookie) Ong
NRC 測定検証プログラム(MVP)
― 事業者申告値の独立検証による核物質計量の信頼性確保<どの施設が対象か MVP の対象は:燃料製造施設、再処理施設(当時の米国では研究レベル)、濃縮施設、核物質加工施設、研究炉・試験施設(必要に応じて)、特に Category I/II 核物質を扱う施設が重点。>
(*)NRC が事業者の核物質計量データを独立に検証する Measurement Verification Program(MVP)の目的・構造・実施方法を示し、規制当局としての “信頼性確認” の仕組みを体系化した研究である。サンプリング、分析、比較評価、統計的検証を通じて、事業者申告値(facility-declared values)と NRC 測定値の整合性を確認し、異常・偏差・測定管理上の問題を特定する手法を提示している。MVP は核物質計量の透明性・信頼性・規制遵守を確保するための重要な制度であり、NRC の保障措置・MC&A 監督の基盤となる。(NRC)
THE NUCLEAR SUPPLIERS GROUP INFORMATION SHARING SYSTEM (NISS): PUTTING TECHNOLOGY TO WORK FOR A MORE EFFECTIVE AND EFFICIENT SUPPLIER ARRANGEMENT T. Dedik, R, S, Goorevich
核供給国グループ(NSG)情報共有システム NISS
― 電子情報基盤による輸出管理協調の効率化と不拡散強化
(*)NSG 加盟国間で輸出管理情報を迅速かつ安全に共有するための NISS(Nuclear Information Sharing System)を構築し、供給国協調の効率化と不拡散強化を実現する仕組みを提示した研究である。NISS は、輸出案件、拒否事例(denials)、政策文書、技術情報を電子的に共有し、加盟国間の意思決定を迅速化するための IT 基盤として設計されている。NISS は NSG の透明性・一貫性・協調性を高め、より効果的な供給国アレンジメントを支える重要なツールである。(DOE, DOS)
THE NUCLEAR SUPPLIERS GROUP: A MULTILATERAL ARRANGEMENT DEVOTED TO SUPPLIER COORDINATION T. Dedik, C. E. Thome
原子力供給国グループ(NSG):供給国間調整を目的とする多国間枠組み
― 輸出管理ガイドライン、二重用途品規制、情報共有メカニズムを通じた不拡散強化の多国間協調枠組み<1992 年の二重用途ガイドライン導入後の最初期の総括文献>
(*)原子力供給国グループ(NSG)の目的・構造・運用を整理し、核関連物資・技術の輸出管理を通じて不拡散を強化する多国間協調メカニズムであることを示した論文である。ガイドライン Part 1(原子力関連品目)および Part 2(二重用途品目)の制度化、加盟国間の情報共有、輸出審査の透明性向上など、NSG の主要機能が体系的に説明されている。本研究は、1995 年 NPT 無期限延長後の国際不拡散体制において、NSG が IAEA 保障措置を補完する重要な供給側規制枠組みであることを明確にしたものである。(DOE, DOS)
The Prepared Remarks of Hazel R. O’Leary U.S. Secretary of Energy to the 36th Annual Meeting of the Institute of Nuclear Materials Management Hazel R. O’Leary, Kenneth N. Luongo
End(11) 第 36 回 INMM 年次大会における米国エネルギー長官 Hazel R. O’Leary の基調講演
― 冷戦後の核物質管理政策、透明性向上、余剰核物質処分、国際協力強化に関する DOE の公式方針表明
(*)冷戦終結後の核物質管理において、透明性向上、余剰核物質の安全管理、核不拡散協力の強化が米国 DOE の最優先課題であることを示した基調講演である。ロシア・旧ソ連諸国との協力、余剰核物質の処分方針、保障措置の強化、環境修復、核セキュリティの向上など、DOE の包括的政策が体系的に提示されている。本講演は、1990 年代の米国核物質管理政策の方向性を示す公式文書であり、INMM と DOE の協力関係を強化する政治的メッセージとして位置づけられる。(DOE)
THE QUEST SEARCH SIMULATION MODEL Gary W. Richter
QUEST 探索シミュレーションモデル
― 核物質探索戦術の定量評価と最適化<1990年代、核物質紛失(MUF)や内部脅威への対応として、「探索作戦の科学的最適化」が求められていた。>
(*)核施設内での核物質探索(search for missing nuclear material)をモデル化するため、探索者の行動・施設レイアウト・探索戦術を統合した QUEST(QUantitative Evaluation of Search Techniques)シミュレーションモデルを開発した研究である。探索者の移動、視野、検知確率、遮蔽、障害物、時間制約などをパラメータ化し、探索成功確率・所要時間・最適戦術を定量的に評価できることを示した。QUEST は、物理防護評価、内部脅威対策、緊急時対応計画、核物質紛失時の捜索戦術の最適化に有用であり、DOE 施設での実運用に適用可能であることを示している。(SNL)
The Revision Process for the 1996 Edition of the IAEA’s Regulations for the Safe Transport of Radioactive Material, Safety Series No. 6 Thomas E. Pollog
IAEA 輸送規則 Safety Series No. 6(1996 年版)の改訂プロセス
― 国際審議・技術論点・規制整合性の確立
(*)IAEA 輸送規則 Safety Series No. 6(1985 Edition, as amended)を全面改訂し、1996 Edition を策定するための国際的な審議プロセス・技術論点・合意形成手順を総括した報告である。主要改訂点として、パッケージ性能基準の明確化、試験条件の再定義、品質保証(QA)要求の強化、輸送指数(TI)・A 値の見直し、国際整合性の向上などが議論された。改訂作業は、加盟国・専門家・国際機関の協働による多段階審査を経て行われ、1996 Edition はその後の TS‑R‑1(1996)および SSR‑6(2012)へとつながる近代輸送規則体系の基礎となった。(DOE)
THE STRAIGHT-LINE INFORMATION SECURITY ARCHITECTURE G. A. Harms, F. J. Davis, J. T. Ford
ストレートライン情報セキュリティ・アーキテクチャ
― 情報確実性に基づく一貫型セキュリティ設計
(*)核施設・保障措置システムにおける情報セキュリティを、機能を直線的に連結した“Straight‑Line Architecture”として再定義し、脅威分析からアクセス制御・監査・暗号化までを一貫した流れで統合する設計手法を提示した。複雑化した情報システムを階層化せず、データの流れを一本化することで、脆弱点の特定、監査性、改ざん検知性を向上させることを目的とする。核施設の計量管理(MC&A)、アクセス制御、監視システムなど、複数のサブシステムを統合する際の“最小権限・最小経路”原則を強調し、情報確実性(Information Surety)に基づく設計指針を示した。(SNL)
The U.S. Program of Technical Assistance in Nuclear Safeguards to Ukraine E. Arnold Hakkila, Mark Soo Hoo, G. A. Sheppard, Bruce W. Moran, Stephen R. Caudill, Laverne Romesberg, T. Zinneman, J. Miranda, C. Roche, T. Ewing, G. Walters, Chester Hine, G. Kuzmvcz
ウクライナに対する米国の核保障措置技術支援プログラム
― MPC&A 整備と国際基準への移行
(*)旧ソ連崩壊後、核物質管理体制が未整備であったウクライナに対し、米国 DOE が核物質防護・管理・計量(MPC&A)および IAEA 保障措置の実装を支援した初期プロジェクトの成果を報告したものである。物理防護(PP)、核物質計量(MC&A)、核物質台帳の整備、NDA 機器の供与、施設評価、運用手順の標準化、職員トレーニングなど、多分野の技術支援を実施した。この支援は、ウクライナの核物質管理体制を国際基準へ移行させ、後の IAEA 追加議定書対応や国際協力プログラムの基盤を形成した。(LANL, SNL, ORNL, DOE, 協力State Committee for Nuclear and Radiation Safety of Ukraine(後の SNRCU))
THE US PROGRAM OF TECHNICAL ASSISTANCE TO THE ATOMIC ENERGY AGENCY OF THE REPUBLIC OF KAZAKSTAN* E. Arnold Hakkila, T. D. Reilly, Wanda G. Mitchell, S. Paul Henslee, Charles Roche, Stephen R. Caudill, R. Burnham, G. Tittemore, M. Barham, Thomas Gafford, P. Freed
カザフスタン原子力庁への米国技術支援プログラム
― 核物質防護・管理・計量(MPC&A)整備の初期成果
(*)旧ソ連崩壊後に核物質管理体制が脆弱化したカザフスタンに対し、米国 DOE が技術支援プログラムを立ち上げ、核物質防護・管理・計量(MPC&A)の整備を支援した初期プロジェクトの成果を報告したものである。物理防護(PP)、核物質計量(MC&A)、アクセス制御、監視システム、核物質台帳の整備、計測機器の供与など、多分野の改善を KAEA と米国研究所が共同で実施した。この支援は、中央アジア地域における核拡散リスク低減の基盤を形成し、後の国際協力プログラム(NCI、GTRI など)につながる重要な先駆的取り組みとなった。(LANL, SNL, ORNL, DOE, 協力 Kazakhstan Atomic Energy Agency(KAEA))
TRANSMISSION CORRECTIONS FOR TOMOGRAPHIC NONDESTRUCTIVE ASSAY Thomas H. Prettyman, Gregory A. Sheppard, Robert J. Estep
トモグラフィ型非破壊測定における透過補正
― 線減弱マップを用いた投影データ補正アルゴリズム<ガンマ線の透過測定と放射能測定を組み合わせ、廃棄物ドラム内部の放射能分布をトモグラフィ再構成する NDA 技術。反復再構成との統合を体系化した最初期の研究であり、TGS を“定量 NDA 技術”へと押し上げた決定的成果>
(*)TGS(トモグラフィ型ガンマ線 NDA)における透過補正のため、線減弱係数の推定と投影データの補正を統合したアルゴリズムを開発し、非均質廃棄物ドラムに対する測定精度向上を実証した研究である。透過測定(transmission scan)から得られる線減弱マップを用いて、各投影データをエネルギー依存の減弱補正係数で補正し、再構成画像の定量性を大幅に改善した。シミュレーションおよび実ドラム試験により、自己吸収・非均質性・高減衰領域による系統誤差を低減できることを示し、TGS の定量 NDA 技術としての有効性を確立した。(LANL)
Transparency Measurements Using A Gamma-Ray lmager K. P. Ziock, L. Madison
ガンマ線イメージャを用いた透明性測定
― 核物質の非侵襲的可視化による信頼醸成技術<1990年代前半、米露は核兵器関連施設の透明性向上を模索していたが、機微情報(design information)を漏らさずに“存在だけ確認”する技術が求められた。>
(*)核兵器関連施設における透明性(transparency)向上を目的として、ガンマ線イメージャを用いた非侵襲的測定手法を開発し、核物質の存在・配置を画像として可視化する技術を実証した研究である。コリメーション方式のガンマ線イメージャを用い、核物質からのガンマ線分布を二次元画像として再構成し、対象物の内部構造や核物質の位置を推定できることを示した。透明性措置・信頼醸成措置(CBM)において、相手国の機微情報を侵害せずに“存在の確認”を行う手段として有用であることを示し、後の核軍縮検証技術の基盤となった。(LANL)
Trends in DOE Radioactive Material Shipment Costs R. J. Maddigan, M. J. Owens, R. W. Morris, S. P. Schmid, P. B. Lester
DOE における放射性物質輸送コストの動向
― 規制強化と運用要因がもたらす長期的コスト構造の分析
(*)DOE が実施する放射性物質輸送のコスト構造を、1980年代後半〜1990年代前半のデータに基づき分析し、輸送費の長期的な増加傾向とその要因を明らかにした研究である。輸送費の主要因として、規制強化、パッケージ認可費用、輸送準備作業の増大、輸送業者に支払う総コストの上昇、品質保証(QA)要求の拡大などを特定している。将来の輸送計画に向け、コスト削減のための運用改善・標準化・パッケージ共通化の必要性を指摘し、DOE の輸送政策に対する指針を提示している。(SNL, DOE)
TRUPACT-II. A REGULATORY PERSPECTIVE P. C. Gregory,O. R. Spooner
TRUPACT‑II に関する規制当局の視点
― NRC による輸送パッケージ認可の評価<TRUPACT‑II の設計・安全解析・認可プロセスをNRC の規制当局の立場から総括したもので、TRU 廃棄物輸送パッケージの規制基準と審査経験を体系的に示した重要な技術・規制文献>
(*)TRUPACT‑II(Transuranic Package Transporter‑II)の設計・安全解析・運用条件について、NRC が規制当局の立場から評価した内容を総括した報告である。輸送規則(10 CFR Part 71)に基づき、臨界安全性、遮へい性能、構造強度、熱解析、事故時性能などの認可要件を満たすことを確認した。WIPP への TRU 廃棄物輸送における規制上の課題、申請者(DOE)との技術的インタフェース、認可プロセスの経験を示し、今後の大型輸送パッケージ審査の指針を提示している。(NRC)
<TRUPACT‑II(Transuranic Package Transporter‑II):DOE が WIPP(Waste Isolation Pilot Plant)向けに使用するTRU 廃棄物輸送パッケージ(Type B)。55 ガロン・ドラムを複数収納可能。>
ULTRASONIC METHODS FOR LOCATING HOLD-UP Chad T. Olinger, Dipen N. Sinha
ホールドアップ(核物質滞留)位置特定のための超音波手法
― 配管内部堆積物の非破壊評価<ガンマ NDA を補完する“位置特定技術”として保障措置・MC&A に大きな意義を持つ初期研究。PUREX 系再処理プロセスの配管・機器内部に残留する溶液形態の核物質、屈曲部・デッドレグ等流体力学的に“洗い流されにくい”ため、溶液が薄く残る → 徐々に濃縮 → 堆積となる部分>
(*)核施設の配管・装置内部に蓄積する核物質ホールドアップの位置を特定するため、超音波伝搬特性を利用した新しい非破壊手法を開発・評価した研究である。超音波の反射・散乱・減衰の変化を解析することで、配管内部の堆積物の位置・厚さ・形状を推定できることを実験的に示した。従来のガンマ線ホールドアップ測定では困難な“位置特定”を補完する技術として、保障措置・MC&A の実務に有用であることを示唆している。(LANL)
UNITED STATES-RUSSIA EXCHANGE VISITS W.  J. Desmond, H. R. Martin
米露間の相互訪問(Exchange Visits)
― MPC&A 協力に向けた信頼醸成と相互理解の構築
(*)米露間の核物質防護・管理・計量(MPC&A)協力の基盤構築として、1994–1995 年に実施された相互訪問(exchange visits)の目的・内容・成果を総括した報告である。米国 DOE とロシア核施設(クルチャトフ研究所、ミニアトム傘下施設など)が相互に訪問し、核物質管理の実態、物理防護設備、計量管理手順を直接確認し合うことで、協力の信頼基盤を形成した。これらの訪問は、後の Lab‑to‑Lab 協力および大規模 MPC&A プログラムの正式立ち上げに不可欠な“相互理解・透明性向上”の役割を果たした。(DOE)
US-RUSSIAN LABORATORY-TO-LABORATORY COOPERATION IN NUCLEAR MATERIALS PROTECTION, CONTROL, AND ACCOUNTING Ronald Augustson, Rebecca Horton, Walter Kato, Wayne Ruhter, Mark Mullen, Clyde Layne, Leslie Fishbone, Robert Sorenson, Kate Baur
米露研究所間(Lab‑to‑Lab)協力による核物質防護・管理・計量(MPC&A)強化
― 初期協力プロジェクトの成果と枠組み
(*)米露研究所間(Lab‑to‑Lab)協力の枠組みの下、ロシア核施設における核物質防護・管理・計量(MPC&A)を強化するための初期プロジェクト群の進捗と成果を総括した報告である。物理防護(PP)、アクセス制御、監視システム、核物質計量点の整備、計測機器の近代化、データ管理の電子化など、多分野の改善を米露技術者が共同で実施した。政府間協定より迅速で柔軟な“Lab‑to‑Lab モデル”が、冷戦後の核物質防護協力の実効的アプローチとして機能することを示し、後の大規模 MPC&A プログラムの基盤を形成した。(LANL, BNL, KKC KI)
US/RUSSIAN LABORATORY-TO-LABORATORY MPC&AAT THE RRC KURCHATOV INSTITUTE Ronald Augustson, James D. Williams, Wayne Ruhter, Bruce Erkkila, Susan Voss, Vladimir Sukhoruchkin, Edward A.Kern, Leslie Fishbone, Robert Sorenson, James Griggs, N.D. Bondarev, Larry Predika, Jack Blasy, Greg Davis, Barry Siskind
米露研究所間(Lab‑to‑Lab)協力による RRC クルチャトフ研究所での MPC&A 強化
― 初期プロジェクトの実施と成果
(*)米露間の Lab‑to‑Lab 協力として、RRC クルチャトフ研究所における核物質防護・管理・会計(MPC&A)強化のための初期プロジェクトの成果と実装状況を報告したものである。物理防護(PP)、核物質計量(MC&A)、アクセス制御、監視システム、計測機器の近代化など、複数分野の技術支援を統合し、実施設での改善を段階的に実施した。米露双方の研究所が共同で設計・試験・導入を行う“Lab‑to‑Lab モデル”の有効性を示し、後の大規模 MPC&A プログラムの基盤を形成した。(LANL, SNL, RRC Kurchatov Institute
)
USE OF THEE. T. BROOKS ‘MULTI-LOK’ FOR MATERIAL SAFEGUARDS AT THE Y-12 PLANT Cathy D. Key
E. T. Brooks 社 “Multi‑Lok” の Y‑12 プラントにおける核物質保障措置への適用
― 高セキュリティ封印の運用評価
(*)Y‑12 プラントにおける核物質管理(MC&A)と物理防護の双方を強化するため、E. T. Brooks 社の“Multi‑Lok”封印システムを導入し、その運用性・信頼性・改ざん耐性を評価した報告である。Multi‑Lok は、複数のロック機構と一体型シールを組み合わせた高セキュリティ封印で、核物質容器・保管エリア・輸送キャニスタの封印に適用可能である。Y‑12 の実運用データに基づき、封印の装着性、検認手順、破壊・改ざん検知能力、記録管理との統合性を分析し、保障措置要求を満たすことを確認している。(Oak Ridge Y‑12 Plant(Lockheed Martin Energy Systems))
USE OF WHOLE TANK WEIGHING TO ACCOUNT FOR PLUTONIUM IN THE THERMAL OXIDE REPROCESSING PLANT AT SELLAFIELD Christopher Phillips, Fiona McLean
全タンク重量測定によるプルトニウム計量
― セラフィールド THORP における適用と性能評価
(*)THORP(Thermal Oxide Reprocessing Plant)におけるプルトニウム計量の一環として、溶解槽・アカウンタビリティタンクを“全体重量測定(whole‑tank weighing)”により直接計量する手法の実装と性能評価を示した研究である。タンクの質量変化を高精度ロードセルで連続測定し、密度・体積推定に依存しないプルトニウム量算定を可能にすることで、計量誤差(MUF)低減に寄与する。運転条件変動・温度影響・機械的ドリフトなどの誤差要因を解析し、保障措置要求を満たすための校正・補正プロトコルを提示している。(BNFL)
VERSATILE NEUTRON NDA A. DeVolpi
多用途中性子 NDA
ースイッチ可能放射性中性子源による非破壊分析の高度化概念<スイッチ可能放射性中性子源:遠隔で オン/オフ制御可能、パルス照射が可能、Li(α,n) または Be(α,n) 反応を利用、出力は 10⁴/s ~ 10⁸/s の範囲、
→ 従来の Am–Be など“常時放射”型中性子源の欠点(遮蔽・安全性・柔軟性)を克服する革新的概念。>
(*)核物質管理・MC&A におけるバルク試料の非破壊分析(NDA)の高度化を目的に、単一で制御可能な中性子源による“多用途(versatile)NDA”の概念を提示した研究である。Argonne が DOE 支援で開発中の「スイッチ可能放射性中性子源(SRNS)」を中心に、オン/オフ制御・パルス化・スペクトル選択性など、従来源にない機能を備えた新しい中性子源の可能性を示す。SRNS により、速中性子/熱中性子の交互照射、遅発中性子の初期秒計測、高バックグラウンド環境での測定、異種材料の検査など、保障措置上の主要課題に対する性能向上が期待される。(ANL)
VXlbus DATA COLLECTION SYSTEM – A DESIGN STUDY M. Swinhoe, W. Lewis, R. Arlt, B. Richter, U. Hacker
VXIbus データ収集システム ― 設計研究
ー保障措置用統合監視に向けた高信頼データ収集アーキテクチャの検討
(*)VXIbus 規格を核物質管理(保障措置)用計測機器の統合プラットフォームとして評価し、無人・長期運転に耐えるデータ収集システムの要求分析を行った研究である。高信頼性・堅牢性を最優先し、OS 選定、開発ツール、統合環境などソフトウェア実装基盤の選択肢を体系的に比較検討している。高速タイマ/カウンタ用途を例に、VXIbus ベースの高データレート収集システムの設計原理・アーキテクチャを提示し、統合保障措置監視に必要な基本・高度設計原則を示している。(EURATOM)
WASTE CHARACTERIZATION ACTIVITIES AT THE LAWRENCE LIVERMORE NATIONAL LABORATORY G. Patrick Roberson, Jerry J. Haskins
ローレンス・リバモア国立研究所における廃棄物特性評価活動
― LLNL における放射性廃棄物の分類・分析・測定・データ管理の体系化と規制適合性確保
(*)LLNL における放射性廃棄物の特性評価(waste characterization)活動を総括し、廃棄物の分類、核種分析、NDA/DA 測定、記録管理、規制適合性の確保を体系的に示した論文である。RCRA、CERCLA、DOE Order 5820.2A などの規制要求に対応するため、廃棄物の起源情報、化学特性、放射能レベル、核種組成を正確に把握し、処理・貯蔵・輸送の各段階での適正管理が強調されている。本研究は、LLNL の廃棄物管理プログラムの近代化を支える基盤であり、後の DOE 諸施設における廃棄物特性評価標準化のモデルとなった。(LLNL)
Y-12 PLANT NUCLEAR MATERIALS MANAGEMENT & STORAGE PROGRAM Shirley O. Cox
End(12) Y‑12 プラントにおける核物質管理・保管プログラム
― 在庫管理・保管庫近代化・MC&A 自動化・安全基準整備を統合した核物質管理プログラムの体系化
(*)Y‑12 プラントにおける核物質管理(MC&A)および保管プログラムの現状と改善計画を総括し、在庫管理、保管庫近代化、データ管理、封印・監視の統合的運用を示した論文である。1990 年代の DOE 改革に対応し、在庫記録の信頼性向上、保管庫の安全基準整備、核物質移動の追跡性向上、MC&A 自動化の導入などが重点的に進められていることが示されている。本研究は、Y‑12 の核物質管理を DOE 全体の標準に整合させる取り組みであり、後の核物質保管近代化計画(Material Storage Modernization Program)の基盤となった。(Oak Ridge Y‑12 Plant / Martin Marietta Energy Systems, Inc. )

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