INMM米国年次大会論文集(2009年)
メンター部会の活動の一環としてINMM米国年次大会におけるProceedingタイトルリスト(日本語訳付き)の2009年分を作成しました。
タイトル、著者のほかに、タイトルだけではよくわからない専門用語や略号を日本語で補足した備考欄(訳注、補足・コメントなど)を付加しましたので有効活用いただければ幸いです。
| Sub-Volume End-marker | Title/タイトル | Authors | 備考 2009(訳注、補足・コメントなど) |
| Future Challenges and DOE/NNSA-JAEA Cooperation for the Development of Advanced Safeguards | Rebecca Stevens, John McClelland-Kerr, Masao Senzaki, M. Hori | ||
| 先進保障措置開発における将来の課題とDOE/NNSA-JAEA協力 | |||
| 10 YEARS AND 20,000 SOURCES: THE OFFSITE SOURCE RECOVERY PROJECT | Cristy L. Abeyta, Jim Matzke, Julia Whitworth, Michael W. Pearson, J. A. Tompkins | ||
| 10年で2万個の放射線源回収:オフサイト放射線源回収プロジェクトの歩み ― GTRIによる不要放射線源の回収と核セキュリティ強化の実践 | (*)米国エネルギー省のグローバル脅威削減イニシアティブ(GTRI)の一環として、オフサイト放射線源回収プロジェクト(OSRP)は10年間で20,000個の不要な密封放射線源を回収した。当初は廃棄物管理活動として開始されたが、2001年以降、国家安全保障上の脅威として認識され、NNSAに移管され、GTCC廃棄物や高線量β・γ線源、外国保有源も対象に含めるよう拡大した。CRCPDとの協力や「Search and Secure」プロジェクトへの参画など活動を広げつつ、今後の課題と展望についても論じている。 | ||
| 230Th-234U MODEL-AGES OF SOME URANIUM STANDARD REFERENCE MATERIALS | Ross W. Williams, Ross W. Williams, Amy M. Gaffney, Amy M. Gaffney, Ian D. Hutcheon, Ian D. Hutcheon, Michael J. Krista, Michael J. Krista | ||
| ウラン標準試料における230Th-234Uモデル年代の評価 ― 核鑑識・保障措置に向けた起源推定の信頼性向上と同位体比測定技術 | (*)230Th-234U年代測定法を用いて、米国国家標準局(現NIST)で作成され、現在NBLが配布するウラン標準試料(U3O8形態)のモデル年代を評価し、核鑑識や保障措置における起源推定の信頼性を高めることを目的とする。閉鎖系挙動を仮定し、既知の精製・製造日を持つ標準試料に対し、同位体希釈法と多重コレクターICP-MSを用いて230Thと234Uの比を測定し、モデル年代を算出した。得られたモデル年代は既知の製造履歴と整合し、これら標準試料が核鑑識における年代測定の基準材料として有用であることを示した。 | ||
| 3D LASER-BASED SYSTEM FOR DESIGN INFORMATION VERIFICATION | Gunnar Bostrom, Joao G. M. Gon alves, Vitor Sequeira | ||
| 設計情報検認に向けた3Dレーザーベースシステムの開発 ― IAEA保障措置における施設構造の高精度モデル化と変更検出技術 | (*)国際保障措置における設計情報検認(DIV)の重要性が増す中、欧州委員会JRCは新しい原子力施設の複雑な構造を効率的に検証するため、3Dレーザーベースのシステムを開発した。市販のレーザー距離スキャナーで施設の3次元座標を取得し、JRC独自のソフトウェアで正確な3Dモデルを生成、変更検出やデータ認証を自動化する仕組みを備えている。このシステムはIAEAで既に利用されており、検認作業の効率化と信頼性向上に寄与している。 | ||
| A COMPARISON OF THE ADDITIONAL PROTOCOLS OF THE FIVE NUCLEAR WEAPON STATES AND THE ENSUING SAFEGUARDS BENEFITS TO INTERNATIONAL NONPROLIFERATION EFFORTS | Brian Boyer, Eva Uribe, Marisa N. Sandoval | ||
| 5核兵器国の追加議定書の比較 ― 国際核不拡散努力における保障措置強化の効果と課題 | (*)2009年1月、米国が追加議定書(AP)を発効したことで、NPTに加盟する5つの核兵器国(NWS)はすべてIAEAとの追加議定書を締結・発効済みとなった。本論文は、これら5国のAPを比較し、国際的な核不拡散努力への貢献を評価する。各国のAPにおける強みと弱み、義務の範囲、民生用原子力施設へのアクセスや補完的アクセス(Complementary Access)の実施負担を分析。APは透明性を高め、保障措置の有効性を強化する一方、NWSに追加的な負担を課すことから、今後の制度運用におけるバランスが重要であると指摘。 | ||
| A Concept for a World-wide System of Identification of UF6 Cylinders | Peter Friend, Dunbar Lockwood, Davis Hurt | ||
| UF₆シリンダーの世界的識別システム構想 ― 国際標準化による輸送・在庫管理と保障措置検認の効率化 | (*)UF₆(六フッ化ウラン)シリンダーは世界中の燃料サイクル施設で使用されており、年間約50,000トンの輸送が行われるが、現行の識別番号は小さく読みづらく、施設ごとに異なる番号体系が使われているため、追跡や検認が非効率である。国際的に統一された番号付与方式と、近代的な記録・自動読み取り技術(バーコードや電子タグなど)を導入することで、輸送・在庫管理・核物質計量管理を効率化し、保障措置検認の信頼性を向上させる。国際機関や国家当局による独立した検認が容易になり、申告輸送と受領の照合、在庫確認、未申告シリンダーの検出が迅速かつ確実になる。 | ||
| A Dedicated Detector for the Verification of Highly Enriched Uranium in Naval Reactors | Alexander Glaser, Ferenc Dalnoki-Veress | ||
| 海軍原子炉における高濃縮ウラン検証専用検出器 | |||
| A FEASIBILITY STUDY OF CODED-APERTURE IMAGING AND 3D-DIV FOR NUCLEAR MATERIALS ACCOUNTANCY IN ENRICHMENT PLANTS | Steven E. Smith, Alexander A. Solodov, Jason Hayward, Klaus-Peter Ziock, Najeb Abdul Jabbar | ||
| 濃縮施設における核物質計量管理に向けた符号化開口イメージングと3D-DIVの実現可能性評価 ― ガンマ線画像解析とレーザー計測による未申告物質検出の高度化 | (*)濃縮施設における核物質計量管理を強化するため、ガンマ線イメージング技術(符号化開口法)と3Dレーザーによる設計情報検認(DIV)を組み合わせた手法の実現可能性を評価。Oak Ridge国立研究所の保障措置ラボで、符号化開口イメージャの試作機を用い、ウラン標準試料を対象に測定。約4mの距離で1時間の積分により、ウランの位置と形状を良好な精度で推定できることを確認。ガンマ線イメージングと3D-DIVの統合により、未申告の核物質検出や施設内部のホールドアップ評価が可能となり、IAEA保障措置の効率化に寄与する。 | ||
| A GIS-Based Methodology Using Wind Speed, Frequency and Direction to Model Airborne Material Transport for Selection of Nuclear Materials Transportation Routes | Kathleen M. Trauth, Yingkui Li, Yingkui Li, James S. Cole, T. R. Marrero | ||
| 核物質輸送ルート選定に向けたGISベース手法 ― 風速・風向・頻度を考慮した空気中拡散モデルによるリスク評価 | (*)GIS(地理情報システム)を用いて、風速・風向・頻度データを組み込み、核物質輸送時の事故による空気中拡散をモデル化し、輸送ルート選定に反映する手法を開発。風配図を利用し、16方向の風向に基づくプルーム(拡散雲)を座標変換して統一的に評価し、風向頻度に応じた重み付けを行うことで、事故時の影響範囲を確率的に算出。人口分布と組み合わせたリスク評価により、輸送ルート間の比較が可能となり、より安全な経路選定を支援する高度な分析手法を提示。 | ||
| A NATIONAL TRACKING CENTER FOR MONITORING SHIPMENTS OF HEU, MOX, AND SPENT NUCLEAR FUEL | M. Schanfein, Philip C. Durst | ||
| HEU・MOX・使用済燃料輸送監視のための国立追跡センター構想 ― GPSリアルタイム追跡による核セキュリティと国際展開への道筋 | (*)HEU、MOX、使用済燃料などの「直接利用可能な核物質」は、転用や不正利用のリスクが高く、輸送中のセキュリティ確保が重要。米国DOEとNNSAは、GPSを用いたリアルタイム追跡技術を開発し、国家レベルで統合管理する仕組みを提案。輸送追跡デバイスを活用し、米国内での核物質輸送を一元的に監視する「国立追跡センター」を設置。将来的にはIAEAを拠点とする国際追跡センターのプロトタイプとなる構想。このセンターは、数千体の使用済燃料集合体を地域中間貯蔵施設や国家貯蔵庫へ輸送する際の必須要件となり、保障措置・核セキュリティの信頼性を大幅に向上させる。 | ||
| A NEW APPROACH TO ESTIMATE ISOTOPIC RATIOS IN NUCLEAR AND RADIOLOGICAL MATERIALS FROM NUCLEAR SPECTROMETRIC MEASUREMENTS WITH COUNT RATES CLOSE TO BACKGROUND | Martin Steiner, Matthias Zaehringer, Andrey Berlizov, Gerald Kirchner | ||
| バックグラウンド近傍の核分光測定から核・放射性物質の同位体比を推定する新手法 ― ベイズ統計による低カウント率条件下での定量解析と核鑑識への応用 | (*)核鑑識や放射線防護では、核・放射性物質の同位体比を正確に推定することが重要だが、対象核種のガンマ線強度が低い場合、従来法では検出限界にとどまり、起源推定が困難になる。ベイズ統計を用いて、測定値と事前情報を統合し、低カウント率やバックグラウンドに近い条件でも同位体比の定量的推定を可能にする新しい解析アプローチを提示。遮蔽されたウラン源、ポロニウムの空気フィルタ測定(リトビネンコ事件)、CTBT検証におけるラジオキセノン測定などで有効性を実証。 | ||
| A New Software Application for Hybrid K-Edge Densitometry | S. Philips, R. D. McElroy, M. F. Villani, S. Croft, R. Venkataraman, H. Zhu, J. Lamontagne | ||
| ハイブリッドKエッジ密度測定のための新たなソフトウェアアプリケーション | |||
| A NEXT GENERATION SAFEGUARDS INITIATIVE: OUTLINE OF INTERNATIONAL COOPERATION | Dunbar Lockwood, Mark Goodman, John Mcclelland-Kerr, Stephen LaMontagne, Donald T. Reed, Adam Scheinman, Kasia Mendelsohn | ||
| 次世代保障措置イニシアチブ:国際協力の概要 | |||
| A NONPROLIFERATION IMPACT ASSESSMENT OF THE GNEP ALTERNATIVES | Mark Goodman, James K. Sprinkle | ||
| GNEP代替案に対する核不拡散影響評価 ― 政策・技術指標に基づく燃料サイクル選択肢のリスク分析 | (*)米国DOEは、GNEP(Global Nuclear Energy Partnership)の代替燃料サイクル案について、核不拡散への影響を評価する「非拡散影響評価(NPIA)」を実施。これは、環境影響評価(PEIS)と並行して、政策・技術両面からリスクを分析するもの。政策面では、濃縮・再処理技術の拡散抑止、分離プルトニウム在庫の最小化、拡散抵抗性技術の促進、国際保障措置の強化を指標に評価。技術面では、PR/PP(Proliferation Resistance/Physical Protection)手法を用い、核物質の魅力度や保障措置適用の難易度を分析。再処理による燃料リサイクルは、包括的燃料サービス提供で拡散抑止に寄与する可能性がある一方、分離物質の存在が現行のワンススルー方式よりリスクを増加させる側面も指摘。 | ||
| A REVIEW OF COMPUTATIONAL TOOLS FOR NUCLEAR APPLICATIONS AVAILABLE FROM THE RADIATION SAFETY INFORMATION COMPUTATIONAL CENTER (RSICC) | B. L. Kirk | ||
| 放射線安全情報計算センター(RSICC)から利用可能な原子力応用向け計算ツールの概要 | |||
| A SELECTION OF RECENT ACHIEVEMENTS AND FUTURE CHALLENGES IN SAFEGUARDS R&D AS IDENTIFIED BY THE EUROPEAN SAFEGUARDS RESEARCH AND DEVELOPMENT ASSOCIATION | G. Janssens-Maenhout, L.-V. Bril, Arnold Rezniczek, K. Mayer, B. Richter, Maurizio Boella,G. Stein, Bruno Autrusson, Willem Janssens, Michel Richard, P. Peerani, Rudolf Weh, Joao G.M. Gon alves, Elina Martikka, Filippo Sevini | ||
| 欧州保障措置研究開発協会が示す保障措置研究開発の最近の成果と今後の課題 ― 非破壊分析・封じ込め監視・統合保障措置における技術革新と人材育成の展望 | (*)ESARDA(欧州保障措置研究開発協会)は設立40周年を迎え、非破壊分析・破壊分析・封じ込め監視・検認技術など9つのワーキンググループを通じて保障措置R&Dを推進してきた。最近の成果として、検認技術の高度化、統合保障措置の実装、核物質計量管理の改善、知識管理・人材育成の強化が挙げられる。今後の課題は、新技術の導入、国際的な実装経験の共有、将来の保障措置シナリオに対応するための研究開発の継続である。 | ||
| A Self Assessment of the Material Control and Accountability Implementation Function by National Nuclear Security Administration Headquarters (NNSA HQ) Program | Srini Venkatesh, Cathy Key | ||
| NNSA本部による核物質管理・計量管理(MC&A)実施機能の自己評価 ― プログラム運用の有効性検証と改善提案に基づく組織的強化モデル | (*)NNSA本部(HQ)は、防衛核セキュリティ(NA-70)における核物質管理・計量管理(MC&A)プログラムの実施機能について自己評価を実施した。評価は、プログラムマネージャーの責務、評価のための調査項目、サイト事務所やM&O契約者へのインタビューを通じて行われ、要件を満たし積極的な改善活動が確認された。重大な不適合はなく、改善提案が複数得られ、優先度に応じて実施することでプログラムの効率性・有効性がさらに向上すると結論づけられた。 | ||
| A SYSTEMS ENGINEERING PROCESS FOR SAFEGUARDS DESIGN | Benjamin B. Cipiti, Felicia A. Duran | ||
| 保障措置設計に向けたシステム工学プロセス ― DEPO手法を基盤とした検知・遅延・対応機能の統合と燃料サイクル施設への適用 | (*)新しい燃料サイクル施設の設計において、保障措置要件を効率的かつ低コストで満たすため、システム工学に基づく保障措置設計プロセスが提案されている。このプロセスは、目標・要件の定義 → システム設計 → 評価 → 最適化という段階を踏み、非破壊測定、プロセス監視、モデリングなどの技術を統合する。物理的防護で用いられるDEPO(Design and Evaluation Process Outline)をモデルに、検知・遅延・対応の概念を保障措置に適用し、将来的な保障措置と物理的防護の統合を視野に入れている。 | ||
| A SYSTEMS-BASED APPROACH TO INSIDER SECURITY | David Duggan, Felicia A. Duran, Patrick Hester | ||
| 内部脅威対策に向けたシステムベースのアプローチ ― 物理的防護・サイバーセキュリティ・人事管理を統合した包括的セキュリティ設計プロセス | (*)内部脅威(malicious insiders)は、組織にとって最も深刻なセキュリティリスクであり、現行の防護策は高コスト・断片的で、統合的な有効性に欠ける。本研究は、システム工学的視点で組織全体を一つのシステムとして捉え、物理的防護・サイバーセキュリティ・人事管理・情報保護などを統合した包括的なアプローチを提案する。目的は、設計・評価・運用に適用可能なプロセスとツールを開発し、内部脅威に強いセキュリティシステムを構築することである。 | ||
| A Total Risk Assessment Methodology for Security Assessment | Gregory D. Wyss, Daniel Pless, Ronald Rhea, Consuelo Silva, Paul Kaplan, Richard Auilar, Stephen Conrad | ||
| End(1) | セキュリティ評価に向けた総合リスク評価手法 ― 脅威・脆弱性・結果の相互依存性を考慮したシナリオ分析と費用対効果に基づく緩和策の提示 | (*)Sandia国立研究所は、脅威・脆弱性・結果の相互依存性を考慮した新しい「総合リスク評価手法」を開発し、従来の単純な積算モデル(R = T × V × C)を超える包括的な評価を目指した。この手法は、リスク識別 → シナリオ精緻化 → リスク順位付け → 脅威連鎖の緩和分析 → 残余リスク評価という5段階で構成され、複数分野の専門家による協働評価を重視する。特徴は、攻撃シナリオの達成可能性・魅力度・社会的影響を定量的に比較し、意思決定者にとって費用対効果の高い緩和策を提示する点にある。 | |
| ABACC and JRC Cooperation on 3D Laser Range Finder (3DLR) for Design Information Verification | Orpet J. M. Peixoto, Silvio Gon alves de Almeida, Joao G. M. Goncalves, Vitor Sequeira | ||
| 設計情報検証のための3Dレーザー距離計(3DLR)に関するABACCとJRCの協力 | |||
| Accounting and Control of Radioactive Substances and Waste: Application of Neogeography Principles | Sergey U. Gevorkov, Vladimir A. Agamalyan | ||
| 放射性物質および放射性廃棄物の計量管理と統制 ― ネオ地理学原則の応用による位置情報統合と追跡
<ネオ地理学:従来の専門的な地理情報システム(GIS)に対し、Web技術やクラウドサービス、GPS、モバイル端末などを活用して、地理情報を誰でも容易に作成・共有・利用できるようにする概念> |
(*)本論文は、放射性物質(RS)および放射性廃棄物(RW)の管理・計量管理(MC&A)システムに、ネオ地理学(Neogeography)原則を適用する方法を提案している。地理座標を基盤とした統合情報プラットフォームを構築し、RS・RWの移動や貯蔵状況、緊急時対応を視覚的に追跡できる仕組みを説明している。技術的側面として、セキュリティ要件やアクセス制御を考慮したシステム設計の特徴を示し、情報統合と分析機能の強化を目指している。 | ||
| ACCREDITED STANDARDS COMMITTEE N15 DEVELOPMENTS AND FUTURE DIRECTIONS | Melanie P. May, C. Mathews, Lynn Preston | ||
| 認定標準委員会N15の進展と今後の方向性 ― 核燃料サイクルにおける特殊核物質管理標準の策定と展望 | (*)本論文は、INMMがスポンサーとなる認定標準委員会N15の役割と、核燃料サイクル全体における特殊核物質の保護・統制・計量管理に関する標準開発プロセスを解説している。ANSI認定、利害関係者間のバランス維持、他標準化機関との調整、定期監査など、標準策定における主要要件を示している。原子力発電の再成長を見据えた今後の方向性として、新規標準の策定や既存標準の改訂方針を提示している。 | ||
| Achievements in Testing of the MGA and FRAM Isotopic Software Codes under the DOE/NNSA-IRSN Cooperation on Gamma-Ray Isotopic Measurement Systems | Due T. Vo, Tzu-Fang Wang, Pierre Funk, Anne-Laure Weber, Nicolas Pepin | ||
| DOE/NNSAとIRSNの協力によるガンマ線同位体測定システムにおけるMGAおよびFRAMソフトウェアコードの試験成果 ― ウラン・プルトニウム同位体分析の停止基準評価
<「停止基準」:ガンマ線同位体測定では、スペクトル取得を一定時間続けると、統計的精度が向上する一方で、過剰な測定は効率を損なう。そのため、停止基準(Stop Criteria)とは、測定を終了する条件を定義するものであり、以下の要素を含むことが多い:統計的精度の達成:同位体比の不確かさが設定値以下になった時点で停止。カウント率の安定性:ピーク領域のカウントが十分に収束した場合に停止。時間制限:最大測定時間を超えた場合に強制停止。> |
(*)本論文は、DOE/NNSAとIRSNの協力の下、ガンマ線同位体測定システムにおけるMGAおよびFRAMソフトウェアコードの性能試験を実施した成果を報告している。試験は、ウランおよびプルトニウムの同位体組成測定におけるソフトウェアとハードウェアの不一致を解消する目的で行われ、IRSNが開発した停止基準ソフトウェアを用いて評価した。結果として、両コードにおいてデータ取得停止条件に関する複数の異常挙動が確認され、改善の必要性が示唆された。本論文では、MGAやFRAMのコードがこの停止基準をどのように扱うかを評価し、異常挙動(例えば、基準達成前に停止、または過剰測定)が確認されたことを報告している。 | ||
| ACTIVE NEUTRON COINCIDENCE COUNTING USING A NEUTRON GENERATOR FOR A FISSILE MATERIAL ACCOUNTING | Tae-Hoon Lee, Hee-Sung Shin, Ho Dong Kim, Seong-Kyu Ahn | ||
| 核分裂性物質計量のための中性子発生器を用いたアクティブ中性子同時計数法 | |||
| Active Security Operating Doctrine at the NNSA Office of Secure Transportation | James Thomas | ||
| NNSA安全輸送局におけるアクティブセキュリティ運用ドクトリン ― 脅威予測と事前阻止を重視した情報主導型輸送防護 | (*)本論文は、NNSAの安全輸送局(OST)が核兵器や特殊核物質の輸送において採用した新しい「アクティブセキュリティ」運用ドクトリンの概要を示している。このドクトリンは、従来の受動的防御から脱却し、脅威を事前に予測・阻止することを重視し、抑止・妨害・検知・防御・奪還・回復の全段階にわたる積極的な安全対策を統合している。情報主導型の組織運営と訓練体系を通じ、脅威分析に基づく戦術的対応力を強化し、攻撃発生前の阻止を目的とした能力開発を進めている。 | ||
| ADVANCED INVESTIGATIONS TO EVALUATE SPENT FUEL CASK SAFETY FOR EXTENDED STORAGE PERIODS | Holger Volzke, Holger Volzke, Dietmar Wolff, Dietmar Wolff, Ulrich Probst | ||
| 長期貯蔵期間における使用済み燃料キャスクの安全性評価のための先進的調査 | |||
| Advanced Safeguards and Proliferation Resistance of the Future Nuclear Fuel Cycle Systems | Yusuke Kuno, Naoko Inoue, Masao Senzaki | ||
| 将来の核燃料サイクルシステムにおける先進的保障措置と核拡散抵抗性 | |||
| Advanced Safeguards Technology Demonstration at Pacific Northwest National Laboratory | C. R. Orton, J. M. Schwantes, S. Bryan, T. Levitskaia, M. Douglas, C. Fraga, M. Liezers, S. Peper, R. N. Christensen, Leah M. Arrigo | ||
| パシフィック・ノースウエスト国立研究所における先進的保障措置技術の実証 | |||
| ADVANCED TECHNOLOGIES FOR DESIGN INFORMATION VERIFICATION | Michael L. Watkins, Joseph L. Rose | ||
| 設計情報検認に向けた先進技術 ― 非破壊検査による構造部材の幾何形状・材質確認 | (*)本論文は、原子力施設の設計情報検認において、直接目視できない構造部材の幾何形状や材質を非破壊で確認するための先進技術を紹介している。提案技術には、レーダーイメージング、瞬間熱画像法、誘導弾性波によるガイド波検査などが含まれ、それぞれの原理、利点、制約を比較している。これらの技術は、検査モデルの妥当性確保やアクセス制限下での適用性を考慮し、設計情報検認の信頼性向上に寄与することを目的としている。 | ||
| Advancing the Development and Usage of the Y-12 National Security Complex Nuclear Material Inventory Assessment | Jennife Vanover, Pat Hart | ||
| Y-12国家安全保障複合施設核物質インベントリー評価の開発と利用の推進 | |||
| Alternative Materials to Cadmium for Neutron Absorbers in Safeguards Applications | W. Geist, James West, Corey Freeman | ||
| 保障措置用途における中性子吸収材としてのカドミウム代替材料 ― アルミニウム・ホウ素合金およびホウ化ホウ素セラミックの性能評価 | (*)本論文は、保障措置用途における中性子吸収材として、カドミウムの代替材料を検討し、アルミニウム・ホウ素合金とホウ化ホウ素(B₄C)セラミックの性能評価を行っている。実験では、これらの材料の中性子遮蔽能力をカドミウム板(0.6mmおよび1.6mm厚)と比較し、ホウ化ホウ素が最も優れ、アルミニウム・ホウ素合金も一定の性能を示した。MCNPXコードによる解析では、約0.17mmのホウ化ホウ素が0.6mmのカドミウムに相当することが示され、ただし加工性や厚みの制約などの課題も指摘されている。 | ||
| AN ACADEMY FOR PREPARING AMERICAN SAFEGUARDS INSPECTORS FOR THE IAEA | Philip Casey Durst | ||
| IAEA検認業務に向けた米国保障措置検査官養成アカデミー ― 次世代人材育成と産業連携による実践的訓練 | (*)本論文は、IAEA保障措置検認業務に従事する米国人検査官の減少に対応するため、米国で専門的訓練を行う「アメリカ保障措置アカデミー」設立の構想を提示している。このアカデミーは、大学院生、DOE国立研究所の研修生、核保障措置専門家を対象に、IAEAで使用される最新の機器・手法・アプローチを教育し、実施設見学や産業界との連携を含む実践的訓練を提供する。目的は、米国人のIAEA採用率向上と、国内の保障措置・核不拡散専門家の能力強化を図り、次世代保障措置イニシアティブ(NGSI)を支援することである。 | ||
| An Analysis of International Nuclear Institutions’ Effect On Nuclear Activities in the Mideast | Michael J. Finnegan | ||
| 中東における核活動への国際核機関の影響分析 ― IAEAの役割と規制力の限界 | (*)本論文は、国際原子力機関(IAEA)などの国際核機関が中東地域の核活動に与える影響を分析し、今後24か月間において実効的な規制役割を果たす可能性は低いと結論している。その理由として、IAEAが規制機関ではなく情報機関であること、過去の事例における権限不足、制裁の効果の低さ、国際条約や組織の非効率性を挙げている。本分析は、国際的な多国間アプローチを検討する一方で、単独外交や不介入といった代替策には焦点を当てていない。 | ||
| AN ASSESSMENT OF THE ATTRACTIVENESS OF MATERIAL ASSOCIATED WITH A MOX FUEL CYCLE FROM A SAFEGUARDS PERSPECTIVE | Brian W. Smith, Richard Wallace, M. William Johnson, Matrin Robel, Gordon D. Jarvinen, Charles G. Bathke, Bartley B. Ebbinghaus, Brian Collins, Keith S. Bradley | ||
| 保障措置の観点から見たMOX燃料サイクル関連物質の魅力度評価 ― 転用・盗取リスクと国際保護水準の検討 | (*)本論文は、MOX燃料サイクルに関連する核物質の「魅力度」を評価し、国家および非国家主体による転用や盗取の観点から保障措置上のリスクを分析している。評価には、DOEの指標に基づく「魅力度レベル」と、質量・発熱・線量率を組み合わせた評価指標(FOM)を用い、再処理・リサイクルを含む複数回燃焼後のプルトニウムも対象としている。結論として、MOX燃料サイクルにおけるすべての核分裂性物質は厳格な保障措置と高度な物理的防護を必要とし、国際的な保護水準を緩和できる「特効薬」は存在しないと示している。 | ||
| AN IDEAL MARRIAGE: PROJECTED VIRTUAL REALITY & NUMERICAL MODELS THAT KEEP IT REAL | K. Michel, B. Hayes, Joseph Montoya, M. Dunn, E. Elfman | ||
| 投影型バーチャルリアリティと数値モデルの理想的融合 ― 原子力施設設計・評価に向けた没入型シミュレーションの革新 | (*)本論文は、原子力施設の設計・評価・試験において、投影型バーチャルリアリティ(Projected VR)と高精度数値モデルを統合することで、没入型シミュレーションの現実性を飛躍的に高める手法を提案している。既存の信頼性ある数値モデルを3Dグラフィックスに組み込み、核物質やポータルモニターの挙動を仮想環境で再現し、設計検証や保障措置システムの評価に活用することを目的としている。この統合により、エンジニアの理解促進と一般市民への説明力向上が期待され、将来的には核施設の計画・安全評価・試験プロセスを革新する可能性がある。 | ||
| An Ion Emission Source for Portable Active Interrogation | Andrew Benwell, S. Kovaleski, John Gahl, E. Baxter, J. Kwon | ||
| 携帯型アクティブ照射に向けたイオン放出源の開発 ― 超小型中性子発生装置による核物質検出技術 | (*)本論文は、輸送コンテナ内の核物質検出を目的とした携帯型アクティブ照射システムの開発において、イオン放出源を利用した超小型中性子発生装置の設計と試験結果を報告している。システムは、電界脱離構造からデューテリウムイオンを放出し、加速して重水素化ターゲットに衝突させることでD+D→³He+n反応を誘発し、2.6 MeVの中性子を生成する。モリブデンやタングステン製の微細構造を用いたイオン放出アレイの設計・製造・性能比較を行い、携帯性と高効率を両立するための技術的課題を提示している。 | ||
| An open source based approach to predict nuclear proliferation decisions | Jun Li, Man-Sung Yim, David McNelis | ||
| 核拡散意思決定予測に向けたオープンソース情報活用手法 ― 経済・技術・政治要因を用いたイベント履歴モデル | (*)本論文は、公開情報(オープンソース)を用いて国家の核兵器開発に関する意思決定を予測する手法を提示している。経済状況、技術能力(核燃料サイクルの有無を含む)、政治的動機のデータを組み合わせ、Weibull分布およびCoxイベント履歴モデルによる予測モデルを構築している。1945年から2000年までの歴史的事例と比較した結果、核燃料サイクル能力を考慮することで「取得」段階の予測精度が向上し、潜在的な核拡散の警告に有用であることを示している。 | ||
| An Operational Approach to Scoring Radiation Detector Identification Results | Daniel J. Blumenthal, Leticia Pibida | ||
| 放射線検出器の識別結果に対する運用型スコアリング手法 ― 技術性能と誤警報影響を統合した評価アプローチ | (*)本論文は、携帯型放射線検出器の同位体識別性能を評価するため、技術的性能だけでなく運用上の要素を考慮した新しいスコアリング手法を提案している。従来の評価は誤警報や「誤答でも同じ対応を引き起こす」ケースを無視していたが、本手法は概念運用(CONOPS)に基づき、誤警報頻度や実運用での影響を統合している。実際の識別試験結果を用いて、技術的精度と運用上の有効性を同時に評価することで、最適な検出器選定を支援する枠組みを示している。 | ||
| An Overview of the 17th US-IAEA “State Systems of Accounting for and Control of Nuclear Materials” Course | Michael A. Flagg, J. David Robertson, John Gahl, Les Foyto | ||
| End(2) | 第17回米国・IAEA共同「核物質の計量管理に関する国家システム」コースの概要 | ||
| AN OVERVIEW OF THE GLOBAL THREAT REDUCTION INITIATIVE’S PHYSICAL PROTECTION WORK IN URUGUAY | Raymond Greenberg, Raymond Greenberg, Michael V. Strosinski, Michael V. Strosinski | ||
| ウルグアイにおける地球規模脅威削減イニシアチブ(GTRI)の物理的防護活動の概要 | |||
| Analysis of Field Measurements on UF6 Cylinders at a Commercial Enrichment Plant | J. Michael Whitaker, Brent McGinnis, Jim Morgan, Richard L. Mayer | ||
| 商業規模濃縮施設におけるUF6ボンベの現場測定の分析プラント | |||
| Analysis of High-Resolution SAR for Nuclear Safeguards | Q. S. Bob Truong, G. Parsons, J. MuIvie | ||
| 核保障措置に向けた高分解能合成開口レーダ(SAR)画像解析 ― 施設インフラ評価と変化検出技術の応用 | (*)カナダの保障措置支援プログラム(CSSP)がIAEAのために、高分解能合成開口レーダ(SAR)画像の保障措置利用を検討。TerraSAR-X、RADARSAT-2、COSMO-SkyMedの画像を用いて、施設インフラ解析や変化検出の事例を紹介。高分解能SARによる鉱山の変化検出や干渉SARによる標高モデル生成が、鉱石在庫量や地下核実験跡の監視に有効であることを示す。 | ||
| Analysis of Historical Delta Values for IAEA/LANL NDA Training Courses | Martyn T. Swinhoe, Peter Santi, Philip Hypes, W. Geist, Elisa Bonner | IAEA/LANL NDA研修コースのためのデルタ値の歴史的分析 | |
| IAEA/LANL非破壊分析トレーニングにおける過去の測定誤差の解析 ― 精度評価と訓練効果の検証 | (*)IAEAとLANLが実施する非破壊分析(NDA)トレーニングで、過去の演習データから「デルタ値」(測定値と真値の差)の傾向を分析。複数年にわたる履歴を統計的に評価し、測定精度や訓練効果の改善点を抽出。結果は、トレーニングカリキュラムの最適化やIAEA検認手法の信頼性向上に活用可能であることを示す。 | ||
| Analysis of Uranium Metal Samples from Germany’s World War II Nuclear Program – A Case between Science History and Nuclear Forensics – | K. A. Lutzenkirchen, M. Wallenius, S. Millet, J. Horta, K. Mayer, Z. Varga, A. Nicholl, G. Rasmussen, T. Wiss | ||
| ドイツの第二次世界大戦期原子力計画に由来するウラン金属試料の核鑑識分析 ― 科学史と起源確認の狭間にある事例 | (*)1998年、ドイツ・ガルミッシュ=パルテンキルヘンで第二次世界大戦期のウラン金属キューブ(約2.4kg)が発見され、その真偽確認のため核鑑識分析が実施された。ウランおよびストロンチウムの同位体比測定、不純物分析、最後の化学分離時期の推定などを行い、比較試料との照合で起源を特定。この調査は、科学史上の重要なエピソードを明らかにすると同時に、核鑑識技術の実践例として、起源帰属の手法を示した。結果:ウランキューブと金属板は天然同位体組成のウランであり、第二次世界大戦期に製造されたことが同位体比(230Th/234U)やストロンチウム比、希土類元素分析から確認されました。最終化学分離の時期は1940~1943年頃と推定され、起源はチェコ産ウラン鉱石である可能性が高いとされている。重要な結論:試料には236Uや239Puが痕跡レベルでしか検出されず、大きな中性子照射を受けた形跡はないため、ドイツの原子炉実験は臨界に達していなかったことが裏付けられました。真偽確認の結果は「本物であるが、兵器級の進展はなかった」という結論となった。 | ||
| ANALYTICAL INVERSE MODEL FOR THE POST-EVENT ATTRIBUTION OF PLUTONIUM | James Miller, William S. Charlton | ||
| 核事象後のプルトニウム起源特定に向けた解析的逆問題モデル ― 即製核爆発における同位体比データからの事前組成推定 | (*)核テロ抑止のため、核事象後に迅速に責任主体を特定することが重要であり、既存の手法は時間がかかる課題がある。本研究では、プルトニウムを用いた即製核爆発(IND)を対象に、事後の同位体比データから事前の核物質組成を推定する解析的逆問題モデルを提案。このモデルは計算効率が高く、50kT以下の事象で誤差2%以内を達成し、起源特定の初期推定に有効であることを示した。 | ||
| APPLICATION OF MSET METHOD FOR ASSESSING EFFECTIVENESS OF THE MATERIAL CONTROL & ACCOUNTING SYSTEM AT A NUCLEAR FACILITY | Robert Elwood, Bruce Jensen, Lev Neymotin, Charles Roche, Andrey S. Sviridov, Victor Erastov, I. Sazonov, A. A. Petrov, A. V. Stepashko, A. A. Voronkov | ||
| 核施設における核物質管理・計量管理システムの有効性評価に向けたMSET手法の適用 | (*)米国DOE/NNSAが開発したMSET(MC&A System Effectiveness Tool)は、核施設の核物質管理・計量管理(MC&A)システムの有効性を定量的に評価するための解析ツール。本研究では、米露協力の枠組みでMSETをロシアの核施設に適用する可能性を検討し、パイロット施設での技術演習を通じて適用性と必要な改良点を分析。MSETは、内部脅威への対応力を含め、MC&Aシステムの信頼性を高めるためのリソース配分や自己評価に有効であることが示された。 | ||
| APPLICATION OF PROCESS MONITORING TECHNIQUES FOR TRANSFER FACILITY SAFEGUARDS | J. Wesley Hines, James J. Henkel | ||
| 移送施設保障措置におけるプロセス監視技術の適用 | |||
| ARG-US – An RFID-Based Tracking and Monitoring System for Nuclear Material Packages* | Kun Chen, Yung Y. Liu, James M. Shuler | ||
| ARG-US – 核物質パッケージのためのRFID(無線周波数認識)ベースの追跡・監視システム* | |||
| AUSTRALIAN EXPERIENCE IN USING THE FILEMAKER RELATIONAL DATABASE MANAGEMENT SYSTEM COUPLED WITH OPEN SOURCE ACTIVESTATE PERL MODULES FOR ADVANCED NUCLEAR MATERIAL ACCOUNTANCY AND CONTROL REPORTING REQUIREMENTS | Michael Bridson | ||
| 高度な核物質管理・計量管理報告要件に向けたFileMakerリレーショナルデータベースとオープンソースPerlモジュールの統合利用 ― オーストラリアでの実践事例 | (*)高度な核物質管理・計量管理(NMACS)システムを構築する際、従来の高機能RDBMSはコストや複雑性が過大であるため、オーストラリアではFileMakerを基盤に採用。FileMakerのGUIと迅速な開発性を活かしつつ、ActiveState Perlモジュールを組み込み、ODBC経由でSQLクエリやExcel出力を自動化し、IAEA報告要件に対応。この統合アプローチにより、非プログラマーでも柔軟な帳票設計が可能となり、コスト効率と報告精度を両立するシステムを実現した。 | ||
| AUTONOMOUS ROBOTIC DETECTION OF RADIOISOTOPES BY HIGH PURITY GERMANIUM DETECTOR | Mark J. Harper, Martin E. Nelson, Kelly Delikat, Christina Jean Moore-Gotcher | ||
| 高純度ゲルマニウム検出器を用いた放射性同位体の自律型ロボット検出 | (*)高純度ゲルマニウム(HPGe)検出器をロボットに搭載し、ガンマ線スペクトロスコピーによる放射性同位体の自動検出を実現。ロボットは回転しながらORTECの同位体識別プログラムで算出されるQ値を解析し、MATLABでピーク方向を特定、複数方位から三角測量で位置を推定。複数の放射線源を同時に追跡でき、完全自律型ロボットによる室内探索・位置特定への発展可能性を示した。 | ||
| Background of U.S. Efforts to Dispose of Surplus Fissile Materials | Karyn Durbin, Kathia Niewiadomski, Dean Tousley | ||
| 米国における余剰核分裂性物質処分の背景 ― 歴史的経緯と方針の変遷 | (*)冷戦終結後、米国は核兵器備蓄を大幅に削減し、その結果、兵器級プルトニウムと高濃縮ウラン(HEU)が余剰となった。米国DOE/NNSAの「核分裂性物質処分室」は、余剰HEUと兵器級プルトニウムの処分を進めるとともに、ロシアの余剰プルトニウム処分も支援する役割を担う。本論文は、米国の余剰核分裂性物質処分の歴史的背景、検討された選択肢、そして処分方針の進化について概説する。 | ||
| Batch Mode Data Analysis at ORNL for Radiation Portal Monitoring | Christopher Blessinger, Ronald J. Livesay, Jason M. Crye, Tommy W. Adkins | ||
| ORNLにおける放射線ポータル監視のためのバッチモードデータ分析 | |||
| Behavior of 241Am in Fast Reactor Systems -A Safeguards Perspective | A. M. LaFleur, D. H. Beddingfield | ||
| 高速炉システムにおける241Amの挙動 ― 保障措置の観点からの評価 | (*)要旨(abstract)がオンラインで公開されていない。 | ||
| BN-350 Unattended Safeguards System Current Status and Initial Fuel Movement Data | Richard Williams, Peter Santi, M.C. Browne, Robert F. Parker, Maurizio Ingegneri | ||
| BN-350遠隔・無人保障措置システムの現状と初期燃料移動データ | (*)要旨(abstract)はオンライン非公開 | ||
| BORDER RADIOACTIVITY MONITORING UPGRADING PROJECT IN FINLAND | Tapani Honkamaa | ||
| フィンランド国境放射能監視システム高度化プロジェクト | |||
| CAN ULTRA-HIGH ENERGY RESOLUTION GAMMA-RAY SPECTROMETERS DIRECTLY DETECT FISSILE ISOTOPES IN SPENT NUCLEAR FUEL? | Owen B. Drury, Miguel Velazquez, Jonathan G. Dreyer, Stephan Friedrich, Andrea Robles Olson | ||
| 超高エネルギー分解能ガンマ線分光器による使用済燃料中の核分裂性同位体の直接検出は可能か?― 超伝導分光技術とMonte Carlo解析によるピーク分離性能の評価 | (*)超高エネルギー分解能の超伝導ガンマ線分光器は、従来の高純度ゲルマニウム検出器に比べて分解能を1桁向上させ、非破壊同位体分析でのピーク重なりを低減。Monte Carloシミュレーションにより、検出器・遮蔽・熱シンクにおけるコンプトン散乱の寄与を解析し、測定応答と一致することを確認。本研究は、使用済燃料中のプルトニウム放射線シグネチャを直接検出するための装置設計の方向性を示している。 | ||
| Can we control what we can’t count? The challenges involved in safeguarding closed fuel cycles which include electro-processing. | John Carlson, Russell Leslie | ||
| 計量できないものを管理できるのか? ― 電解再処理を含む閉じた燃料サイクルの保障措置における課題 | (*)核燃料サイクルを閉じることで、兵器級プルトニウムや高濃縮ウランの輸送を最小化し、物理的防護上のリスクを低減できる。電解再処理を含む統合型施設は、完全分離プルトニウムを排除することで核不拡散上の利点を持つが、保障措置上は定量的測定が困難という課題を伴う。IAEAが在庫の連続性を失った場合、現行精度での再検証が難しく、閉じた燃料サイクルにおける保障措置の根本的な課題を提示している。 | ||
| CENTRAL STORAGE FACILITY PROJECT IN COLOMBIA TO PROVIDE THE SAFE STORAGE AND PROTECTION OF HIGH-ACTIVITY RADIOACTIVE SOURCES | Kyle A. Wright, Raymond Greenberg | ||
| コロンビアにおける高放射性放射性線源の安全な保管と防護のための中央貯蔵施設プロジェクト | |||
| CESIUM IRRADIATOR IN-DEVICE DELAY SECURITY ENHANCEMENTS | C. J. Greenholt, Peter Tensmeyer, Ethan Bodnaruk | ||
| End(3) | セシウム照射装置におけるIn-Device Delay方式によるセキュリティ強化 | (*)米国DOE/NNSAのグローバル脅威削減イニシアティブ(GTRI)は、放射線源を悪用した核・放射線兵器の製造を防ぐため、セシウム照射装置のセキュリティ強化を推進。本論文は、セシウム塩(CsCl)を大量に含む照射装置に対する「In-Device Delay(IDD)」セキュリティ強化プログラムの概要を説明し、パイロット導入と全国展開の計画を紹介。IDDは、物理的防護の遅延要素を装置内部に組み込み、脅威対応力を高めるもので、教訓と今後の拡張計画が示されている。 | |
| CHALLENGE MEASUREMENTS FOR AUTHENTICATION | William Karl Pitts | ||
| 認証のためのチャレンジ測定 ― 情報バリアを備えたシステムにおける隠しスイッチ検出手法 | (*)情報バリアを備えた測定システムの認証は困難であり、製造者や運用者が「隠しスイッチ」を仕込むことで測定結果を意図的に偽装できるリスクがある。この「隠しスイッチ」は、協定で規制された実物の代わりに偽装品を提示する属性測定の場面で問題となり、資産の温存を目的とする。論文では、こうした不正を検出し認証を補強するための「チャレンジ測定」手法を提案している。 | ||
| CHALLENGES IN THE PRELIMINARY RESULTS DISPLAY FROM THE GIFPROLIFERATION RESISTANCE AND PHYSICAL PROTECTION EVALUATION METHODOLOGY | Michael Zentner, Zoe Gastelum | ||
| GIF評価手法による核拡散抵抗性・物理的防護の予備結果表示における課題 ― 専門家エリシテーションに基づく経路評価とグラフィカル表示の技術的難しさ | (*)GIF(Generation IV International Forum)の「核拡散抵抗性・物理的防護評価手法」を用いて、複数の原子炉設計の拡散抵抗性を比較するケーススタディが実施された。これらの評価では、PNNLが開発した専門家エリシテーションに基づく経路評価ツールを使用し、結果の表示方法(特にグラフィカル表示)に技術的課題が生じた。論文は、収集データの分析上の困難と、予備結果を定性的に表示するための推奨手法を提示している。 | ||
| Change Detection in Solution Monitoring for Safeguards | John Howell, Mitsutoshi Suzuki, Joseph F. Longo, Tom Burr, Claire Longo | ||
| 保障措置における溶液量監視の変化検出 ― タンクイベントの時刻誤差と検出精度への影響 | (*)溶液量監視は核物質計量管理を補完する手法として、タンク内の挙動を過去のパターンと比較し、異常や変化点を検出することを目的とする。論文では、実データとシミュレーションデータを用いて、出荷や受入などのイベント開始・終了時刻の誤差が検出精度に与える影響を評価している。この研究は、保障措置における溶液監視の有効性を高めるため、変化検出アルゴリズムの課題と改善策を提示している。 | ||
| Characterization of a Boron-Loaded Liquid Scintillator BC-523A for Neutron Energies between 0.8 and 6 MeV | Peter Schillebeeckx, M. Flaska, S. A. Pozzi, Liviu-Cristian Mihailescu | ||
| 0.8~6MeVの中性子エネルギー用ホウ素充填液体シンチレータ BC-523A の特性評価 | |||
| Characterization of Cerium Fluoride Nanocomposite Scintillators | S. Stange, E.A. McKigney, A. Couture, T. M. Mccleskey, R. Gilbertson, L. Brown, R. Reifarth, Ernst Esch, Rico E. Del Sest | ||
| フッ化セリウムナノ複合体の特性評価シンチレーター | |||
| Cm NEUTRON MEASUREMENTS FOR SPENT FUEL USING A NEUTRON COINCIDENCE COUNTER AND A COMPARISON WITH CHEMICAL ANALYSIS RESULTS | Howard O. Menlove, Tae-Hoon Lee, Sang-Yoon Lee | ||
| 使用済燃料におけるCm中性子測定 ― 中性子同時計数装置による評価と化学分析結果との比較 | (*)韓国原子力研究院(KAERI)は、使用済燃料の非破壊測定のため、244Cmを主要な中性子源とするパッシブ中性子同時計数装置を開発し、ホットセルで試験を実施した。測定結果とMCNPXシミュレーションの較正曲線に約30%の差異があり、化学分析による実際の燃焼度と申告値の不一致(約10%)が原因と判明した。研究は、244Cm測定による高精度な燃焼度推定の可能性を示し、ORIGEN-ARPコードと測定データを組み合わせることで、保障措置に有用な評価手法を提示している。 | ||
| Comparison of Ultra-High-Frequency Readers for Passive Radio-Frequency Tags | Alan M. Krichinsky, Jonathan W. Hickerson | ||
| 受動型無線周波数タグ用超高周波読み取り装置の性能比較 | |||
| Complete Characterization of Uranium Compounds | T. G. Schaaff, V. F. Belt, S. J. Bobrowski | ||
| ウラン化合物の完全特性評価 ― 核燃料サイクルと核不拡散活動に向けた同位体・元素分析手法 | (*)米国Y-12国家安全保障施設では、核燃料サイクルおよび核不拡散活動に関連するウラン材料の完全な特性評価(同位体・元素分析)を実施している。この評価には、熱イオン化質量分析や同位体希釈質量分析による同位体測定、ICP-MSと発光分光法による70元素の微量不純物分析、燃焼・熱分解法による非金属不純物分析など、多様な手法が用いられる。論文は、ウラン金属や酸化物の分析事例を示し、核燃料管理や保障措置における高精度な化学的・放射化学的評価の重要性を強調している。 | ||
| Comprehensive Analysis of Safeguards Strategies (COMPASS) | James Poorbaugh | ||
| 保障措置戦略の包括的分析(COMPASS) ― 核物質管理・計量管理プログラムの健全性評価と改善計画策定手法 | (*)COMPASS(Comprehensive Analysis of Safeguards Strategies)は、核物質管理・計量管理(MC&A)プログラムの健全性を評価するための体系的手法である。半年ごとに、内部・外部評価、性能試験、サイト評価、メトリクス、Quick Card、異常事象などのデータを収集し、事前に設定された管理基準と比較してプログラムの実施状況をランク付けする。ランクが「高」でない要素には改善計画を策定し、弱点にリソースを集中することで、継続的改善と将来予測を可能にする。 | ||
| Compton DIV: Using a Compton-Based Gamma-Ray lmager for Design Information Verification of Uranium Enrichment Plants* | D. J. Decman, Tzu-Fang Wang, Morgan Burks, A. Dougan, Jerome Verbeke, L. Mihailescu | ||
| コンプトンDIV:ウラン濃縮プラントの設計情報検証のためのコンプトンガンマ線イメージング装置の使用* | |||
| COMPUTERIZED MAINTENANCE AND TRAINING MANAGEMENT SYSTEM FOR THE KOLA TECHNICAL CENTER | David Lambert, Karen Kaldenbach, Sergei Kuzurmanov, Gerald Thomas, Igor Larionov | ||
| 露Kola技術センターにおけるコンピュータ化された保守・訓練管理システム ― 物理的防護システムの維持管理と統合支援のためのソフトウェア活用 | (*)米国DOEとロシア国防省の協力により、北ロシアに設立されたKola技術センター(KTC)は、物理的防護システムの維持管理と訓練を集中支援する拠点として機能している。KTCでは、設備のライフサイクル管理、保守、試験、スペア部品管理、訓練カリキュラムの運用を効率化するため、ロシア製のオープンアーキテクチャ対応ソフトウェアを採用した。論文は、このソフトウェアの機能と、地域センターと現場の統合的サポートにおける活用事例を紹介している。 | ||
| CONSISTENT AND EFFICIENT USE OF SURVEILLANCE EQUIPMENT BY INTERNATIONAL SAFEGUARDS | M. Zendel, Bruce Moran, M. Moeslinger, J. Huenefeld | ||
| 国際保障措置における監視機器の効率的かつ一貫した運用 ― 次世代監視システム導入に向けた改善策 | (*)IAEAは国際保障措置の一環として、世界中の原子力施設に多数の監視カメラを設置しており、その数や配置は施設の種類、MOX燃料の使用、遠隔監視の導入など複数の要因で決定される。効率性と一貫性を高めるため、次世代監視システム(NGSS)の開発が進められており、信頼性向上やレビュー作業の負担軽減を目指している。論文は、カメラの性能、保守計画、国家による機器供給の仕組みを含め、IAEAによる監視機器運用の改善策を提案している。 | ||
| Contribution to “The Next Steps in International Safeguards” Summer 2009 Issue of JNMM | James A. Larrimore | ||
| 国際保障措置の次のステップへの提言 ― 国家レベル情報駆動型アプローチに向けた技術パラメータの再定義(JNMM 2009年夏号寄稿) | (*)論文は、国際保障措置の「次のステップ」として、国家ごとの状況に応じた差別なき柔軟な実施方法を導入できるかを検討している。提案には、NPT締約国に対する統合保障措置下での技術的目標の再定義、低濃縮ウランのタイムリー検出目標の修正、天然ウランやプルトニウムの核物質区分の再定義が含まれる。目的は、情報駆動型の国家レベル保障措置に向けて、技術パラメータの進化を促し、将来の保障措置の効果的・効率的な運用を実現することである。 | ||
| CONVERSION OF THE SAFARl-1 RESEARCH REACTOR FROM HEU TO LEU FUEL | Gavin Ball | ||
| SAFARI-1研究炉のHEUからLEU燃料への転換 ― 技術的検討、ライセンス戦略、実装プロセス | (*)南アフリカのSAFARI-1研究炉(20MWth)は、1994年の技術・経済的調査を経て、2006年にHEU燃料からLEU燃料への転換を開始し、2009年に16体のLEU燃料集合体を炉心に装荷した。転換にはウランシリサイド燃料の採用、NECSAによる燃料製造能力の開発、規制当局とのライセンス戦略策定など、技術的・制度的課題への対応が含まれる。論文は、転換の実施プロセス、試験運転、規制承認の詳細を示し、核不拡散目標達成に向けた研究炉燃料転換の実務的知見を提供している。 | ||
| Cooperation between JAEA and DOE in Safeguards and Nuclear Nonproliferation | Masato Hori, Y. Kawakubo | ||
| 保障措置と核不拡散におけるJAEAとDOEの協力 | |||
| Cooperation between the IAEA and EURATOM Safeguards in the development and implementation of a safeguards approach for the export of fabricated MOX fuel from France to Japan | check base url data | ||
| IAEAとEURATOMによるMOX燃料輸出保障措置アプローチの開発と実施 ― フランスから日本への輸送における協力事例 | (*)IAEAとEURATOMは、フランスのMELOX燃料製造工場から日本へのMOX燃料輸出に際し、保障措置の目標を維持しつつ、検認の侵入性と資源負担を最小化するための協力的アプローチを開発した。両機関は、限られた予算と人員の中で、検認作業の効率化を図るため、役割分担とデータ共有を含む調整を行った。論文は、この協力事例を通じて、国際保障措置における複数機関間の連携モデルと最適化手法を提示している。 | ||
| Country Assessments and the IAEA Milestones Process1 | Jonathan Essner, Stephen Goldberg, Craig Welling | ||
| 国別評価とIAEAマイルストーン・プロセス ― 原子力発電導入に向けた国家インフラ整備の包括的ガイドラインと実務的アプローチ | (*)IAEAは2007年に「Milestones in the Development of a National Infrastructure for Nuclear Power」報告書を発表し、原子力発電導入を目指す国に対し、初期検討から運転開始までの3つの主要マイルストーンを示す包括的ガイドラインを提供した。米国DOEはこの「マイルストーン・プロセス」を支持し、GNEP(Global Nuclear Energy Partnership)のインフラ開発作業部会の計画に統合し、各国の原子力導入準備状況を評価する枠組みを構築した。論文は、国別評価の方法論と、政策決定者・実施主体にとっての戦略的意義を解説し、安全かつ効率的な原子力発電の世界的拡大を支援するための実務的アプローチを提示している。 | ||
| CURRENT STATUS OF INPRO METHODOLOGY FOR EVALUATING PROLIFERATION RESISTANCE | Hidekazu Chayama, Hong-Lae Chang, Won II Ko, Michael Zentner, Echkard Haas, Jeremy Whitlock, Eun Ha Kwon | ||
| 核拡散抵抗性評価に向けたINPRO手法の現状 ― 国別評価レビュー、PRADAプロジェクト、GIFとの協調による改善 | (*)INPRO(革新的原子炉・燃料サイクル国際プロジェクト)は、核エネルギーシステムの持続可能性評価手法を開発し、その中で核拡散抵抗性評価を重要な要素として位置付けている。現在、評価手法の改善に向けて3つの活動が進行中であり、①各国の評価事例レビュー、②PRADA(拡散抵抗性:取得・転用経路分析)によるバリアの多重性・堅牢性評価、③GIFとの協調による手法の整合性確保が含まれる。これらの活動は、DUPIC燃料サイクルを対象としたケーススタディや国際ワークショップを通じて、拡散経路の体系的分析と評価指標の改善を目指している。 | ||
| CYBER SECURITY AND RESILIENT SYSTEMS | Robert S. Anderson | ||
| サイバーセキュリティと回復力のあるシステム ― 産業用制御システム評価と重要インフラ保護に向けた実践 | (*)米国エネルギー省のアイダホ国立研究所(INL)は、重要インフラ保護の中核拠点として、産業用制御システム(ICS)のサイバーセキュリティ評価を実施し、脆弱性の特定と改善策の提案を行っている。これまでに40件以上の評価を実施し、電力網、石油・ガス、化学、輸送などの分野で、より堅牢で回復力のある監視・制御システムの構築に貢献している。論文は、評価手法、業界へのアウトリーチ、教育プログラム、そして調達仕様におけるセキュリティ要件の明確化を通じて、他分野への応用可能性を示している。 | ||
| DEADTIME LOSSES IN MULTIPLICITY COUNTING AT LOW RATES WITH 252Cf | S. Croft, Louise G. Evans | ||
| End(4) | 低計数率における252Cfを用いた中性子同時計数における不感時間損失 ― パルス列(バースト)構造による影響と校正パラメータ補正の必要性 | (*)252Cfはパッシブ中性子同時計数装置(PNMC)の校正に広く用いられるが、低計数率でも不感時間(Deadtime)による損失が完全には消えないことが問題となる。これは、252Cfの自発核分裂で発生する中性子が時間的に相関した「バースト」で検出されるため、同一バースト内での計数が不感時間により失われることに起因する。論文では、Monte Carloによるパルストレイン解析を用いて、3He検出器での不感時間損失をモデル化し、Pu測定への補正係数や校正パラメータへの影響を評価している。 | |
| Decommissioning the North Korean Nuclear Facilities: Approaches and Costs | Hui Zhang | ||
| 北朝鮮の核施設の廃止措置:アプローチとコスト | |||
| DEFINING THE NEEDS FOR NON DESTRUCTIVE ASSAY OF UF6 FEED, PRODUCT, AND TAILS AT GAS CENTRIFUGE ENRICHMENT PLANTS AND POSSIBLE NEXT STEPS | Brian Boyer, Martyn T. Swinhoe | ||
| ガス遠心分離濃縮プラントにおける六フッ化ウランの原料、生成物、および残渣の非破壊分析と可能な次のステップの必要性の明確化 | |||
| Demonstration of a novel stand-off 3D gamma-ray imaging technique | Kai Vetter, L. Mihailescu, Julien Rohel | ||
| 新しいスタンドオフ型3次元ガンマ線イメージング技術の実証 ― コンプトンカメラとLIDAR統合による遠隔核物質監視の高精度化 | (*)本研究は、遠隔位置から広範囲の放射線源を3次元的に可視化するため、コンプトンカメラ方式を採用した新しいスタンドオフ型ガンマ線イメージング技術を開発し、実証試験を行った。システムは二重面分割型HPGeおよびSi(Li)検出器を用い、150 keV~数MeVのガンマ線に対応し、最大4π視野で角度分解能約2°を達成。さらに、LIDARによる距離データを統合し、3D画像再構成の精度と対象物識別性を向上させた。この技術は、核施設の監視や核物質ホールドアップ測定など、従来困難だった遠隔検査において、感度と自動化レベルを大幅に改善する可能性を示している。 | ||
| DEMONSTRATION WORKSHOP ON SAFEGUARDS TECHNOLOGIES FOR URANIUM ENRICHMENT PLANTS | J. Michael Whitaker, Dunbar Lockwood, Angela Lousteau, Alena Zhernoseka | ||
| ウラン濃縮プラント向け保障措置技術に関する実証ワークショップ | |||
| Department of Energy Efforts to Promote Universal Adherence to the IAEA Additional Protocol | Donald Kovacic, Kenneth Apt, Mark Killinger, Linda H. Hansen, Matthew C. Van Sickle | ||
| IAEA追加議定書の普遍的遵守促進に向けたエネルギー省の取り組み | |||
| DESIGN AND APPLICATION OF SPENT NUCLEAR FUEL CASKS FOR THE KAZAKHSTAN BN-350 PROGRAM | Eric Howden, Randall Snipes, James Ballowe, Vadim Tkachenko | ||
| カザフスタンBN-350プログラムにおける使用済燃料キャスクの設計と適用 ― ロシア設計キャスクの認証・製造・輸送に関する技術的課題と国際協力の実践 | (*)米国DOEとカザフスタン政府は1997年にBN-350高速炉の使用済燃料(SNF)を長期保管する協定を締結し、燃料をパッケージ化し、輸送し、50年間安全に保管するプロジェクトを開始した。このプロジェクトでは、ロシア設計のSNFキャスクをカザフスタンで使用するため、設計・認証・製造・試験・受け入れに関する技術的・政治的課題が発生し、キャスクはロシアとウクライナで製造された。論文は、キャスクの設計・ライセンス取得・試験・認証のプロセスと、国際協力における課題解決の取り組みを詳細に説明している。 | ||
| DESIGN AND OPERATION OF A GAMMA RAY DETECTOR SYSTEM FOR CONFIRMATORY MEASUREMENTS OF LARGE BOXES AND OBJECTS | J. A. Mason, Robert A. Price, E. Ray Martin | ||
| 大型ボックスおよび大型物体の確認測定に向けたガンマ線検出システムの設計と運用 ― HPGe検出器を用いた遮蔽・コリメート構成と測定精度評価 | (*)本研究は、大型廃棄物ボックス(B-25やSWBなど)の放射能確認測定を目的としたガンマ線検出システムの設計と運用について述べており、システムは2~4台の遮蔽・コリメートされた高純度ゲルマニウム(HPGe)検出器を使用する。測定前に試料をロードセルで計量し、質量に基づく平均密度補正を行った後、ボックスを水平移動機構で複数の測定位置に順次配置し、各側面で放射能を測定する。試験では、分布源と点源の配置による測定結果を比較し、廃棄物マトリックスの均質性や放射能分布に関する仮定が測定精度に与える影響を評価している。 | ||
| DESIGN AND OPERATION OF A LARGE VOLUME TWIN CELL HEAT- FLOW CALORIMETER FOR THE MEASUREMENT OF BOTH TRITIUM AND PLUTONIUM SAMPLES | J. A. Mason, A. Towner, K. Burke, N. J. Challacombe, Andrew Packman | ||
| トリチウムおよびプルトニウム試料測定に向けた大容量双子セル熱流カロリメータの設計と運用 ― 高感度化・液体冷却排除による安全性向上と性能評価 | (*)本研究は、トリチウムおよびプルトニウムを含む大型試料の熱出力測定に対応するため、従来の双子セル熱流カロリメータを改良し、50リットル級の大容量測定セルを備えた輸送可能な装置を設計・開発した。高出力電圧の熱電対差温センサーと強化断熱材を採用し、感度を大幅に向上させるとともに、液体冷却を排除して臨界性リスクやトリチウム汚染の危険を低減した。電気校正データに基づく精度・感度評価を行い、異なる試料熱出力条件での性能試験結果を提示し、保障措置や核物質管理における適用可能性を示している。 | ||
| Design Information Verification – DIV Panel | Jill Cooley, Shirley Johnson, Orpet J. M. Peixoto, Stamatios Tsalas, Richard R. M. Metcalf, Peter Friend | ||
| 設計情報検認(DIV)に関するパネルディスカッション ― 核燃料サイクル施設の大型化・複雑化に対応した保障措置検証手法と国際協力の課題 | (*)パネルでは、国際・地域の保障措置当局と核燃料サイクル施設運転者が、設計情報検認(DIV)の課題と改善策を議論した。施設の大型化・複雑化に伴い、設計情報の正確性を確保するための高度な検証手法と透明性が不可欠であると強調された。設計段階からの協力、アクセス性の確保、そして国際社会による独立した検証能力維持の重要性が指摘された。 | ||
| DESIGN INFORMATION VERIFICATION FOR NUCLEAR SAFEGUARDS | Robert Bean, Richard R. M. Metcalf, Phillip C. Durst | ||
| 核保障措置における設計情報検認 ― 大型・複雑化する施設に対応した検証課題と3D計測・仮想モデル技術の活用 | (*)IAEAの保障措置活動における重要課題は、施設設計・建設(改修含む)が核拡散の機会を生じないことを検証することである。設計情報検証 (DIV)の実務は、膨大なデータ量、機微情報の取扱い、施設の複雑性などにより困難であり、再処理施設など大型化で課題が増大している。本論文は、3Dレーザー測距、Gamma-LIDAR、仮想施設モデルなどの技術を用いた効率的なDIV手法を検討したワークショップの成果を報告している。 | ||
| DESIGN OF HEU TEST OBJECTS | Chris Pickett, A Demint, J Gooch, Todd Hawk, Christopher Blessinger | ||
| HEU試験用模擬線源の設計 ― 検証可能なガンマ放出特性を持つ低量HEU合金体による非拡散対応と輸送性向上 | (*)米国NNSAの非拡散研究開発部門は、放射線検出機器の試験に用いる検証可能なHEU源が不足している問題を認識した。ORNLとY-12の協力により、90%濃縮HEU 2.5kg球体と同等のガンマ線放出を持ちながら、50g未満のHEUを含む合金マトリックスで構成された試験用源が開発された。この源は球対称形状で幾何補正不要、NRC密封線源として輸送容易、他機関による複製も可能で、設計には詳細な計算モデルが活用された。 | ||
| Design of Mobile Radiation Detection System against Nuclear and Radiological Terrorism | Sung-Soon Chang, Sung-Woo Kwak, Hosik Yoo, Wan-Ki Yoon | ||
| 核・放射線テロ対策のための移動型放射線検出システムの設計 | |||
| Designing a 3rd Generation, Authenticatable Attribute Measurement System | Morag Smith, Pete Karpius, Due T. Vo, Jonathan L. Thran, Richard Williams, Peter Santi | ||
| 第三世代認証可能属性測定システムの設計 ― 機密保持・認証容易性・測定精度を両立する情報バリア技術の最適化 | (*)属性測定システム(AMS)は、特定の核兵器関連物品が合意された属性範囲内にあるかを確認するために設計され、情報バリアを用いて機密情報を保護しつつ、検証側に信頼性のある結果を提供する必要がある。これまでのAMS開発は「認証性」よりも「機密保持(認証可能性)」に重点を置いてきたが、次世代システムでは、測定精度・機密保持・認証容易性の3要件を同時に満たす設計が求められている。本論文は、第三世代AMSの設計コンセプトとして、属性測定の最適化、情報バリアの強化、認証プロセスの簡素化を組み合わせたアプローチを提示している。 | ||
| Designing a Minimum-Functionality Neutron and Gamma Measurement Instrument with a Focus on Authentication | Pete Karpius, Richard Williams | ||
| 認証性を重視した最小機能の中性子・ガンマ測定装置の設計 ― 属性測定におけるハードウェア中心アプローチと認証容易化の検討 | (*)次世代属性測定システム(Next-Generation Attribute Measurement System)の設計過程で、既存の市販NDA機器(COTS)は不要な機能が多く、ハードウェア・ソフトウェア認証に過剰なコストと時間がかかることが判明した。認証容易化のため、必要最小限の機能に絞った中性子同時計測とガンマ線分光を行うシンプルな設計を採用し、ハードウェア中心の信号処理、簡易プロセッサ、最小限のファームウェアを使用して複雑性を排除した。多くのパラメータをハードコード化することで、柔軟性を犠牲にしつつ認証性を向上させ、核兵器検証などの属性測定でホスト国の情報保護と検証信頼性の両立を目指している。 | ||
| Detection Limits for Actinides in a Monochromatic, Wavelength-Dispersive X Ray Fluorescence Instrument | M. L. Collins, George J. Havrilla | ||
| 単色波長分散型蛍光X線分析装置におけるアクチニドの検出限界 | |||
| DETECTION OF A MISSING FUEL ROD IN A DISCHARGED CANDU BUNDLE | Brian D. Murphy | ||
| 取出CANDU燃料集合体における紛失燃料棒の検出 | |||
| Determination of Plutonium Content in Spent Fuel with Nondestructive Assay | S. Tobin, Mike L. Fensin, Martyn T. Swinhoe, S. J. Thompson, S. Y. Lee, H.O. Menlove, L. E. Smith, M. A. Schear, A. Rajasingum, N. P. Sandoval, B. A. Ludewigt, B. J. Quiter | ||
| 非破壊測定による使用済燃料中プルトニウム量の定量化 ― 多様なNDA技術の統合評価と保障措置適用に向けたモンテカルロ解析 | (*)使用済燃料中のプルトニウム量を非破壊測定で定量化することは、IAEA保障措置、再処理施設の入力管理、輸送時の独立検証などに不可欠であるが、単独のNDA技術では精度・信頼性に限界がある。本研究は、13種類のNDA技術(遅発中性子、遅発ガンマ、差分ディーアウェイ、核共鳴蛍光、X線蛍光など)を対象に、モンテカルロシミュレーションで性能を比較し、最適な組み合わせによる統合測定手法を設計することを目的としている。初期結果では、遅発中性子検出の能力評価を行い、燃焼度・冷却期間・濃縮度の異なるPWR燃料集合体ライブラリを用いて、空気・水・ホウ酸水中での測定精度を検証した。 | ||
| DETERMINATION OF RELATIVE IMPORTANCE OF NONPROLIFERATION FACTORS | Richard Metcalf | ||
| 非拡散要因の相対的重要度の評価 ― 核拡散抵抗性評価における制度的知識の数値化と専門家判断の統合 | (*)核施設の核拡散抵抗性(Proliferation Resistance, PR)評価は、専門家の判断に依存する方法と数値評価に基づく方法があるが、前者は再現性に乏しく、後者は専門知識を十分に反映できないという課題がある。本研究では、62の非拡散要因を「転用」「輸送」「変換」「兵器化」の4カテゴリーに分類し、33名の専門家・関連分野の技術者を対象にアンケート調査を実施して、要因の相対的重要度を統計的に分析した。結果として、専門家と非専門家の間で多くの要因の重要度に有意差が認められ、制度的知識を数値評価に組み込むためには事前のリソース投資が不可欠であることが示された。 | ||
| DETERMINATION OF THE RELATIVE AMOUNT OF FLUORINE IN URANIUM OXYFLUORIDE PARTICLES USING SECONDARY ION MASS SPECTROMETRY AND OPTICAL SPECTROSCOPY | Khris B. Olsen, Ian D. Hutcheon, Michael J. Krista, Ruth Kips, Zheming Wang | ||
| 二次イオン質量分析と光学分光によるウランオキシフルオリド粒子中の相対フッ素量の測定 ― 環境曝露条件下での化学変化解析と保障措置・核鑑識への応用 | (*)核鑑識や保障措置の環境サンプリングでは、ウラン濃縮施設から微量に放出されたUF₆が水分と反応して生成するウランオキシフルオリド(UO₂F₂)粒子の分析が重要であり、その化学組成変化を理解することで、施設の申告検証精度を高められる。本研究では、UO₂F₂粒子を人工的に作成し、UV光・湿度・温度などの環境条件下でのフッ素含有量変化を追跡し、NanoSIMSによるF⁺/U⁺比測定と光学分光(CLIFS)による構造変化解析を組み合わせて評価した。結果として、高湿度条件でフッ素量が顕著に減少することが確認され、粒子の化学的経時変化を利用した曝露時間推定や、保障措置分析の信頼性向上に資する知見が得られた。 | ||
| Determinations of plutonium and curium in the insoluble materials of spent fuel dissolver solutions at the Tokai Reprocessing Plant | T. Kuno, T. Hiyama, H. Nemoto, M. Okano, K. YAMADA | ||
| End(5) | 東海再処理工場における使用済み燃料溶解液の不溶性物質中のプルトニウムおよびキュリウムの測定 | ||
| Developing a Safeguards Approach for a Graphite Moderated Reactor and Associated Fuel Cycle Facilities | William S. Charlton, Eric Rauch, David G. Ford | ||
| グラファイト減速炉および関連燃料サイクル施設に対する保障措置アプローチの開発 ― 兵器級プルトニウム生産リスクへの対応とIAEA基準に基づく検知・抑止手法の検討 | (*)グラファイト減速炉は設計が簡易で、開発途上国に適した電力供給手段となり得るが、兵器級プルトニウムを生産可能なため国際的懸念がある。本研究では、燃料製造・再処理施設を含む燃料サイクル全体に対し、IAEA基準に基づく保障措置アプローチを構築し、従来技術で有効な検知・抑止が可能であることを示した。 北朝鮮・寧辺の5MWe炉を事例に、オフロード型とオンロード型の炉心に対する適用性と課題を評価し、成功点と残る課題を議論した。 | ||
| Developing Better Practice in Security, Safeguards and Nuclear Materials Management across the NDA Estate | Roger Blue | ||
| NDA管轄施設におけるセキュリティ・保障措置・核物質管理のベストプラクティスの構築 ― 廃止措置と運転における効率化・知識管理・技能強化に向けた良好事例の共有 | (*)英国の原子力廃止措置機関(NDA)は、旧BNFLやUKAEAの資産を管理し、契約運営モデルを通じて安全・セキュリティ・保障措置・環境要件の遵守を確保している。NDAは、核物質管理・保障措置・セキュリティに関する「良好事例(ベストプラクティス)」を共有し、運転および廃止措置の両面で効率性と革新性を促進する取り組みを進めている。この活動は英国の「原子力ルネサンス」に合わせ、規制改善・技能確保・教育訓練の強化を背景に、INMM英国支部設立の好機ともなっている。 | ||
| DEVELOPMENT OF A PORTAL MONITOR FOR UF6 CYLINDER VERIFICATION | Michael M. Curtis, L. E. Smith, D. V. Jordan, Mark W. Shaver, Jake Benz, Emily K. Mace | ||
| UF6ボンベ検証のためのポータルモニターの開発 | |||
| Development of a Simulation Methodology for Neutron Multiplicity Analysis | S. D. Clarke, Marek Flaska, Sara A. Pozzi, P. Peerani, E.C. Miller | ||
| 中性子同時計数解析に向けたシミュレーション手法の開発 ― MCNP-PoliMiによるシングル・ダブル・トリプル計数率の再現性評価とJCC-51装置測定データとの比較 | (*)本研究は、MCNP-PoliMiコードを用いて中性子同時計数(Multiplicity)測定をシミュレーションし、シングル(S)、ダブル(D)、トリプル(T)計数率を算出する手法を開発した。実験は、欧州共同研究センター(JRC)イースプラのPERLA施設で、Canberra JCC-51型アクティブウェル同時計数装置をパッシブモードで用いて、5種類の核分裂性試料を測定し、その結果をシミュレーションと比較した。シミュレーションはS、D率を6%以内で再現できたが、T率は過大評価傾向を示し、MCNP-PoliMiの有効性と課題を明らかにした。 | ||
| Development of a Statistical Model For Planning Random Interim Inspections Under Integrated Safeguards | Leendert Bevaart, Adedapo Odulaja, C. Norman | ||
| 統合保障措置下におけるランダム中間検認計画のための統計モデルの開発 ― 検知確率・タイムリー検認目標・ランダム化スキームを考慮した最適化手法 | (*)統合保障措置の導入により、従来の定期的な在庫検認に代わり、ランダムな中間検認(RII)が重要な役割を担うようになった。本研究は、IAEAの保障措置目標達成に向け、所定の検知確率を確保するために必要なRIIの回数を推定する包括的な統計モデルを提案した。モデルは、他の保障措置手段の存在、タイムリー検知目標、検認レベル、ランダム化スキームを考慮する。 このモデルは、単一の物質収支領域から国家レベルの統合保障措置アプローチまで適用可能であり、効率性と有効性の最適化を目的としている。 | ||
| Development of an “Intrinsic Security” Design and Assessment Methodology | Ruth Duggan, Andrew Walter, Gregory D. Wyss, Consuelo Silva, Rob Allen, Carla Ulibarri | ||
| 『内在的セキュリティ』設計・評価手法の開発 ― 核物質防護・サイバーセキュリティ・使用制御に共通する基本原則の定義と適用方法論 | (*)「内在的セキュリティ(Intrinsic Security)」は、核物質管理や施設防護を含む多様な分野で重要な概念として認識されているが、統一的な定義や設計手法が欠如しており、適用に一貫性がない。Sandia国立研究所は、物理的防護・サイバーセキュリティ・核兵器使用制御など複数領域の設計原則を調査し、共通の基盤となる「内在的セキュリティ」の定義と設計・評価のための基本原則を提案した。本研究は、セキュリティ設計における一貫性とコスト効率を高めるため、内在的セキュリティを適用するための初歩的な方法論を提示し、将来的な標準化とツール開発の基盤を築くことを目的としている。 | ||
| Development of Integrated Safeguards Approach for JNC-1 site from the operator’s viewpoint | Shigeo Fujiwara, S. Takahashi, Takashi KIMURA, Yasushi MIURA, Taketeru Nagatani, | ||
| 事業者の視点から見たJNC-1サイトのための統合保障措置アプローチの開発 | |||
| Development of Laser Induced Breakdown Spectroscopy (LIBS) for Safeguards Applications | M. C. Browne, Kevin D. Veal, D. Kirk Veirs, Stephen E. LaMontagne, James E. Barefield, Leon Lopez | ||
| 保障措置用途向けレーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)の開発 | |||
| Development of measurement techniques for density and liquid level of molten salt to assess an inventory in equipment of pyro-processing | M. Fukushima, Takayuki NAGAI | ||
| 乾式処理設備におけるインベントリー評価のための溶融塩の密度および液位測定技術の開発 | |||
| Development of PP measures for evaluating Nuclear Facility’s Risk | Sung-Soon Chang, Sung-Woo Kwak, Hosik Yoo, Wan-Ki Yoon, Jongsook Kim | ||
| 核物質評価のためのPP指標の開発施設のリスク | |||
| Development of Regulatory Documents for Creation (Upgrade) of Physical Protection Systems under the Russian/American MPC&A Program | Steven Schlegel, A.S. Piskarev, A.V. lzmaylov, V.N. Babkin, V.Y. Kurov, J. Tuttle, P. O’Brien, M. H. I | ||
| 米露MPC&Aプログラムに基づく物理的防護システムの新設・改良に向けた規制文書の開発 ― モデル文書方式による標準化と脆弱性評価・情報保護を含む包括的規制基盤の構築 | (*)ロシアの原子力施設における物理的防護システム(PPS)の新設・改良は、概念設計から試運転まで複数段階を経る複雑なプロセスであり、各段階は政府・機関規制に従う必要がある。米露MPC&A協力の一環として、脆弱性評価・有効性評価・情報保護など未整備分野を含む包括的な規制・方法論文書を策定し、複数機関間で統一性を確保するため「モデル文書」方式を導入した。このアプローチは、標準化と柔軟性を両立させ、設計・開発コストの最適化を図りつつ、各機関の特定要件に対応可能な規制基盤を構築することを目的としている。 | ||
| Development Of The H1700 Shipping Package | Bradley M. Loftin, Glenn Abramczyk, P. S. Mann | ||
| H1700放射性物質輸送容器の開発 ― プルトニウムを含むRTGおよび食品缶型容器集合体の航空輸送に向けた設計と運用技術の検討 | (*)H1700輸送容器はDOE認定の9977容器を基に設計され、米国軍によるプルトニウムの航空輸送を目的として国家核安全保障局(NNSA)の認証を受ける予定である。この容器は、RTG(放射性同位体熱電発電機)集合体や食品缶型容器のネスト構造を含む放射性物質を輸送できるよう設計され、輸送中の漏えい防止性能を考慮した特殊構造を採用している。設計はステンレス鋼製ドラム、断熱材、衝撃吸収材を組み合わせた多層構造で、航空輸送時の安全性と耐久性を確保するための試験と運用条件が論じられている。 | ||
| DEVELOPMENT, INSTALLATION AND OPERATION OF THE MPC&A OPERATIONS MONITORING (MOM) SYSTEM AT THE JOINT INSTITUTE FOR NUCLEAR RESEARCH (JINR) DUBNA, RUSSIA | Cristen Duncan, William T. Pratt, Joseph Carbonaro, R.Michael White, V. V. Kartashov, V. N. Samoilov, B. A. Shestakov, James A. Coffing, Y. A. Romanov | ||
| ロシア・ドゥブナ合同原子核研究所(JINR)におけるMPC&A運用監視(MOM)システムの開発、設置、運用 | |||
| Developments in the Nuclear Safeguards and Security Engineering Degree Program at Tomsk Polytechnic University | Kent Goodey, Mark H. Killinger, Cynthia Heinberg, Cristen L. Duncan, Vladimir I. Boiko, Dmitry G. Demyanyuk, Maxim E. Silaev, Gilbert W. Butler | ||
| トムスク工科大学における核保障措置・セキュリティ工学学位プログラムの進展 | |||
| DIFFERENTIATING BETWEEN NORMAL AND ABNORMAL SITUATIONS WITH SOLUTION MONITORING SYSTEMS | John Howell | ||
| 溶液監視システムによる通常運転と異常事象の識別 ― プルトニウム分離後シナリオを対象としたモデルベース推論による異常検知手法の検証 | (*)溶液監視システムは、施設が申告どおりに運転されていることを検証するための有望な手段であり、通常の運転変動と保障措置上注目すべき異常事象を明確に区別することが重要である。本研究では、プルトニウム分離後の2つのシナリオに関するシミュレーションデータを用い、モデルベース推論によって異常の原因を識別する手法を検証した。このアプローチは、保障措置検認における異常検知の信頼性向上に寄与し、IAEAの監視技術強化に資する可能性を示している。 | ||
| Direction Sensitive Neutron Detectors Using Boron Loaded Semiconductors | William S. Charlton, Grant Spence, Grant Ford | ||
| ボロン含有半導体を用いた方向感度型中性子検出器 ― 10B(n,α)反応に基づくガンマ線ドップラー解析による入射中性子方向推定とポータルモニターへの応用 | (*)現行のポータルモニター用中性子検出器は効率面で限界があり、方向情報を取得できないという課題がある。本研究では、10B(n,α)反応に伴う7Li*の飛行中崩壊で生じるガンマ線のドップラー広がりを利用し、入射中性子の方向を推定する新しい検出器設計を提案した。この設計は、ボロンを含む半導体と幾何学的改良を組み合わせ、方向感度を付与することで、核セキュリティ用途のポータルモニター性能向上を目指している。 | ||
| Directional Detection of Fast Neutrons Using a Time Projection Chamber | N. S. Bowden, M. Heffner, G. Carosi | ||
| タイムプロジェクションチェンバー(TPC)を用いた高速中性子の方向検知 ― SNM探索に向けた反跳陽子軌跡解析による方向推定と背景低減技術 | (*)特殊核物質(SNM)からの自発核分裂により放出される高速中性子は、ガンマ線に比べて遮蔽されにくく、遠隔検知に有利であるため、SNM探索や監視において方向情報を得ることが重要である。本研究では、水素ガスを充填したタイムプロジェクションチェンバー(TPC)を用い、弾性散乱で生じる反跳陽子の三次元軌跡と電離情報を測定することで、入射高速中性子の方向を推定する手法を実証した。この装置は広視野と高いガンマ線除去性能を備え、SNM探索や保障措置における背景低減と遠距離検知に有効であることが示された。 | ||
| DOE NUCLEAR MATERIAL PACKAGING MANUAL: STORAGE CONTAINER REQUIREMENTS FOR PLUTONIUM OXIDE MATERIALS | D. Kirk Veirs | ||
| 米国エネルギー省(DOE)核物質包装マニュアル:プルトニウム酸化物物質の貯蔵容器要件 | |||
| DOE Order 410.X Management of Nuclear Materials | Patrick D. Edgerton | ||
| DOE命令410.X:核物質管理のためのライフサイクル規定の策定 ― ONMIによる統合管理、用途分類、包装・保管・処分に関する国家戦略計画 | (*)DOEは1994年発行の旧指令を改訂し、核物質のライフサイクル管理に関する新しい規定「DOE Order 410.X」を策定、国家核安全保障局(NNSA)内に核物質統合室(ONMI)を設置して統合管理を推進する。この指令は、DOE管轄の核物質を「定義された用途」「未定義用途」に分類し、包装・保管・安定化・統合・処分を含む管理責任を明確化し、各現場に年次計画や在庫評価の提出を義務付ける。ONMIは、核物質管理の国家戦略計画を3年ごとに策定し、NMAB(核物質諮問委員会)と連携して政策・ガイドラインを提供し、必要に応じて特定サイトや材料の要件免除を認める。 | ||
| DOMESTIC SAFEGUARDS SYSTEM EFFECTIVENESS SURVEY RESULTS | Cameron Coates | ||
| End(6) | 国内保障措置システムの有効性調査結果 ― タイプI・II誤差を考慮したユーティリティ理論モデルによる定量評価手法の検証 | (*)2008年INMM年次大会で実施されたウェブ調査により、国内保障措置システムの各要素に対する重要度(効用係数)が収集され、システム有効性評価モデルの入力データとして利用された。このモデルは、個々の保障措置手段のタイプI・タイプII誤差を変数として、単純な国内保障措置システムの有効性を定量的に算出するユーティリティ理論に基づく手法を提示した。提案手法は、再現性と定量性を備え、将来的に国内保障措置システムの設計・改善に活用可能な評価基盤を提供することを目的としている。 | |
| Down Blending of High Enriched Uranium at the Ulba Metallurgical Plant | Igor Bolshinsky, Jay Thomas, I. Rakitina, Alexander Yashin | ||
| ウルバ冶金工場における高濃縮ウランのダウンブレンド ― BN-350炉燃料を対象とした低濃縮化プロセスとIAEA保障措置下での検認手法 | (*)カザフスタンのウルバ冶金工場では、BN-350炉の未使用高濃縮ウラン(HEU)燃料を低濃縮ウラン(LEU)にダウンブレンドするプロジェクトを実施し、核不拡散に貢献している。HEUペレットを酸化してU₃O₈粉末に変換し、LEU粉末と混合後、溶解して15%未満の濃縮度に調整する工程を採用し、IAEAの保障措置下でNDA・DA・C/Sを組み合わせた検認を実施した。この取り組みは、HEU在庫削減と国際協力による安全な処理モデルを示し、将来のHEUダウンブレンド活動への適用可能性を示唆している。<ウルバ冶金工場合資会社(ULBA)は、世界有数の二酸化ウラン燃料ペレット製造会社(2009時点)> | ||
| Draft Standard Review Plan for License Renewal of Independent Spent Fuel Storage Installations | Christopher Regan, Ata lstar, Geoffrey Hornseth | ||
| 独立使用済燃料貯蔵施設の許可更新に関する基準審査計画案 | |||
| ELECTROCHEMICALLY-MODULATED SEPARATIONS FOR DESTRUCTIVE AND NONDESTRUCTIVE ANALYSIS FOR PROCESS MONITORING AND SAFEGUARDS MEASURMENTS | Douglas C. Duckworth, Matthew Douglas, Martin Liezers, Shane M. Peper, Jon M. Schwantes, C. R. Orton, Michael Green | ||
| プロセス監視と保障措置測定に向けた電気化学的制御分離法の応用 ― 破壊分析・非破壊分析によるPu/U選択捕集と迅速測定の実証 | (*)核燃料再処理ストリームの迅速かつ高精度な分析は、プロセス監視と核物質計量管理に不可欠であり、急性・慢性的な転用を検知するため、オンライン非破壊分析(NDA)と破壊分析(DA)の両方が求められる。従来のDAは試料採取とカラム抽出に依存し、コスト・安全性・時間の面で課題がある一方、直接オンラインでPuのガンマ測定は他のアクチニドや核分裂生成物の干渉で困難。本研究は、電気化学的に制御された分離(EMS)を用いてPuやUを選択的に捕集し、NDAではガンマ分光による迅速測定、DAでは微量Puを電極上に濃縮して質量分析に供する手法を提示し、実証試験の結果と不確実性評価を報告している。 | ||
| ENABLING INTERNATIONAL SAFEGUARDS RESEARCH AND DEVELOPMENT IN THE UNITED STATES | Trond Bjornard, John E. Dwight | ||
| 米国における国際保障措置研究開発の推進 ― 核不拡散技術基盤再構築と特殊核物質アクセス性向上によるギャップ解消 | (*)米国アイダホ国立研究所(INL)は、国際的な原子力利用拡大に伴う最大の課題である「核不拡散技術開発の遅れ」を克服するため、保障措置研究・開発の基盤再構築を進めている。世界的な原子力ルネサンスにより技術開発用核物質の需要が増加する一方、セキュリティ強化による核物質の利用制限が厳格化し、需要と供給のギャップが拡大している。INLは、特殊核物質の多様な形態での提供、国内外研究者へのアクセス性向上、国際協力を可能にする制度設計、必要なインフラ整備を通じて、このギャップ解消に向けた取り組みを開始している。 | ||
| Enhanced Material Accountability Through Use of Centrifugal Contactors at the Y-12 National Security Complex | John D. Randolph, P. Singh, G. Pfennigwerth, Joseph Birdwell | ||
| Y-12国家安全保障施設における遠心接触器の導入による核物質管理精度の向上 ― パルスカラム代替による保障措置強化と不拡散への効果 | (*)核燃料サイクルの化学プロセス効率を高める装置は、保障措置の観点でも有利に働く場合があり、Y-12国家安全保障施設ではパルスカラムを遠心接触器に置き換えることで、物質管理の精度向上を実現した。遠心接触器は、迅速な起動・停止、キャンペーン間の系統排出、保持量の低減、濃度プロファイルの予測性向上など、在庫管理と核物質転用検知に有利な特性を備えている。本論文は、これらの改善点を具体的に示し、保障措置強化と核不拡散の観点から遠心接触器の導入効果を評価している。 | ||
| Enhanced Safeguards Related Functions and Capabilities of the NGAM/URDM Instrument System | David Bot | ||
| NGAM/URDM計測システムにおける保障措置関連機能と性能の強化 ― VIFM代替を超える高度認証・暗号化・ネットワーク運用の実装 | (*)NGAM/URDMは、固定・携帯型保障措置、輸送セキュリティ、原子力施設計装など多目的に対応する次世代核計測プラットフォームであり、従来のVIFM ADAMシステムを代替する設計を基盤としている。本論文では、放射線耐性を備えたデジタル検出・識別システム、PCを用いないCOTS認証・暗号化機能、収集用コンピュータを不要とするネットワーク運用など、従来機器では実現困難だった高度機能の実装を解説している。将来的には、追加の保障措置関連機能(データ認証強化、遠隔監視、複数機器の統合運用)を視野に入れた開発計画が示されている。 | ||
| Enhancing the Safeguards Analytical Laboratory: Concept and Design | D. L. DONOHUE, Jane Poths, Steve Balsley, Chris Schmitzer, M. Hosoya, J. Poth | ||
| 保障措置分析ラボの機能強化:設計コンセプトと近代化計画 ― IAEA ECASプロジェクトによる将来ニーズへの対応 | (*)IAEAは将来の保障措置分析ニーズに対応するため、2008年に「ECASプロジェクト」を開始し、オーストリア・ザイバーズドルフにあるSafeguards Analytical Laboratory(SAL)の近代化と機能強化を計画した。SALは1976年建設の核物質分析ラボと1996年稼働のクリーンラボから構成されており、追加議定書の適用拡大や統合保障措置への移行に伴い、分析能力の高度化が求められている。本論文は、将来のSALの設計コンセプト、プロジェクトの範囲、進捗状況を示し、保障措置分析サービスの進化方向を概説している。 | ||
| ENVIRONMENTAL DOCUMENTATION FOR THE PLUTONIUM DISPOSITION PROGRAM | Hitesh Nigam, Chadi D. Groome | ||
| プルトニウム処分プログラムのための環境文書作成 | |||
| Evaluating Proliferation Resistance and Security Needs of Nuclear Fuel Cycle Technologies through a Fuzzy-Logic Barrier Model | Jun Li, Man-Sung Yim, David McNelis, Steven E. Skutnik | ||
| ファジィロジック・バリアモデルによる核燃料サイクル技術の核拡散抵抗性とセキュリティ要件の評価 ― UREX・PUREX再処理法を対象としたTOPS概念の応用 | (*)本研究は、核燃料サイクル技術の核拡散抵抗性(Proliferation Resistance, PR)とセキュリティ要件を評価するため、TOPS報告書のバリア概念を基盤にしたファジィロジックモデルを提案している。従来の属性分析手法に内在する主観性を低減するため、モデル校正やバリア重み付けの一貫性確保を重視し、オープンソース型の代替評価手法としての有用性を示している。モデルの適用例として、UREX法とPUREX法という二つの再処理技術の燃料サイクル全体におけるPR性能を比較し、技術選択における定量的評価の可能性を提示している。 | ||
| Evaluation of Material Flaws Identified During Fabrication Leak Testing of a 304L Containment Vessel | Paul S. Blanton, Kurt R. Eberl, Mike Trosen | ||
| 304Lステンレス鋼製格納容器の製造漏れ試験で検出された材料欠陥の評価 ― バルクトリチウム輸送容器設計におけるASME基準適合性と再発防止策 | (*)サバンナリバー国立研究所は、旧UC609に代わる新型「バルクトリチウム輸送容器(BTSP)」を設計する過程で、304Lステンレス鋼製の格納容器境界部品4点がヘリウム漏れ試験に不合格となり、基材に起因する材料欠陥が判明した。試験はANSI N14.5規格に基づき実施され、ASME Section IIIの要求事項と、欠陥の発生メカニズム(溶接部ではなく母材の品質問題)を分析した。論文では、欠陥修正のために採用した工程と、今後同様の問題を防止するための設計・製造上の推奨事項を提示している。 | ||
| Examining the Risks of Nuclear Trafficking | Gayla Balatsky | ||
| 核物質不正取引のリスク検証 ― テロ脅威と国際協力による阻止策の課題と展望 | (*)核・放射性物質の不正取引を阻止する必要性は明白かつ緊急であり、テロ組織による入手の意図や盗難・転用の脆弱性が国際的な安全保障上の重大な懸念となっている。核物質の不正取引は、既知よりも未知の要素が多く、実態把握やリスク評価が困難であるため、国際的な協力と情報共有が不可欠である。INMMワークショップでは、米国政府や各国規制当局、研究機関の視点から、取引阻止のための実践的措置や政策課題が議論され、改善策の方向性が提示された。 | ||
| Experience on Preparation of LSD spikes for MOX samples | Katsuo Abe, M. Sumi, T. Kageyama, Hiroaki Nakazawa | ||
| MOXサンプル用大口径(LSD)スパイク作製に関する経験 | |||
| Experimental Validation of the Methodology for Partial Defect Verification of thePressurized Water Reactor Spent Fuel Assemblies | Shivakumar Sitaraman, Young S. Ham, Heesung Shin, Hodong Kim, Sungho Eom | ||
| 加圧水型原子炉使用済み燃料集合体の部分的欠陥検証方法の実験的検証 | |||
| EXPERIMENTAL ANALYSIS OF POWDER RESUSPENSION FACTORS IN CASE OF HED ATTACK | O. Loiseau, Bruno Autrusson | ||
| 高エネルギー爆破装置による攻撃時におけるパッケージ内容物(核燃料物質など)粉末再飛散係数の実験的解析 ― 核物質輸送・貯蔵容器のソースターム評価に向けた不確実性低減
<HED:「High Energy Device」の意味> |
(*)核物質輸送・貯蔵パッケージにおける事故による放射線影響の分析。核物質輸送・貯蔵容器が高エネルギー爆破装置(HED)攻撃を受けた場合の放射線影響評価には、エアロゾル化した放射性物質の量・粒径分布・ダスト雲の形状などのソースタームデータが不可欠である。脆性材料の再飛散挙動は既存データで比較的理解されているが、粉末状核物質がHED衝撃を受けた場合の再飛散挙動は知見が乏しく、不確実性が大きい。本研究は、粉末の再飛散係数を実験的に導出する基盤を提供し、ソースターム評価の不確実性低減と、再飛散に影響する材料特性の理解向上を目的としている。 | ||
| Extra-Territorial Siting of Nuclear Installations | Fred Morris, Thomas E. Shea | ||
| 原子力施設の域外立地に関する検討 ― 国際管理による核拡散リスク低減とグローバル課題への制度的対応 | (*)国際または多国籍機関が管理するために、ホスト国が土地を譲渡し、その上に原子力施設を設置する「域外立地」方式は、核拡散懸念のある地域での信頼醸成や、政治・技術・財政的制約で原子力導入が困難な国への支援策として有効な可能性がある。この方式は、外交・政治的枠組み、産業界の関与、施設の安全・セキュリティ確保、廃棄物管理、そしてホスト国が自立運営可能になった際の条項解消条件など、法的・制度的課題を伴う。適用範囲はウラン鉱山から使用済燃料地層処分まで広く、非拡散上の利点と、ホスト国・供給国・地域・国際社会にとっての長所・短所を分析し、複数の潜在的適用事例を提示している。 | ||
| FABRICATION OF A SOURCE TO EVALUATE SNM PORTALS | Chris Pickett, A Demint, J Gooch, Todd Hawk, John H. Leckey, Christopher Blessinger | ||
| SNMポータル評価用線源の製造 | |||
| FEASIBILITY STUDIES TO ESTABLISH AT THE KAZAKHSTAN ULBA METALLURGICAL PLANT THE MANUFACTURING CAPABILITY TO PRODUCE LOW ENRICHED URANIUM CERTIFIED REFERENCE MATERIALS | J. Kuzminski, J. Nations, Paul Croatto, Jon Neuhoff, G. Pfennigwerth, A. Mikhailenko | ||
| カザフスタン・ウルバ冶金工場における低濃縮ウラン認証標準物質製造能力の確立に向けた実現可能性調査 ― ダウンブレンディング手法と認証基盤構築の検討 | (*)米国DOE/NNSAは旧ソ連諸国での核セキュリティ強化策の一環として、非破壊測定機器の校正に必要な低濃縮ウラン(LEU)認証標準物質の供給体制構築を重視している。カザフスタンのウルバ冶金工場(UMP)は、燃料ペレット製造の実績を活かし、LEU認証標準物質の製造・認証・供給拠点となる可能性が高い。フェーズI調査では、ウランのダウンブレンディング、材料選定・特性評価、破壊分析(DA)と非破壊分析(NDA)による測定手法を提案し、国家認証に必要なデータベース構築の方向性を示した。 | ||
| First trial to study the feasibility of direct plutonium mass measurement in a process tank by a new NDA – Advanced Solution Measurement and Monitoring System – | Tomonori Iwamoto, Takayuki Tamura, Hironobu Nakamura, Takashi Hosoma, Akikazu Takaya | ||
| 新しいNDA(先進溶液測定・監視システム)によるプロセスタンク内のプルトニウム質量直接測定の実現可能性を調査する初の試み | |||
| FOSTERING MULTI-LATERAL COOPERATION BETWEEN THE GOVERNMENTS OF DOMINICAN REPUBLIC, COLOMBIA, AND THE UNITED STATES TO ENHANCE THE PROTECTION OF HIGH-ACTIVITY RADIOACTIVE SOURCES | Kyle A. Wright, Nicholas Butler, Erica E. Watson | ||
| ドミニカ共和国、コロンビア、米国政府間の多国間協力の促進 ― 高線量放射性線源の防護強化に向けて | (*)地球規模脅威削減イニシアチブ(GTRI) | ||
| FOSTERING MULTI-LATERAL COOPERATION BETWEEN THE GOVERNMENTS OF MEXICO, COLOMBIA, AND THE UNITED STATES TO ENHANCE THE PROTECTION OF HIGH-ACTIVITY RADIOACTIVE SOURCES | Kyle A. Wright, Kyle A. Wright, Nicholas Butler, Bud Hockett, Nicholas Butler, Erica E. Watson | ||
| End(7) | メキシコ、コロンビア、米国政府間の多国間協力の促進 ― 高線量放射性線源の防護強化に向けて | (*)地球規模脅威削減イニシアチブ(GTRI) | |
| FRESH NUCLEAR FUEL MEASUREMENTS AT UKRAINIAN NUCLEAR POWER PLANTS | J. Kuzminski, T. Ewing, Debbie Dickman, Sergiy Drapey, Victor Gavrilyuk, Nikolay Strilchuk, Vladimir I. Kirischuk | ||
| ウクライナ原子力発電所における未使用核燃料の測定 | |||
| From START to FINISH? Strategic Challenges Remaining After a START Follow-on | James E. Doyle | ||
| STARTからFINISHへ? 新START後に残された戦略的課題 ― 段階的削減の限界と核不拡散体制強化への展望 | (*)米露間の新START(戦略核兵器削減条約)交渉は、兵器削減や政治的利益の面で限定的な成果にとどまる見込みであり、目標は漸進的で変革的ではない。核兵器の役割を縮小し、戦略態勢を抜本的に変更するための措置は現行の交渉枠組み外にあり、条約成立後も両国は冷戦型の核戦力構造を維持する。それでも、法的拘束力を持つ検証可能な二国間削減の継続は、核不拡散体制強化やNPT再検討会議成功への布石となり、最終的には核兵器のない世界を目指す段階的削減の基盤を築く。 | ||
| Future Directions In Safeguards Education and Training | K. Mark Leek, G. Janssens-Maenhout, D. A. Dickman, Willem Janssens | ||
| 保障措置教育訓練の今後の方向性 | |||
| Generalized gamma-ray isotopic analysis software and re-evaluation of the two important 242 Pu branching ratios* | Tzu-Fang Wang, A. Dougan, Kenneth Raschke, Kevin Roberts | ||
| 汎用ガンマ線同位体分析ソフトウェアの開発とPu242における二つの重要な分岐比の再評価 ― 超高燃焼度プルトニウム燃料解析に向けたスペクトルライブラリ構築と精度向上の取り組み | (*)標準的な測定ジオメトリを持たない試料に対しても高精度な同位体分析を可能にする「汎用ガンマ線同位体分析ソフトウェア」を開発中であり、ユーザー操作を最小化しつつ、ピーク情報や分岐比を透明化・編集可能にする機能を備えている。検証済みスペクトルライブラリ構築の過程で、超高燃焼度プルトニウム燃料の解析に不可欠な242Puの二つの重要な分岐比(103.5 keVおよび158.82 keV)を再評価する機会を得た。初期解析では分岐比がそれぞれ1.36×10^-5(9%)と3.37×10^-6(7%)であることを示し、より正確な測定と解析を継続中である。 | ||
| GENPROM Development for Detection of Diversion Scenarios in Fuel Processing Plants | Monica Regalbuto, Y. S. Park, J. F. Krebs, T. Y. C. Wei | ||
| 燃料再処理施設における転用シナリオ検出に向けたGENPROM開発 ― UREX+プロセスを対象としたリアルタイム異常検知アルゴリズムの評価 | (*)Argonne National Laboratoryは、核燃料再処理施設での核物質転用検出を目的に、原子炉運転監視技術を応用した「GENPROM(Generic Process Monitor)」を開発中。MSET(Multivariate State Estimation Technique)とPRODIAG(Process Diagnostics)を基盤に、UREX+プロセスの溶媒抽出工程データを用いて異常検出アルゴリズムを評価。初期試験では、通常運転と異常運転の境界をリアルタイムで識別可能であることを確認し、今後はノイズ耐性と安定性向上に向けたDECIDEモジュールの改良を計画。 | ||
| GHANA ATOMIC ENERGY COMMISSION AND GTRI ACTIVITIES IN GHANA | Michael ltamura, Geoffrey Emi-Reynolds | ||
| ガーナ原子力委員会と地球規模脅威削減イニシアチブ(GTRI)のガーナにおける活動 | |||
| GLOBAL RADIOLOGICAL SOURCE SORTING, TRACKING, AND MONITORING (GRADSSTRAM) USING EMERGING RFID AND WEB 2.0 TECHNOLOGIES TO PROVIDE TOTAL ASSET AND INFORMATION VISUALIZATION | R. L. Clark, Randy M. Walker, Deborah Kopsick, Mallikarjun Shankar, Bryan L. Gorman, Mitch Ferren | ||
| GRADSSTRAM:放射線源の分類・追跡・監視に向けたRFIDとWeb 2.0技術の活用 ― 資産および情報の統合可視化を実現するグローバル管理システム | (*)要旨・本文はオンライン非公開 | ||
| Global Threat Reduction Initiative Reactor Conversion Program: Status and Current Plans | Wayne Leach, Parrish Staples, Jennifer Lacey | ||
| 地球規模脅威削減イニシアティブGTRIにおける炉燃料転換プログラムの現状と今後の計画 ― 研究炉・RI製造施設におけるHEU削減とLEU化による核不拡散強化 | (*)地球規模脅威削減イニシアティブ(GTRI)。米国DOE/NNSAのReactor Conversion Programは、研究炉・試験炉およびRI製造施設での高濃縮ウラン(HEU)使用を最小化し、可能な限り排除することを目的とする。このプログラムは、低濃縮ウラン(LEU)燃料への転換技術開発と、医療用同位体(Mo-99)製造プロセスのLEU化を推進。GTRIの技術的柱として、国内外の施設転換計画を加速し、HEU削減による核不拡散強化を実現するための現状と今後の計画を提示。 | ||
| GLOBAL THREAT REDUCTION INITIATIVE – DOMESTIC SECURITY PROGRAM RESPONSE FORCE TRAINING AND EXERCISES FOR NUCLEAR AND RADIOLOGICAL SITES | Sonny Smith, Mark West, Toby Williams | ||
| 地球規模脅威削減イニシアティブGTRI国内セキュリティプログラムにおける核・放射線施設対応部隊の訓練と演習 ― 封じ込め戦略と検知装置活用による防護力強化 | (*)DOE/NNSAのGlobal Threat Reduction Initiative地球規模脅威削減イニシアティブ(GTRI)は、米国内の核・放射線源を保護するため、セキュリティ強化と対応力向上を目的とした「国内脅威低減プログラム」を展開。2008年に設立されたResponse Force Training Program(RFTP)は、GTRIによるセキュリティアップグレードを導入した施設で、警備員や対応部隊に戦術・技術・手順(TTP)を訓練。訓練は、GTRI提供の検知・防護装置の使用法、放射線安全知識、盗難・破壊行為への対応戦略(封じ込め)を含み、オンサイト警備とオフサイト対応部隊の連携を強化。 | ||
| GLOBAL WELL LOGGING SECURITY INITIATIVE | Kyle A. Wright, Joseph H. Schwartzel | ||
| グローバル油井検層線源セキュリティ・イニシアティブ ― 高放射能Am-241線源の盗難防止に向けたDOE/NNSAと業界の協働ガイドライン策定
<線源の使用は世界規模:油井検層用のAm-241線源は、米国だけでなく中東、アジア、アフリカなど世界中で使用されており、盗難や転用のリスクは国際的な問題> |
(*)高放射能のAm-241を含む油井検層用線源は、世界で5000以上使用されており、テロによる「ダーティボム」製造に悪用されるリスクが高い。DOE/NNSAのGlobal Threat Reduction Initiative(GTRI)は、石油サービス業界と協力し、保管・輸送・使用時のセキュリティ強化ガイドラインを策定。ガイドラインは、抑止・検知・遅延・評価・対応の要素を含み、業界による自主的なセキュリティ改善を促進し、盗難防止と国際的安全性向上を目指す。 | ||
| Going from HEU to LEU: Conversion of the Oregon State TRIGA® Reactor | Steve Reese, Steve Reese, S. Todd Keller, S. Todd Keller | ||
| 高濃縮ウラン(HEU)から低濃縮ウラン(LEU)への移行:オレゴン州立大学TRIGAR原子炉の転換 | |||
| HANFORD DE-INVENTORY | Glenn R. Konzek, John M. Silko | ||
| ハンフォードサイトにおける余剰プルトニウムの撤去(De-Inventory) ― プルトニウム仕上げ工場からサバンナリバーサイトへの統合輸送と長期安全貯蔵 | (*)米国DOEは、ワシントン州ハンフォードサイトのプルトニウム仕上げ工場(Plutonium Finishing Plant)から余剰プルトニウムと未照射燃料を撤去し、サバンナリバーサイトへ移送する二段階の「De-Inventory」計画を実施。1998~2003年にかけて、余剰プルトニウムを熱安定化し、DOE標準3013容器に封入、保管後、長期安全貯蔵と迅速なオフサイト輸送のための準備を進めた。このプロジェクトはDOEの「プルトニウム統合実施プログラム」の一環であり、核物質の集中管理とセキュリティ強化を目的とする戦略的取り組み。<FFTF(Fast Flux Test Facility)停止後に残った未照射燃料やプルトニウム在庫の処理が背景にある。> | ||
| Hard boundaries versus soft boundaries – what are the conceptual advantages to safeguarding sensitive fuel cycle facilities under integrated safeguards | John Carlson, Russell Leslie | ||
| 統合保障措置下での燃料サイクル施設の検認におけるハード境界とソフト境界 ― 国家文脈を考慮した効率的・柔軟なアプローチの概念的利点 | (*)従来の保障措置では、濃縮・再処理施設を「ハードな箱」として扱い、国家の文脈を考慮せず、施設単位で同一の検認頻度・強度を適用していた。統合保障措置(Integrated Safeguards)の導入により、施設を国家全体の状況に基づいて評価する「ソフトな境界」概念が可能となり、外部情報や国家レベルの分析が検認に反映される。本論文は、ハード境界とソフト境界の利点・欠点を比較し、効率性と有効性を高めるための概念的改善策を提案。 (オーストラリア:1)ウラン資源の主要輸出国、2)IAEAとの協力実績、3)ASNO(Australian Safeguards and Non-Proliferation Office)の役割) | ||
| HIGH PERFORMANCE, DIRECTIONAL GAMMA RAY DETECTOR SOLUTIONS FOR THE DETECTION AND QUANTIFICATION OF CRITICAL MATERIALS | Steven E. Smith, Alexander A. Solodov, J. S. Bogard, Graham V. Walford | ||
| 高性能指向性ガンマ線検出器ソリューション:重要物質の検出と定量化 | |||
| High-Energy Delayed Gamma Spectroscopy for Spent Nuclear Fuel Assay | L. E. Smith, Jennifer J. Ressler, Alex C. Misner, Luke W. Campbell | ||
| 高エネルギー遅延ガンマ線分光法使用済み核燃料の分析 | |||
| HIGHLY ENRICHED URANIUM SPENT NUCLEAR FUEL SHIPMENT FROM LATVIA | Igor Bolshinsky, Stanley D. Moses | ||
| ラトビアからの高濃縮ウラン使用済み核燃料の輸送 | |||
| Hourglass Sampling of Participants in the Human Reliability Program (HRP} for Drug and Alcohol (D&A) Testing | Ivan R. Thomas | ||
| 薬物・アルコール検査におけるHuman Reliability Program(HRP)対象者のHourglassサンプリング ― 予測不能性・公平性を確保するDOE基準準拠の新手法
<人間信頼性プログラム(HRP)は、エネルギー省が実施する人員セキュリティプログラム> |
(*)DOEのHuman Reliability Program(HRP)は、特定核物質へのアクセス権を持つ職員の信頼性を確保するため、心理評価・セキュリティ審査・薬物・アルコール検査を義務付けている。INLでは、10 CFR 712の要件に従い、予測不能かつ公平な選定を実現するため、新しい「Hourglass Sampling」方式を開発。この方式は、全員が年1回ランダム検査を受けることを保証し、過剰な再選定を防ぎつつ、未選定者には指名検査を適用する効率的な手法。 | ||
| HOW MIGHT INDUSTRY GOVERNANCE BE BROADENED TO INCLUDE NONPROLIFERATION? | Gretchen Hund | ||
| 産業界ガバナンスの核不拡散対応への拡張 ― サプライチェーン情報活用と自己規制による未申告活動検出の強化 | (*)産業界のガバナンスを核不拡散に対応させることで、核・放射性物質やデュアルユース技術の不正取引や転用を防ぐ新たな手段を提供できる。産業界は供給チェーンに最も近い立場にあり、政府やIAEAの保障措置・輸出入管理情報と統合することで、未申告活動や不正行為の早期検出に貢献可能。業界全体で自己規制プログラムを導入し、パフォーマンス指標を用いて安全管理を強化することが、グローバルな非拡散効果を最大化する鍵となる。 | ||
| How to Apply a Cooperative Threat Reduction Program to North Korea ? | Kwan-Kyoo Choe, Kwan-Kyoo Choe | ||
| 北朝鮮への協力的脅威削減(CTR)プログラム適用の可能性 ― 冷戦後モデルとの比較による政策・技術的課題の分析 | (*)北朝鮮の核問題に関連する協力的脅威削減プログラム(CTR) | ||
| IAEA Inspections for Undeclared and Declared Activities: Is a More Robust Approach Needed? | Michael D. Rosenthal, MarkJ. Schanfein | ||
| End(8) | 未申告および申告済み活動に対するIAEA検認 ― より強固なアプローチは必要か?ー米国の技術支援と次世代保障措置への課題 | (*)IAEA保障措置は、従来の核物質計量管理中心から、未申告活動の検出を重視する方向へシフトしており、技術・制度面で新たな課題が浮上。米国では、国内保障措置の重点が物理的防護に移ったため、IAEA向け技術支援にギャップが生じ、国際的な検証能力強化が必要となっている。NNSAの次世代保障措置イニシアティブ(NGSI)やDOEのSafeguards R&Dは、このギャップを埋め、未申告活動検出のためのより強固なアプローチを模索している。 | |
| IDENTIFICATION AND PROTECTION OF SENSITIVE INFORMATION AT THE U.S. NUCLEAR REGULATORY COMMISSION | Bern Stapleton | ||
| 米国原子力規制委員会における機微情報の特定と保護 | |||
| Implementation of an Expanded Material Control and Accounting Program (MPC&A) through Performance of a Gap Analysis and an Expanded MPC&A Plan at the Mining and Chemical Combine | Krishan Mutreja, Thomas Bonner, Tim Hasty, Doyle Hembree, Sylvester Suda | ||
| ロシア・鉱山化学コンビナートにおけるMPC&Aシステム拡張の実施 ― ギャップ分析に基づくMC&A計画強化と保障措置信頼性の向上 | (*)ロシアの鉱業化学コンビナート(MCC,旧K-26)では、米露協力のMPC&Aプログラムの一環として、核物質管理・計量管理(MC&A)システムの拡張を実施。ギャップ分析に基づき、SNM貯蔵・バルク処理領域の物質バランスエリア設定、ポータルモニター設置、在庫差異手順改善、計算機化された会計システム導入などを推進。測定機器の追加、物理的在庫検証強化、サイトレベル手順の改訂により、保障措置の信頼性と透明性を向上させることを目的とする。 | ||
| IMPLEMENTATION OF RADIOLOGICAL MATERIAL SECURITY ENHANCEMENTS AT RUTGERS UNIVERSITY | John Pelletier, PatrickJ. McDermott | ||
| ラトガース大学における放射性物質セキュリティ強化策の実施 | |||
| Implementation of Remote Monitoring in Facilities Under Safeguards with Unattended Systems | D. H. Beddingfield, E. Umebayashi | ||
| 無人システムを用いた保障措置対象施設における遠隔監視の実施 | |||
| Implementation of the Transition Plan as part of the Effective Long-Term Sustainability of the MPC&A System at FGUP “RISI” | Alexander M. Chlenov, Taisia Piskureva, Elena A. Tsilina | ||
| ロシアFGUP RISIにおける核物質防護・管理・計量管理(MPC&A)システム長期持続性確保のための移行計画の実施 ― 技術的アップグレードと組織的基盤強化による信頼性維持
<FGUP RISIの日本語公式名称;ロシア語の正式名 に基づき、「連邦国家単一企業 科学計測機器研究所」 と訳される。FGUP は「Federal State Unitary Enterprise(連邦国家単一企業)」の略、RISI は「Research Institute of Scientific Instruments(科学計測機器研究所)」の略称> |
(*)FGUP RISI(ロシア)では、核物質防護・管理・計量管理(MPC&A)システムの長期的持続性を確保するため、包括的な移行計画を策定。計画には、規制文書整備、予防保守、予備部品供給、校正・試験、運用コスト分析、要員訓練など、技術・組織両面の要素が含まれる。技術的アップグレードだけでなく、組織体制と人材スキルの維持を重視し、システムの信頼性と安全性を長期にわたり確保することを目的とする。 | ||
| Implementation of Training Simulators and Computer Models for Improving Transportation Security Training | William Brunsdon, A. lzmailov, Tim D. Welch, Yuri L. Davydov | ||
| 輸送セキュリティ訓練の改善のための訓練シミュレータとコンピュータモデルの導入 | |||
| Implementing a State-Level Integrated Safeguards Approach in Canada | Michael A. Kent, Karen Owen | ||
| カナダにおける国レベルの統合保障措置アプローチの実施 | |||
| Implementing an MC&A Program at an LEU Fabrication Plant | Rosemarie N. Martyn | ||
| 低濃縮ウラン製造工場における計量管理MC&Aプログラムの実施 | |||
| IMPLEMENTING CONTINUOUS LOAD CELL MONITORING OF UF6 WITHDRAWALS AT AN ENRICHMENT PLANT | Alan M. Krichinsky, J. Michael Whitaker, Nathan C. Rowe, J.R. Younkin, C.A. Pickett, G.D. Richardson, Sinsze Koo | ||
| 濃縮施設におけるUF₆引抜操作の連続荷重計監視の実装 ― リアルタイム計量データによる保障措置の透明性と検認効率の向上 | (*)米国ポーツマス濃縮施設で、UF₆シリンダーの供給・引抜操作を対象に、連続荷重計監視(CLCM)技術を導入。従来のバッチ検認に代わり、荷重計データをリアルタイムで取得・解析することで、IAEA検認の情報量と透明性を大幅に向上。グラフィカルなデータ提示やイベント検出により、未申告操作の早期発見と保障措置の有効性強化を目指す。 | ||
| IMPLEMENTING NEW METHODS OF LASER MARKING OF ITEMS IN THE NUCLEAR MATERIAL CONTROL AND ACCOUNTABILITY SYSTEM AT SSC RF-IPPE: AN AUTOMATED LASER MARKING SYSTEM | V. F. Efimenko, G. P. Russ Ill, Analoly llyantsev, V. Regoushevsky, S. Tambovtsev, Vladimir G. Dvukhsherstnov |
||
| SSC RF-IPPE(ロシア)における核物質管理・計量管理システムへの新しいレーザーマーキング手法の導入 ― 自動化マーキングシステムによる識別精度と耐久性の向上 | (*)SSC RF-IPPE(ロシア)では、核物質管理・計量管理(MC&A)システムにおけるアイテム識別のため、従来のバーコード方式の耐久性不足を解決する新手法を検討。高濃縮ウラン(HEU)やプルトニウムを含むステンレス被覆ディスクに対し、レーザーによるマーキングとData Matrix ECC200コードを採用し、核特性への影響を最小化。米国DOEの技術・資金協力により、自動化レーザーマーキングシステムを導入し、NM移動手順や人為的要因への対応を含む運用プロセスを確立 | ||
| IMPLEMENTING THE STATE-LEVEL APPROACH: Moving Forward | James A. Casterton | ||
| 国家レベル保障措置アプローチの実装 ― カナダにおける統合保障措置への移行とIAEAの次世代検証枠組み | (*)IAEAの「State-Level Approach(SLA)」は、従来の施設単位の保障措置から国家全体を対象とする情報駆動型の検証へ移行する新しい枠組み。SLAの最適化には包括的保障措置協定(CSA)と追加議定書(AP)が発効し、未申告活動がないとの「広範な結論」が得られていることが前提。カナダは2005年にこの結論を達成し、IAEAと協力して統合保障措置(Integrated Safeguards)を国家レベルで実装する取り組みを進めている。 | ||
| IMPROVED PU ASSAY USING A NOVEL MONOCHROMATIC WAVELENGTH DISPERSIVE X-RAY FLUORESCENCE INSTRUMENT | M. Collins, Joseph Montoya, George J. Havrilla, Zewu Chen | ||
| 新型単色波長分散型蛍光X線分析装置を用いたPu分析の改善 | |||
| Improving the Safeguardability of Nuclear Facilities | Trond Bjornard, David Hebditch, Robert Bari, Per Peterson, Mark J. Schanfein | ||
| 原子力施設の保障措置適合性向上 ― 設計段階からのSafeguards-by-Design(SBD)統合による非拡散・安全性・運用効率の強化 | (*)新設原子力施設における保障措置の有効性を高めるため、設計段階から国際保障措置を統合する「Safeguards-by-Design(SBD)」の概念を提案。SBDは、核物質管理・物理的防護・安全性を設計プロセスに組み込み、コスト効率と運用性を向上させる枠組み。米国DOEの次世代保障措置イニシアティブ(NGSI)は、IAEAや国際ステークホルダーと連携し、SBDの要件定義・技術開発・制度化を推進。 | ||
| Impurities as fingerprints in nuclear forensics analysis – The role of certified reference materials and NBL CRM 124 series | P. B. Mason, Usha Narayanan, S. Burger | ||
| 核鑑識分析における不純物フィンガープリントの活用 ― 認証標準物質の役割とNBL CRM 124シリーズの再評価 | (*)核鑑識分析では、ウラン試料中の微量元素(不純物)が起源や加工履歴を示す「フィンガープリント」として重要な役割を果たす。不純物の正確な測定には、品質保証・校正・方法開発のための認証標準物質(CRM)が不可欠だが、利用可能なCRMは限られている。NBLは、ウラン基準物質「CRM 124シリーズ」に含まれる24種の微量元素を再評価・認証し、核鑑識や保障措置における分析精度向上を目指している。 | ||
| In-Born Radio Frequency Identification Devices for Safeguards Use at Gas-Centrifuge Enrichment Plants | Michael D. Rosenthal, Rebecca Ward | ||
| ガス遠心分離型濃縮施設における保障措置利用を目的とした製造段階組込み型RFIDデバイス ― IAEA『Option 4』アプローチへの統合と転用検出能力の評価 | (*)世界的な原子力利用拡大に伴い、ガス遠心分離型濃縮施設(GCEP)での保障措置強化が求められている。本研究は、シリンダー製造時にRFIDタグを取り付ける「In-Born」方式を評価し、IAEAの「Option 4」保障措置アプローチに統合する可能性を検討。施設運転者によるタグ付けと比較し、製造段階でのタグ付けが検認効率・転用検出能力を向上させるかをシナリオ分析で評価。 | ||
| Increasing Cooperations Between IAEA, ABACC and the National Safeguards System in Argentina | Laura B. Castro, Carlos D. Llacer, Hugo Vicens, M. Ferro, Hugo Hernandez Sanchez | ||
| アルゼンチンにおけるIAEA、ABACC、国家保障措置システム間の協力強化 | |||
| INMM 50th Annual Meeting Closing Plenary | Hans Blix | ||
| INMM第50回年次大会 閉会基調講演(Hans Blix) ― 平和と核軍縮への道は開けるか?国際協力と検証技術の役割 | (*)Hans Blixは、冷戦後の核軍縮の進展を評価しつつ、核兵器廃絶に向けた国際的努力の停滞と課題を指摘した。核不拡散条約(NPT)の信頼性維持には、核兵器国の削減義務履行と非核兵器国の保障措置強化が不可欠であると強調。平和と軍縮の実現には、政治的意思、検証技術の進化、そして国際協力の深化が必要であると結論づけた。 | ||
| INMM 50th Annual Meeting Opening Plenary | Olli Heinonen | ||
| INMM第50回年次大会 開会基調講演(Olli Heinonen) ― IAEAによる保障措置の過去・現在・未来と次世代検証技術への展望 | (*)IAEAのOlli Heinonenは、過去50年間の核エネルギーの進展と保障措置の役割を振り返り、将来の課題を展望した。情報技術の進化が検認・監視の基盤となり、IAEAは新しい技術を活用して効率的な保障措置を実現する必要があると強調。核不拡散体制の強化には、国際協力と透明性の確保が不可欠であり、次世代の検証手法の開発が急務であると述べた。 | ||
| Integrated Safeguards Testing Laboratories in Support of the Advanced Fuel Cycle Initiative | S. Tobin, Scott F. Demuth, Peter Santi, James K. Sprinkle, Kristen Klasky, Michael C Miller, Haeok Lee | ||
| 高度燃料サイクルイニシアティブを支援する統合保障措置試験ラボ ― ホットセルを用いた先進計測技術の開発と性能検証 | (*)高度燃料サイクルイニシアティブ(AFCI)の保障措置技術開発には、実際の核物質を扱える試験施設へのアクセスが不可欠である。本論文は、ホットセルを備えた試験ラボを活用し、大学・国立研究所・企業が現実的条件下で保障措置機器を反復的に試験・改良できる仕組みを提案している。この施設は、マイナーアクチニドや核分裂生成物を含む試料を用いた測定を可能にし、現場導入前のリスク低減と性能最適化に寄与する。 | ||
| Integrating UF6 Cylinder RF Tracking With Continuous Load Cell Monitoring for Verifying Declared UF6 Feed and Withdrawal Operations | Alan M. Krichinsky, Chris Pickett, J. Michael Whitaker, Nathan C. Rowe, J. R. Younkin, G. D. Richardson, L. Paul Miller | ||
| End(9) | UF₆シリンダーのRF追跡と連続荷重計監視の統合 ― 宣言されたUF₆供給・引抜操作の検証に向けた保障措置強化技術 | (*)RF:無線周波数Oak Ridge国立研究所は、UF₆シリンダーのRF(無線)追跡と連続荷重計監視(CLCM)を統合し、模擬UF₆供給・引抜ステーションで検証を実施した。この統合技術は、イベント処理を自動化し、無関係な事象を除外することで、保障措置検査官への誤警報を減らし、効率的な監視を可能にする。従来のバッチ検証に比べ、連続監視により検査間の情報量が増加し、宣言された操作の信頼性確認と大規模施設での検査効率向上に寄与する。 | |
| INTEGRATION OF MATERIAL CONTROL MEASURES INTO A COMPREHENSIVE PHYSICAL PROTECTION PROGRAM FOR NUCLEAR MATERIALS | Krishan Mutreja, Thomas Bonner, Tim Hasty, Doyle Hembree, Andrei Momot, Shawn Datres | ||
| 核物質に対する包括的物理的防護プログラムへの核物質管理措置の統合 ― 改ざん防止・監視・二人ルールを組み込んだ保障措置強化の提案 | (*)核物質の防護には、物理的防護、核物質管理、計量管理の3要素を統合した包括的プログラムが不可欠である。本論文は、物理的防護の枠組みに核物質管理の要素(核物質監視、改ざん防止装置の確認、鍵管理、二人ルール、退出検査)を組み込む方法を提案している。これにより、従来の「警備員・門・銃」に依存する防護から脱却し、日常運用における保障措置の相乗効果を高めることを目指している。 | ||
| NTERNATIONAL COLLABORATIONS IN PROCESS MONITORING | John Howell | ||
| プロセスモニタリングにおける国際協力 | |||
| INTERNATIONAL COOPERATION ON RADIOLOGICAL THREAT REDUCTION PROGRAMS IN RUSSIA | Christopher C. Landers, Aaron P. Tatyrek | ||
| ロシアにおける放射線脅威低減プログラムの国際協力 ― RTG撤去・放射線源防護・回収活動の成果と今後の課題 | (*)米国DOEのGlobal Threat Reduction Initiative(GTRI)は、ロシアの高リスク放射線源を対象に脅威低減プログラムを2004年から実施している。主な取り組みは、RTG(放射性同位体熱電発電機)の撤去、使用中の放射線源の物理的防護強化、廃棄・放置された放射線源の回収である。本論文は、これらの活動の成果と継続的な国際協力の重要性を示し、今後の課題を概説している。 | ||
| International Nuclear Forensics Cooperation – Future Opportunities | David K. Smith, Mona Dreicer, Eileen Vergino, Ross W. Williams, Ian D. Hutcheon, Michael J. Krista | ||
| 国際核鑑識協力 ― 将来の機会と課題 | (*)核拡散や核テロの脅威に対応するため、核鑑識分野での国際協力と情報共有の重要性が高まっている。核鑑識は、同位体測定や化学組成、製造プロセス情報を活用し、核物質の起源特定や不正使用の抑止に寄与する。国家安全保障上の機微情報を扱うため、既存パートナー(米国、豪州、フランス、EU、ブラジル、アルゼンチン)との協力強化や新興国との連携枠組み構築が課題である。 | ||
| International Safeguards: Global Safeguards R&D Session | Willem Janssens, Haeok Lee | ||
| 国際保障措置:グローバルな保障措置研究開発セッション ― 各国の技術的取り組みと今後の協力枠組み」 補足 |
(*)要旨・本文:オンライン非公開(ログイン必須) 第50回核物質管理研究所(INMM)会議(アリゾナ州ツーソン、7月12日~16日) |
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| International Safeguards Technology and Policy Education and Training Pilot Programs | Brian Boyer, James E. Doyle, Elena K. Sokova, Mona Dreicer, Jonathan Essner, A. Dougan, Philip Hypes, William S. Charlton, George Anzelon, Fred Wehling | ||
| 国際保障措置技術・政策教育・研修パイロットプログラム | (*)次世代保障措置イニシアティブ(NGSI) | ||
| International Workshop on Gamma Spectrometry Analysis Codes for U and Pu lsotopics: Workshop Results and Next Steps | Jacqueline Shipwash, Alexander A. Solodov, Brent McGinnis, Alena V. Zhernosek, Teressa McKinney | ||
| ウラン・プルトニウム同位体比解析用ガンマ線スペクトロメトリコードに関する国際ワークショップ ― 成果と今後の展望 | (*)2008年11月、Oak Ridge国立研究所でウラン・プルトニウム同位体比解析用ガンマ線スペクトロメトリコードに関する国際ワークショップが開催された。ワークショップの目的は、コードの能力・限界を理解し、維持管理や改訂を統制的に行うための国際的な協力体制を構築することにあった。約100名が参加し、コード開発者・利用者・保障措置専門家が技術課題を議論し、国際的に受け入れられる標準試験法の開発に向けた次のステップを提案した。 | ||
| Interpretation and Use of the Results of Proliferation Resistance Studies | G. Pomeroy, G. G. M. Cojazzi, Robert Bari, Michael Zentner, Echkard Haas, Thomas Killeen, Jeremy Whitlock, Per Peterson, Ed Wonder | ||
| 核拡散抵抗性評価結果の解釈と活用 ― INPRO・GIF手法による分析情報を意思決定者に伝えるための枠組みと課題 | (*)核エネルギーシステムの核拡散抵抗性(PR)評価は、内在的・外在的な拡散防止バリアの価値を体系的に分析する手法を提供する。INPROやGIFなどの国際的枠組みで開発された評価手法は有用な情報を生成するが、その結果を意思決定者に分かりやすく提示する工夫が必要である。本論文は、PR評価結果を政策立案者や技術設計者に効果的に伝えるための情報整理と提示方法を提案している。 | ||
| Intrinsic Code Verification | Troy Ross | ||
| セキュリティ機器の改ざん防止に向けたIntrinsic Code Verification (セキュリティ機器の改ざん防止に向けたコード認証手法)― AES暗号とCMACによる遠隔プログラム認証手法の設計と実装 | (*)Intrinsic Code Verification(ICV)は、セキュリティ機器のプログラム内容が改ざんされていないことを遠隔で検証するための安全な手法である。ICVはAES-128暗号を利用し、CMAC(Cipher Message Authentication Code)をマイクロコントローラのプログラムおよび設定メモリに適用することで認証コードを生成する。従来のチェックサムやハッシュ方式よりも低オーバーヘッドで高いセキュリティを提供し、保障措置機器の信頼性向上に寄与する。 | ||
| Intrinsic Efficiencies of Scintillation Detectors for Nuclear Nonproliferation Applications | Marek Flaska, Sara A. Pozzi, J. L. Dolan | ||
| 核不拡散分野におけるシンチレーション検出器の固有効率 ― 中性子・ガンマ線識別性能と保障措置応用に向けた評価 | (*)要旨と本文はオンラインでは非公開(会員ログインして閲覧) | ||
| Investigating the Ghost of Past Activities: An Environmental Sampling Case Study | D. Fischer, Anders Axelsson | ||
| 過去の活動の痕跡を探る ― 環境サンプリングによる事例解析 | (*)環境サンプリング(ES)により、施設で予期しない核物質が検出されることがあり、その多くは数十年前の活動に起因する。本事例では、わずかに照射された低濃縮ウラン(LEU)が検出され、データ評価により過去の照射時期や同位体比が推定された。保障措置記録や国家の移転記録を照合することで、検出された核物質の起源が特定され、ESの高感度性と歴史的データ活用の有効性が示された。 | ||
| Investigation of Combined Measurements with Three-Dimensional Design Information Verification System and Gamma-Ray Imaging Systems for International Safeguards Applications | Erwin Galdoz, Steven E. Smith, Alexander A. Solodov, OrpetJ. M. Peixoto, Morgan Burks, A. Dougan, K. M. Vetter, Joao G. M. Goncalves, Vitor Sequeira, Klaus-Peter Ziock, Ana Raffo-Caiado, Lucian Mihailescu | ||
| 国際保障措置用途における3次元設計情報検証システムとガンマ線イメージングシステムを組み合わせた測定の検討 | |||
| Investigation of muonic cascades in organic molecules and the possible application to explosives detection | E.-I. Esch, A. Adelmann, A. Jason, L. Mitchell, H. Miyadera, N. Hotelin | ||
| 有機分子におけるミューオンカスケードの解析と爆発物検知への応用可能性 | (*)本研究は、有機分子におけるミューオンX線スペクトルを測定し、Z則に基づく予測との比較を通じて分子構造に起因する特異なシグネチャを探索した。メタノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、メラミンなどの化学種を対象に、ミューオンカスケードの挙動を解析した。爆発物検知への応用可能性を評価するため、爆薬類似構造を持つメラミンで顕著な偏差が確認され、化学的効果による識別の有望性が示された。 | ||
| Isotope Enrichment Detection by Laser Ablation – Dual Tunable Diode Laser Absorption Spectrometry | Norm C. Anheier, Bruce A. Bushaw | ||
| レーザーアブレーションによる同位体濃縮検出 ― 二重可変波長ダイオードレーザー吸収分光法の開発 | (*)世界的な原子力拡大に伴い、ウラン濃縮施設での保障措置強化のため、新しい検認技術の開発が求められている。PNNLは、レーザーアブレーションによるエアロゾル試料の蒸発と、二重可変波長ダイオードレーザー吸収分光法を組み合わせ、ウラン同位体比を高精度で測定する手法を開発した。本手法は、単発レーザー照射でフェムトグラムレベルの感度を達成し、同位体比の不確かさを10%以下に抑えることが可能である。 | ||
| JAEA’s Efforts for Safeguards Technology Development | Yusuke Kuno, Naoko Inoue, Masao SENZAKI | ||
| JAEAの保障措置技術開発への取り組み | |||
| Japan’s Efforts toward Achieving Effective and Efficient IAEA Safeguards | Kaoru Naito | ||
| 効果的かつ効率的なIAEA保障措置の実現に向けた日本の取り組み | |||
| KINAC’S EXTERNAL COOPERATION APPROACH BASED ON ITS FUTURE VISION | Jong-Uk Lee, Byung Woo Sin | ||
| 韓国核不拡散管理研究院 (KINAC)の対外協力アプローチ(その実績に基づく)将来ビジョン | |||
| KNOWLEDGE- AND SKILL-BASED INSTRUCTION FOR IAEA SAFEGUARDS INSPECTORS | C. Carroll, Charles Dye | ||
| IAEA保障措置査察官のための知識と技能に基づく教育 | |||
| LATIN AMERICAN AND CARIBBEAN WORKSHOP ON THE SUSTAINABILITY OF RADIOACTIVE SOURCE PHYSICAL PROTECTION UPGRADES HOSTED IN GUATEMALA | Fred Morris, Erica E. Watson, Raymond Greenberg, Patty de Leal | ||
| グアテマラで開催されたラテンアメリカおよびカリブ海諸国における放射性物質物理的防護の高度化に関するワークショップ | (*)地球規模脅威削減イニシアチブ (GTRI) | ||
| Lean Nuclear Materials Supply Chain Management for Safeguards/MC&A Enhancement in Processing Facilities Design (U) | Jon Long | ||
| End(10) | 加工施設設計における保障措置・MC&A強化のためのリーン核物質サプライチェーン管理
<リーン手法:製造業で確立された「無駄の排除」「プロセス効率化」を目的とする管理哲学であり、核燃料サイクル施設に適用することで以下の効果が期待される。> |
(*)国内の政府所有核物質加工施設において、設計要件に関する明確なMC&A指針が欠如しており、規制基準は十分に整備されていない。設計初期段階で保障措置・MC&Aを統合するため、核物質の生産スループット要件を活用し、複数組織のニーズを調整することが重要である。「リーン手法」を施設レイアウトやプロセス設計に適用することで、無駄を削減し、保障措置・MC&Aシステムの効率性と柔軟性を向上させる。 | |
| Lessons Learned at the Idaho National Laboratory for the Entry into Force of the U.S. Additional Protocol | Jeffery C. Joe, Shauna A. Hoiland | ||
| 米国追加議定書発効に向けたアイダホ国立研究所での教訓 ― 補完的アクセス対応と年次データ要求への効率的準備 | (*)INLは米国追加議定書(AP)の発効に備え、訓練、机上演習、模擬補完的アクセス、宣言書作成など包括的な準備を実施した。DOEの他研究所が開発したソフトウェアやガイドラインは有用だったが、一般原則を具体的活動に落とし込む過程で予期せぬ課題が発生した。本論文は、年次データ要求や補完的アクセス対応を効率的に行うための教訓と提言を提示している。 | ||
| Lessons Learned During the Training Exercise for the Entry into Force of the U.S. Additioanl Protocol in the DOE Complex | Brian D. Boyer | ||
| 米国追加議定書発効に向けたエネルギー省施設における訓練演習で得られた教訓 | |||
| Lifecycle Management of Nuclear Materials at Y-12 | Teresa L. Knight | ||
| Y-12における核物質のライフサイクル管理 | |||
| LONG-RANGE STRATEGIC PLANNING IN THE IAEA DEPARTMENT OF SAFEGUARDS | E. Pujol, Bruce Moran, Jill N. Cooley | ||
| IAEA保障措置局における長期戦略計画策定 | |||
| Los Alamos National Laboratory Standard Nuclear Material Container | Laura A. Worl, Tresa F. Yarbro, Cindy J. Mills, Timothy A. Stone | ||
| ロスアラモス国立研究所 標準核物質容器 | |||
| MAIN APPROACHES TO ORGANIZATION OF ASSESSMENT OF NUCLEAR MATERIALS CONTROL AND ACCOUNTING STATUS ON THE SITE | S. E. Shmelyov, V. Y. Chukov, G.V. Lavrentieva | ||
| サイトにおける核物質管理・計量管理状態評価の組織化に関する主要アプローチ | (*)核物質管理・計量管理(MC&A)システムの長期的な運用維持には、機能評価と技術検査を含む自己評価が不可欠である。自己評価の目的は、システムや構成要素の異常を早期に検出し、核物質の防護・計量管理の有効性低下を防ぐことにある。評価には、責任体制、権限、検査間隔、手順・方法・プログラムを明確化し、規定に沿った核物質の保管・使用状況を確認することが求められる。 | ||
| Maintaining focus and seeking synergies – ensuring that small R&D programs are able to maximise the effectiveness of the efforts in support of safeguards | John Carlson, John Carlson, John Carlson, Russell Leslie, Russell Leslie, Russell Leslie | ||
| 焦点維持と相乗効果の追求 ― 小規模R&Dプログラムによる保障措置支援の効果最大化 | (*)IAEAの保障措置システムは、加盟国支援プログラム(MSSPs)に依存しており、大規模なR&Dは基盤を構築してきたが、小規模なR&Dも重要な役割を果たす。小規模プログラムは資金制約があるため、国家ニーズとIAEAニーズのシナジーを活用し、保障措置の運用課題に焦点を当てる必要がある。オーストラリアの事例では、IAEAの優先事項を国内研究機関の研究課題に組み込み、核鑑識や基礎パラメータ解析などで有用な成果を提供している。 | ||
| MASS VERIFICATION METHOD FOR SAMPLES CONTAINING URANIUM, PLUTONIUM, AND OTHER ACTINIDES USING AN ACTIVE WELL COINCIDENCE COUNTER | Angela L. Thornton, Jason Hayward, Braden Goddard | ||
| アクティブウェル同時計数計を用いたウラン、プルトニウム、その他のアクチニドを含む試料の質量検証法 | |||
| MATERIAL RECONCILIATION: A SOFTWARE SOLUTION FOR ACCURATE AND RAPID IDENTIFICATION OF ASSETS | Chris Pickett, J.R. Younkin, G.D. Richardson, Bradley Weil, Wesley Bicha | ||
| 核物質再調整手法:資産の正確かつ迅速な識別に向けたソフトウェアによる核物質再調整手法 | (*)Oak Ridge国立研究所(ORNL)とY-12国家安全保障施設は、特殊核物質(SNM)の迅速な除去・管理に関する長年の専門知識を有している。国際的な緊急対応では、現地でSNM容器の識別・再梱包・輸送・計量管理を短時間で行う必要がある。この課題に対応するため、ORNLは「Material Reconciliation」ソフトウェアを開発し、作業時間の大幅短縮とデータ精度向上を実現した。 | ||
| MC&A System Integration in Processing Facilities During Conceptual and Preliminary Design (U) | Jon Long | ||
| 概念設計および予備設計段階における処理施設のMC&Aシステム統合 | (*)要旨と本文はオンライン非公開 | ||
| Measurement and Characterization of Nuclear Material at Idaho National Laboratory | Marek Flaska, Sara A. Pozzi, J.L. Dolan, D.L. Chichester | ||
| アイダホ国立研究所における核物質の測定と特性評価 ― 混合酸化物燃料ピンの中性子・ガンマ応答解析とMCNP-PoliMiによるシミュレーション | (*)混合酸化物燃料ピンの特性評価に向け、中性子・ガンマ線のパルス高分布と相互相関解析を組み合わせた測定手法を提案。MCNP-PoliMiによるシミュレーションとEJ-309液体シンチレーション検出器を用いた実験で、燃料ピンの組成・数量・配置に応答する指標を検証。測定結果を燃料の臨界性・質量・組成に関連付けることで、核不拡散・保障措置に資する新しい評価手法を開発。 | ||
| Measurement Error Modeling and Simulation for Solution Monitoring | Tom Burr, M. Hamada | ||
| 溶液モニタリングのための測定誤差モデリングとシミュレーション | |||
| MEASUREMENT OF 238U MUONIC X RAYS WITH A GERMANIUM DETECTOR SETUP | E.-I . Esch, J. Hoteling, A. Adelmann, L. Mitchell, T. J. Stocki | ||
| ゲルマニウム検出器による238UミューオンX線の測定 ― 遮蔽貫通性を活かした同位体識別技術の実証 | (*)ミューオンは遮蔽材を透過しやすく、負ミューオン捕獲による特性X線は元素・同位体識別に利用可能。ウランのミューオンX線は6~7 MeVで、鉛や鋼などの重遮蔽材中でも検出可能な特性を持つ。PSIでの実験により、数kgの劣化ウラン試料からのX線検出を高純度ゲルマニウム検出器で実証し、非破壊検認技術としての有効性を確認。 | ||
| Measurement of Plutonium in Spent Nuclear Fuel by Self-Induced X-ray Fluorescence | S. Tobin, Daniel C. Strohmeyer, Steven F. Saavedra, W. Charlton, C. R. Rudy, A. S. Hoover, A. Stafford | ||
| 自己誘導蛍光X線法による使用済み核燃料中のプルトニウムの測定 | |||
| Meeting Packaging Needs for Radioactive Material | Jeffery England, Jean Baladi, Marc Loibi | ||
| 放射性物質輸送における包装ニーズへの対応 ― DOEによる輸送容器更新とサバンナリバーサイトでのメンテナンス集約化の提案 | (*)DOEは危険物の撤去・集約を進める中で、認証済み輸送容器の確保と維持管理が重要課題となっている。6M/6L容器の使用禁止により、9977・9978などの代替容器への移行が必要で、メンテナンス負担が増加。SRSを拠点とした包装ステージング・メンテナンスセンター設置により、輸送容器の維持管理を効率化する計画が提案された。 | ||
| Methodology and Determination of Field of View of Neutron and Gamma Detectors in the Atucha Spent Fuel Storage Pool | Shivakumar Sitaraman, Young S. Ham, William Walters, Michael Wenner | ||
| アトゥチャ使用済み燃料貯蔵プールにおける中性子検出器およびガンマ線検出器の測定方法と視野の決定
<Atucha-I原子力発電所はアルゼンチンのブエノスアイレス州リマにあるラテンアメリカで最初に建設された原子力発電所(1974年運転開始)。炉型は加圧重水炉(PHWR)で、燃料には天然ウランと低濃縮ウランを使用> |
(*)Atucha-I燃料プールでの検出器視野を評価するため、随伴輸送計算と燃焼度解析を組み合わせたモデルを構築。中性子検出器の応答は近傍集合体に強く依存し、88%が最も近い4集合体、99%が16集合体からの寄与であることを確認。ガンマ検出器も同様の傾向を示し、FOVデータベースと解析アルゴリズムを開発して、欠損燃料検出に応用可能な手法を提示。 | ||
| MOCK FUEL STORAGE MBA AT MURR | Michael A. Flagg, Kathleen M. Trauth, J. David Robertson, John Gahl, W. Miller, Les Foyto, James S. Cole, Charles L. Weaver | ||
| ミズーリ大学研究炉(MURR)における模擬燃料貯蔵MBA ― 核物質管理・計量管理教育のためのアクセス制御とKMP設計モデル | (*)ミズーリ大学研究炉(MURR)で構築された模擬MBAは、核物質管理・計量管理の教育・訓練を目的とし、設計段階から保障措置の原則を反映。アクセス制御システムとKMPを活用し、核物質の所在確認と移動追跡を実現、転用リスクの早期検知を可能にする。本モデルは、SSACコースでの実習を通じ、MBA設計・運用における標準的手法の理解を促進。 | ||
| Modeling of X-Ray Fluoresence using MCNPX and Geant4 | S. Tobin, Mike L. Fensin, A. S. Hoover, A. Rajasingum | ||
| MCNPXとGeant4を用いた蛍光X線モデリング | |||
| Monte Carlo Optimization of a Two-Plane Compton lmager | B. A. Maestas, P. R. Stanfield, M. Flaska, S. A. Pozzi, A. Guergueiev, C. M. Herbach, J. Stein | ||
| 二平面コンプトンイメージャのモンテカルロ最適化 ― 検出材評価と構造パラメータ設計による特殊核物質検出性能の向上 | (*)2平面構成のコンプトンカメラを対象に、MCNP-PoliMiを用いたモンテカルロシミュレーションで検出材・構造パラメータを最適化。LaBr₃、YAP、CaF₂、Si、CZTなどの材質を評価し、検出効率と角度不確かさを基に性能指標(FOM)を算出。最適化手法により、特殊核物質検出用コンプトンカメラの設計改善に向けた指針を提示。 | ||
| MONTE CARLO SIMULATION OF PORTAL MONITOR DETECTION PERFORMANCE | Rollin Evans | ||
| End(11) | ポータルモニターの検出性能のモンテカルロシミュレーション | ||
| Monte Carlo Simulations of Multiplicity Measurements of the Plutonium BeRP Ball | E. C. Miller, S. A. Pozzi, B. D. Dennis, S. D. Clarke | ||
| プルトニウム金属BeRP球の中性子同時計数測定に対するモンテカルロシミュレーション ― MCNP-PoliMiによるFeynman-Y評価と検出器不感時間補正 | (*)プルトニウム金属球(BeRP Ball)の中性子同時計数測定をMCNP-PoliMiでシミュレーションし、実測値との整合性を検証。実験は裸球とポリエチレン反射体付き条件で行い、15本の³He検出器を使用、シミュレーションでは検出器不感時間をモデル化。Feynman-Y指標による比較で、裸球条件のシミュレーション結果は実測値に対して8%以内の誤差で一致し、コードの有効性を確認。 | ||
| MONTE CARLO STUDY OF FEASIBILITY OF PASSIVE, TIME-COINCIDENCE MEASUREMENTS FOR MONITORING LARGE FISSILE STORAGE ARRAYS | John T. Mihalczo, Jason Hayward | ||
| 大型核分裂性貯蔵アレイ監視のための受動型時間同時測定の実現可能性に関するモンテカルロ法研究 | |||
| Motivations Behind Nuclear Weapons Programs: The North Korean Case | Natalia V. Saraeva | ||
| 核兵器開発の動機 ― 北朝鮮事例に見る抑止・交渉戦術・体制維持の戦略的背景 | (*)北朝鮮の核兵器開発は、国際交渉の失敗と安全保障上の脅威認識を背景に進められ、2006年の核実験で不拡散体制に重大な挑戦を与えた。核プログラムは、体制維持と外交交渉での優位性確保を目的とし、国連制裁下でもミサイル発射や追加核実験を継続。本論文は、他国の核兵器開発動機との比較を通じ、北朝鮮の核戦略を「抑止・交渉カード・体制保障」の観点から分析。 | ||
| Moving Toward Multilateral Mechanisms for the Fuel Cycle | Michael D. Rosenthal, Alexander Panasyuk, Gleb V. Efremov | ||
| 燃料サイクルのための多国間メカニズムへの移行 | (*)多国間燃料サイクルセンターは、核燃料供給を保証しつつ、国家が濃縮技術を追求する動機を減らすことで不拡散を促進する。ロシアのIUECは、アンガルスク施設で濃縮サービスを提供し、IAEAとの連携を通じて透明性と保障措置の強化を目指す。本論文は、IUECの事例を基に、国際的な燃料サイクルメカニズムが信頼醸成・技術保護・IAEA保障措置効率化に与える影響を検討。 | ||
| Multilateral Safeguards System for Nuclear Fuel Assurance | Seang Youn Jo | ||
| 核燃料保証のための多国間保障措置システム | |||
| NATIONAL AUTHORITHY ROLE IN THE IMPLEMENTATION OF SNRI REGIME TO A FUEL FABRICATION PLANT IN ARGENTINA | S. M. Bonet Duran, Carlos D. Llacer, Hugo Vicens, Leonardo Pardo | ||
| アルゼンチンの燃料製造工場へのSNRI制度の実施における国家機関の役割 | |||
| NBL Safeguards Measurement Evaluation Program: Uncertainty Estimation in Nuclear Material Accountability Measurements | Charles Pietri, Jon Neuhoff, B. Srinivasan, K.J. Mathew, William F. Guthrie | ||
| NBL保障措置測定評価プログラム ― 核物質計量管理測定における不確かさ推定と国際ターゲット値への適用 | (*)NBLのSafeguards Measurement Evaluationプログラムは、核物質計量管理測定の精度・正確度を国際ターゲット値(ITV)に基づき評価する仕組みを提供。従来は相対偏差と標準偏差で精度・正確度を判定していたが、近年はGUMに準拠した総合的な不確かさ評価を導入。この新手法は、系統誤差補正や試料特性値の不確かさを含め、ITV改訂や保障措置測定の信頼性向上に寄与する可能性がある。 | ||
| Neptunium Oxide Processing | Robert W. Watkins, Jeffery M. Jordan | ||
| ネプツニウム酸化物の処理 ― サバンナリバーサイトHB-Line施設における製造キャンペーンとスケールアップ課題の克服 | (*)HB-Line施設でネプツニウム酸化物を製造し、9975輸送容器で安全に出荷するための大規模キャンペーンを実施。溶液から酸化物への転換には、イオン交換、沈殿、焼成を組み合わせた工程を採用し、精製を要するケースも対応。スケールアップや品質保証の課題を克服し、得られた教訓は他の核物質処理プロジェクトにも有用。 | ||
| Neutron Multiplication Error in TRU Waste Measurements | John M. Veilleux, Joseph Wachter, Sean Stanfield | ||
| TRU廃棄物測定における中性子増倍誤差 ― 高効率中性子計数器による評価と測定不確かさ低減策 | (*)TRU廃棄物の中性子測定では、プルトニウム質量が大きい場合、中性子増倍誤差が総合測定不確かさ(TMU)の最大要因となる。増倍は自発核分裂中性子が他の核分裂を誘発することで発生し、受動型中性子計数では区別できないため、測定値に正のバイアスを与える。HENCによる実測データを解析し、増倍誤差の新しい推定値を提示するとともに、廃棄容器の不必要な拒否を減らすための代替策を検討。 | ||
| Neutron/Gamma-Ray Pulse Discrimination with Liquid Scintillation Detectors Based on Average Pulses | M. Flaska, Acott D. Ambers | ||
| 平均パルスに基づく液体シンチレーション検出器による中性子/ガンマ線パルス弁別 | |||
| New Approach to Addressing Gas Generation in Radioactive Material Packaging | Daniel Leduc, Robert W. Watkins, Neal M. Askew | ||
| 放射性物質輸送容器におけるガス発生問題への新たな対応 ― SARP評価に向けた専門委員会設立と包括的レビューの提案 | (*)SARPでは、輸送容器の安全性確保のため、アクチニド材料のガス発生特性を評価することが必須。従来の一律制限(低水分・酸化物安定化)は、適合材料の輸送を不必要に制約する場合がある。専門家による「ガス発生評価委員会」を設立し、包括的なレビューと柔軟な対応を行う新しい枠組みを提案。 | ||
| New Automated Inventory/Material Accounting System (AIMAS) Version for Former Soviet Union Countries* | J. Kuzminski, J. Nations, T. Ewing, I. Sakunov, Sergey Drapey | ||
| 旧ソ連諸国向け新型AIMAS(自動核物質在庫・計量管理システム) ― ウクライナでの運用実績とカザフスタン・ウズベキスタンへの展開に向けた機能強化と持続可能性戦略 | (*)AIMASは、旧ソ連諸国の核施設向けに開発された柔軟・安全なPCベースの核物質計量管理システムで、DOE支援の下でウクライナに導入。2002年以降、開発・保守はウクライナに移管され、複数施設で運用されており、カザフスタン・ウズベキスタンへの展開も計画。最新版は32ビット対応で現代OSに適合し、機能追加と持続可能なソフトウェアライフサイクルを確保する戦略を提示。 | ||
| New Generation Standard Nuclear Material Container | Tresa Yarbro, P. H. Smith, Timothy A. Stone, Luke Anderson | ||
| 新世代標準核物質容器 | |||
| New verification challenges | John Carlson | ||
| 新たな検証課題 ― 未申告核活動検出の困難と将来の検証任務に向けたIAEA経験の教訓 | (*)核検証の中心はIAEA保障措置であったが、未申告核活動の検出は依然として最大の課題である。将来の検証任務(核分裂性物質生産停止など)でも、同様の技術的・制度的困難が予想される。IAEAの経験から得られる教訓を活かし、新しい検証枠組みの設計に反映させることが不可欠。 | ||
| Next Generation Remote Monitoring Systems Program Development of the Secure Sensor Platform for International Safeguards | Barry Schoeneman, Keith Tolk | ||
| 次世代遠隔監視システムプログラム ― 国際保障措置に向けたセキュアセンサープラットフォームの開発と応用 | (*)SSPは、国際保障措置における遠隔監視用センサーの共通基盤として、通信・セキュリティ・暗号化・電源管理を統合した技術構造を提供。SSPベースのセンサーは、バッテリー駆動でRF通信を行い、暗号化されたデータを認証付きで送信し、長期間メンテナンス不要で運用可能。光ファイバー封印などの応用例を通じ、低コスト・高信頼性・迅速な設計サイクルを実現し、将来的にはより強固な暗号化と多様なセンサー対応を目指す。 | ||
| NEXT GENERATION SAFEGUARDS INITIATIVE WORKSHOP ON ENHANCED RECRUITING FOR INTERNATIONAL SAFEGUARDS | Leslie G. Fishbone, Susan Pepper, Dunbar Lockwood, Michael D. Rosenthal, Mona Dreicer, Richard Wallace, C. Carroll, Donna M. Occhiogrosso, Jana Fankhauser | ||
| 次世代保障措置イニシアティブ(NGSI):国際保障措置分野における人材採用強化ワークショップ ― IAEA専門職への米国人配置促進に向けた戦略と提言 | (*)ワークショップの目的は、IAEA保障措置部門における米国人専門家の採用を強化し、国際保障措置体制の人材基盤を維持すること。参加者は、採用課題(専門職・査察官・管理職)を分析し、候補者プール拡大と採用率向上のための統合的戦略を提案。提言には、政府・産業界・学術界の連携強化、NGSI人材育成計画との統合、長期的なキャリアパスの確立が含まれる。 | ||
| Next Generation Safeguards Initiative: Human Capital Development Programs | Dunbar Lockwood, Edward Wonder, Amy Seward | ||
| 次世代保障措置イニシアチブ:人材育成プログラム | (*)(NGSI)次世代保障措置イニシアティブ | ||
| NGSI STUDENT ACTIVITIES IN OPEN SOURCE INFORMATION ANALYSIS IN SUPPORT OF THE TRAINING PROGRAM OF THE U.S. DOE LABORATORIES FOR THE ENTRY INTO FORCE OF THE ADDITIONAL PROTOCOL | Rebecca Stevens, B. Boyer, M. Analisa Sandoval, Eva Uribe | ||
| NGSI学生によるオープンソース情報分析活動:追加議定書発効に向けた米国エネルギー省研究所の研修プログラム支援 | (*)(NGSI)次世代保障措置イニシアティブ | ||
| NON-LETHAL WEAPON AUGMENTATION OF NUCLEAR SECURITY | John W. Paper | ||
| 核セキュリティにおける非致死性兵器の活用 ― 重要インフラ防護に向けた技術的可能性と規制課題 | (*)非致死性兵器は、核施設防護において侵入者の意図確認や遅延・阻止戦術に有効な手段を提供する。最新技術は長距離対応や非火災性を特徴とし、警備部隊の安全な配置を可能にするが、規制・使用基準の整備が遅れている。指向性エネルギー、電磁波、光学・音響、化学的手段など多様な非致死性技術が存在し、政策・法制度の対応が急務。 | ||
| Nondestructive Assay Holdup Measurements with the Ortec Detective | Tracy R. Wenz, Jose Valdez, M. Dempsey, David S. Bracken, W. Geist, Manuel A. Gonzales, Due T. Vo | ||
| End(12) | Ortec Detectiveを用いた非破壊ホールドアップ測定 ― 核施設危険区分低減に向けた広範囲残留核物質評価と除染計画への応用 | (*)CMR施設Wing 4の危険区分を下げるため、残留核物質(ホールドアップ)の総量を非破壊測定で評価。高エネルギーγ線背景や広範囲測定の課題に対応するため、Ortec Detective(電気冷却型高純度Ge検出器)を用いた「Room Holdup Measurement」技術を開発。測定結果は、除染・設備撤去計画の基礎データとして活用され、施設の安全な解体に貢献。 | |
| Nondestructive Spent Fuel Assay Using Nuclear Resonance Fluorescence | S. Tobin, B. J. Quiter, V. V. Mozin | ||
| 核共鳴蛍光法を用いた使用済み燃料の非破壊分析 | |||
| NON PROLIFERATION AND ARMS CONTROL TOPICAL PANEL SESSION: INTERNATIONAL SCIENCE & TECHNOLOGY ENGAGEMENT | Mona Dreicer, Taissa Sobolev | ||
| 不拡散・軍備管理に関するパネルセッション:国際的な科学技術協力の意義と適用可能な原則 | (*)パネルでは、国際的な科学技術協力の重要性と、その安全保障・不拡散への貢献を議論。米国科学アカデミーによるCTRプログラムの評価を踏まえ、ロシアとの協力の成果と課題を分析。北朝鮮など他国への適用可能な協力モデルや原則を抽出し、今後の国際関与の方向性を提示。 | ||
| NON PROLIFERATION EDUCATION INITIATIVES FOR THE NEXT GENERATION OF SAFEGUARDS SPECIALISTS | M. Dawn Eipeldauer | ||
| 次世代保障措置専門家のための核不拡散教育イニシアチブ | |||
| NOVEL TECHNOLOGIES FOR THE DETECTION OF UNDECLARED NUCLEAR ACTIVITIES, MATERIALS AND FACILITIES: NUCLEAR FUEL CYCLE INDICATORS AND SIGNATURES AND TECHNOLOGY GAP ANALYSIS | Andrew Hamilton, J. Whichello, C. Annese | ||
| 未申告核活動・施設検出のための新技術 ― 燃料サイクル指標・シグネチャの体系化と検出技術ギャップ分析 | (*)IAEAは、未申告の核活動・施設検出を強化するため、燃料サイクル指標(Indicators)とシグネチャ(Signatures)の体系化と技術ギャップ分析を実施。検出ニーズと既存技術の対応関係を評価し、現行手法で対応できない領域を特定する仕組みを構築。大気ガスサンプリング、レーザー分光、光刺激ルミネッセンスなどの新技術を有望候補として開発中。 | ||
| NTI Report — 50th INMM Annual Meeting Opening Plenary | Charles B. Curtis | ||
| NTI報告 ― INMM第50回年次大会開会全体会議:核物質管理の歴史と核テロ時代における専門家集団の役割 | (*)INMM創設当初の目的は、軍事政策に不可欠な核物質の損失防止であり、当時は核テロの脅威は想定されていなかった。現在、国際社会は核テロ防止を最重要課題とし、核物質の安全確保が国家安全保障の核心となっている。本講演では、INMMが果たすべきリーダーシップを再確認し、WINSによるグローバルなセキュリティベストプラクティスの推進を報告。 | ||
| Nuclear Energy in the Transition to a Nuclear-Weapon-Free World | H. Feiveson, Alexander Glaser | ||
| 核兵器のない世界への移行期における原子力エネルギーの役割 ― 民生用原子力の管理・保障措置と燃料サイクル構成がもたらす核兵器再取得リスクの評価 | (*)核兵器廃絶を目指す世界では、民生用原子力の存在が国家の「核兵器再取得」リスクを高めるため、その管理と保障措置が重要課題となる。本研究は、燃料サイクル構成や多国間協定の有無によって、核兵器製造に要する時間がどの程度短縮されるかを試算。民生用原子力を維持する場合、国際的監視と技術的制約を強化しなければ、核兵器不拡散体制の脆弱化を招く可能性があると指摘。 | ||
| Nuclear Forensic Inferences Using Iterative Multidimensional Statistics | Michael J. Krista, Michael J. Krista, Matrin Robel, Matrin Robel, Martin A. Heller, Martin A. Heller | ||
| 反復型多次元統計解析による核鑑識推定 ― ウラン鉱石濃縮物の起源識別に向けたPLS-DA手法の開発と評価 | (*)核鑑識では、押収された核物質の起源や製造履歴を推定するため、既知試料との比較が重要だが、包括的なデータベースは未整備。本研究では、UOCの品質管理データを用い、主成分分析(PCA)や反復型PLS-DAを適用し、未知試料の産出地を高精度で識別。反復型PLS-DAは、CARTやk近傍法よりも精度と頑健性に優れ、核鑑識データ解釈の有力手法として有効性を示した。 | ||
| Nuclear Forensic Signatures in Uranium Ore Concentrates | L. Keegan, K. Mayer, M. Wallenius, Z. Varga, G. Rasmussen | ||
| ウラン鉱石濃縮物における核鑑識シグネチャ ― 起源特定に向けた元素・同位体・陰イオン分析による識別手法の検討 | (*)UOCは原子炉燃料の前駆体であり、違法転用防止のため、押収試料の起源を特定する核鑑識手法が必要。本研究では、オーストラリアやカナダなど複数地域のUOCを対象に、元素不純物、Pb・Sr同位体比、陰イオン組成を測定。これらの化学的・同位体的特徴が、鉱山や処理工程の識別に有効な「核鑑識シグネチャ」として機能する可能性を評価した。 | ||
| Nuclear Material Disposition – A Twofold Advantage! | Gary A. Person, Ed Kelly | ||
| 核物質処分 ― 二重の利点!Y-12における低濃度HEU残渣の廃棄プロジェクトと安全性・効率性の向上 | (*)Y-12国家安全保障施設では、製造・回収工程で発生した残渣に含まれる高濃縮ウラン(HEU)を処分するプロジェクトを開始。廃棄物受入基準の変更とHEU廃棄限度の改定により、低濃度ウラン残渣をDOEネバダ試験場やユタ州の施設へ移送・処分可能となった。この取り組みは、施設の在庫削減、規制遵守、保管スペースの最適化、安全性・セキュリティ向上を同時に達成する「二重の利点」をもたらした。 | ||
| Nuclear Regulatory Commission Physical Protection Licensing and Inspection | Oleg Bukharin, Alan Frazier | ||
| 物理的防護システムの検査手順 ― NRCによるライセンス施設のセキュリティ評価と規制適合性確保のための技術的枠組み | (*)米国原子力規制委員会(NRC)は、地域検査官が原子力施設の物理的防護システムを検査するための手順を開発している。これらの手順は、防護技術の現状を明確にし、政府規制および施設の承認済みセキュリティ計画への適合を確保することを目的としている。今後は、手順の改善と防護性能の維持に向けた取り組みが継続される予定である。 | ||
| Nuclear Safeguards Infrastructure Development and Integration with Safety and Security | Donald Kovacic, John Mcclelland-Kerr, Mo Bissani, Ana Raffo-Caiado, Matthew C. Van Sickle, Kenneth Apt | ||
| 核保障措置インフラの整備と安全・セキュリティとの統合 ― IAEAマイルストーンに基づく3SアプローチとINSEPによる国際協力 | (*)原子力発電導入を検討する国はIAEA「マイルストーン文書」に示された19項目を考慮する必要があり、その中で保障措置は核兵器転用防止のため不可欠。多くの新規導入国は核経験が乏しく、保障措置・燃料管理能力が限定的であるため、安全・セキュリティと統合した「3S」アプローチが推奨される。DOE/NNSAのINSEPプログラムは、次世代保障措置イニシアティブ(NGSI)の一環として、二国間協力を通じて保障措置インフラ整備を支援。 | ||
| Nuclear Safeguards Infrastructure Development: Collaboration with Vietnam Agency for Radiation and Nuclear Safety | Rebecca Stevens, Jacqueline Shipwash, Donald Kovacic, Fred Morris, Kenneth E. Apt, Mark Killinger, Linda H. Hansen, Matthew C. Van Sickle, Nu Hoai Vi | ||
| 核保障措置インフラの開発:ベトナム放射線・原子力安全庁との協力 | |||
| Nuclear Safeguards Infrastructure Development: Technical Assistance to Vietnam in Radioactive Waste Management and Environmental Monitoring | Jacqueline Shipwash, Donald Kovacic, Mo Bissani, John Mcclelland-Kerr, Laura K. Harvey | ||
| 核保障措置インフラの開発:ベトナムへの放射性廃棄物管理および環境モニタリングに関する技術支援 | |||
| Nuclear Safeguards Infrastructure Development: Technical Collaboration with the Vietnam Atomic Energy Commission | Jacqueline Shipwash, Donald Kovacic, John Mcclelland-Kerr, Kenneth Apt, Mo Bissani, Doan Phac Le | ||
| 核保障措置インフラの開発:ベトナム原子力委員会との技術協力 | |||
| Nuclear Safeguards Monitoring with Spaceborne SAR | Q. S. Bob Truong, P. Staples | ||
| 宇宙搭載SAR(合成開口レーダ)による核保障措置監視 ― RADARSAT-2を用いた原子力施設・鉱山の特徴検出とセンサー統合の可能性 | (*)IAEAは従来、保障措置監視に高解像度光学データを利用してきたが、近年の高解像度・偏波SAR(合成開口レーダ)画像の利用可能性を評価する試みが進行。RADARSAT-2データを用いてカナダのPickering原子力発電所と豪州のRanger鉱山を解析した結果、施設の一部特徴は検出可能だが、建屋形状により検出困難な場合も確認。TerraSAR-Xとのセンサー統合や偏波・視線方向の影響を考慮した解析により、SARデータを物理モデルに組み込む可能性を提示。 | ||
| Off-Specification Highly Enriched Uranium Blend Down Program Interrelationships and a Program Update (U) | Virgina E. Magoulas, Charles R. Goergen, D. M. Davis | ||
| オフスペック高濃縮ウランのブレンドダウンプログラムにおける相互関係と最新動向 ― 非拡散目標達成と経済価値回収に向けたDOE複合体の連携 | (*)米国NNSAの核分裂性物質処分局(NA-26)は、兵器級高濃縮ウラン(HEU)174トンを低濃縮ウラン(LEU)または廃棄物に転換し、兵器利用不可能な状態にするプログラムを推進。約60トンのHEUは「オフスペック」であり、LEUにブレンドダウンしても商業燃料規格を満たさないため、専用のオフスペック燃料プログラムを設置。公的・民間・政府・準政府機関の連携により、非拡散目標を達成しつつ、可能な限り経済的価値を回収する取り組みが進行中。 | ||
| On China’s Commercial Reprocessing Policy | Hui Zhang | ||
| 中国における商業再処理政策の検討 ― MOX燃料利用と高速炉導入計画の背景、経済性・核拡散リスク・エネルギー安全保障の評価 | (*)中国は現在11基の原子力発電炉(総出力9GWe)を運転中で、2020年までに40GWeへの拡大を計画し、閉じた燃料サイクル政策に基づき再処理とMOX燃料利用を推進。50~100tHM/年規模のパイロット再処理施設が稼働準備中で、2020年頃に商業再処理工場とMOX製造施設を稼働予定。さらにCEFR(25MWe)や2030~2035年の大型高速炉導入も計画。本論文は、再処理・高速炉政策の経済性、核拡散リスク、エネルギー安全保障、環境・健康リスク、使用済燃料管理の観点から妥当性を検討。 | ||
| ON-LINE MONITORING FOR CONTROL AND SAFEGUARDING OF RADIOCHEMICAL STREAMS AT SPENT FUEL REPROCESSING PLANT | S. Bryan, T. Levitskaia, Justin M. Billing, Amanda J. Casella, Amanda M. Johnsen, James M. Peterson, Amanda M. Lines, Samuel A. Bryan | ||
| 使用済み燃料再処理工場における放射性化学物質ストリームの制御と保障措置のためのオンラインモニタリング | |||
| Ongoing Investigation of the Effect that Drugstore Beetles have on Celotex Assemblies Found within Radioactive Material Packagings | James M. Shuler, Bradley M. Loftin | ||
| 放射性物質輸送容器に使用されるCelotex部材へのドラッグストアビートル(穀象虫)影響に関する継続調査 ― 9975容器の安全性能評価と昆虫学的検証 | (*)DOE Hanfordサイトで、9975輸送容器のCelotex繊維板部材内にドラッグストアビートル(穀象虫)が発見され、容器の安全性能への影響が懸念された。DOE包装認証プログラムの指示で、Savannah River国立研究所がClemson大学の昆虫学専門家と協力し、ビートルによる損傷の有無を調査。1年間の調査結果では、Celotexに顕著な損傷は確認されず、現在も追加検証を継続中。 | ||
| OPERATIONAL READINESS AND USE OF THE NEW ES-3100 TYPE BRAM SHIPPING CONTAINER | K. A. “Keith” Pilcher, Jeffrey G. Arbital, Larry Roberson | ||
| End(13) | 運用新型ES-3100型BRAM輸送コンテナの準備状況と使用状況 | ||
| Operator’s Experience on Random Inspection for Reprocessing Plant at JNC-1 site | Takaumi Kimura, T. Hina, Yasushi MIURA, Koichi ISHIYAMA, Junichi Fukuhara | ||
| JNC-1サイトにおける再処理施設のランダム検査に関する事業者の経験 | |||
| Operator’s Experience on Random Interim Inspection for MOX Fuel Plant at JNC-1 site | Takashi Asano, Shigeo Fujiwara, Taketeru Nagatani | ||
| JNC-1サイトにおけるMOX燃料製造施設のランダム中間検査に関する事業者の経験 | |||
| Optimization of a Compton Suppression Detection System Using CdZnTe and Liquid Scintillators | S. D. Clarke, S. A. Pozzi, M.M. Bourne, A, Gueorguiev | ||
| CdZnTeと液体シンチレータを用いたコンプトン抑制検出システムの最適化 | |||
| OPTIMIZATION OF OPERATIONAL PROCEDURES TO PREVENT UNAUTHORIZED TRANSPORTATION OF RADIOACTIVE MATERIALS ACROSS BORDERS | Leonid Kagan, Andrei Stavrov | ||
| 国境を越える放射性物質の不正輸送防止に向けた運用手順の最適化 ― ポータルモニターと補助装置による検知効率向上とコスト低減 | (*)国境での放射性物質不正輸送防止のため、放射線検知システムの運用手順を最適化することが重要であり、検知シナリオ・設置場所・検出器距離・測定時間などを検討。車両・歩行者用放射線ポータルモニターを主装置とし、金属探知機やX線装置を補助的に活用することで、検知確率を向上させ、設計を簡素化しコストを削減。最適化により、国境管理の効率性と安全性を高め、放射性物質の不正輸送リスクを低減できることを示唆。 | ||
| Options for Converting Excess Plutonium to Feed for the MOX Fuel Fabrication Facility (U) | Paul Smith, J. Watts, John D. Psaras, David A. Costa, Edward L. Joyce | ||
| 余剰プルトニウムをMOX燃料製造施設用原料に転換するための選択肢 ― 金属から酸化物への変換と不純物除去プロセスによるコスト・リスク低減 | (*)米国で保管される余剰プルトニウムは国家安全保障と核不拡散の観点から課題であり、長期保管には巨額のコストがかかる。ロスアラモス国立研究所は、13トンの余剰Puの一部をMOX燃料製造施設(MFFF)の原料に転換するため、金属から酸化物への変換や塩化物・フッ化物除去など既存の防衛プログラム技術を活用するオプションを検討。このアプローチは、保管コストとセキュリティリスクを低減しつつ、原子力発電用燃料を生産するという二重の利点を提供。 | ||
| OVERVIEW OF GLOBAL THREAT REDUCTION INITIATIVE DOMESTIC THREAT REDUCTION EFFORTS | Peter Tensmeyer, loanna lliopulos | ||
| グローバル脅威削減イニシアティブにおける国内脅威低減活動の概要 ― 研究炉防護・放射線源回収・輸送セキュリティ強化に向けた取り組みと今後の展望 | (*)米国DOE/NNSAのグローバル脅威削減イニシアティブ(GTRI)は、核・放射性物質の盗難・転用・破壊を防ぐため、国内外で脅威低減活動を展開。国内プログラムは、セキュリティ評価・改修、研究炉防護、警報対応訓練、机上演習、セシウム塩化物照射装置の遅延機構導入、輸送セキュリティ、オフサイト放射線源回収を含む。本論文は、これらの活動の概要、得られた教訓、今後の拡大計画を提示。 | ||
| Overview of U.S.-Russian Plutonium Disposition Program | Karyn Durbin, Kenneth Bromberg, Guy Lunsford | ||
| 米露プルトニウム処分プログラムの概要 ― MOX燃料化による余剰兵器級Puの不可逆的削減と協定改訂の動向 | (*)米露は2000年のプルトニウム管理・処分協定に基づき、各国34トンの兵器級プルトニウムを処分する義務を負い、MOX燃料化による炉内照射で「使用済燃料基準」を達成する方針。米国はSavannah River SiteにMOX燃料製造施設と廃棄物固化建屋を建設中で、兵器級Puを酸化物に転換する最適な方法を検討。ロシアはBN-600およびBN-800高速炉での照射を計画し、両国は協定改訂を交渉中。これはNPT第6条に沿った透明かつ不可逆的な核兵器削減の具体例。 | ||
| Panel Discussion on the Next Generation Safeguards Initiative | Mark Whitney | ||
| 次世代保障措置イニシアティブに関するパネルディスカッション ― 国際保障措置強化に向けた技術開発・人材育成と米国の役割 | (*)次世代保障措置イニシアティブ(NGSI)は、国際保障措置体制の強化を目的に2008年にDOE/NNSAが開始し、今後25年間の課題に対応する技術と人材の育成を目指す。NGSIは、政策、先進的アプローチ、技術開発、次世代専門家育成、保障措置文化の5つの戦略分野で構成され、国内能力再構築と国際協力を重視。本パネルでは、オバマ大統領のプラハ演説で示された「国際査察強化」方針を背景に、米国の役割と国際的な連携の必要性を議論。 | ||
| PARTIAL DEFECT DETECTION IN LWR SPENT FUEL USING A DIGITAL CERENKOV VIEWING DEVICE | B. Lindberg, M. Larsson, K. AxelI, J. Dahlberg, J. D. Chen, D. A. Parcey, R. Kosierb, E. Sundkvist, P. Carlson | ||
| デジタルチェレンコフ観察装置を用いた軽水炉使用済燃料の部分欠陥検出 | |||
| Passive Gamma Spectroscopy for Enriched Uranium Mass Flow Measurements | J. L. Cochran, J. A. Danzer | ||
| 濃縮ウラン質量流量測定のためのパッシブガンマ線分光法 | |||
| PASSIVE TIME COINCIDENCE MEASUREMENTS WITH ASSEMBLIES OF HEU AND DU CASTINGS | P. A. Hausladen, S. M. Mcconchie, J. T. Mihalczo | ||
| HEUおよびDU鋳塊集合体に対する受動型時間同時計測 ― NMISシステムを用いた中性子同時計数による識別能力評価 | (*)DOE支援の下、Y-12でHEUとDU金属鋳塊に対する受動型時間同時計測を実施し、両者の識別能力を評価。測定には能動照射源を用いないNMISシステムと3He中性子検出器を使用し、Pu測定で確立された手法をU系材料に適用。自発核分裂率が低いUに対し、時間相関分布解析により、HEUとDUの区別が可能であることを確認。 | ||
| PERFORMANCE TESTING OF THE JSR-15 MULTIPLICITY SHIFT REGISTER AT HIGH COUNTING RATES | S. Philips, R. D. McElroy, M. F. Villani, C. G .Wilkins, S. Croft, N. Menaa, M. Newell, D. C. Jones | ||
| 高計数率条件におけるJSR-15中性子同時計数用シフトレジスタの性能試験 ― 50MHzクロックと拡張ヒストグラムによる非破壊分析の高精度化 | (*)中性子同時計測は、プルトニウム含有材料の非破壊分析に広く用いられるが、高計数率条件では従来のシフトレジスタの性能限界が問題となる。新開発のJSR-15は、50MHzクロック、0~511ビンのヒストグラム、Fast Accidentals機能を備え、従来機の4MHz・255ビン制約を克服。ベンチ試験とNDA2000ソフトウェアを用いた実験で、MHz領域の計数率でも飽和せず、世界初の高性能多重度計数拡張を実証。 | ||
| PERFORMING COUNTRY ASSESSMENTS USING THE IAEA MILESTONES PROCESS, DETAILED ANALYSIS OF TWO KEY INFRASTRUCTURE ISSUES | Stephen Goldberg, Ron S. Faibish | ||
| IAEAマイルストーンプロセスを用いた国家評価の実施 ― 資金調達と電力系統に関する二大インフラ課題の詳細分析と原子力・淡水化複合施設の経済性検討 | (*)世界的な原子力発電導入への関心増大を背景に、ANLはIAEAマイルストーンプロセスに基づき、電力と淡水を同時供給する原子力・海水淡水化複合施設の経済性を評価。分析では、資金調達・電力系統という2つの重要インフラ課題に焦点を当て、資本コスト、割引率、淡水化能力、電力・水の輸出プレミアムを主要パラメータとして検討。適切な計画により、電力・水需要が増加する地域でIAEA推奨事項を満たしつつ、原子力発電プロジェクトを経済的に成立させる可能性を示唆。 | ||
| Pit Disassembly and Conversion-Challenges and Opportunities | Roger A. Lewis | ||
| ピット解体・転換における課題と機会 ― MOX燃料製造に向けたPu酸化物供給体制の再構築と既存施設活用の検討 | (*)米国議会の指示により、ピット解体・転換施設(PDCF)は核兵器解体計画に統合され、MOX燃料製造施設(MFFF)向けPu酸化物供給を確保することが課題となった。移管に伴い、情報分類や余剰プルトニウム源の選定などの制約を再検討し、非ピットPu転換やSavannah River Site既存施設の活用など代替案を評価。防衛プログラム、核物質処分、環境管理部門の連携により、コスト効率的なPu酸化物生産体制の構築を目指す。 | ||
| Plutonium Inventory Estimation of Extraction Cycles at Rokikasho Reprocessing Plant | Tomonori Iwamoto, Kousuke Yamaya, Akio Kawai, Nobuharu Sato, Tadahiro lseki | ||
| 六ケ所再処理工場における抽出サイクルのプルトニウムインベントリー推定 | |||
| Potential Methods for Measuring Uranium Mass Flow in a Production Environment | J. L. Cochran, Richard L. Moyers, J.A. Danzer, L.M. Holland | ||
| 生産環境におけるウラン質量流量測定のために可能な手法 | (*)Y12国家安全保障コンプレックスにおける濃縮ウラン(EU)の化学処理 | ||
| POTENTIAL PLUTONIUM UTILISATION IN FUTURE UK PWRS | Andrew Worrall | ||
| 将来の英国原子力発電所におけるプルトニウム利用の可能性 | |||
| Preliminary Planning Considerations Relating to Transportation Security of Nuclear Waste | John G. Vlahakis, Ph.D. | ||
| 核廃棄物輸送セキュリティに関する初期計画上の考慮事項 ― Yucca Mountain処分場への輸送リスク評価と防護戦略の検討 | (*)米国エネルギー省(DOE)のOCRWMは、Yucca Mountain地層処分場への使用済燃料(SNF)と高レベル廃棄物(HLW)の輸送に関する安全・セキュリティ計画を策定。本論文は、輸送リスク要因(輸送経路、脅威シナリオ、規制要件)を踏まえた初期計画段階でのセキュリティ考慮事項を概説。現行DOE輸送の一般的なセキュリティ要件と、他機関の知見を比較し、包括的な防護戦略の必要性を強調。 | ||
| Preparations for Additional Protocol Implementation at Oak Ridge National Laboratory | Janie Mccowan, R. A. Cain | ||
| オークリッジ国立研究所における追加議定書実施準備 ― 発効直前の申告対応、SBMS手順策定と管理ツール整備 | (*)米国追加議定書(AP)は2009年1月6日に発効し、DOEは事前準備として2008年11月にAPデータコールを開始、ORNLは35日間で申告対象活動を特定。ORNLはAPコーディネーターの任命、役割分担、サイト認識訓練、SBMS手順策定、ソフトウェアツール整備などを実施し、申告ラインアイテム(DLI)を確定。データ収集・更新・レビュー・提出の迅速化により、IAEAへの初回申告を期限内に完了する体制を構築。 | ||
| Preparing for the Entry-into-Force of the U.S. Additional Protocol at the National Security Laboratories | Jonathan Essner, A. Dougan, Michael Dahlstrom | ||
| End(14) | 米国追加議定書発効に向けた国家安全保障研究所での準備 ― 補完的アクセス対応訓練と国家安全保障除外・管理付きアクセスの実務適用 | (*)米国追加議定書(AP)の発効に備え、DOE国立研究所はIAEAによる補完的アクセス対応のため、模擬訪問や訓練プログラムを策定。訓練では、IAEAの質問に答えるための情報提供と、国家安全保障除外(NSE)や管理付きアクセスを適用して機密保護を両立する方法を習得。AP特有の権利(Article 1.b, 1.c)とモデルAPに基づく一般的権利(Article 7)を踏まえ、DOE施設での実務対応を標準化することが目標。 | |
| Priorities for Technology Development and Policy to Reduce the Risk from Radioactive Materials | Ruth Duggan | ||
| 放射性物質リスク低減に向けた技術開発と政策の優先課題 ― 検知・輸送セキュリティ・安全とセキュリティの調和に関する国際ワークショップ報告 | (*)JNMM誌(2008年春号)掲載のワークショップ報要旨をもとに要約。INMM非拡散・軍縮技術部門の委員会は、放射性・核物質リスク低減に関するワークショップを開催し、核物質不正取引検知、輸送セキュリティ、そして安全とセキュリティの相互作用を議論。技術的ギャップ(検知技術、追跡システム)、政策的ギャップ(国際基準、規制整合性)を特定し、優先度付けを行うことで包括的なリスク低減戦略を提示。参加者は学術、政策、産業、緊急対応、保障措置、物理的防護の専門家で構成され、技術開発と政策調整の両面で協働の必要性を強調。 | ||
| Probabilistic Effectiveness Methodology Use in Preventive Radiological/Nuclear Detection | Ross W. Snare Ill | ||
| 予防的放射線・核検知における確率的有効性評価手法の活用 ― 脅威モデルに基づく検知アーキテクチャの脆弱性分析と運用改善への展望 | (*)本論文は、放射線・核検知の予防的運用における「確率的有効性評価手法(PEM)」の概要を示し、脅威の動機・能力・輸送経路と検知システム性能を統合的にモデル化。PEMは、航空・陸路・海路を含む輸送経路と検知アーキテクチャの性能をシミュレーションし、脅威側視点で検知網のギャップや脆弱性を評価。将来的には、装置調達支援、ミッション管理、研究開発、運用改善などへの応用が期待される。 | ||
| Process Modeling for LEU Fuel Fabrication to Support Minimizing Use of HEU in Research Reactors | Drew E. Kornreich, Joseph W. Jackson | ||
| 研究炉における高濃縮ウラン(HEU)使用最小化を支援する低濃縮ウラン(LEU)燃料製造プロセスのモデリング ― 核不拡散政策に基づく燃料転換と製造工程最適化 | (*)要旨は公開されていない | ||
| PROCESS MONITORING FOR NUCLEAR SAFEGUARDS | Kory Budlong-Sylvester, M. Ehinger, G. Pomeroy | ||
| 核保障措置のためのプロセスモニタリング | |||
| PROCESS MONITORING IN THE URANIUM PROCESSING FACILITY (UPF) AT Y-12 | Rachel Hayes, J. Chris Goans | ||
| Y-12ウラン処理施設(UPF)におけるプロセスモニタリング | |||
| PROCESS TO CREATE THE NATIONAL NUCLEAR SECURITY ADMINISTRATION ANNUAL PHYSICAL SECURITY TECHNOLOGY MANAGEMENT PLAN | Andrew Walter, Joe Sandoval, Cal Jaeger, Gregory D. Wyss, Consuelo Silva, Carla Ulibarri, John L. Russell, Teresa Torres | ||
| 米国国家核安全保障局における年次物理的防護技術管理計画の策定プロセス ― リスク管理に基づく投資優先順位付けと5年間戦略 | (*)NNSAは2008年改正法に基づき、物理的防護技術投資を優先順位付けするための客観的・再現可能なプロセスをSandiaに委託。計画は、政策主導・維持管理・研究開発・脆弱性対応・更新など異なる性質のプロジェクトを比較し、5年間の投資戦略を策定。プロセスは「原則確認→情報収集→分析→計画策定→実施」の5段階で構成され、リスク管理に基づく技術選定と情報共有を強化。 | ||
| Progress and Goals for INMM ASC N15 Consensus Standard “Administrative Practices for the Determination and Reporting of Results of Non-Destructive Assay Measurements of Nuclear Material in situ for Safeguards, Nuclear Criticality Safety, and Other Pu | Frank Lamb, David S. Bracken | ||
| INMM ASC N15コンセンサス標準の進捗と目標:保障措置・臨界安全・その他目的に向けた核物質の現場非破壊測定結果の決定・報告に関する管理手法 ― DNFSB勧告対応とASTM標準補完 | (*)INMM ASC N15委員会は、原子力施設内での核物質ホールドアップの非破壊測定結果の決定・報告に関する管理手法を定める新しいコンセンサス標準を策定中。この標準は、核物質計量管理・保障措置、臨界安全、廃棄物管理、放射線防護など複数の利害関係者の要求を反映し、既存のASTM C1455標準を補完。DNFSB勧告2007-1に基づき、現場測定の精度確保と安全要件への適用を強化するため、実施計画と標準化の進捗を報告。 | ||
| Progress in Development of an Advanced Enrichment Monitor Based on Transmission Measurements with an X-ray Source and Nal(TI) Spectrometer | Martyn T. Swinhoe, B. Boyer, Calvin E. Moss, K. D. lanakiev, J. M. Goda, H. Nguyen, Robert F. Parker, T. R. Hill, B. P. Nolen, M. T. Paffett | ||
| X線源とNaI(TI)スペクトロメータを用いた透過測定に基づく先進的濃縮度モニターの開発進捗状況 | |||
| Progress in Reducing the Nuclear Threat: United States Plutonium Consolidation and Disposition | Jeffrey S. Allender, Scott H. Davies, R. E. Koenig | ||
| 核脅威低減に向けた進展:米国におけるプルトニウムの集約と処分 ― 冷戦後の余剰核物質管理、MOX燃料化および代替処分戦略 | (*)冷戦終結後、米国は61.5トンのプルトニウムと大量の濃縮ウランを核兵器用途から恒久的に除外し、DOEは不要施設の閉鎖・在庫削減を進めた。Rocky FlatsやSandiaなど複数拠点で「カテゴリーI」核物質の保管を終了し、HanfordやLLNLでの在庫撤去を継続、保管リスクとコストを低減。余剰プルトニウムは廃棄物処分やMOX燃料製造施設への移送準備を進め、利用困難な材料には代替処分法を適用する方針。 | ||
| PROGRESS REPORT ON DEVELOPING JAPANESE SAFEGUARDS “HUMAN CAPITAL DEVELOPMENT PLAN” AND “TECHNOLOGY DEVELOPMENT STRATEGY” | Masahiro Kikuchi, lsao Kobayashi, H. Nemoto, Nobuhiro Muroya | ||
| 日本の保障措置策定に関する進捗報告書「人材育成計画」および「技術開発戦略」 | |||
| Proliferation Risk Reduction Study of Alternative Spent Fuel Processing Technologies | Gary Rochau, Joseph F. Pilat, Robert Bari, Jon Phillips, Lap-Yan Cheng, Edward Wonder, Michael Zentner, Ike Therios | ||
| 代替使用済燃料処理技術に関する核拡散リスク低減研究 | |||
| PROMOTING MEDIOCRITY: NRC’S POLICY FOR NEW FACILITY SECURITY DESIGN | Edwin S. Lyman | ||
| 凡庸さを助長する政策:新設原子力施設のセキュリティ設計に関するNRCの方針 ― 航空機攻撃リスクを巡る規制の限界と代替策 | (*)「セキュリティ・バイ・デザイン」の原則では、新しい原子力施設の設計段階で安全性と同等にセキュリティを考慮すべきだが、現行施設は脅威を軽視した時代に設計され、脆弱性を抱えている。NRC(米国原子力規制委員会)は、9/11後の航空機攻撃リスクを「設計基準外」と位置づけ、新設プラントに対して包括的なセキュリティ設計義務を課すことを拒否している。NRCの最終規則は、航空機衝突時に大規模な放射性物質放出を防ぐことのみを要求し、炉心損傷を許容するなど、長期的な公衆防護には不十分であると論じている。 | ||
| PROMPT NEUTRON DECAY CONSTANT FROM FEYNMAN VARIANCE FITTING | John T. Mihalczo, P. A. Hausladen, S. M. Mcconchie | ||
| ファインマン分散フィッティングによる即発中性子寿命 | |||
| Proof-of-concept Approaches for Knowledge Capture | D. J. Martin, Q. S. Bob Truong, K. Desson | ||
| 知識キャプチャに向けた概念実証的アプローチ ― 保障措置分野における明示知と暗黙知の継承手法 | (*)CNSCとIAEAは、保障措置分野での知識資産を保持・継承するため、知識キャプチャの実証的アプローチを共同で検討してきた。主な課題は、退職や異動を控えたベテラン職員から、明示的知識(手順・事実)と暗黙知(経験・判断)を効果的に抽出することである。本論文では、ビデオ講義や構造化インタビューを活用した初期的な試行事例を紹介し、標準に基づく計画策定、情報処理、検索性を高めるパッケージ化手法を提示している。 | ||
| Proposed Methodology for Developing a National Strategy for Human Resource Development: Lessons Learned from a NNSA Workshop | Kenneth Apt, Sarah Frazar, John Mcclelland-Kerr, Oksana Elkhamri, Margot Mininni, Matthew C. Van Sickle, Jonathan Essner | ||
| 人材育成のための国家戦略策定のための提案手法:NNSAワークショップからの教訓 | |||
| Quantifying Nuclear Weapons Latency | |||
| 核兵器レイテンシーの定量化 ― 国家の技術・資源・政策要因を考慮した拡散リスク評価モデルの構築 | (*)核兵器レイテンシーとは、国家が現在の技術・資源・政策優先度に基づき、核兵器を製造するまでに要する時間を指す。本研究では、IAEAなどの国際機関が保障措置資源をより効果的に配分できるよう、レイテンシーを定量化するための指標とモデルを開発している。モデル構築には数学的手法を用い、既存の核拡散事例を参照しながら、国家の核燃料サイクルや軍事インフラの成熟度を評価する枠組みを提示している。 | ||
| Quantifying the Degree of Balance in Physical Protection Systems | Gregory D. Wyss | ||
| 物理的防護システムにおける防護バランス度の定量化 ― 脆弱経路群を考慮した指数加重平均による評価手法 | (*)物理的防護システムにおける「バランスの取れた防護」は、攻撃経路ごとに同程度の難易度を提供することが重要な設計指針とされてきた。従来は専門家の判断による主観的評価が中心だったが、本論文では定量的にバランス度を測る新しい指標を提案している。提案手法は指数加重移動平均を用いて、複数の脆弱な攻撃経路の性能を統合し、最も脆弱な経路に高い重みを与えることで、リスク管理に活用可能な単一メトリックを算出する。 | ||
| QUANTIFYING THE PASSIVE GAMMA SIGNAL FROM SPENT NUCLEAR FUEL IN SUPPORT OF DETERMINING THE PLUTONIUM CONTENT IN SPENT NUCLEAR FUEL WITH NONDESTRUCTIVE ASSAY | S. Tobin, Mike L. Fensin, Howard O. Menlove, Martyn T. Swinhoe | ||
| 非破壊分析による使用済み核燃料中のプルトニウム含有量の測定を支援するため、使用済み核燃料からの受動ガンマ線の定量化 | |||
| REAL-TIME DETECTION OF UREX+3A EXTRACTION STREAMS FOR MATERIALS ACCOUNTANCY | Braden Goddard, William S. Charton | ||
| UREX+3a抽出ストリームの実時間検出による材料計量管理 ― ガンマ線・中性子測定を用いた保障措置戦略と再処理施設への応用 | (*)UREX+3a再処理法を対象に、ガンマ線および中性子測定を用いた実時間検出手法を開発し、材料計量管理(Material Accountancy)における保障措置強化を目指した。定量測定は誤差が大きく従来の保障措置には不適と判明したため、定性的なガンマ線・中性子スペクトル解析に基づく戦略を提案し、MCNPによるシミュレーションで検証した。HPGe N型検出器の耐中性子性や配管径による自己遮蔽の影響を評価し、商業再処理施設でのリアルタイム監視と品質管理への応用可能性を示した。 | ||
| RECYCLING IN FRANCE | Jurgen Krellmann, Marc Arslan, Jean-Pierre Gros | ||
| End(15) | フランスにおける使用済燃料リサイクル ― MOX燃料利用による資源節約と廃棄物低減、国際的技術基準としてのLa Hague・MELOXの役割 | (*)使用済燃料のリサイクルは、天然ウラン節約と濃縮コスト削減に寄与し、核燃料サイクルの持続可能性を確保する重要な政策である。フランスでは30年以上にわたり再処理とMOX燃料利用を実施し、廃棄物量を約5分の1、放射能毒性を約10分の1に低減する成果を示している。La Hague再処理工場とMELOX MOX製造施設は国際的な技術基準となり、米国や日本のプロジェクトにも応用されている。 | |
| Reflective Particle Tag for Arms Control and Safeguards Authentication | Keith Tolk, Jack C. Bartberger, Karl Horak, A. Trujillo, Antonio Gonzales | ||
| 軍備管理および保障措置認証に向けた反射粒子タグ ― 光学パターン認証と画像処理アルゴリズムによる改ざん検出技術 | (*)反射粒子タグ(RPT)は、軍備管理や保障措置における認証を目的とした次世代タグ技術で、反射性結晶を含む樹脂タグを封印部に適用し、固有の光学パターンで識別する。論文では、複数方向から照射した画像セットを比較する画像処理アルゴリズムを提案し、幾何学的対応付けとアフィン変換検証を用いて改ざん検出を行う手法を紹介。将来的には、低証拠改ざんの検出精度向上や自動化を目指し、コンピュータビジョン技術の活用を進める計画を示している。 | ||
| REGIONAL RADIOLOGICAL SECURITY PARTNERSHIP IN SOUTH EAST ASIA – INCREASING THE SUSTAINABILITY OF SECURITY SYSTEMS AT THE SITE-LEVEL BY USING A MODEL FACILITY APPROACH | Fred Morris, Gregory A. Herdes, Allan Murray, Travis Chamberlain, Sarah Dickerson, Scott Ravenhill | ||
| 東南アジアにおける地域放射線源セキュリティ・パートナーシップ ― モデル施設アプローチによるサイトレベル防護システムの持続性向上 | (*)オーストラリアANSTOは2004年にRSRSプロジェクトを開始し、米国DOEのGTRIおよびIAEAと協力して、東南アジア諸国の放射線源セキュリティ強化を目的とする地域パートナーシップ(RRSP)を構築した。RRSPは、物理的防護の改善、規制整備、孤立放射線源の回収、訓練などを進め、最近では「モデル施設」を用いたセキュリティ手順の開発により、各国の制度と現場運用の持続性を高めている。モデル施設アプローチは、規制遵守の促進、複数ツールの統合による効果向上、そして持続可能なプロセスの確立を通じて、長期的な放射線源管理の安全性を強化する。 | ||
| Regulatory Leak Testing of the Bulk Tritium Shipping Package | Paul S. Blanton, Kurt R. Eberl, Don Trapp, Greg Sides | ||
| 大量トリチウム輸送容器の規制リーク試験 ― BTSP設計特徴と事故条件下での漏えい防止性能検証 | (*)米国DOEは大量トリチウム輸送用の新型容器BTSP(Bulk Tritium Shipping Package)を設計し、10 CFR 71に基づく通常輸送条件(NCT)および仮想事故条件(HAC)での性能試験を実施した。試験では、容器の二次貫通部がない構造に対応するため、6種類のリーク試験手法を開発し、事故条件後も漏えい率が規制値以下であることを確認した。本論文は、BTSPの設計特徴、試験方法、そして他の放射性物質輸送容器への応用可能性を示している。 | ||
| REGULATORY TESTING OF A NEW TYPE AF RADIOACTIVE MATERIAL PACKAGING FOR THE DEPARTMENT OF ENERGY | Paul S. Blanton, Kurt R. Eberl, Ashok Kapoor, Paul T. Mann | ||
| エネルギー省向け新型放射性物質輸送パッケージの規制テスト | |||
| Reinforcement of DIV Capacities by Geophysical Inspection Tools | Stefan Jung, Claude Antoine, Michel Richard, Jean-Louis Chazelas | ||
| 地球物理学的検査手法による設計情報検認(DIV)能力の強化 ― 追加議定書下での非破壊検査技術の適用とIAEA検認精度向上 | (*)追加議定書の実施に伴い、IAEAは設計情報検認(DIV)の能力強化を求められ、複雑な施設構造や地下設備の検証が課題となっている。フランス支援プログラムでは、地球物理学的手法(例:地中レーダー、磁気探査、超音波)を導入し、非破壊で構造内部や地下の異常を検出する技術を開発した。本論文は、これら手法の適用条件・精度・限界を分析し、IAEA検認における現場データ品質管理と迅速な予備結果取得の重要性を示している。 | ||
| Replacing a 252C f Source with a Neutron Generator in a Shuffler – A Conceptual Design Performed with MCNPX | S. Tobin, M. A. Schear | ||
| シャッフラーにおける252C f線源を中性子発生装置に置き換える – MCNPXを用いた概念設計 | |||
| RESEARCH AND TEST REACTOR SECURITY ENHANCEMENTS | John Pelletier, Gregory A. Herdes, Ralph Butler, Craig Johnson | ||
| 研究炉・試験炉におけるセキュリティ強化 ― GTRI主導による自主的防護改善プロジェクトと政府・大学間の協力事例 | (*)米国DOE/NNSAのグローバル脅威削減イニシアティブ(GTRI)は、2007年にDHS・NRC・大学と連携し、国内研究炉・試験炉に対する自主的なセキュリティ強化プロジェクトを開始した。このプロジェクトは、規制外の領域で迅速な防護強化を実現し、NRCが推奨するベストプラクティスの導入を支援、さらにHSPD-7(国土安全保障大統領指令)への対応を目的とした。初期導入はオレゴン州立大学とミズーリ大学で2009年初頭に完了し、その後、全NRC認可研究炉に拡大、政府と民間の協力による成功事例を示している。 | ||
| Research into Nuclear Arms Control Verification at the UK Atomic Weapons Establishment | David Keir, John Rowen, Helen White, David M. Chambers, Mark Owen | ||
| 英国原子力兵器研究所における核軍備管理検証に関する研究 | |||
| Risk-Based Cost-Benefit Analysis for Security Assessment Problems | John L. Darby, Andrew Walter, Gregory D. Wyss, Kim W. Mitchiner, Consuelo Silva, Consuelo Silva, John P. Hinton | ||
| セキュリティ評価問題におけるリスクベースのコスト便益分析 ― 攻撃成功に必要な資源量を基準とした新指標による投資優先順位付け | (*)物理的防護システムの性能指標(設計基準脅威に対する有効性確率)は、非線形性が強く、従来のコスト便益分析に適さないため、投資判断を誤らせる可能性がある。本論文は、攻撃者が最も有利なシナリオで成功するために必要な資源量を基準とする新しい「セキュリティ有効性指標」を提案し、リスクベースの投資優先順位付けを可能にする。この指標は従来の最適化アルゴリズムと整合し、意思決定者が投資の正当性を客観的に説明できる枠組みを提供する。 | ||
| Robotic Deployment for Facility and Hazard Mapping | Douglas A. Few, Curtis W. Nielsen | ||
| 施設およびハザードマップ作成のためのロボット配備 | |||
| Role of the Bureau of Industry and Security (BIS) in Implementing the Additional Protocol to the U.S.-IAEA Safeguards Agreement | Jill Shepherd | ||
| 米国・IAEA保障措置協定追加議定書の実施における米国商務省産業安全保障局(BIS)の役割 ― NRC非管轄分野への申告制度と情報保護方針 | (*)追加議定書(Additional Protocol)は、IAEA保障措置の対象を核燃料サイクル全体に拡大し、核物質を扱わない活動(研究開発、機器製造、鉱業など)にも申告義務と補完的アクセスを課す。BISは、NRCが管轄しない商業活動(非核物質を扱う研究開発、核関連機器の製造・輸入など)に対して追加議定書規則を策定し、申告情報をIAEAに送付する役割を担う。論文では、対象活動の範囲、申告方法(Web-AP)、情報保護の方針、そして化学兵器禁止条約実施で培った経験を活用した効率的な規制運用を紹介している。 | ||
| RUSSIAN-ORIGIN HIGHLY ENRICHED URANIUM SPENT NUCLEAR FUEL SHIPMENT FROM BULGARIA | Igor Bolshinsky, Ken Allen, Tihomir Apostolov | ||
| ブルガリアからのロシア起源高濃縮ウラン使用済燃料の輸送 ― GTRIによる全HEU撤去を達成した国際輸送の実務と教訓 | (*)2008年7月、グローバル脅威削減イニシアティブ(GTRI)はブルガリア・ソフィアのIRT-2000研究炉からロシア起源の高濃縮ウラン(HEU)使用済燃料6.4kgをロシアへ安全に輸送した。この輸送はトラック・バージ・鉄道を組み合わせ、2か国を経由する複雑な国際輸送で、ブルガリアからの全HEU撤去を達成した。論文では、輸送に必要な装備・組織・承認手続きと、今後の返還輸送に活用できる教訓を提示している。 | ||
| RUSSIAN-ORIGIN HIGHLY ENRICHED URANIUM SPENT NUCLEAR FUEL SHIPMENT FROM HUNGARY | Igor Bolshinsky, John Dewes, Janos Gado | ||
| ハンガリーからのロシア起源高濃縮ウラン使用済燃料の輸送 ― GTRIによる最大規模の国際返還事例と計画・協調の教訓 | (*)2008年9月、グローバル脅威削減イニシアティブ(GTRI)はハンガリー・ブダペスト研究炉からロシア起源の高濃縮ウラン(HEU)使用済燃料154.5kgをロシアへ安全に輸送した。この輸送はトラック・鉄道・船舶を組み合わせた複雑な国際輸送であり、GTRIのロシア起源燃料返還プログラムにおける最大規模の事例となった。論文では、輸送計画・準備・国際協調の詳細と、今後のHEU返還輸送に活用できる教訓を提示している。 | ||
| Safeguarding Gas Centrifuge Pilot Plants | Houston G. Wood | ||
| ガス遠心分離パイロットプラントにおける保障措置 ― 標準手法の限界と設計段階からの保障措置導入に向けた提案 | (*)IAEAの保障措置は通常、大規模な商業遠心分離プラント向けに設計されているが、パイロットプラントでは研究開発と運転が混在し、標準的手法では不十分な可能性がある。パイロットプラントは小規模(約10万SWU/年以下)で、運転開始前から濃縮が始まるため、転用リスクが高く、既存の監視手段では検知が困難。本論文は、パイロット段階で追加的な保障措置を導入し、成功すれば商業プラントに反映させる「Safeguards by Design」への道筋を提案している。 | ||
| Safeguards at the Commercial Centrifuge Plant at Resende, Brazil | Orpet J. M. Peixoto, Osvaldo Calzetta Larrieu | ||
| ブラジル・レゼンデ商業遠心分離プラントにおける保障措置 ― 四者協定下でのIAEA・ABACCによる設計情報保護と転用防止の両立 | (*)世界的な原子力発電需要増加に伴い、ガス遠心分離によるウラン濃縮施設の建設が進む中、国際保障措置の強化が求められている。ブラジルのレゼンデ商業遠心分離プラントでは、IAEAとABACCが四者協定に基づき、設計情報保護と転用防止を両立する保障措置を適用している。本論文は、ABACCによるレゼンデ施設での保障措置の現状と今後の実施計画を紹介し、次世代保障措置技術の必要性を強調している。 | ||
| Safeguards by Design – Concept, Implementation and Future Developments | Echkard Haas, Thomas Killeen, Bruce Moran, Jill N. Cooley | ||
| 設計段階からの保障措置 – 概念、実施、そして将来の開発 | |||
| Safeguards Education Outreach at Texas A&M University | D. Grant Ford, D. Grant Ford, William S. Charlton, William S. Charlton, Kelley Ragusa, Kelley Ragusa | ||
| テキサスA&M大学における保障措置教育アウトリーチ | |||
| SAFEGUARDS FIRST PRINCIPLES INITIATIVE (SFPI) | Amy Whitworth | ||
| 保障措置第一原理イニシアティブ(SFPI) ― 核物質管理・計量管理プログラムにおける原則ベース標準モデルの開発と試験導入
<第一原理;「なぜその措置が必要なのか」という根本的な問いに答えるための基本原則。例:核物質の計量管理は、転用を検知するための量的把握が不可欠という第一原理に基づく。核物質管理・計量管理プログラムとの関係;計量管理は保障措置の中核機能であり、第一原理の一つは「核物質の所在と量を正確に把握すること」。そのため、国家核物質計量管理システム(State Accounting System)や施設レベルの計量管理は、第一原理に沿った実務的実装といえる。> |
(*)NNSAは「Safeguards First Principles Initiative(SFPI)」を策定し、核物質管理・計量管理(MC&A)プログラムの設計・評価に適用する原則ベースの標準モデルを開発。このモデルは、リスクに応じた効率的なMC&A実装を支援し、性能測定可能な要件を設定することで、従来の手続き中心のアプローチから脱却。試験導入はネバダ試験場(静的保管)とY-12施設(動的加工)で実施され、異なる運用環境での適用性と効果を検証。 | ||
| Safeguards for Alternative UFG Enrichment Plants | M. D. Laughter | ||
| 代替UF₆濃縮プラントに対する保障措置 ― Safeguards-by-Designと次世代技術による転用検出強化」 | (*)世界的にガス遠心分離法によるウラン濃縮能力が急拡大しているが、将来的にはレーザー濃縮など代替技術を用いた商業プラントも建設される可能性がある。これらの施設はUF₆(六フッ化ウラン)を共通のプロセス材料として使用するため、GCEP向けに開発中の保障措置技術(UF₆シリンダー識別・追跡、供給・引抜監視、非破壊検査、設計情報検証、現場質量分析など)は適用可能。IAEAは非GCEP型施設の保障措置に課題を抱えるため、Safeguards-by-Designの概念を導入し、設計段階から保障措置要件を組み込むことで、転用検出と効率的検証を確保する必要がある。 | ||
| SAFEGUARDS FOR THE URANIUM EXTRACTION (UREX) +1A PROCESS | William S. Charlton, Jessica S. Feener | ||
| End(16) | UREX+1aプロセスに対する保障措置 ― 転用検出の迅速化に向けた溶液監視と先進検出技術の統合
<UREX+1aプロセス:使用済燃料再処理の先進的な湿式化学プロセスで、ウランを高純度で分離し、プルトニウムを他の核分裂生成物と混合したまま保持することで、核拡散抵抗性を高める設計。PUREX法と異なり、プルトニウムを単独で抽出しないため、兵器利用のリスクを低減。さらに、マイナーアクチニドや核分裂生成物の分離を組み合わせ、廃棄物管理や燃料サイクルの柔軟性を向上。> |
(*)UREX+1a再処理施設に対する詳細な保障措置アプローチを提案し、従来の核物質計量管理に加え、溶液監視や先進検出技術を組み込む設計を検討。仮想施設(年間1000 MTHM処理)を対象に、転用経路分析を実施し、特に転用検出の迅速化を目的としたリアルタイム測定技術を導入。高度な検出器(テンションメタ安定流体検出器によるオンラインα分光、自己照射中性子共鳴密度計による核分裂性物質定量)を活用し、早期検出による抑止効果を強化。 | |
| Safeguards Implementation at Rokkasho Nuclear Fuel Cycle Facilities | Tomonori Iwamoto, S. Uehara, K. Fujimaki, Tsuyoshi SANPEI | ||
| 六ヶ所村核燃料サイクル施設における保障措置の実施 | |||
| Safeguards Information from Open Sources | Richard Wallace, Jonathan Essner, George Anzelon | ||
| オープンソース情報を活用した保障措置解析 ― 国家評価と未申告活動検出に向けた役割と限界 | (*)オープンソース情報の急増と高度な収集・解析ツールの普及により、保障措置や不拡散研究におけるオープンソース解析の役割が拡大。この手法は、宣言済み核物質の転用や未申告活動の兆候を補足的に検出し、国家評価プロセスで重点領域を特定する支援を提供。単独では決定的証拠にならないが、施設・人物・活動の追加情報を提供し、技術・産業・軍事能力の把握に寄与する有力な資産として位置付けられる。 | ||
| Safeguards R&D Programs in the United States | Kory Budlong-Sylvester, Dunbar Lockwood, Mark Goodman, Stephen A. LaMontagne, James K. Sprinkle, Michael C Miller, Rhys Williams | ||
| 米国における保障措置研究開発プログラム ― NGSI・グローバル保障措置R&D・先進燃料サイクルイニシアティブによる包括的技術基盤強化 | (*)米国は長年にわたり国際保障措置の技術開発を主導し、国内の保障措置研究開発(R&D)投資を基盤に国際的な技術供給を継続してきた。NNSAの「次世代保障措置イニシアティブ(NGSI)」は、短期・中期・長期の技術開発を包括的に推進し、DOEの「グローバル保障措置R&Dプログラム」や「先進燃料サイクルイニシアティブ」と連携している。これらのプログラムは、将来の保障措置ニーズに対応するため、大学・産業界・他国との協力を促進し、広範な技術基盤の強化を目指している。 | ||
| Safeguards Research and Development at ABACC. Accomplishments and future strategy | Erwin Galdoz, OrpetJ. M. Peixoto, Odilon A. M. do Canto | ||
| ABACCにおける保障措置研究開発成果と今後の戦略 | |||
| Safety Software and Nuclear Material Accountability Systems | James A. Seneker, Andrew J. Jackson | ||
| 安全ソフトウェア要件と核物質計量管理システム ― DOE Order 414.1C適合に向けたY-12施設での再構築と品質保証プロセス | (*)核物質計量管理システムのデータは、施設の核物質管理だけでなく、安全解析やDOEの安全ソフトウェア要件への適合にも利用されるようになっている。DOE Order 414.1Cに基づく「安全管理・行政管理ソフトウェア」要件は、ソフトウェア品質保証に追加の厳格性を課し、改修やデータ変更時にコスト増を招く可能性がある。Y-12施設では、情報技術・核物質管理・安全・品質保証部門が協力し、既存システムを再構築して安全ソフトウェア要件を満たしつつ、コストと影響を最小化する方法を開発した。 | ||
| Sample characterization using both neutron and gamma multiplicities | Andreas Enqvist, Senada Avdic, lmre Pazsit | ||
| 中性子およびガンマ線の二種類の同時計数測定を用いた試料特性評価 ― 階乗モーメント解析と人工ニューラルネットワークによる逆解析 | (*)中性子とガンマ線の多重度測定を組み合わせ、試料の特性(核分裂率、漏洩増倍、α比)を推定するための解析手法を提案。第三次までの自己・相互階乗モーメントを導出し、測定可能な検出率と未知パラメータの関係を定式化。非線形かつ冗長な方程式系を人工ニューラルネットワーク(ANN)で逆解析し、良好な結果を得たことを報告。 | ||
| SEAL WIRE INTEGRITY VERIFICATION INSTRUMENT: EVALUATION OF LABORATORY PROTOTYPES | Morris S. Good, James R. Skorpik, Bernard Wishard, Jennifer Tanner, Halvor A. Undem, Victor Kravtchenko, James M. Prince, Emiliano Santiago-Rojas | ||
| シールワイヤ健全性検証装置:実験室試作機の評価 | |||
| SEARCHING AND IDENTIFYING RADIOACTIVE MATERIAL WITH HAND-HELD HIGH-RESOLUTION GAMMA DETECTORS | T. Koble, S. Chmel, H. Friedrich, Monika Risse, Wolfram Berky, W. Rosenstock | ||
| 携帯型高解像度ガンマ線検出器を用いた放射性物質の探索と識別 | |||
| Secure Video Surveillance System (SVSS) for Unannounced Safeguards Inspections | Erwin Galdoz, R.L. Lucero, Max Facchinetti, George T. Baldwin, Jack C. Bartberger, Geraldo Renha Jr., Diana Eichert | ||
| 抜き打ち保障措置検査に向けたセキュア映像監視システム(SVSS) | (*)Proceedingsにタイトルはあるが要旨はオンライン非公開 | ||
| SECURITY APPLICATIONS OF GROUND-BASED SURVEILLANCE RADARS | Mark S. Soo Hoo, Michael G. Williams | ||
| 地上設置型監視レーダーのセキュリティ応用 | (*)要旨(abstract)はオンラインでは公開されていない | ||
| Semi-quantitative analysis of the Lanthanide series elements using a laser induced breakdown spectroscopy | Ho-Dong Kim, Hee-Sung Shin, Seunghyun Kim, June-Sik Ju | ||
| レーザー誘起ブレークダウン分光法を用いたランタノイド系列元素の半定量分析 | |||
| SERS-Active Nanoparticles as a Barcoding Technology for Tags and Seals | L. Brown, Peter Merkle, Stephen K. Doorn | ||
| タグ・封印用バーコード技術としてのSERS応答型ナノ粒子 ― 国際保障措置に向けた低コスト・現場検証可能な封印システムの開発 | (*)国際保障措置におけるタグ・封印技術の近代化を目的に、SERS(表面増強ラマン散乱)応答を示すナノ粒子を利用した低コスト・高信頼性のバーコード技術を提案。ナノ粒子の固有スペクトルをタグ材に組み込み、現場で簡易に検証可能なパッシブ型封印システムを開発。初期試験結果を提示し、Sandia研究所の封印技術との統合による実用化の可能性を示唆。 | ||
| Shipment of Irradiated MOX Fuel Rods-Lessons Learned | Scott B. Ludwig, Bruce B. Bevard | ||
| 照射済MOX燃料棒の輸送における教訓 ― DOE余剰プルトニウム利用燃料のPIE試験に向けた計画・認証・安全輸送の実務 | (*)米国DOEの余剰兵器級プルトニウムを利用したMOX燃料4体をCatawba原子力発電所で照射後、Oak Ridge国立研究所(ORNL)での照射後試験(PIE)に向け輸送を計画・実施。輸送には、ホットセル受入準備、MOX燃料特性評価、適切な使用済燃料輸送キャスクの選定・認証、規制遵守、詳細な計画策定、ドライラン、承認取得など多段階の作業が必要。2009年1月に輸送を安全に完了し、プロジェクト管理・調整・物理的防護・コミュニケーションの重要性と教訓を提示。 | ||
| Shipment of Small Quantities of Unspecified Radioactive Material in Chalfant Packagings | Glenn Abramczyk, A. C. Smith, J. S. Bellamy | ||
| Chalfant型パッケージによる未特定放射性物質の少量輸送 ― 6M廃止後のType B認証と高密封性能容器の適用性検討 | (*)6Mパッケージ廃止後、DOEや研究機関では少量の未特定放射性物質を安全に輸送するため、認証済みType Bパッケージの利用が求められる状況に対応。Chalfant型容器(9975、9977、9978)はヘリウムリーク試験に合格する高い密封性能を持ち、低線量・非核分裂性の小量物質輸送に適用可能。論文では、これらパッケージの認証課題と、未特定放射性物質輸送における汎用性確保のための推奨事項を提示。 | ||
| Simulated Verification of Fuel Element Inventory in a Small Reactor Core Using the Nuclear Materials Identification System (NMIS) | John T. Mihalczo, B. R. Grogan | ||
| 核物質識別システム(NMIS)を用いた小型原子炉炉心における燃料元素インベントリーのシミュレーション検証 | |||
| Simulation of the Effects of Small Angle Scattering When Applying the Enrichment Meter Principle | S. Philips, A. Bosko, S. Croft, R. Venkataraman, H. Schwenn | ||
| エンリッチメントメータ原理適用時における小角散乱の影響シミュレーション ― ウラン濃縮度測定精度向上に向けた補正手法の検討 | (*)ウラン濃縮度測定に広く用いられる「エンリッチメントメータ原理(EMP)」の適用時に、小角散乱が測定精度へ与える影響をモンテカルロシミュレーションで解析。散乱による検出器への追加ガンマ線寄与が、235Uピーク強度の過大評価を引き起こす可能性を評価し、誤差要因を定量化。結果として、散乱補正を導入することで、異なる容器形状や密度条件下での濃縮度推定精度を改善できることを示した。 | ||
| Simulations and Measurements of Plutonium-Oxide Powder Standards | S. D. Clarke, Marek Flaska, P. Peerani, S. A. Pozzi | ||
| プルトニウム酸化物粉末標準のシミュレーションと測定 | |||
| SNM Detection with a Large Water Cerenkov Detector | N. S. Bowden, A. Bernstein, R. Svoboda, S. Dazeleya | ||
| 大型水チェレンコフ検出器によるSNM検出 | |||
| SOFTWARE TO GENERATE THE ACCOUNTINGS REPORTS AND AUDITTING FILES IN TEXT FORMATS (ICAIFE) | Ruben Osvaldo Nicolas | ||
| 計量管理報告書および監査ファイルをテキスト形式で作成するためのソフトウェア(ICAIFE) | |||
| Some Observations on the Use of 252Cf in the Determination of the Deadtime Parameters of Neutron Multiplicity Counters | S. Croft, R. D. McElroy, N. Menaa | ||
| End(17) | 中性子同時計測計の不感時間パラメータ決定における252Cfの使用に関する考察 | ||
| Spent Nuclear Fuel Self-Induced X-ray Fluorescence Simulations for North Anna and TMI | Steven F. Saavedra, William S. Charlton, A.S. Hoover, A. Stafford, J. White | ||
| North AnnaおよびTMI燃料に対する自己誘起X線蛍光シミュレーション ― 使用済燃料中プルトニウム定量に向けた非破壊測定手法の検証
<自己誘起X線蛍光(Self-Induced XRF)測定の原理:使用済燃料から放出されるガンマ線やX線が燃料中の元素を励起し、その結果、元素固有の蛍光X線が発生します。この現象を利用して、燃料中のプルトニウムやウランの濃度を非破壊で推定> |
(*)使用済燃料中のプルトニウム量を非破壊で定量するため、自己誘起X線蛍光(XRF)測定をNorth AnnaおよびTMI-1燃料棒で実施し、実験とシミュレーションを比較。TransLATで燃料の燃焼度に応じた放射能分布を解析し、Origen2でPu・UのX線源強度を算出、MCNPで検出器応答スペクトルを予測。実測データとMCNPシミュレーションの一致により、自己誘起XRFがプルトニウム定量の有望な非破壊手法であることを確認。 | ||
| Stages of the Model Site Implementation at “LUCH” | Victor Y. Chukov, S. V. Leonov, G. V. Lavrentieva | ||
| LUCH施設におけるモデルサイト導入の段階的実施 ― MPC&A(核物質防護・管理・計量管理)システム近代化と物理的防護強化に向けた米露協力の取り組み | (*)ロシアの「LUCH」施設におけるモデルサイト構築は、米露協力の下でMPC&A(核物質防護・管理・計量管理)システムの近代化を目的に2006年から開始。実施内容は、核物質計量管理の自動化システム改良、測定手順の認証、機器更新、職員訓練、さらに物理的防護の強化(周辺防護、アクセス制御、監視システム、訓練施設整備)を含む。Brookhaven国立研究所との契約を通じ、ソフトウェア更新やネットワーク構築など複数段階で進められ、核セキュリティ文化醸成や封印技術の試行も並行して実施。 | ||
| STANDOFF PERFORMANCE OF HPGE DETECTORS IN IDENTIFICATION OF GAMMA-RAY RADIATION SOURCES | Ronald M. Keyser, Timothy R. Twomey, Sam Hitch | ||
| ガンマ線放射源の識別におけるHPGe検出器の遠隔性能評価 ― コリメータ利用と複数検出器統合による最小識別放射能の改善 | (*)HPGe(高純度ゲルマニウム)検出器を用いて、15m以上の距離からガンマ線放射源を識別する性能を評価。自然放射線や環境変動によるバックグラウンドの影響を低減するため、コリメータ使用や複数検出器のデータ統合を検討。137Csを対象に最大80mでの測定結果から、誤検出率を考慮した最小識別放射能(MIA)を算出し、100mでの性能を予測。 | ||
| STATISTICAL INVESTIGATION OF SAMPLE CHARACTERISTICS NEEDED FOR ESTABLISHING THE ORIGIN OF URANIUM ORE CONCENTRATES/YELLOWCAKE | Joel A. Carter, Ian D. Hutcheon, Michael J. Krista, Matrin Robel, C. K. Baynea, D. A. Bostick, J. Horita | ||
| ウラン鉱石濃縮物(イエローケーキ)の原産地推定に必要な試料特性の統計的検討 ― 同位体比・微量元素組成に基づくクラスター分析と主成分分析の比較 | (*)ウラン鉱石濃縮物(イエローケーキ)の原産地を特定するため、同位体比と微量元素組成を用いた統計的手法の有効性を検証。クラスター分析と主成分分析により、異なる供給経路からの試料群の類似性を評価。統計的比較により、地質・地理的起源推定に資する特徴量の選定とグルーピング精度を提示。 | ||
| Status of a PMDA Monitoring and Inspection Regime | Karyn Durbin, Guy Lunsford | ||
| 2000年プルトニウム管理・処分協定(PMDA)に基づく監視・査察体制の現状 ― 米露間交渉の進捗とIAEA関与に向けた課題 | (*)2000年プルトニウム管理・処分協定(PMDA)に基づき、米国とロシアはそれぞれ34トン以上の余剰兵器級プルトニウムを処分することを約束し、その履行確認のため監視・査察(M&I)体制の構築を協定に盛り込んだ。両国は、M&I体制の主要要素(測定方法、データ共有、検認手順)について交渉を継続しており、合意後にはIAEAの役割(第三者監視)を協議する予定。論文では、M&I体制の交渉経緯、技術的課題、国際的信頼性確保に向けた今後のステップを報告している。 | ||
| Status of Implementation of Modern Measurement Equipment and Methodologies at Rosatom Facilities under the U.S-Russian MPC&A Program | Victor Erastov, V. V. Sviridova, A. S. Sviridov, V. A. Pitel, A. V. Stepashko | ||
| 米露MPC&Aプログラムに基づくロスアトム施設における最新測定機器および手法の導入状況 | |||
| Status of Recent and Ongoing Nuclear Regulatory Commission Rulemaking Efforts | Michael F. Kelly, Adelaide Giantelli | ||
| 米国原子力規制委員会における最近および進行中のルールメイキングの現状 ― 固定施設・輸送中の核物質に対するセキュリティ強化と10 CFR改訂の概要 | (*)米国原子力規制委員会(NRC)は、9.11以降、核物質や使用済燃料の悪意ある利用リスクに対応するため、既存規制を見直し、暫定措置として追加のセキュリティ命令を発出。現在、これらの暫定措置を恒久化するため、固定施設および輸送中の核物質に対する保障措置・セキュリティ要件を強化する複数のルールメイキングを進行中。論文では、10 CFR改訂の概要、輸送時の事前通知・監視・人員信頼性確保などの新要件、ならびに規制強化の背景と今後の課題を報告している。 | ||
| Status of Russian Plutonium Disposition | Karyn Durbin, Kenneth Bromberg, Guy Lunsford | ||
| ロシアにおけるプルトニウム処分の現状 ― PMDA改訂交渉と高速炉によるMOX燃料照射計画の進展 | (*)米国DOEは、ロシアの余剰兵器級プルトニウム34トンを処分するため、2000年プルトニウム管理・処分協定(PMDA)に基づき、ロシアのプログラム再構築を支援。2007年のDOE-ロスアトム共同声明と技術報告に基づき、2008年から協定改訂交渉を開始し、ロシアの新計画は高速炉(BN-600、BN-800)でMOX燃料として照射する方針を採用。新計画はロシアの原子力戦略と整合し、国際支援への依存を排しつつ、核不拡散条件を満たす形で進められている。 | ||
| Status of U.S. Plutonium Disposition | Karyn Durbin, Karyn Durbin, Kenneth Bromberg, Kenneth Bromberg, Sam Glenn, Sam Glenn, Clay Ramsey | ||
| 米国におけるプルトニウム処分の現状 ― MOX燃料製造施設建設と保障措置対応に向けたプロジェクト管理の進捗 | (*)米国DOE/NNSAは、余剰兵器級プルトニウムの処分に向け、サバンナリバーサイト(SRS)でMOX燃料製造施設と廃棄物固化建屋(WSB)を建設し、プルトニウムをMOX燃料化して原子炉で照射する計画を推進。MOX燃料照射後、プルトニウムは兵器利用が困難となり、核不拡散の観点から安全性が高まる。建設は2007年以降順調に進捗し、コスト・スケジュール基準に沿っている。論文では、NRCとの調整、NQA-1認定ベンダーとの協働、リード試験集合体プログラムの状況など、プロジェクト管理上の経験と課題を報告している。 | ||
| STATUS OF UPGRADING TAMPER-INDICATING DEVICE SYSTEMS AT THE STATE CORPORATION ROSATOM ENTERPRISES | Victor Pitel, Andrey Stepashko, Nikolay lsaev, Krishan Mutreja, Esther Ku, Bradley Weil | ||
| 国営企業ロスアトム・エンタープライズにおける改ざん検知装置システムのアップグレード状況 | |||
| STATUS OF MO-99 PRODUCTION USING LOW-ENRICHED URANIUM | George F. Vandegrift, Tom Wiencek, A. S. Hebden, Allen Bakel | ||
| 低濃縮ウランを用いたMo-99生産の現状 ― 核拡散リスク低減に向けた技術開発と国際供給体制構築の進捗 | (*)Mo-99(モリブデン-99)は世界で最も使用される医療用同位体であり、年間約2,000万~2,500万件の診断に利用されるが、現在は主に高濃縮ウラン(HEU)ターゲットを照射して製造されている。HEU使用は核拡散リスクを伴うため、米国DOE/NNSAのGlobal Threat Reduction Initiative (GTRI)は、LEU(低濃縮ウラン)ターゲットへの転換技術を開発し、国内供給体制の確立を目指している。Argonne国立研究所は、米国内の潜在的供給者(MURR、B&W)やIAEAと協力し、LEUターゲットの電解消化技術や国際的な生産体制構築を進めており、将来の安定供給に向けた課題と進捗を報告している。 | ||
| STRUCTURAL ANALYSES OF FUEL CASKS SUBJECTED TO BOLT PRELOAD, INTERNAL PRESSURE AND SEQUENTIAL DYNAMIC IMPACTS | Tse-tsu Wu | ||
| ボルトの予荷重、内圧、および連続的な動的衝撃を受ける燃料キャスクの構造解析 | |||
| Study of Performance of a Lanthanum Bromide Detector for Uranium Enrichment Determination in UF6 Cylinders | Steven F. Saavedra, Steven E. Smith, Alexander A. Solodov, Marcos S. Grund, Fabio C. Dias, Ana Claudia Raffo Caiado | ||
| 六フッ化ウラン容器中のウラン濃縮度測定のための臭化ランタン検出器の性能に関する研究 | (*)臭化ランタン (LaBr3) | ||
| Study on International Nuclear Fuel Cycle Framework from Nuclear Non Proliferation Viewpoint | Yusuke Kuno, Jor-Shan Choi | ||
| 核不拡散の観点から見た国際核燃料サイクル枠組みに関する研究 | |||
| Summary of Field Measurement on UF6 Cylinders Using Electromechanically Cooled Systems | J. Michael Whitaker, J. Brent Montgomery, R. L. Mayer II, Steven E. Smith, Alexander A. Solodov, Brent McGinnis, Jim Morgan | ||
| 電気機械式冷却システムを用いたUF₆シリンダー現場測定の概要 ― ガンマ線スペクトロメトリーによる非破壊検認の性能評価 | (*)UF₆シリンダーの現場測定では、従来の液体窒素冷却型検出器に代わり、電気機械式冷却システム(EMCS)を用いたガンマ線スペクトロメトリーが試験された。EMCSは、冷却剤不要で長時間安定動作が可能なため、IAEA査察や輸送中の検認において運用性と安全性を向上させる。論文では、複数現場での試験結果を比較し、測定精度、冷却性能、保守性の観点から、UF₆シリンダーの非破壊検認における実用性を評価している。 | ||
| SUMMARY OF SPECIAL PANEL DISCUSSION PACKAGING AND TRANSPORTATION CONTAINMENTS ASME BOILER & PRESSURE VESSEL CODE, SECTION Ill, DIVISION 3 (NUPACK) | Douglas J. Ammerman, C. G. May, Dr. Robert E. Nickell, Stuart Horowitz | ||
| 特別パネルディスカッション概要:包装・輸送用容器とASMEボイラー・圧力容器コード第III編第3分冊(NUPACK) ― 設計認証の課題と国際基準との整合性 | (*)本パネルディスカッションは、ASMEボイラー・圧力容器コード第III編第3分冊(NUPACK)の適用に関する最新動向を議論し、放射性物質輸送容器の設計・認証における課題を整理。コードの要求事項と米国規制(NRC、DOE)との整合性、ならびに国際輸送基準との調和を図るための技術的論点を提示。容器の構造健全性評価、疲労解析、品質保証の実務的課題を共有し、将来の改訂に向けた提言をまとめている。 | ||
| SUPPLEMENTING HIGH-RESOLUTION SATELLITE IMAGERY WITH LOWER RESOLUTION MULTISPECTRAL AND RADAR IMAGERY FOR SAFEGUARDS APPLICATIONS | Q. S. Bob Truong, Jose Lim | ||
| 保障措置アプリケーションにおける高解像度衛星画像と低解像度マルチスペクトル画像およびレーダー画像による補完 | |||
| SUPPORT OF NEW COMPUTER HARDWARE AT LUCH’S MC&A SYSTEM: PROBLEMS AND A SOLUTION | Victor N. Fedoseev, Oleg I. Shanin | ||
| LUCHのMC&Aシステムにおける新しいコンピュータハードウェアのサポート:問題点と解決策 | |||
| Symmetric Pin Diversion Detection using a Partial Defect Detector (PDET) | Shivakumar Sitaraman, Young S. Ham | ||
| 部分欠陥検出器(PDET)による対称的燃料ピン転用の検出 ― ガイドチューブ配置依存シグネチャ解析とMonte Carlo評価による検認精度の検証 | (*)Partial Defect Detector(PDET)は、PWR燃料集合体のガイドチューブ位置に依存する中性子・ガンマ線シグネチャを解析し、燃料ピンの部分的な転用(欠損)を検出する非破壊検認技術。論文では、対称的なピン転用パターンに対する検出能力をMonte Carloシミュレーションで評価し、ガンマ対中性子比やピーク・バレー差など複数の指標を用いて解析。結果として、対称的なピン転用率が12%程度でも検出可能であることが示され、保障措置における高精度検認手法としての有効性が確認された。 | ||
| TANK MONITORING EVALUATION SYSTEMS: METHODS AND ALGORITHMS | John Howell, R. Binner, Geraint Bevan, Bakhtiyar Sirajov | ||
| End(18) | タンク監視評価システム(TaMES)の方法とアルゴリズム ― サブイベント表現による溶液移送の推論とIAEA査察支援 | (*)Tank Monitoring Evaluation Systems(TaMES)は、IAEA査察官が保障措置対象施設で収集した溶液移動データを評価し、プルトニウム含有溶液が計画通り移送されていることを確認するための支援ツール。TaMESは、輸入・輸出・タンク間移送・再循環・酸添加などの操作をサブイベント表現でモデル化し、柔軟な推論を可能にするアルゴリズムを採用。論文では、リアルタイム近似の核物質計量管理を支援するための方法論、イベント推定手法、査察官インターフェースの設計を解説している。 | |
| Technical Training Workshop on International Safeguards: An Introduction to Safeguards for Emerging Nuclear States | John Mcclelland-Kerr, Alexander A. Solodov, Alena V. Zhernosek, Sarah Frazar, George T. Baldwin, C. Mathews, Karl Horak, Margot Mininni, Zoe Gastelum,, Ana Raffo-Caiado, Jarrod Olsen | ||
| 国際保障措置に関する技術研修ワークショップ:新興核保有国向け保障措置入門 | |||
| TESTING OF LIQUID SCINTILLATOR MATERIALS FOR GAMMA AND NEUTRON DETECTION | A. Dougan, Les Nakae, Jerome Verbeke, Neal Snyderman, P.L. Kerr, Dan Dietrich, A. Glenn, R. Wurtz | ||
| ガンマ線および中性子検出用液体シンチレータ材料の試験 | |||
| Testing of the Dual Slab Verification Detector for Attended Measurements of the BN-350 Dry Storage Casks | Richard Williams, Peter Santi, M.C. Browne, Robert Y. Parker | ||
| BN-350乾式貯蔵キャスクの立会検認に向けたDual Slab Verification Detectorの試験 ― 中性子フィンガープリント手法による核物質検認精度の評価 | (*)Dual Slab Verification Detector(DSVD)は、IAEAとLANLがBN-350高速炉の使用済燃料乾式貯蔵キャスクの保障措置検認用に開発した装置で、ポリエチレンスラブに埋め込んだ二列の³He検出管で構成される。DSVDはキャスク外表面の複数位置で中性子フラックスを測定し、キャスクごとの「中性子フィンガープリント」を作成することで、核物質の有無や位置の変化に対する感度を確保する。論文では、MCNPX計算による性能評価と初期試験結果を比較し、BN-350乾式貯蔵シナリオにおける検認精度と不確かさ要因を分析している。 | ||
| The Application of Formal Software Engineering Methods to the Unattended and Remote Monitoring Software Suite at Los Alamos National Laboratory | J. Determan, Joseph F. Longo, K. D. Michel | ||
| ロスアラモス国立研究所における無人・遠隔監視ソフトウェア群への形式的ソフトウェア工学手法の適用 ― 保障措置データの信頼性確保と品質保証のための開発プロセス標準化 | (*)ロスアラモス国立研究所(LANL)は、IAEA査察で使用される無人・遠隔監視システム(UNARM)のソフトウェア群に対し、形式的ソフトウェア工学手法(要件定義、設計レビュー、コード検証)を導入。この手法により、複雑なデータ収集・認証・暗号化機能を持つ監視ソフトウェアの信頼性と保守性を向上させ、査察時の継続的知識保持を確保。論文では、開発プロセスの標準化、品質保証、将来の拡張性確保に向けた課題と成果を報告している。 | ||
| THE AUG 2008 INCIDENT AT THE IAEA SAFEGUARDS ANALYTICAL LABORATORY INVOLVING A SMALL QUANTITY OF PU-240 | D. L. DONOHUE, Steve Balsley, Chris Schmitzer, Jane Poths, John Hunt | ||
| IAEA保障措置分析所におけるPu-240微量試料事故(2008年8月) ― ガラスバイアル破損と放射線分解ガスによる爆燃の原因解析と再発防止策 | (*)2008年8月、IAEA保障措置分析所(SAL)の保管庫で、Pu-240硝酸溶液を封入したガラスバイアルが破損し、放射性物質の漏洩と複数バイアルの損傷を伴うINESレベル1の事象が発生した。原因は、長期保管中に放射線分解で生成した水素・酸素ガスによる内圧上昇であり、初期破損後に放出ガスが引火し、小規模な爆燃(deflagration)が起きた可能性が高い。論文では、事故の経緯、根本原因、影響評価、ならびに再発防止策(保管条件改善、ガス発生抑制技術)を詳細に報告している。 | ||
| The Balance Between Visual and Textual Training Material: How much is a picture really worth? | N. Herber, D. J. Martin, Q. S. Bob Truong | ||
| 視覚的教材とテキスト教材のバランス:写真の真の価値は? | |||
| The Challenges of Non-Proliferation Information Analysis | Jacques Baute | ||
| 核不拡散情報分析の課題 ― 情報の信頼性確保に向けたIAEAの分析能力強化とプロセス改善 | (*)核不拡散情報分析は、収集・評価・統合・意思決定の各段階で人為的要因や政治的背景により誤用や非効率が生じるリスクを抱えている。現代の拡散課題は、グローバル化や利害対立、官僚的硬直性などにより、情報の信頼性確保をさらに困難にしている。IAEAが持続的に信頼できる保障措置結論を提供するためには、IT基盤強化、内部プロセス最適化、加盟国や外部からの支援による分析能力向上が不可欠である。 | ||
| THE CONCEPT OF EQUIVALENT PROTECTION | Richard L. Donovan | ||
| 同等防護の概念 ― DOE情報セキュリティにおける標準保管仕様代替のための柔軟な安全設計と適用指針 | (*)米国DOEの情報セキュリティ規定(DOE Manual 470.4-4A)は、NISPOMで定める標準的な保管形態(GSA認定容器や金庫型室)に代わり、「同等保護(Equivalent Protection)」の概念を導入。この概念は、特殊な兵器関連施設などで標準仕様が適用困難な場合、総合的なセキュリティ対策により同等以上の保護水準を実証することを認めるもの。論文では、同等保護の要件、適用ガイドライン、具体事例を提示し、柔軟性と安全性の両立を図る方法を解説している。<NISPOM:National Industrial Security Program Operating Manualの略称.日本語訳は「国家産業セキュリティ計画運用マニュアル」。これは、米国政府が機密情報を扱う企業や請負業者に対して、情報保護・物理的防護・人事管理などのセキュリティ要件を定めた包括的な規定> | ||
| The digital signal processing in neutron coincidence counting: TRIDEN software development and MEDAS datation card using | T. Lambert, Jean-Luc Dufour, Pierre Funk | ||
| 中性子同時計数におけるデジタル信号処理 ― MEDAS時系列記録カードの活用とTRIDEN解析ソフトウェアの開発による測定品質診断の高度化 | (*)核物質保障措置で広く用いられる中性子同時計数法は、従来アナログ論理回路に依存しており、測定後にゲート幅やプレディレイなどのパラメータを再解析できないという制約があった。MEDAS(Multi Events Datation System)カードを用いたデジタル信号処理により、検出パルスを時系列で記録し、後処理で詳細な解析が可能となった。IRSNが開発したTRIDENソフトウェアは、取得したバイナリデータからRossi-α曲線や中性子セル特性を算出し、測定品質診断を強化することで、IAEA査察時の情報精度を向上させる。 | ||
| THE EURATOM REGIONAL SAFEGUARDS SYSTEM: AN INTERNATIONAL PERSPECTIVE | S. Tsalas, R. C. CLARKE | ||
| ユーラトム地域保障措置システム:国際的な視点 | |||
| THE EXPERIENCE OF THE INTEGRATED SAFEGUARDS IMPLEMENTAION IN KOREA | Jin Kyun Yeo | ||
| 韓国における統合保障措置実施の経験 | |||
| THE FUEL FABRICATION CAPABILITY (FFC) PROJECT OVERVIEW: FROM RESEARCH TO PRODUCTION | Jordi Raglans, Joe Cleary, John Creasy | ||
| 燃料製造能力(FFC)プロジェクトの概要 ― 研究開発から量産体制への移行と高性能研究炉のLEU転換に向けた超高密度燃料の商業化 | (*)米国DOE/NNSAのGlobal Threat Reduction Initiative (GTRI)は、高性能研究炉(HPRR)の高濃縮燃料を低濃縮燃料(LEU)に転換するため、超高密度のウラン-モリブデン(UMo)合金燃料を開発中。この燃料は、研究炉の性能を維持しつつLEU化を可能にするため、Idaho National Laboratoryで研究開発が進められ、製造仕様の確立が目標。Fuel Fabrication Capability (FFC)プロジェクトは、商業的供給体制を構築し、研究段階から量産体制への移行を支援することで、転換スケジュールを確実に達成することを目的としている。 | ||
| The GUM Uncertainty Approach for Safeguards Measurements | Steven A. Goldberg | ||
| 保障措置測定におけるGUM不確かさ評価アプローチ ― 国際標準に基づく測定誤差の体系的評価とIAEAターゲット値との整合性 | (*)GUM(Guide to the Expression of Uncertainty in Measurement)は、測定結果に対する不確かさを体系的に評価する国際標準であり、核物質保障措置分野でも採用が進んでいる。GUMは測定モデルに基づき、入力量の不確かさを伝播させて総合不確かさを算出することで、結果の透明性・比較可能性を確保する。保障措置では、GUMの手法とIAEAの国際ターゲット値(ITV)との整合性を図り、測定誤差の体系的評価と材料収支評価への適用を目指している。 | ||
| THE IAEA’s NEXT GENERATION SURVEILLANCE SYSTEM System Testing – Phase IV Report | M. Stein, S. Lange, G. Neumann, A. Queirolo, P. Schwalbach, B. Richter, M. Moeslinger | ||
| IAEA次世代監視システムのシステム試験 ― フェーズIV報告:ゼロ生産ロット評価と導入計画、保障措置機器開発の教訓 | (*)IAEAは、老朽化したDCM14監視技術を代替するため、次世代監視システム(NGSS)を開発し、フェーズIVではゼロ生産ロットの試験を実施して最終認定に備えている。NGSSは、放射線耐性や高度なデータセキュリティなど保障措置特有の要件を満たすため、カスタム設計と市販部品(COTS)の組み合わせで構築されている。本報告では、試験結果、特殊監視用途への導入計画、交換シナリオ、そして将来の開発プロジェクトに役立つ教訓を提示している。 | ||
| THE INTERFERING SOURCE PROBLEM | S. Croft, R. Venkataraman, W. F. Mueller | ||
| 干渉源問題 ― 非破壊分析性能試験における封入構造によるγ線減衰と測定バイアスの評価 | (*)非破壊分析(NDA)システムの性能試験では「非干渉性マトリックス」を前提とするが、実際の試験用封入源は構造材によるγ線減衰を伴い、測定に系統的バイアスを生じる。特にPDP(Performance Demonstration Program)型プルトニウム源は、ステンレス封入と自己吸収により、低エネルギーPu線の測定効率に大きな影響を与える。本研究では、封入構造による減衰の度合いを実測と設計情報で比較し、干渉源問題の定量評価と補正の可能性を検討した。 | ||
| The J-MOX Project: Meeting the challenges of safeguarding a commercial MOX fuel fabrication plant | Christophe Creusot, C. Liguori, Angelo Alessandrello, Therese Renis | ||
| J-MOXプロジェクト ― 商業用MOX燃料製造工場の保障措置課題への対応 ― 遠隔監視・NRTA・短期通知査察を組み合わせた統合的アプローチ | (*)J-MOXプロジェクトは、日本の六ヶ所村に建設される商業用MOX燃料製造工場で、年130トンの重金属処理能力を持つ全自動プロセスを採用。IAEAは、保障措置の有効性と効率性を確保するため、遠隔監視型の非破壊分析(NDA)、封じ込め・監視(C/S)システム、NRTA(ほぼリアルタイム計量管理)、短期通知査察を組み合わせた統合的アプローチを設計。設計段階からのIAEA・国家当局・事業者の協力により、RRPでの教訓を反映し、ハードウェア・ソフトウェアの仕様策定と開発スケジュール管理を進めている。 | ||
| The Material Protection Control and Accounting (MPC&A) Human Resource Management and Site Training Program at the Electrochemical Plant as Implemented through the MPC&A Sustainability Program | Esther Ku, Michael Carroll, Richard Dowe Dabbs, Vladimir Sirotenko | ||
| 電解化学工場におけるMPC&A人材管理と現場訓練プログラム ― 米露協力による持続可能性確保と最新設備対応の再教育 | (*)ロシア・ゼレノゴルスクの電解化学工場(ECP)では、米国DOE/NNSAと協力し、MPC&Aシステムの近代化後、長期的な持続性確保を目的とした人材管理と現場訓練プログラムを導入。MPC&A要員は5年ごとにロスアトムの研修センターで再訓練を受けるほか、現場にシミュレーターや専用教室を整備し、最新設備に対応した技能向上を図っている。このプログラムは、MPC&Aの持続可能性を支える7要素の一つとして、専門人材の確保と再教育を重視し、保障措置の信頼性を強化する。 | ||
| THE MULTI-ISOTOPE PROCESS (MIP) MONITOR: A NEAR-REAL-TIME, NONDESTRUCTIVE, INDICATOR OF SPENT NUCLEAR FUEL REPROCESSING CONDITIONS | Matthew Douglas, J. M. Schwantes, C. Fraga, R. N. Christensen | ||
| 多同位体プロセス(MIP)モニター ― 使用済燃料再処理条件を非破壊・リアルタイムで検知する新技術と異常検出アルゴリズム | (*)MIPモニターは、再処理施設のプロセス状態を非破壊・ほぼリアルタイムで監視するために開発された技術で、ガンマ線スペクトロメトリと多変量パターン認識を組み合わせて異常を検出する。複数の放射性同位体の分布パターンを監視することで、酸濃度などのプロセス条件変化や核物質転用の兆候を高感度で把握できる。小型高分解能ガンマ検出器を用いた実験とシミュレーションにより、概念実証が成功し、保障措置強化に向けた有望な結果が得られている。 | ||
| The New Nexus, 3Ss: Safeguards, Safety, Security, and 3S-Based Infrastructure Development for the Peaceful Uses of Nuclear Energy | Kaoru Naito, Tsutomu ARAI | ||
| 新たなネクサス、3S:保障措置、安全、セキュリティ、そして原子力の平和利用のための3Sに基づくインフラ開発 | |||
| The NRC MC&A Inspection Program | Glenn Tuttle | ||
| End(19) | NRCの核物質管理・計量管理(MC&A)査察プログラム ― 燃料製造・濃縮施設における在庫差異検証と保障措置強化 | (*)米国原子力規制委員会(NRC)は、燃料製造施設や濃縮施設に対して、核物質管理・計量管理(MC&A)プログラムの遵守状況を確認するための定期的な査察を実施している。査察では、施設の基本核物質管理計画(FNMC Plan)に基づく在庫差異の検証、記録の正確性、測定システムの信頼性などが重点的に評価される。この査察プログラムは、核物質の不正転用防止と保障措置の信頼性確保を目的としており、IAEAとの整合性も考慮されている。 | |
| The NRC Regulatory Framework | Martha Williams, Glenn Tuttle | ||
| 既存NRC規制枠組みにおける核拡散懸念への対応 ― 濃縮・再処理施設ライセンス申請におけるリスク評価義務化提案の検討と否決理由 | (*)NRC(米国原子力規制委員会)は、国内規制の枠組みを通じて核拡散リスクを管理しており、規則改正や追加要求を検討するプロセスを備えている。米国物理学会(APS)は、濃縮・再処理施設のライセンス申請時に「核拡散リスク評価」を義務付けるよう提案したが、NRCは既存の包括的規制で十分と判断し、改正を否決。NRCの現行制度は、施設のライセンス、監督、セキュリティを通じて、核物質・技術・情報の保護を確保しており、追加リスク評価は不要と結論づけた。 | ||
| The Nuclear Non-proliferation Regime – Policies and Regulations towards Non-Party States | Rizwana Abbasi | ||
| 核不拡散体制 ― 非加盟国に対する政策と規制の課題 ― NPTの不完全性とレジーム理論による行動分析 | (*)核不拡散体制はNPTを中心に、条約・規範・制度のネットワークで構成されるが、インド・イスラエル・パキスタンなど非加盟国の存在が体制の不完全性を示している。これら非加盟国は核兵器を保有しつつ、NPTを「差別的」と見なし、主権を理由に参加を拒否しており、北朝鮮の脱退事例も体制の脆弱性を浮き彫りにしている。国際関係論のレジーム理論(リアリズム・ネオリベラリズム・構成主義)を用いて、非加盟国の行動を規制する政策・規制の有効性を分析する必要がある。(英国、レスター大学) | ||
| The Open World Nonproliferation Visitors Program and its Benefits for Young Russian Leaders | Natalia V. Saraeva | ||
| Open World核不拡散訪問プログラムとその効果 ― ロシア若手リーダーの米国実務体験とキャリア形成への貢献 | (*)Open Worldプログラムは米国議会図書館の主導で1999年に創設され、米国とロシアを含むユーラシア諸国の若手リーダー間の相互理解と専門的ネットワーク構築を目的としている。2005年に開始された核不拡散分野の訪問プログラムは、ロシアの次世代リーダーに米国の核不拡散実務を紹介し、キャリア形成に資する交流を促進。参加者と推薦者への調査結果では、プログラムは期待通りの成果を上げ、専門的知識の獲得と国際協力の基盤強化に寄与していることが確認された。 | ||
| THE OPTIMAL PERFORMANCE OF CURRENT SOLUTION MONITORING EVALUATION SYSTEM APPROACHES | John Howell, Tom Burr, Geraint Bevan | ||
| 現行溶液監視評価手法の最適性能 ― 再処理施設におけるプルトニウム溶液抜き取り検知に向けた統計的監視と推論手法の比較 | (*)再処理施設におけるプルトニウム溶液の不正抜き取りを検知するため、現行の溶液監視評価手法の性能を比較し、最適な検出確率(DP)を推定。シミュレーションデータを用いて、多変量統計的プロセス監視と定性的推論の有効性を評価し、特定シナリオでの改善点を提示。結果として、現行手法の限界と、保障措置強化に向けたアルゴリズム改良の必要性が示された。 | ||
| The Problem with Continuity of Knowledge in Enrichment Plant Process Monitoring | Michael M. Curtis | ||
| 濃縮プラントのプロセス監視における知識連続性の課題 ― 異常検知後の封じ込め・監視手段とIAEA保障措置への影響 | (*)IAEAのガス遠心分離型濃縮施設に対する新しい保障措置アプローチでは、プロセス監視用の計測機器の活用が推奨されているが、異常検知後の「知識の連続性(CoK)」維持が課題となっている。検出された異常物質を査察員到着まで確実に封じ込め・監視する手段がなければ、後続の確認や追跡が困難になる。提案されているCoK対策はカメラ群やホスト側封印などだが、これらも冗長なバックアップを要するなど、実装には複雑性が伴う。 | ||
| THE PROSPECT OF A REVITALIZED RUSSIAN AND AMERICAN NUCLEAR SAFEGUARDS PARTNERSHIP | Philip Casey Durst, Claudio A. Gariazzo | ||
| ロシアとアメリカの核保障措置パートナーシップ活性化の展望 | |||
| THE REMOTELY MONTIORED SEALING ARRAY | Michael Goldfarb, M. Stein, Bernard Wishard, Barry Schoeneman, M. Fontanarosa | ||
| 遠隔監視型封印アレイ ― IAEA査察における電子封印確認の効率化と乾式貯蔵容器への応用 | (*)IAEA査察では、電子封印の取り付け・取り外し確認が非常に手間のかかる作業であり、効率化が求められている。この課題に対応するため、IAEAは封印の状態を無線で報告する「遠隔監視封印アレイ(RMSA)」を開発し、データを集中管理する仕組みを導入。RMSAは乾式貯蔵容器の封印管理をはじめ、広範な応用が期待され、査察員の作業負担軽減と保障措置の信頼性向上に寄与する。 | ||
| The Role of Borders In Radioactive and Nuclear Materials Counterproliferation | Ruth Duggan | ||
| 放射性物質および核物質の拡散防止における国境の役割 ― 物質・技術・専門知識の不正移転阻止に向けた国境管理と国連決議1540の実施 | (*)核・放射性物質の拡散には「物質」「技術」「専門知識」という3つの主要なベクトルがあり、国境はこれらの不正移転を検知・阻止する重要な防衛線となる。原子力施設のセキュリティが破られた場合でも、国境管理は国家・非国家主体による輸送経路での拡散活動を阻止する手段を提供する。国連安保理決議1540に基づき、各国は核兵器や関連物質の不正取引を防ぐため、効果的な国境管理体制の構築を進めている。 | ||
| The Role of the Russian Methodological and Training Center in Providing Nondestructive Assay Technical Assistance to Russian Enterprises | B. Ryazanov,, S. A. Bogdanov, V. V. Talanov | ||
| ロシア企業への非破壊分析技術支援におけるロシア方法論・訓練センターの役割 | |||
| THE SHIPMENT OF RUSSIAN-ORIGIN HIGHLY ENRICHED URANIUM RESEARCH REACTOR SPENT NUCLEAR FUEL FROM KAZAKHSTAN | Igor Bolshinsky, Jay Thomas | ||
| 「カザフスタンにおけるロシア起源高濃縮ウラン研究炉使用済燃料の輸送」 ― GTRIによる国際返還プロジェクトの第一段階完了とロシア・マヤーク施設への移送計画 | (*)本論文は、グローバル脅威削減イニシアティブ(GTRI)の一環として、カザフスタンのVVR-K研究炉からロシア起源の高濃縮ウラン(HEU)使用済燃料をロシア・マヤーク再処理施設へ返還する国際輸送プロジェクトを報告。2009年5月に4回の輸送で合計73.7kgのHEU使用済燃料を返還し、第一段階を完了。次段階ではVVR-K炉の低濃縮ウラン(LEU)燃料への転換後に残余HEUを返還予定。論文では、輸送計画、準備、国際調整の詳細と、核不拡散強化におけるこの取り組みの意義を論じている。 | ||
| THE STATE-LEVEL APPROACH TO INTERNATIONAL SAFEGUARDS | Jill N. Cooley | ||
| 「国レベルアプローチによる国際保障措置」 ― 施設単位から国家単位への転換と情報駆動型検認による効果・効率の最適化 | (*)本論文は、IAEA保障措置の実施と評価を、従来の施設単位から国家全体を対象とする「国レベルアプローチ(State-Level Approach, SLA)」へ移行する背景と概念を説明。SLAでは、国家の核燃料サイクルや産業構造を考慮し、入手経路分析に基づく技術的目標を設定し、情報駆動型の検認活動を計画することで、保障措置の効果と効率を最適化。現在は包括的保障措置協定(CSA)と追加議定書(AP)を有する国を中心に導入が進められており、将来的にはすべてのCSA締約国への適用拡大を目指している。 | ||
| The U.S. Nuclear Regulatory Commission’s International Involvement | Thomas A. Grice, Marshall D. Kohen | ||
| 「米国原子力規制委員会(NRC)の国際的関与」 ― IAEA協力、国際条約履行、二国間技術交流を通じた核安全・セキュリティ・保障措置の強化 | (*)本論文は、米国原子力規制委員会(NRC)が国際的に果たす役割を概説し、核安全・核セキュリティ・保障措置に関する多国間・二国間協力の枠組みを紹介。NRCは、IAEAの安全基準委員会や核セキュリティシリーズ策定、米国-IAEA保障措置協定・追加議定書の実施など、国際的な規範形成と技術協力に積極的に関与。また、40か国以上との技術情報交換協定を通じ、原子力安全、物理的防護、輸送安全、緊急時対応など幅広い分野でベストプラクティスを共有している。 | ||
| The Ural Electrochemical Integrated Plant Sustainability Program of Nuclear Material Protection, Control and Accounting System Upgrades | Esther Ku, Rashid Yuldashev, Michael Carroll, Albert Garrett, Richard Dowe Dabbs, Scott Patrick, Alexander Vakhonin | ||
| 「ウラル電気化学統合工場におけるMPC&Aシステム改良の持続可能性プログラム」 ― 米露協力による核物質防護・管理・計量システムのアップグレード後の維持戦略と完全ロシア資金化への移行計画 | (*)本論文は、ロシアのウラル電気化学統合工場(UEIP)におけるMPC&A(核物質防護・管理・計量)システムの持続可能性確保プログラムを紹介し、米国DOE/NNSAとの協力の下で進められたアップグレード後の維持戦略を論じている。サステナビリティ計画には、サイト内作業部会の設置、情報収集、スケジュール策定、コスト見積り、契約締結、旧設備の廃止などが含まれ、最終的にロシア側による完全資金負担への移行を目指す。プログラムは、Microsoft ProjectやSAP R/3などの管理ツールを活用し、米国資金の適正使用を保証する報告体制を整備しつつ、核セキュリティ強化の長期的枠組みを構築している。 | ||
| The Use of 3D Laser based Systems for IAEA SG Design Information Verification (DIV) | Manfred Zendel, Stephanie Poirier, M. Moeslinger, Stephan Haslam | ||
| 「IAEA保障措置における設計情報検認(DIV)への3次元レーザーベースシステムの活用」 ― 複雑施設での高精度検認を実現する技術的進化とIAEA・JRCによる共同開発の展望 | (*)本論文は、IAEA保障措置における設計情報検認(DIV)の精度向上を目的に、3次元レーザーベースシステム(3DLR)の活用事例と技術的進化を紹介。3DLRは、施設の複雑な構造を高精度で記録し、設計情報との照合を自動化することで、検認効率を大幅に改善。さらに、放射線検出器との統合により、構造情報と放射線分布の同時取得が可能。欧州委員会支援プログラムの下でIAEAとJRCが共同開発を進め、将来的にはさらなる機能統合と訓練体制の強化を計画している。 | ||
| THE UTILITY OF SOCIAL MODELING FOR PROLIFERATION ASSESSMENT | G. A. Coles, Alan Brothers, Zoe Gastelum, Sandy Thompson | ||
| 核拡散評価における社会モデルの有用性 ― 技術的評価に社会・文化的要因を統合する新たなアプローチの検討 | (*)本論文は、核拡散リスク評価において従来の技術的指標(拡散抵抗性、保障措置)に加え、社会・文化的要因をモデル化して統合する手法の有用性を検討。国家の拡散傾向や核物質転用リスクに影響する文化、行動、組織構造を考慮することで、より現実的な評価モデルを構築できる可能性を示す。初期調査として、関連文献レビューとモデル化の方向性を提示し、今後の研究課題として社会科学と技術情報の融合を提案している。 | ||
| THORIUM BLENDED AND REGULAR MOX BURN-UP STUDIES FOR FAST REACTOR FUEL CYCLE SAFEGUARDS | Jean Ragusa, Paul Nelson, Sunil Chirayath | ||
| 高速炉燃料サイクル保障措置のためのトリウム混合MOX燃料および通常MOX燃料の燃焼研究 | |||
| TIME-SPECTRAL ANALYSIS ALGORITHMS FOR LEAD SLOWING-DOWN SPECTROSCOPY OF SPENT FUEL | L. E. Smith, Kevin K. Anderson, Jennifer J. Ressler, Mark W. Shaver, Avigdor Gavron | ||
| 使用済み燃料の鉛減速分光法のための時間スペクトル解析アルゴリズム | |||
| A National Tracking Center for Monitoring Shipments of HEU, MOX, and Spent Nuclear Fuel: How do we implement? | Mark J. Schanfein, Philip Casey Durst | ||
| HEU・MOX燃料・使用済燃料輸送の監視に向けた国家追跡センターの構築 ― その実現方法 | (*)本論文は、HEU(高濃縮ウラン)、MOX燃料、使用済燃料など「直接利用可能な核物質」の輸送をリアルタイムで監視するため、GPS搭載トラッキング装置を活用した国家追跡センターの設立構想を提示。このセンターは、輸送途上での転用や妨害を防ぐため、即時対応可能な情報基盤を提供し、国内輸送の完全統合監視を目指す。将来的にはIAEAを拠点とする国際追跡センターのプロトタイプとして機能し、保障措置と核セキュリティの強化に寄与することを提案している。 | ||
| Transition of Responsibility for Maintenance, Support and Further Development of MPC&A Systems from the USPT to NCCP | James Lloyd, Irina Zubairova, Andre Tomashkov, Alexei Vorobyov | ||
| 米露協定にもとづくMPC&A協力プロジェクトの成果 ― MPC&Aシステムの保守・運用支援・開発責任の移管(米国プロジェクトチームからNovosibirsk化学濃縮工場への最終段階) | (*)本論文は、米国DOEとロシアRosatomによるMPC&A(核物質防護・管理・計量)協力の最終段階として、Novosibirsk化学濃縮工場(NCCP)への保守・運用支援・開発責任移管の完了を報告。NCCPは燃料販売収益やRosatomの物理的防護強化プログラムを活用し、MPC&Aシステムの維持・強化を自立的に継続可能な体制を構築。防護部隊の装備・訓練支援や国際的な教育機関との連携を通じ、今後もMPC&A関連課題の議論・改善を継続する方針を示している。 | ||
| TRAINING IN ENVIRONMENTAL ANALYSES FOR SAFEGUARDS | Ross W. Williams, Amy M. Gaffney, Nancy A. Hutcheon | ||
| End(20) | 保障措置のための環境分析に関する研修 | ||
| TRAINING PROGRAM TO PREPARE THE U.S. DOE LABORATORIES FOR THE ENTRY INTO FORCE OF THE PROTOCOL ADDITIONAL TO THE AGREEMENT BETWEEN THE UNITED STATES OF AMERICA AND THE INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY FOR THE APPLICATION OF SAFEGUARDS IN THE U.S.A. | Rebecca Stevens, Brian Boyer, John Valente, Edward Wonder, Jae Jo, Eva Uribe | ||
| 米国DOE研究所における追加議定書発効準備のための訓練プログラム ― 補完的アクセス対応と国家安全保障除外措置を考慮した模擬査察の実施 | (*)米国追加議定書(U.S. Additional Protocol)の発効に備え、DOE研究所はIAEAによる補完的アクセス(Complementary Access)を受け入れるための訓練プログラムを開発。訓練の目的は、IAEAの質問に対応する情報提供と、国家安全保障上の機密保護を両立させることであり、National Security Exclusion(NSE)やManaged Accessの適用方法を含む。このプログラムは、模擬査察やシナリオ演習を通じて、DOE研究所が追加議定書の義務を履行しつつ、DNSS(Direct National Security Significance)活動を保護する体制を構築することを目指す。 | ||
| TRANSFERRING MOX TECHNOLOGY TO THE UNITED STATES | Laurence Bourachot, Jean-Pierre Bariteau, Dirk Leach | ||
| MOX技術の米国への移転 ― 余剰兵器級プルトニウム処分に向けたMFFF設計とAREVA技術の米国規格適合化 | (*)米国とロシアは、余剰兵器級プルトニウムの拡散リスクを低減するため、長期的な処分計画を合意し、米国DOEはMOX燃料化を最適手法として選定。米国のMOX燃料製造施設(MFFF)は、フランスのMELOX施設とLa Hague施設の設計・運用経験を基に、AREVAの技術移転を受けて米国規格に適合する形で設計・建設。技術移転には、設計文書の適用性評価、米国基準への改訂、運転経験のフィードバックが含まれ、Savannah River Siteでの建設が進行中。 | ||
| Transition to Integrated Safeguards at Nuclear Fuel Fabrication Plants | M. Pellechi, D Hurt, J. Araujo, Zdravko Starovich, Adel Tolba, J. Lepingwell, Pavel Titov | ||
| 核燃料加工施設における統合保障措置への移行 ― 従来型からの転換による効率化と短時間予告なし査察など新手法の導入 | (*)本論文は、従来型保障措置(TS)から統合保障措置(IS)への移行により、低濃縮ウラン燃料加工施設での保障措置の効率と有効性がどのように改善されるかを分析。IS導入には、IAEAによる「広範な結論」の採択、国家当局との協力、現場試験が不可欠であり、PWR燃料集合体とCANDU燃料バンドルを製造する施設での事例比較を提示。移行後の改善点として、短時間予告なし査察(SNRI)、安全なメールボックスシステム、ランダム中間査察などの新手法が導入され、運用・物流面での利点が示された。 | ||
| Trial Operations of the Tamper-Indicating Devices at the Krasnoyarsk Electrochemical Plant | Krishan Mutreja, Esther Ku, Bradley Weil, Michael Carroll, Eduard Antonov | ||
| クラースノヤルスク電解化学工場における改良型改ざん検知装置の試験運用 ― HEU-LEUプロセスでのバーコード自動化と核物質管理システム統合の検証 | (*)米露共同のTamper-Indicating Device改ざん検知装置(TID)作業部会は、ロシアの核施設におけるTIDプログラム近代化を加速するため、クラースノヤルスク電解化学工場(ECP)で試験運用を実施。試験は6か月間にわたり、HEU-LEUプロセスでのTID設計・製造・導入を行い、バーコードによる自動化とコンピュータベースの核物質管理システムとの統合を検証。結果として、TIDの運用手順、設計改善点、将来の適用に関する推奨事項が提示され、保障措置強化に向けた有効性が確認された。 | ||
| U.S.-CHINA RADIOLOGICAL SOURCE SECURITY PROJECT: CONTINUING AND EXPANDING BILATERAL COOPERATION | Charles Streeper, Zhu Zhixuan, Noah G. Pope, James Lloyd, Rick Rawl, Mark Hawk, Zhou Qifu, Alexander Feldman | ||
| 米中放射線源セキュリティプロジェクト ― 二国間協力の継続と拡大による物理的防護強化と回収・輸送安全化 | (*)米中は2008年北京オリンピックに向けた放射線源防護協力を成功させ、その成果を基に協力範囲を拡大し、全国的な放射線源セキュリティ強化を推進。両国はPUNT協定の枠組みで、IAEAカテゴリー1放射線源を扱う施設の物理的防護強化、使用済み高線量源の回収・保管、輸送の安全化を共同で実施。今後は複数省にわたる活動と統合的な研修ワークショップを通じ、米中の専門家間でベストプラクティスを共有し、非拡散協力の持続的発展を目指す。 | ||
| Ultra-Low Field NMR for Detection and Characterization of 235 UF6 | Michelle A. Espy, Per E. Magnelind, Andrei N. Matlashov, Algis V. Urbaitis, Petr L. Volegov | ||
| 235UF₆の検出と特性評価に向けた超低磁場NMR ― 金属配管越しの非破壊測定による濃縮度監視と流量評価の可能性 | (*)本研究は、ウラン濃縮工程で使用されるUF₆(ウラン六フッ化物)に対して、超低磁場(ULF)核磁気共鳴(NMR)を初めて適用し、70%濃縮および劣化UF₆の検出と特性評価を実証。ULF NMRは、金属パイプ越しの測定や簡易な磁場生成が可能で、非侵襲・非破壊の保障措置監視技術として有望。試験では、50mTの事前磁化後に二周波数法で過渡信号を除去し、T₂緩和時間を測定。この技術は、濃縮度監視や流量測定への応用が期待され、核不拡散監視における新しい選択肢を提供する。 | ||
| Under-Sodium Viewing Technology for Improvement of Fast-Reactor Safeguards | D. H. Beddingfield, Y. Kawakubo | ||
| 高速炉保障措置の改善に向けたナトリウム中観察技術 ― 超音波による燃料集合体識別と知識連続性回復の可能性 | (*)高速炉の保障措置は、燃料集合体の移動を追跡する知識の連続性(continuity of knowledge)維持に依存しているが、液体ナトリウム冷却材の不透明性や化学的反応性により、集合体の識別や健全性確認が困難。超音波を用いたアンダーソディウムビューイング技術は、ナトリウム中での視認性を確保し、従来困難だった集合体識別やアイテム計量管理を可能にする新しい選択肢を提供。論文では、この技術の開発状況をレビューし、将来の高速炉における保障措置強化への応用可能性を提示している。 | ||
| Uranium assay determination using Davies and Gray titration: An overview and implementation of GUM for uncertainty evaluation | P. B. Mason, Stefan Burger, Stephan Vogt, Usha I. Narayanan, K. J. Mathew, M. E. Morales Arteaga | ||
| Davies and Gray滴定法によるウラン定量分析 ― 測定不確かさ評価に向けたGUM適用の概要と実装 | (*)国際標準化機構(ISO)のGUM(不確かさの表現ガイド)を、ウラン定量分析に広く用いられるDavies and Gray滴定法に適用し、測定不確かさの評価手法を体系化。この滴定法は、核燃料サイクルにおけるウラン含有量(アッセイ)測定の標準的手法であり、New Brunswick Laboratoryで改良版が開発され、精度・再現性の向上を実現。論文では、主要な不確かさ要因の解析と、GUMに基づく合成不確かさの算出プロセスを提示し、保障措置や品質保証における適用性を示した。 | ||
| US-Japan Cooperation on Safeguards | John Mcclelland-Kerr, David H. Beddingfield, H. O. Menlove, M. Hori, Y. Kawakubo | ||
| 保障措置に関する日米協力 | |||
| Use of highly-enriched uranium in Russian reactors | Pavel Podvig, Susan Voss | ||
| ロシアの原子炉における高濃縮ウランの使用 ― HEU燃料循環の現状と転用リスク低減に向けた課題 | (*)ロシアでは研究炉、輸送炉、同位体生産炉などで高濃縮ウラン(HEU)燃料が広く使用されており、兵器級核物質の転用リスクが重大な懸念となっている。グローバル脅威削減イニシアティブ(GTRI)により、国外のソ連設計研究炉のHEU燃料回収とLEU転換は進められているが、ロシア国内のHEU使用削減はほぼ手付かずで、最近ようやく一部研究炉の転換可能性調査が開始された。現状では、HEUは濃縮・ダウンブレンド・燃料製造・再処理を経て大量に循環しており、論文はこの流れを分析し、リスク低減のための方策を提案している。 | ||
| Using Rose and Compass for Authentication | Gregory K. White | ||
| 認証におけるROSEとCompassの活用 ― 核不拡散ソフトウェアの信頼性確保に向けた自動コード解析とセキュリティ要件対応 | (*)多くの核不拡散関連ソフトウェアプロジェクトでは、ソフトウェアが意図した機能のみを正しく長期間実行することを保証する認証(Authentication)が重要課題となっている。Lawrence Livermore国立研究所は、オープンソースで拡張可能なツールROSEとCompassを用いて、ソースコードやバイナリの自動解析を行い、疑わしいコード構造を検出することで認証プロセスを支援。この手法は、従来の目視検査に加え、非拡散プロジェクトに特化したセキュリティ要件に対応し、長期的な信頼性を確保するための効率的な認証基盤を提供する。 | ||
| USING RULES-BASED EVENT PROCESSING FOR SAFEGUARDS MONITORING SYSTEMS | Alan M. Krichinsky, Nathan C. Rowe, J. R. Younkin, C. A. Pickett, G. D. Richardson | ||
| 保障措置監視システムにおけるルールベースのイベント処理の利用 ― センサー統合によるUF₆シリンダー追跡と供給・引抜き操作監視への適用 | (*)オークリッジ国立研究所は、保障措置監視システムにおいてルールベースのイベント処理を活用し、複数のセンサーから取得する膨大なデータを統合して意味のあるイベントを抽出する技術を開発。この手法は、状況に応じたルールに基づきイベントを処理し、必要なアクションを自動的に実行、または人間が理解しやすい形で提示することで、IAEA査察の効率と効果を向上。実例として、UF₆シリンダーの追跡や供給・引抜き操作の監視に適用し、データのアーカイブや事後解析にも利用可能であることを示した。 | ||
| Using the DoD Architecture Framework and System Modeling Language for the Development of Security System Architectures | L. Cano | ||
| 防護システム構造の開発におけるDoD枠組みとシステムモデル化言語の活用―DoDAFとSysMLによる脅威対応型物理的防護設計と関係機関連携のためのモデル化手法 | (*)特殊核物質の防護は、脅威の多様化と関係機関の増加により複雑化しており、遅延・検知・対応を統合した堅牢なセキュリティアーキテクチャが必要。Sandia国立研究所は、DoD Architecture Framework(DoDAF 1.5)とSystems Modeling Language(SysML)を統合し、ユースケース・シナリオ・要件をモデル化することで、物理的防護システムの設計を効率化。この手法は、地方・連邦・国際機関とのインターフェースを設計し、セキュリティイベントへの協調対応を可能にするためのアーキテクチャ構築に有効であることを示した。 | ||
| VACUUM AND GAS TRANSFER TECHNOLOGY FOR THE NONDESTUCTIVE, IN-LINE DETERMINATION OF ISOTOPIC CONTENT IN UF6 PROCESS GAS | Calvin E. Moss, K. D. lanakiev, T. R. Hill, M. T. Paffett | ||
| UF₆プロセスガス中の同位体組成を非破壊・インラインで測定するための真空・ガス移送技術 ― 高度濃縮度監視装置(AEM)開発に向けたシステム設計と試験 | (*)ガス遠心分離プラント(GCEP)における保障措置のため、UF₆プロセスガスの同位体組成を非破壊でオンライン測定する技術が求められている。本研究では、Advanced Enrichment Monitor(AEM)の開発を支援するため、UF₆ガスを所定の圧力・濃度で安定供給する2種類の真空・ガス移送システムを設計・製作。試験結果は、これらシステムが再現性のあるガス条件を提供し、将来的なオンライン濃縮度監視の実現に寄与することを示した。 | ||
| Verification of Plutonium content in Spent Fuel Assemblies Using Neutron Self- Interrogation | S. Tobin, H. O. Menlove, S. H. Menlove | ||
| 自己照射型中性子法による使用済燃料集合体中のプルトニウム含有量検証 ― DDSI技術を用いた239Puと235Uの分離測定の可能性 | (*)使用済燃料集合体に含まれるプルトニウム量の保障措置検証は、強いガンマ線やキュリウム由来の中性子背景により困難である。本研究では、自己照射型中性子手法(Self-Interrogation)を用い、キュリウムからの中性子を利用して燃料内の核分裂を誘発し、プルトニウムとウランの寄与を分離する新しい測定法を開発。Differential Die-Away Self-Interrogation(DDSI)技術により、時間相関と中性子同時計数解析を組み合わせて、239Puと235Uの相対量を推定することが可能であることをシミュレーションで示した。 | ||
| VERIFYING NORTH KOREA’S NUCLEAR PROGRAMME: TECHNICAL OPTIONS AND POLICY CHOICES | James M. Acton | ||
| 北朝鮮核計画の検証 ― 技術的選択肢と政策的判断に関する分析(プルトニウム計量の不確実性とウラン濃縮検証の課題) | (*)北朝鮮の過去の核活動に関する申告を検証する際の技術的課題と政策選択を分析し、特にプルトニウム計量における「重要量」の定義の妥当性を検討。材料未計量量(MUF)の不確実性は5~10kgと推定され、IAEA標準の検出確率や誤警報率を変更するか、別基準を採用する必要性を指摘。ウラン濃縮施設の有無を検証するため、ベイズ推論を用いた枠組みを提案し、未申告施設への査察権の限界と政治的課題を議論。 | ||
| VIRTUAL SAFEGUARDS TESTING FOR PROCESS MONITORING AND ADVANCED MATERIALS ACCOUNTANCY* | Benjamin B. Cipiti | ||
| プロセス監視と高度な材料計量管理に向けた仮想保障措置試験 ― 再処理施設モデルによる近リアルタイム計量管理(NRTA)実現性の評価 | (*)サンディア国立研究所が開発したSeparations & Safeguards Performance Model (SSPM)は、再処理施設の物質フローをシミュレーションし、仮想環境で保障措置試験を行うためのプラットフォームを提供。このモデルは、材料計量管理(Materials Accountancy)、プロセス監視測定の統合、転用シナリオ、国内・国際保障措置とセキュリティの相互作用を評価するために活用。研究では、近リアルタイム計量管理(NRTA)の実現に必要な計測要件を検討し、非破壊測定技術の利用可能性やコスト削減効果を示した。 | ||
| Vulnerability Testing against Cyber Terror | Sung-Woo Kwak, Hosik Yoo, Wan-Ki Yoon, Joung-hoon Lee, Jung-Soo Kim, Sung-Soon Jang, Jae-Kwang Kim, Dong-Han Yoo | ||
| サイバーテロに対する脆弱性試験 ― 仮想発電所モデルを用いた物理的防護システムのサイバー攻撃耐性評価 | (*)近代的な物理的防護システムはコンピュータベースの通信・制御・表示機能を備えており、サイバーテロはその評価において重要な脅威要因となる。仮想発電所モデルを構築し、外部からのハッキング、内部からのハッキング、サーバー攻撃の3シナリオで脆弱性試験を実施し、Watchfireソフトウェアを用いてサイバーセキュリティを評価。試験結果では、防護システムは多様なサイバー攻撃に対して有効に機能し、物理的防護とサイバー防護の統合評価の重要性が示された。 | ||
| WIPP Certification and Routine Waste Measurements Performed on the Large Box Assay System at the Savannah River Site | Bob Ceo, Dan Remington, Todd Shepley | ||
| サバンナリバーサイトの大型分析装置におけるWIPP認証および廃棄物の日常測定 | |||
| X-Ray Inspection Interference on a Germanium Spectroscopy Portal Monitor | B. M. Young, S. W. Mettler | ||
| End(21) | X線検査によるゲルマニウム分光ポータルモニターへの干渉評価 ― 港湾検査ステーションにおける高エネルギーX線ラジオグラフィ装置との併設環境下での影響解析 | (*)ドイツ製ゲルマニウム分光ポータルモニター(GSP)がベルギー・アントワープ港の中央検査ステーションに設置され、貨物の二次検査で放射性物質を識別するために使用されている。同ステーションには高エネルギーX線ラジオグラフィ装置もあり、その背景放射の変動が受動型放射線検出システムに干渉する可能性があるため、干渉の影響を評価する試験を実施。試験結果では、最も近い15mの距離でもGSPのスペクトルへの影響はほとんど認められず、X線装置による干渉は軽微であることが確認された。 |