日本核物質管理学会Institute of Nuclear Materials Management (INMM) Japan Chapter

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INMM米国年次大会論文集(1975年)

メンター部会の活動の一環としてINMM米国年次大会におけるProceedingタイトルリスト(日本語訳付き)の1975年分を作成しました。

タイトル、著者のほかに、タイトルだけではよくわからない専門用語や略号を日本語で補足した備考欄(訳注、補足・コメントなど)を付加しましたので有効活用いただければ幸いです。

 

Sub-Volume End-marker Title/タイトル Authors 備考
(訳注、補足・コメントなど)
A DECISION STRUCTURE FOR PLANT SAFEGUARDS John C. Schleter
プラント保障措置の意思決定構造
― Safeguards Information System(SIS)による情報流・意思決定者・役割の体系化
(*)本研究は、核物質防護の意思決定に必要な情報を体系的に特定するため、Safeguards Information System(SIS) を構築し、プラント内のすべての意思決定者と情報流れを整理した。SIS は、異常事象の迅速な二段階報告、意思決定者の役割把握、各業務で生成される保障措置上の情報の抽出と伝達経路の分析を含み、必要な情報は誰に届き、不要情報は最小化されることを保証する。解析により、防護上の明確な意思決定構造が導出され、各レベルの意思決定能力・情報源・情報流がプラント固有 SIS 設計の基礎として体系化できることが示された。(National Bureau of Standards)
A METHOD OF ANALYZING X-RAY FLUORESCENCE SPECTRA OF URANIUM SCRAP FOR SNM CONTROL MEASUREMENT PURPOSES R. W. Brandenburg, A. L. Harkness
SNM 管理測定に向けたウランスクラップの X 線蛍光スペクトル解析法
―― 線形回帰による成分分離と、計算スペクトル比に基づく校正曲線の構築による定量分析
(*)ウラン合金化工程のスクラップ(ドロス)に対し、X 線蛍光(XRF)スペクトルを線形回帰で成分スペクトルに分解する手法を提案し、従来の化学分析では難しい試料の定量分析を可能にした。U と Zr を主成分とする標準試料を用いて、計算スペクトル比/実重量比のプロットから校正曲線を作成し、定量精度を担保する測定系を構築した。得られた手法は、SNM コントロール(アカウンタビリティ)の観点で、ウラン量の迅速・実用的な測定に資することを示した。(ANL)
A NEW AUTOMATED PELLET/POWDER ASSAY SYSTEM Richard N. Olsen
新型自動化ペレット/粉末アッセイシステム
― 中性子同時計数と自動制御機能を統合した高精度 NDA 手法
(*)本研究は、ペレットおよび粉末試料を対象とした高精度・自動化アッセイシステム(NDA)を開発し、同時計数法と小型同位体中性子源を組み合わせたアクティブ測定技術を採用した。試料ハンドリングを全自動化し、さらにプログラマブル電卓(当時の制御用計算機)を統合することで、測定制御とデータ解析処理を一体化した自動運転システムを実現した。本システムはウラン・プルトニウムのいずれにも適用可能であり、アクティブ/パッシブの両モードでアッセイが可能な汎用性を持ち、燃料製造工程での実用的な計量管理手段として位置づけられる。(National Nuclear Corporation)
A REAL-TIME ACCOUNTANCY AND CONTROL SYSTEM AT PLUTONIUM FUEL FACILITY OF PNC H. Akutsu, M. Aoki
PNC のプルトニウム燃料施設におけるリアルタイムの計量管理および制御システム
A REVIEW OF PROBLEMS ASSOCIATED WITH THE UTILIZATION OF AVAILABLE THORIUM RESOURCES F. A. O’Hara, T. A. Gray
利用可能なトリウム資源の活用に伴う問題点のレビュー
― 米国トリウム備蓄の余剰化・処分方針と核物質管理上の課題
(*)米国の保有する高品位トリウム原料の一部は、長期保管のまま活用されず、このままでは「文字通り廃棄される危険」があると指摘されている。これらのトリウムは、本来熱中性子炉(thermal converter reactors)の燃料資源として有価値であるが、AEC は 1972 年に「国家的需要の見通しなし」と判断し、埋設処分を推奨した。詳細な有用性の再評価と廃棄コストの試算を経て、AEC はトリウムの余剰払下げ(surplus sale)を了承し、そのリスクと便益を巡る判断には「核物質管理者が今後重要な役割を担う」とされる。(The Ohio State University, Thomas Gray and Associates)
ADVANCES IN FUEL ROD CALORIMETRY WITH THE ANL FFTF CALORIMETER R. B. Perry, N. S. Beyer, R. N. Lewis
ANLのFFTF用カロリメータによる燃料棒カロリメトリーの進展
― マイクロプロセッサ制御を導入した Model IV カロリメータの性能向上
(*)本論文は、新しく開発された ANL Model IV Fuel Rod Calorimeter の概要を紹介し、FFTF(Fast Flux Test Facility)燃料棒中のプルトニウム量を迅速に測定するための設計改良を示している。カロリメータには マイクロプロセッサ制御・読み出しシステムが統合され、15 分測定で ±0.2 % の不確かさを達成できる高精度 NDA 技術として報告されている。装置構成や応答特性については、評価試験が未完了のため詳細説明は控えられているが、高速応答型・高精度カロリメトリーの実用化に向けた重要な進展として位置づけられている。(ANL)
AN AUTOMATED NONDESTRUCTIVE ASSAY SYSTEM FOR THE MEASUREMENT OF IRRADIATED ROVER FUEL  H. O. Menlove, D. B. SMITH, R. H. Augustson, A. L. Bond, D. C. Durrill
照射済 Rover 燃料の測定に用いる自動化非破壊アッセイシステム
― 高放射線燃料の遠隔測定と核物質量評価の自動化

(ローバー(Rover);the Nuclear Rocket Propulsion 原子力推進ロケット)

(*)Rover(核ロケット計画)用の照射済燃料を対象に、自動化された非破壊アッセイ(NDA)システムを開発し、燃料中の核物質量を迅速に測定する仕組みを実装した。システムは照射燃料の高放射線環境に対応し、遠隔操作・自動データ取得・制御機能を統合しており、放射線被ばく低減と測定精度向上を同時に実現した。NDA 技術として、中性子・ガンマ線の組み合わせ測定方式が採用され、照射済燃料の核物質量評価を高い確度で実施できることが報告されている。(LANL)
AN EFFECTIVE GUARD FORCE Robert C. Becker
効果的な警備隊(ガードフォース)の構築
― 訓練・装備・配置管理による警備力の最適化
(*)物理的防護の議論では、しばしば「必要警備員数」が注目されるが、実際には警備力の有効性は人数以上に 訓練・装備・職務分析・採用・給与水準 といった質的要素に大きく依存する。近年の研究では、保障措置プログラム全体の費用の大部分が警備員給与に関連しており、警備員の品質管理こそが費用対効果(cost-effectiveness)を左右する要素であると指摘されている。本論文では、こうした高コストながら重要な「警備員」という資源を最大限効果的に活用するための管理手法が提示されている。(LLNL)
AN INNOVATIVE AUDIT PROGRAM FOR TODAY’S SAFEGUARDS J. W. Lillpop, Jr.
最近の保障措置ニーズに応える革新的監査プログラム
— GE社が開発した内部保障措置監査手法とその運用実績
(*)General Electric社の原子力部門では、複雑化する保障措置要求に対応するため、内部保障措置監査プログラムが新たに設計・導入された。この監査プログラムは、施設管理者に対し、保障措置システムの性能に関する正確かつ迅速な情報を提供することを目的とする。文書化・報告の仕組みも整備され、監査対象側・管理側双方にとって有効に機能していることが示された。(GE)
AN IRRADIATED FUEL BUNDLE COUNTER J. W. Campbell, J. L. Todd
照射済燃料集合体計数装置
— 連続燃料交換炉における燃料移動監視・保障措置検認のためのプロトタイプ設計と運用評価
(*)連続運転中に燃料交換を行う原子炉から搬出される照射済燃料集合体の本数を測定するための、保障措置用プロトタイプ計数装置の設計が示されている。装置は放射線検出技術、データ処理・表示、無人運転機能およびデータセキュリティを組み込んでおり、保障措置検認の自動化・信頼性向上を狙っている。設計開発の経緯と運用実績が報告され、燃料移動監視や核物質計量管理における有効性が確認されている。(SNL) <IAEA の保障措置技術は、加盟国による国際的な分担作業で支えられており、アメリカは Sandia National Laboratories を通じて「保障措置用計測機器・監視装置の開発」を長年担っていたため、CANDU炉向けの開発に関与した。>
ASSESSMENT OF ACCOUNTABILITY AND SAFEGUARDS EFFICIENCIES N. J. McCormick, R. C. Erdmann
核物質計量管理および保障措置の効率評価
— 情報理論に基づく異常検知探索と検出器性能の相関分析
(*)核物質管理(accountability)および保障措置(safeguards)の問題は、特定の異常(未申告の核物質量、または核物質を持ち出す人物・物品)の検出を目的とする「探索問題」として扱える。情報理論の原理を用いることで、探索方法の効率と検出器効率の間に定量的な相関を導くことができ、検出器性能の変化が探索効率に与える影響を評価できる。具体的な例計算が提示され、検出器効率の改善が保障措置上の異常検知性能をどの程度向上させるかについて洞察が与えられている。(Science Applications, Inc.)
AUTOMATED PERSONAL IDENTIFICATION: A NEW TECHNIQUE FOR CONTROLLING ACCESS TO NUCLEAR MATERIALS AND FACILITIES David R. Eccles
物質および原子力施設へのアクセス管理に向けた自動個人識別技術
— 生体認証を用いた高度アクセス制御方式と FINGERSCAN™ システムの導入可能性
(*)特殊核物質の転用・盗取、ならびに核施設に対する破壊行為を防止するためには、重要区域・核物質区域へのアクセス制御が不可欠である。従来のアクセス管理方式を概観したうえで、自動個人識別技術(biometric verification)を導入することで、セキュリティの高度化と運用コスト削減が同時に達成可能であることを示している。最後に Calspan 社による FINGERSCAN™(指紋照合システム)の概念とアクセス管理への応用例が紹介されている。(Calspan Corporation)
Calibration and Qualification of the Isotopic Source Adjustable Fissometer (ISAF) for Assay of Low-Enriched Discrepant Uranium Materials John Stewart, Hans J. Webe
同位体源可変フィッソメーター(ISAF)の校正および適格性評価
— 帳簿値・申告値と実測値が一致しない低濃縮ウラン材料の非破壊アッセイに向けた装置導入と校正精度の検証
(*)本研究では、帳簿値・申告値と実測値が一致しない低濃縮ウラン材料の非破壊測定に使用するため、GE Nuclear Fuel Division に導入された ISAF(同位体源可変フィッソメーター)の設置目的・運用方法・校正手順を整理している。ISAF は自動化されたオンラインデータ処理機能を備え、最小限の操作技能で扱えるよう設計されており、特定の「不一致材料」に対して良好な校正精度が確認されている。校正結果と計量管理システムへの組み込み計画から、ISAF は分析室での破壊分析依存を低減し、核物質計量管理バランスにおけるデータ信頼性向上に寄与すると見込まれている。(GE, IRT Corporation)
EXPERIENCE WITH A FUEL ROD ENRICHMENT SCANNER R. N. Kubik, W. G. Pettus
燃料棒濃縮度スキャナーの運用経験
— PAPAS 系設計に基づく空間分解能・データ処理性能および多検出器方式の有効性評価
(*)B&W 商業用燃料製造工場で生産されるすべての燃料棒に対し、PAPAS 系(Los Alamos で開発)に基づく濃縮度スキャナーを用いて連続的な濃縮度評価を実施した経験が示される。装置の空間分解能、データ平滑化手法、測定精度の特徴が詳細に議論され、量産炉燃料に対する実用的性能が検証されている。多検出器方式と単一検出器方式を比較し、コスト効果および運用上のメリット・デメリットが評価されている。(Babcock & Wilcox Company)
GOMSAC and MONILLE: Safeguards and Environmental Systems G. P. Minges, R. A. Harlan
GOMSAC と MONILLE:保障措置および環境モニタリングシステム
— プルトニウム含有廃棄物の高感度カロリメトリ計測と生活排水中の低レベル放射能監視の実装
(*)GOMSAC(Computerized Measurements for Safeguards and Accountability) は、廃棄物・スクラップ残渣中のプルトニウムを定量するために設計された 双子等温型カロリメータであり、浴制御の改良やアルミニウムセンサーの採用など、既存機からの設計改善を特徴とする。当該 4リットルカロリメータは、断熱材マトリクス中に含まれる 6% 240Pu を含む 1 g 未満のプルトニウムを検出可能であり、最大 1 kg 超まで測定可能な広い運転レンジを持つことが示されている。MONILLE(Monitor of Low-Level Effluents) は、Rocky Flats 工場の生活排水に含まれる微量放射能を連続監視する装置で、239Puおよび 241Am の極低濃度(10E-06~10E-08 μCi/mL レベル)を 5 分測定で有意に検出できることが確認されている。(Rocky Flats Division)
HAND-HELD PERSONNEL AND VEHICLE MONITOR W. E. Kunz, C. N. Henry, R. D. Hastings
携帯型の人物・車両モニタ
— 特殊核物質の不正移動検知に向けた可搬型放射線監視装置の設計と運用特性
(*)本稿で紹介される 携帯型(hand‑held) personnel/vehicle モニタは、特殊核物質(SNM)の不正な持ち出しや潜在的な転用を防止するため、通行者および車両に付着・積載した放射性物質を迅速に検出する目的で開発された。このモニタは ERDA(Energy Research and Development Agency)が抱える核物質防護上の課題への対応として設計され、小型・携帯型でありながら有効な放射線検出性能を備えている点が特徴とされる。設計要件、運用上の利点、適用範囲(施設ゲート、車両検査、移動監視など)が議論されており、既存の固定式監視装置を補完する可搬型手段として位置づけられている。(LASL)
IAEA International Safeguards and the NPT Review Conference R.Rometsch (IAEA)
AEA 国際保障措置と NPT 再検討会議
— 保障措置制度の進展、1975 年再検討会議での主要論点、技術的・制度的課題の整理
(*)本稿は NPT 発効後 5 年を経た時点(1975 年)での IAEA 国際保障措置の進展状況 を概観し、特に NPT に基づく保障措置適用の実績・課題・制度的整備をレビューしている。 1975 年に開催された NPT 再検討会議(NPT Review Conference) における議論を踏まえ、保障措置制度の透明性向上、査察能力の強化、加盟国との協力枠組み改善といった重要論点が整理されている。また、IAEA の国際保障措置が直面する技術的・政治的課題(検認能力、核拡散リスク、査察資源など)を分析し、今後の改善方向について提言が示されている。 (IAEA)
IAEA SAFEGUARDS AND THE U.S.  John Mahy,Jr.
IAEA 保障措置と米国
― NPT に基づく米国の自発的受入れ措置と IAEA 保障措置適用の進捗・技術支援の概要
(*)論文は、NPT に基づく米国「大統領オファー」による IAEA 保障措置適用の現状と、その発効時期・政治的論点・合意形成手続きについて述べている。米国・IAEA の保障措置協定(草案)の作成過程と、運用上のガイドライン策定状況が整理されている。また、IAEA 保障措置の実効性向上を支える米国の技術支援として、機器開発、システム研究、演習、専門家派遣などの取り組みがレビューされている。(US ERDA)
IMPROVED METHOD FOR THE VERIFICATION OF THE REPROCESSING INPUT ANALYSIS L. Koch, M. Bresesti
再処理入力分析の検証のための改良方法 (*)再処理施設のインプット解析における検認精度向上のため、新しい技術(アルミ缶封入標準試料、自動化機器、同位体相関法など)の適用が有効であると論じている。アルミ缶内封入試料は溶液試料に比べて保存時の不安定性が無く、また自動化によりコスト削減と再現性向上が得られるとしている。燃料の照射前後のウラン量バランスや同位体相関法は、検認のみならず解析誤差要因の特定にも有効で、再処理インプット解析は燃料サイクルの経済性評価と保障措置上の核物質量把握に重要であると述べる。(Commission of the European Community(欧州共同体委員会))
IN-PLANT EVALUATION OF THE NDA OF HTGR FUEL J. E. Glancy, E. C. Snooks
End(1) HTGR 燃料の非破壊分析のプラント現場評価 (*)LASL Random Driver と LASL Segmented Gamma-Ray Scanner の 2 種類の最先端 NDA 装置を用い、HTGR 燃料の非破壊アッセイ(NDA)を現場環境で評価した結果を示す。装置の安定性、信頼性、環境条件への感度、操作性といった運用パラメータの測定結果が提示されている。校正誤差、測定再現性、材料ばらつきに起因する誤差、化学分析による結果とのバイアスなど、性能評価が体系的に示され、HTGR 燃料管理の改善に資する知見が得られた。(General Atomic Company (GA))
INSPECTOR MEASUREMENT VERIFICATION ACTIVITIES Raymond S. George, Roy B. Crouch
検査官による測定検認活動
— 再測定を中心とした測定システム性能評価と系統誤差把握によるインベントリ検認の信頼性向上
(*)保障措置インスペクターにとって最も複雑な作業は、測定結果および測定システム性能の検認であり、その中心となるのは再測定である。施設側の測定システムを用いた再測定が性能評価の主要データを提供し、加えて参照測定機関による再測定が系統誤差の把握に重要である。これらの測定検認活動と既存のインベントリ検認手法を組み合わせることで、インベントリの受当性判断の基盤をより強固にできる。(US ERDA)
INTERNATIONAL SAFEGUARDS ISSUES– THE U. S. VIEWPOINT Edward B. Giller
国際保障措置問題 – 米国の視点 (*)米国の国際保障措置政策は、原子力技術が「低コスト電力供給」という利点と、「核兵器・核爆発装置の開発に利用され得る危険性」という二面性を持つことを認識したうえで策定されている。化石燃料価格高騰と供給不安により、多くの国が原子力発電へ依存を高める中、核兵器利用の潜在的リスクが改めて強調される。インドによる核実験(前年)もその警鐘として示される。この文脈のもと、国際保障措置体制の強化が不可欠であり、核技術利用の恩恵と拡散リスクのバランスをとる米国の立場が示されている。(US ERDA)
INTERNATIONAL_SHIPMENTS OF STRATEGIC SPECIAL NUCLEAR MATERIALS Bill R. Teer, John Mangusi
戦略特殊核物質の国際輸送
— NRC 規制遵守における運用上の困難・不確実性(航空輸送遅延・24 時間ルール)と規制改善の必要性
(*)本論文は、Transnuclear 社が戦略特殊核物質(SSNM)の国際輸送において NRC 規制を遵守する過程で直面した課題や事例を示し、改善すべき規制上の問題点を論じている。特に、規制 73.35(b) が要求する「24 時間を超える保管の回避」を目的とした事前計画と、実際の航空輸送に伴う不確実要素の乖離が詳細に検討されている。気象・輸送遅延など不可抗力(Force Majeure)に起因する「違反」扱いが発生し得る点を例示し、運用制約を踏まえた規制見直しの必要性を示唆している。(Transnuclear, Inc.)
Issues Related to Choosing a Guard Force Structure William A. Higinbotham, E. V. Weinstock, L. Green, C. Auerbach, J. lnduai
警備部隊構造の選定に関する課題
― 連邦警備・民間警備・地元警察契約方式の比較による法制度・運用・コスト等の検討要因の整理
(*)連邦政府による新たな中央集権的警備部隊の創設が提案される中、核施設および核物質輸送の警備を担う組織構造を、既存の民間警備、連邦警備、地元警察との契約形態の三方式で比較検討した。法的要件、責任範囲、要員配置・運用、コスト、オフサイト部隊との連携、管理統制、輸送面など七つの主要カテゴリーについて、それぞれの警備体制が持つ実務的・制度的課題を整理した。施設防護と核物質輸送の安全確保に向け、どの警備体制が最適かを判断する上で必要となる比較要因が体系的に示されている。(BNL)
MASS MEDIA DIFFERENCES IN “NUCLEAR NEWS” REPORTING: IMPLICATIONS FOR PUBLIC OPINIONS AND ACCEPTABLE SAFEGUARDS Alden Williams, Joyce Williams
「ニュークリアニュース(ANS)記事」にみる「マスメディアの違い」
― 報道差異が世論形成および受容可能な保障措置評価に与える影響
(*)本論文は、新聞・テレビ・専門誌といった異なるマスメディアが「核関連ニュース」をどのように取り上げるかを比較し、その報道スタイルの差異が核エネルギー・核安全保障・保障措置の社会的認識形成にどのような影響を与えるかを分析している。報道頻度、表現の強調点、危険性の扱い方、技術的内容の省略度などに差が存在し、それが一般市民のリスク認識、政府・規制当局への信頼度、政策支持の傾向に影響することが示される。こうした報道の偏りは、どのような保障措置が「社会的に受容可能」と見なされるかにも影響し、核政策とコミュニケーション戦略の設計における重要な要素として位置づけられる。
Meeting the Challenge William A. Higinbotham, William A. Higinbotham
課題への対応 (*)過去 1 年間に発生した国内外の保障措置関連動向と、INMM の活動実績が整理されている。国際核拡散問題や米国内での核物質悪用(テロ)可能性は、国際輸送凍結やプルトニウム利用延期といった「消極的措置」では回避できず、正面から対処すべき課題であると論じられる。核リスクを理解した INMM メンバーが、保障措置によりリスクを許容可能なレベルへ低減する役割を果たすべきだと結論づけている。(BNL)
MOBILE ASSAY LABORATORY FOR 235U SAFEGUARDS MEASUREMENTS W. S. Lyon, J. S. Eldridge
U‑235 保障措置測定のための移動型アッセイラボラトリ
― 現場型ガンマ線 NDA システム(NaI 検出器・4096 チャンネル解析器)による濃縮度評価とインベントリ検認への適用
(*)移動型アッセイラボラトリを用いて、ガンマ線スペクトロスコピーによる U‑235 濃縮度・含有量の非破壊測定を現場で実施できるようにしたシステムを紹介している。このラボは NaI 検出器と 4096 チャンネル解析器を空調付き車両に搭載し、低濃縮 UO₂ 粉末・焼結ペレットから高濃縮燃料まで多様な試料で校正・測定が行われた。本システムは施設でのインベントリ検認に有用であり、オンサイトでの迅速な保障措置測定を可能にするツールとして評価されている。(ORNL)
MOUND LABORATORY CONTAMINATED WASTE INVENTORY SYSTEM Steven A. Tomes, Thomas C. Bishop
マウンド実験室汚染廃棄物在庫量システム (*)Mound Laboratoryでは、核物質の所内管理およびサイト間輸送に対するセキュリティ強化を目的に、核物質を含む汚染廃棄物容器のユニット識別・管理システムを新たに設計した。 本システムは、すべてのSS(special source)核物質系廃棄物容器に固有IDを付与し、中間管理データ・定期報告・核物質転用防止のための管理機能を一元的に実行できるデータキャプチャ方式を採用している。標準化された廃棄物出荷マニフェストおよび20年間のデータ保持により、追跡可能性(audit trail)の確保を目指し、国家貯蔵施設への輸送管理も強化できる仕組みを構築した。(Mound Laboratory)
MUF CONTROL CHARTS AND LEMUF CALCULATIONS USING AN AUTOCORRELATION TECHNIQUE Eric E. Johnson
自己相関手法を用いたMUF管理図およびLEMUF計算
― MUF系列の自己相関補正に基づく標準偏差推定と在庫差異監視精度の向上
(*)月次 MUF(Material Unaccounted For)系列には自己相関が存在するため、MUF管理図やLEMUF計算に用いる標準偏差は、この自己相関を補正した推定値を用いる必要があると示した。Jenkins & Watts の一次自己回帰(AR(1))モデルを MUFデータに適用し、自己相関補正後の標準偏差を用いたMUF管理図(control chart)の作成法および解釈法を提示した。補正標準偏差を用いた LEMUF(Limit of Error of MUF)計算の妥当性を議論し、外れ値検出と除去手順も示すことで、核物質計量管理における統計的監視の精度向上を提案した。(Oak Ridge Y‑12 Plant)
NEUTRON MEASUREMENTS OF U ISOTOPIC ABUNDANCE IN UF6 SAMPLES+ T. D. Reilly, Scott Walker, L. W. Fields, R. B. Walton, L. R. Stieff, W. T. Mullins
UF₆試料中のウラン同位体存在比の中性子測定
― ⁴He–F(α,n)反応を利用した²³⁴U非破壊アッセイ法と4π検出器による精密測定の性能評価
(*)UF₆中のフッ素が α 線と反応して生じる(α,n)中性子を利用し、UF₆試料中の²³⁴U同位体存在比(Isotopic abundance)を非破壊で測定する手法を開発した。14本の³He計数管をポリエチレン遮蔽体に配置した4π中性子検出器を設計し、標準1S(高濃縮)・2S(低濃縮)UF₆シリンダーをそのまま受け入れて測定できるシステムとした。10秒の計数時間で、低濃縮・劣化UF₆では 2.5%(1σ)、高濃縮UF₆では 0.5%(1σ)以下という高精度を達成し、保障措置検認・濃縮度確認に適用可能なNDA技術として有望であると結論づけられた。(LANL, Science & Engineering Associates, Inc., Union Carbide Corporation, U.S. Arms Control and Disarmament Agency )
NEW EMPHASIS ON MATERIAL ACCOUNTABILITY’S ROLE IN SPECIAL NUCLEAR MATERIALS SECURITY E. F. Gambill
特別核物質セキュリティにおける核物質計量管理(MC&A)の新たな重要性
― 検認在庫および緊急在庫制度の導入によるSNM管理強化と低コストな運用改善策
(*)Y-12工場における既存のSIMM核物質計量管理システムを評価した結果、核物質防護(特にSNMセキュリティ)を強化するためには、計量管理プロセスの改善が有効であることが示された。改良案として、通常の月次在庫に加え、選定バッチに対する検認(verification)在庫を導入し、核物質状況をより頻繁かつ確実に把握できる仕組みが提案された。新システムは、6時間以内の緊急在庫実施を可能とし、データ処理中心の小規模改修で実現できる低コスト改善策として、SNMセキュリティ上の有効性を高めると結論づけている。(Oak Ridge Y-12 Plant)
NEW SCOPE AND GOALS FOR N15 SUBCOMMITTEE INMM-9 (NONDESTRUCTIVE ASSAY) D. M. Bishop
N15 小委員会 INMM-9 (非破壊分析)におけるの新たな活動範囲と目標
― 核物質管理のためのNDA標準化拡大と5つの新タスクフォースによる規格策定推進
(*)ANSI–INMM N15 Standards Committee における非破壊アッセイ(NDA)関連規格策定の現状をまとめ、既存の標準化手続きや整合性確保の枠組みを概説した。N15 小委員会 INMM‑9 の活動範囲を拡張し、NDA を核物質管理へ適用するための新たな技術領域を標準化すべき対象として明確化した。NDA 手法に対する標準化を加速するため、5つの新タスクフォースを設置し、各種NDA用途(検認、分析、装置性能評価など)に関する規格策定作業を進めることが提案された。(GE)
NONDESTRUCTIVE ASSAY OF HTGR FUEL RODS H. O. Menlove
HTGR燃料棒の非破壊分析
― 高速中性子照射と遅発中性子計数を用いた核分裂性物質量の評価手法とHTGR燃料特性に起因する測定誤差要因の検討
(*)LASL(現LANL)は、HTGR(高温ガス冷却炉)燃料棒に含まれる核分裂性物質量の非破壊測定(NDA)を目的に、Van de Graaff加速器を用いたアクティブ中性子照射法を適用した。本手法では高速中性子を用いた核分裂誘起と遅発中性子計数を組み合わせ、燃料棒の均質性・核分裂性核種の分布・全体量を精度よく評価することを可能とした。NDAの精度に影響する試料組成差、試料寸法、中性子吸収効果などの要因を解析し、HTGR燃料管理および保障措置への適用可能性を検証した。(LANL)
NONDESTRUCTIVE ASSAY OF INVENTORY VERIFICATION SAMPLES AT THE LASL VAN DE GRAAFF SMALL-SAMPLE ASSAY STATION J. J. Malanify, A. E. Evans
LASL Van de Graaff小試料アッセイステーションにおける在庫検認試料の非破壊分析
― 遅発中性子計数に基づく核分裂性物質量評価手法と測定バイアス要因の補正検討
(*)LASL(現在のLANL)では、小試料を300–500 keVの中性子パルスで周期的に照射し、パルス間に放出される遅発中性子を計数することで、試料の核分裂性物質量を非破壊測定する手法を開発した。熱中性子・共鳴中性子の吸収による非線形応答を抑制するため、CdおよびB₄Cで遮へいした専用アッセイステーションを構築し、標準試料との組成差による1–2%程度のバイアスを補正可能にした。試料量、希釈材、試料高さ、水素含有量、トリウム混入など各種パラメータの影響を定量化し、最良で0.34%(1σ)の高精度を実現した。(LANL)
NRC SPECIAL STUDIES – A STATUS REPORT S. H. Smiley
NRC特別調査 ― 進捗報告
― 原子力エネルギーセンター候補地の全国調査と、原子炉・燃料サイクル施設の集約配置に関する実現可能性評価(保障措置上の検討を含む)
(*)本報告は、1974年エネルギー再編法(Energy Reorganization Act)第207条に基づき、NRCが全米の潜在的原子力エネルギーセンター候補地を調査する新規特別研究の進捗を概説したものである。この調査は、原子力発電所および核燃料サイクル施設を同一サイトに配置することの可否と実現性を評価し、立地上の利点・制約、環境的・技術的観点を整理することを目的としている。研究成果は1975年10月11日までに議会および大統領府環境品質委員会(CEQ)へ報告することが義務付けられており、調査は核物質防護(safeguards)の観点も含め、多面的な評価を必要とする点が強調された。(US NRC)
NRC SAFEGUARDS AND RELATED ISSUES Victor Gilinsky
NRCの核保障措置と関連課題
― 核物質盗取の防止を中心とした計量管理と、破壊工作対策を含む物理的防護強化の論点整理(核物質転用防止も含意)
(*)核保障措置の必要性が生む主要課題を整理し、核物質管理(計量管理・核物質転用の防止)と物理的防護(破壊工作防止)という二本柱の役割を明確に示した。物理的防護の目的として、潜在的に爆発性をもつ核物質を扱う施設や、放射性物質放出につながる破壊工作のリスクを受ける原子炉等の防護を強調した。計量管理・核物質管理システムの整備によって、特にプルトニウムおよび高濃縮ウラン(HEU)の盗取(theft)を防止し、核爆発装置への利用を阻止する役割を担っており、加えて文脈上、核物質転用(diversion)を防ぎ、核爆発装置への利用を阻止することの重要性を指摘した。(US NRC)
NUCLEAR REGULATORY RESEARCH – PROGRAM IN REVIEW Herbert J. C. Kouts
原子力規制研究 ― 研究計画の概観
― 核物質転用の検知と計量管理、燃料サイクル監視、物理的防護強化を支えるNRC研究領域の整理
(*)米国原子力規制委員会(NRC)が進める研究プログラムの全体像を概説し、保障措置の範囲と重要性が時代とともに変動してきた点を指摘している。核物質計量管理(MUF 等)、燃料サイクル、検査制度、情報システムなど、規制研究が扱う主要分野を列挙し、課題領域を明確化している。物理的防護の強化に向けた研究テーマ群を示し、原子力発電の社会的受容性確保に向けて規制研究の役割が拡大していることを強調している。(US NRC)
NUCLEAR SAFEGUARDS-A PERSPECTIVE  Carl Walske, Carl Walske
核保障措置 ― その現状と展望
― 国際・国内における核物質転用および不正利用への懸念に応える保障措置の課題認識と、エネルギー危機下での信頼性向上への指針
(*)国際・国内双方の文脈で核保障措置の重要性を論じ、エネルギー危機と原子力利用の拡大に伴う社会的関心の高まりを指摘している。原子力推進の立場から、核物質の転用や不正利用に対する懸念へ的確に応える必要性を強調している。保障措置の課題と展望を概観し、信頼性向上と国際的受容のための改善の方向性を示した講演的論文である。(Atomic Industrial Forum (AIF))
ON THE USE OF FAULT AND DECISION TREE ANALYSES TO PROTECT AGAINST INDUSTRIAL SABOTAGE R.C.Erdmann, R.R.Fullwood
破壊工作に対する防護におけるフォールトおよび決定ツリー分析の活用
― 再処理施設における受動的防護構造の体系的な脆弱性評価手法の提示 ―
(*)(Fault Tree)と(Decision Tree)を用いて、再処理施設における破壊工作(industrial sabotage)の防護手段を体系的に評価する手法を示した。「漏えい経路(leak path)」に基づく手法で、受動的防護の fault tree と攻撃側の fault tree を構築し、双方の非対称性を補正した上で解析する。解析では障壁数による防護度の比較までを行い、侵入確率や時間評価は行わず、あくまで体系的評価フレームワークを提示した。(Science Applications, Inc.)
OUTLINE OF A COMPUTERIZED NUCLEAR MATERIAL ACCOUNTING SYSTEM APPLICABLE TO NUCLEAR POWER REACTORS J. W. Handshuh
End(2) 原子力発電炉に適用可能なコンピュータ化された核物質計量管理システムの概要 (*)本論文は、電力会社が燃料サイクル全体にわたり核物質を追跡・管理できる 計算機化(コンピュータ化)核物質計量管理システム の概要を示し、取引入力から在庫・移動記録を自動生成する仕組みを説明している。システムは、ユーザーが設定する「場所・アイテム管理区画・区分・材料種類」ごとのアカウント番号体系を基盤とし、データが自動的に所望の順序で整理される設計となっている。さらに、NRC(米国原子力規制委員会)向けの Material Status Report(核物質状態報告書:MISR) を自動生成する機能を備え、規制報告の効率化に寄与する。(Southern California Edison Company)
Passive and Active Measurement of SNM R. L. Bramblett
SNM の受動・能動測定
― 大型ドラム中の U‑235/Pu‑239 NDA 技術(受動ガンマ・受動/能動中性子・制動放射)の比較と LEMUF への影響評価
(*)多くの核燃料施設では SNM(特殊核物質)を含む廃棄物が大型ドラムに収納されており、今後は低濃度 SNM 含有廃棄物が大量に発生すると予測されるため、小型容器 assay と大型ドラム assay の経済性比較や LEMUF(量的核物質未計上)への影響が検討されている。 大型ドラム中の U‑235 および Pu‑239 の測定に対し、受動ガンマ線測定・受動中性子測定・能動中性子照射測定・制動放射(bremsstrahlung)測定の精度や適用性がレビューされている。測定妨害要因として、核分裂生成物(fission products)が各測定法に与える影響も分析され、信頼できる NDA の確立に向けた技術的課題が整理されている。(IRT Corporation)
PHYSICAL PROTECTION, ACCOUNTABILITY, AND PROCESS MODELLING Kenneth E. SANDERS
物理的防護・核物質計量管理・プロセスモデリング
― 核燃料製造プロセス自動化に向けた体系的モデル化と設計段階での最適保障措置の検討
(*)保障措置関連プロジェクトにおいて、工程(プロセス)モデリングが体系的な問題分析・解決策評価のために用いられており、とくに核燃料製造プロセスの自動化への適用が示されている。適切に設計された自動化工程(搬送・保管を含む)は、重要設備と特殊核物質の 物理的防護(Physical Protection) を強化し、同時に核物質の 管理・計量管理(Accountability) の向上にも寄与すると述べる。保障措置設計は設備建設後の“事後対応”ではなく、設計段階で最適解を体系的に評価する必要があり、後付け改修を避けるためにも初期設計段階からプロセスモデリングの適用が不可欠であると指摘される。(USNRC)
Physical Security System Effectiveness Evaluation: A Status Report J. L. Todd, W. C. Nickell
物理的防護システムの有効性評価:現状報告
― 想定攻撃者モデル・対抗措置・防護側応答能力を統合した評価手法と設計最適化への応用
(*)物理的防護システム(PPS)の性能を客観的に比較するための評価手法が開発中であり、システム設計の最適化や費用対効果分析に有効であるとされる。評価手法は、想定される潜在的敵対者(アドバーサリ)の特性、成功を阻止または困難にする対策、そして防護側の対応能力を体系的に抽出し、これらをモデル化して脅威に対するシステム評価を行う構造をもつ。複数の分析モデルを用いて総合的にシステムの強度を比較可能とするアプローチが紹介されており、今後の防護設計に適用可能な評価基盤の構築状況が報告されている。(Sandia Laboratories)
PIVOTAL SAFEGUARDS ISSUES VIEWED BY NRC Howard J. Larson
NRC が捉える重要保障措置課題
― エネルギー再編法後の保障措置責任、物理的防護強化、核物質輸送・Puリサイクルをめぐる政策論点
(*)1974 年エネルギー再編法(Energy Reorganization Act, Public Law 93‑438)により、NRC は核物質の加工・輸送・取扱いなど ライセンス対象活動全般の保障措置責任 を明確に付与された。NRC の責務には、核施設および核物質を 脅威・盗取・破壊工作(sabotage)から防護するための制度的保障措置の構築・維持 が含まれ、特に物理的防護の強化が中心課題となった。OSTI 情報によれば、核物質輸送時の防護要件や Puリサイクル問題など、当時の主要な政策課題が NRC の重要論点として位置づけられていた。(USNRC)
REAL-TIME PLUTONIUM ACCOUNTABILITY AND INVENTORY CONTROL SYSTEM J. P. Sarich
リアルタイム・プルトニウム計量管理・在庫制御システム
― 指紋認証・バーコード読取・保管庫位置監視を統合したオンライン核物質管理の実装計画
(*)大規模貯蔵・処理施設向けに、取扱い情報・在庫情報・工程モニタリング・分析室データを統合管理する リアルタイム核物質計量管理(プルトニウム)システム のオンライン化が計画されている。端末アクセスおよび保管庫入出域は 指紋照合による個人認証 で管理され、物品識別には バーコードラベルとライトペン読取 が用いられ、インベントリ作成や移送時の記録が自動化される。保管庫内の貯蔵位置を継続監視・管理するデバイス導入も計画され、リアルタイム性の高い核物質管理を実現する総合的システムとして構築されている。(Atlantic Richfield Hanford Company)
RECENT DEVELOPMENTS IN GOVERNMENT POLICY TOWARD TRANSPORTATION OF NUCLEAR MATERIALS William A. Brobst
核物質輸送に関する政府政策の最近の動向
― AEC の輸送管理強化、鉄道輸送問題、州規制との競合が核燃料サイクル運用に与える影響
(*)1974 年 12 月、AEC は「政府所有の特殊核物質(SNM)のうち、トリガー量を超える輸送をすべて政府が一元管理する方針」を発表し、この決定が核産業に大きな影響を及ぼすことが示された。鉄道側が「使用済燃料は特別列車でのみ輸送する」として通常輸送を拒否するという深刻な問題が発生し、ERDA は ICC(州際通商委員会)に問題解決を求める一方、原子力産業界も規制緩和に向け支持を結集している。連邦法に先取権条項があるにもかかわらず、多くの州が独自に核輸送規制を制定しようとしており、燃料サイクルの将来性(viability)に関わる輸送上の課題が増大していると指摘されている。(US ERDA)
RECENT DEVELOPMENTS OF NNC MULTI-CHANNEL “FUEL SCAN” Herman Miller, Stephen H. Shepard
NNC マルチチャネル「Fuel Scan」の最近の開発
― カリフォルニウム中性子源・同時計数方式による高速燃料棒スキャン技術の高度化と多機能 NDA 評価の実装
(*)NNC(National Nuclear Corporation)が開発した高速燃料棒アッセイシステム「マルチチャネル Fuel Scan」の最新改良について報告されており、大強度カリフォルニウム中性子源と同時計数方式を用いることで、最大 1 本/分の高速スキャン が可能となった。本システムは、不適合ペレット(off‑spec)の検出や 全フィッシル量(実効核分裂性物質量)の評価に加え、ペレット密度、ペレット間ギャップ、フィッシル・カラム長の測定など、多機能 NDA 評価を実現している。燃料棒の搬送機構およびデータ出力の自動化も進められ、生産ラインでの連続運転に適した高度な非破壊燃料検査システムとして完成度が高められている。(NNC)
RECIPROCITY RELATIONSHIPS FOR THE ISOTOPIC COMPOSITION OF BOILING WATER REACTOR FUEL Owen Gailar, Peter Hindley
BWR 燃料の同位体組成に関する相反(Reciprocity)関係
― ボイド率・中性子スペクトル変化を受ける照射環境と燃料再配置が同位体組成予測に与える影響
(*)原子炉内で燃料の滞在中および取り出し時の 同位体組成(isotopic inventory)予測 は、炉内燃料管理(再配置・装荷計画)と炉外での燃料保証確認(warranty validation)および燃料管理業務に不可欠であり、その予測精度向上が燃料管理の鍵となる。BWR(沸騰水型原子炉)では、燃料の位置によって ボイド率と中性子スペクトルが大きく変化するため、燃料を別領域に移動(shuffling)すると照射環境が大きく変化し、同位体組成形成に顕著な影響を与える。本論文は、照射・再配置された BWR 燃料の同位体組成に関する計算結果(reciprocity relationships)を提示し、燃料の空間的・運転履歴的な条件変化が同位体組成の予測にどう結びつくかを示している。(Purdue University, Pacific Gas & Electric Company)
RETIMACA A Real-Time Material Control Concept For Strategic Special Nuclear Material Thomas E. Shea
RETIMACA:戦略上重要な特殊核物質に対するリアルタイム核物質管理コンセプト
― プロセス制御・封じ込め・高度計測を統合した即応型保障措置の構築
(*)NRC は、事業者の保障措置システムを高度化するため、リアルタイム核物質管理(Material Control)概念「RETIMACA」 を検討しており、プロセス管理・物理的封じ込め・高度計測を統合した枠組みを導入しようとしている。この概念を取り入れた施設では、核物質転用の未然防止・抑止・迅速検知 が可能となり、さらに 転用が発生していないことの確認(assurance) も強化される。RETIMACA の実現に向け、NRC は 手法開発・評価・暫定標準の整備 を含む大規模な研究プログラムを進めており、将来の政策決定の基盤構築を進めている。(US NRC)
SAFEGUARDS BARREL SCANNER P.B. Wallingford
保障措置用ドラムスキャナ
― 低密度廃棄物ドラム中の U‑235/Pu‑239 を高速・自動測定する非破壊アッセイシステム
(*)本装置は、55 ガロンドラム中の低密度固体廃棄物に含まれる U‑235 または Pu‑239 を非破壊でアッセイするための保障措置用ドラムスキャナ であり、紙・布・木くずなど密度 0.6 g/cm³ 未満の充填廃棄物中に存在する 5 g 以上の核分裂性物質を ±20% 精度 で測定できる。ドラムを回転・上下移動させて 8 つの垂直セグメントで測定し、1 セグメントあたり 30 秒・全体で約 8 分の計数時間で全体量を推定する。高密度領域は透過線源データにより判定して演算から除外し、密度・減衰の不均一性による誤差を低減している。Ge(Li) 検出器、4096 チャネル解析器、ミニコンピュータを備えた 全自動システム で、熟練オペレータを必要とせず、透過線源(例:¹⁶⁹Yb)やライブタイム補正パルサを用いることで、実際の廃棄物環境でも再現性の高い核物質管理が可能になる。(Savannah River Plant(E. I. du Pont de Nemours and Company))
SAFEGUARDS IN REPROCESSING A. L. Ayers
再処理施設における保障措置
― テロ対策強化による物理的防護・核物質管理要求の増大と運転効率への影響
(*)連邦規制機関がテロ攻撃や破壊工作(sabotage)への対策強化を重視した結果、再処理施設における 核物質管理(MC&A)と物理的防護の要求水準が大幅に引き上げられ、運転効率にも影響を及ぼしている。一部の新要求は 実効性が不明確なまま運転効率を低下させる ものや、再処理工程への適用が不明確で、解釈・運用方針の明確化が必要 なものが含まれている。具体的課題として、棚卸頻度、低濃縮ウランの計量管理、ラボでの目視監視、従業員サーチ、建設時の二重バリア要求、核分裂生成物で汚染された固体廃棄物のアッセイ などが挙げられ、再処理施設固有の状況に応じた改善が必要とされている。(Allied-General Nuclear Services)
SAFEGUARDS, THE PRESS AND THE PUBLIC G. Robert Keepin, David Burnham, Edward B. Giller, Dennis Wilson
保障措置・報道・市民社会
― 情報公開・用語理解・政策判断における相互関係とその課題
(*)本パネルは、保障措置の実態・規制・技術的能力に対し、報道機関・一般市民・議会が正確に理解することの重要性を議論し、誤解を招く情報伝達や専門用語(例:MUF)への混乱が政策判断に影響し得る点を指摘した。報道機関には、専門家による正確な情報へのアクセスと客観的な報道姿勢が求められ、同時に規制情報の公開・説明責任(FOIA など)には 利点と限界 があるとの認識が示された。国際核拡散の懸念、IAEA 保障措置の役割、国内外のガードフォース、プルトニウムリサイクル問題(GESMO)など、広範な政策論点 について、技術者・規制当局・メディア・市民団体がどのように対話を続けるべきかが論じられた。
SIMULATING PHYSICAL PROTECTION AGAINST OVERT ATTACKS AT FACILITIES USING, PROCESSING, OR STORING NUCLEAR MATERIALS Joseph P. lndusi, W. Marcuse
核物質を使用・処理・貯蔵する施設に対する顕在的攻撃の物理的防護シミュレーション
― 警備要員・バリア・警報・手順を統合した総合防護システムのモデル化と攻撃シナリオ比較評価
(*)本論文は、核物質を使用・処理・貯蔵する施設に対する 顕在的攻撃(overt attacks) を想定し、物理的防護システムの有効性を比較・評価するための シミュレーションモデル を開発し、BNL(Brookhaven National Laboratory)の計算機上で稼働させた結果を報告している。モデルは、警備員(guards)、周辺防護バリア、警報システム、手順(procedures)など複数の要素を組み合わせた 総合的防護システムのトレードオフ評価 を可能にし、攻撃者の構成(attacker configurations)に応じたシステム有効性の比較が行える。バリアや封じ込め装置(containment devices)が導入する 遅延時間データ(delay times) の収集を進めており、今後はデータ整備のための実験的検証も必要と予測され、実施設の防護計画をモデルへ入力して 代表的攻撃シナリオでの試験評価 を行うことで、保障措置・物理的防護に資する情報が得られる。(BNL)
SOCIETAL RISK APPROACH TO SAFEGUARDS DESIGN AND EVALUATION Carl A. Bennett, William M. Murphey,Theodore S. Sherr
保障措置設計・評価に対する社会的リスクアプローチ
― 反社会的行為の頻度・影響評価に基づく防護体系の構造化と対策資源の最適配分
(*)本論文は、保障措置システムを体系的に設計・評価するための包括的合理性(rationale)を提示し、限られた資源を最も効果的に配分するための 社会的リスク(societal risk)に基づく枠組み を提案している。社会的リスクアプローチでは、核物質や核施設を標的とした 反社会的行為(sabotage・核物質転用を含む) の発生頻度(likelihood)と、成功時の社会的影響(死傷者・財産損害など)の大きさを総合的に取り扱う。解析は、最終的影響をもたらす「不正行為イベント」の特定にはじまり、そこに至る adversary 行動系列の樹木構造(adversary action tree)化、さらに防護システム構造・評価指標の導出へと展開され、保障措置設計への具体的示唆を与えている。(Battelle Human Affairs Research Centers, NBS, ERDA)
SOME COMMENTS ON RECENT REGULATORY ACTIONS AFFECTING SAFEGUARDS R. F. Lumb
最近の規制措置が保障措置に及ぼす影響に関する所見
― 核物質管理制度の歴史的整備と、過度規制・Pu 再処理延期判断に対する業界側の問題提起
(*)946 年原子力法により、核物質の防護責任が軍から民間政府機関へ移管され、1947 年に原子力委員会(AEC)が発足して軍保有核物質のインベントリ確立と管理責任を引き継いだ。その後数カ月で基礎的な核物質管理方針と手続きが整備され、1950 年までには急速に拡大した国内核物質生産と在庫管理を扱える成熟した管理システムが構築された。一方、INIS / OSTI 情報によれば、規制当局は世論に反応しすぎて核産業に過度な規制(とくに物質管理要件)を課しているとの指摘があり、NRC が Pu 再処理を 3 年延期した判断には業界側の強い異議が示されている。(NUSAC Inc.)
SURVEY OF URANIUM ASSAY TECHNIQUES AND MEASUREMENT CONTROL AT THE NEW BRUNSWICK LABORATORY .M. Scarborough, Charles E. Pietri
ニュー・ブランズウィック研究所におけるウラン分析技術と測定管理の概観
― NBL滴定法を中心とした試料処理・分析手法および測定信頼性確保プログラム
(*)本論文は、米国 New Brunswick Laboratory(NBL)におけるウラン分析(アッセイ)技術の全体像を概説し、分析対象となる各種ウラン材料と、その試料を滴定分析に適する溶液形態へ変換するための典型的な試料処理方法を紹介している。NBL が用いる主力手法である NBL 滴定法(titrimetric method) の分析信頼性を確保するための測定管理(measurement control)プログラムの内容が説明されている。この管理体系は、ウラン測定の精度・再現性・長期的信頼性を担保することを目的としており、保障措置に必要なウラン計量の品質保証基盤を支えている。(NBL)
THE FUTURE FOR URANIUM Clifton H. Barnes
ウランの将来展望
― 米国原子力拡大政策に伴う長期需要予測と国内供給能力の制約
(*)米国の強力な原子力推進政策により、今後数十年続く安定的なウラン需要が形成され、国内ウラン産業は大幅な供給拡大を迫られている。1948〜1974 年の米国の累積 U₃O₈ 生産量は約 30 万トンであるのに対し、1975 時点で運転中・建設中・発注中の原子炉の生涯需要はすでに 100 万トン近くに達すると見積もられる。2000 年までの国内電力需要を原子力で賄う場合、総計 200 万トン超の U₃O₈ が必要とされ、1985 年には年間約 5 万トンもの供給が必要となる一方、1975 年の想定生産はわずか 1.2 万トンに留まると予測されている。(The S. M. Stoller Corporation)
WHAT SHALL WE DO WITH THE WASTE? Robert W. Ramsey
End(3) 放射性廃棄物をどう扱うべきか
― 隔離・固化・監視の三要素に基づく哲学的廃棄物管理体系の再考
(*)放射性廃棄物管理の本質的問題は技術論以前に哲学的課題であり、核燃料サイクルの中で「合理的思考」を行うことが必要と論じている。数値モデルへの過度の依存が議論を不明瞭にすると指摘し、廃棄物管理は安全性確保の観点から「一つの単位でも失えばシステム全体の信用が損なわれる」という厳格性が求められると述べる。廃棄物管理の基本構成要素として「隔離(排除)」「固化(封じ込め)」「監視(対応)」の三要素が不可欠であり、この枠組みに基づく施設(例:可搬式貯蔵、固化技術)が議論されている。(US ERDA)

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