日本核物質管理学会Institute of Nuclear Materials Management (INMM) Japan Chapter

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INMM米国年次大会論文集(1966年)

メンター部会の活動の一環としてINMM米国年次大会におけるProceedingタイトルリスト(日本語訳付き)の1966年分を作成しました。

タイトル、著者のほかに、タイトルだけではよくわからない専門用語や略号を日本語で補足した備考欄(訳注、補足・コメントなど)を付加しましたので有効活用いただければ幸いです。

 

Sub-Volume End-marker  Title/タイトル Authors 備考
(訳注、補足・コメントなど)
THE ROLE OF NUCLEAR MATERIALS MANAGEMENT IN POLICING A NON- PROLIFERATION AGREEMENT John T. Conway
不拡散協定履行における核物質管理の役割
― 民生原子力の拡大下で高まる保障措置・管理技術への要求と国際的信頼性確保
(*)核物質管理と保障措置の重要性に対する国内外の注目が急速に高まり、民生用原子力の拡大に伴い、その管理体制が国家・国際社会から厳しく監視される段階に入ったことが指摘された。INMMが長年取り組んできた核物質管理の技術的課題が、非拡散体制の維持に不可欠であるとの認識が広まり、国際的な不拡散枠組みの実効性向上に寄与しうることが示された。核物質管理専門家の役割が、原子力平和利用の信頼性確保や非拡散合意の実行性を支える基盤として、これまで以上に重要視されるようになっている点が強調された。(Consolidated Edison Company of New York, Inc.)
A CASE STUDY OF A SHIPPER RECEIVER DIFFERENCE INVESTIGATION Ralph J. Jones
シッパー・レシーバー差異調査の事例研究 ― U–Al燃料スクラップ再処理における約15%の計量差発生要因とAECによる調査過程 (*)スクラップ処理工程におけるシッパー・レシーバー差(計量差)は最も厄介な問題の一つであり、本稿ではU–Al 合金燃料スクラップの再処理で約15%という重大な差異が発生した事例が示された。この差異は保障措置上無視できない量であったため、USAEC 核物質管理部が詳細調査を実施し、差異発生に至った状況と関係データの解析が行われた。論文では、差異発生の経緯、実施された調査ステップ、および最終的に得られた結論が体系的に取りまとめられている。(US_AEC)
A REVIEW OF THE REGULATIONS GOVERNING THE SHIPMENT OF NUCLEAR MATERIAL William F. Black
核物質輸送を規律する諸規制の概観
― 爆発物局(Bureau of Explosives)による安全・経済性確保のための制度策定と検査体制の役割
(*)核物質輸送に関する各種規制の現状を概説し、法令および関連制度の最新状況を参加者に共有することが本講演の目的とされた。講演では、米国鉄道協会の一部門である Bureau of Explosives(爆発物局) の役割が紹介され、安全かつ経済的な輸送規制策定における同局の貢献が説明された。Bureau of Explosives の組織構成(本部技術班・化学研究所・各地区検査官)と核物質輸送規制への関与が、具体的事例とともに紹介された。(Association of American Railroads(米国鉄道協会))
ADMINISTRATION OF AEC CONTRACTS FOR THE REPROCESSING OF U 235 ENRICHED SCRAP MATERIALS E.L. Keller
U‑235濃縮スクラップ再処理に関するAEC委託契約の運用
― コスト動向・計量差・民間能力評価に基づく契約管理上の課題と改善方向
(*)1962年7月1日から1966年6月1日までの期間における、AECオークリッジ業務所が民間企業へ委託したU‑235濃縮スクラップ再処理契約の運用経験が整理された。再処理コストの推移、スクラップのUおよびU‑235含有量におけるシッパー・レシーバー差(計量差)、民間産業側の能力評価など、契約遂行上の主要課題が論じられた。AEC担当職員によるオンサイト査察の結果も踏まえ、将来に向けた再処理サービス契約の改善点と方向性が検討された。(US AEC)
AEC DEVELOPMENTS IN NUCLEAR MATERIALS MANAGEMENT Douglas E. George
核物質管理におけるAECの施策進展
― 前年の取り組みの更新と継続中の管理・制度改善の進捗整理
(*)前年のINMM年次会合で紹介された核物質管理関連の取り組みについて、未完了の事項も多いものの、全体として着実な進展がみられたと報告された。AECが推進する核物質管理施策の最新状況を整理し、継続中の業務や制度改善の進捗状況をアップデートすることに主眼がおかれた。核物質の安全管理と計量管理の高度化に向け、前年から引き続き進行している複数のプログラムの現状評価が提示された。(UA AEC)
AEC REGULATION OF PRIVATELY OWNED SPECIAL NUCLEAR MATERIAL Lyall Johnson
民間所有特別核物質に対するAEC規制
― 政府独占解除後の法体系変更と新たな規制枠組みの構築
(*)1964年8月26日に制定された「特別核物質の民間所有法」により、特別核物質の政府による強制的独占所有が廃止され、民間所有が正式に認められた。この法律は政府独占の終了に留まらず、AECが運用する法体系そのものを改変し、特別核物質の規制・配分に関する政策と手続きへ大きな影響を与えた。新制度により、AECは民間所有を認めつつ安全確保と管理監督を維持する新たな規制枠組みを構築する必要に迫られた。(US AEC)
AN ENRICHED URANIUM SCRAP ASSAY GAGE H. Donald Moss, W. G. McNamara
濃縮ウランスクラップ向けの²³⁵U量定量計測装置
― 非破壊測定によるスクラップ中ウラン量評価技術の試作とその運用経験
(*)1962年に既存の機器を用いて試作された濃縮ウランスクラップのアッセイゲージは、スクラップ中のU含有量を迅速に評価することを目的として開発された。非破壊的な測定技術を活用することで、作業効率の向上およびウラン回収作業の信頼性向上が期待されることが示された。本報告は、プロトタイプ装置の性能確認と運用経験を基に、実用的なアッセイ技術としての適用可能性を提示している。
CRITERIA FOR SPECIAL NUCLEAR MATERIALS INVENTORY MANAGEMENT AND CONTROL PROCEDURES E. M. Kinderman, R. R. Tarrice
特別核物質の在庫管理および統制手続に関する基準
― 大量かつ高価な核物質在庫の特性を踏まえた管理手法の評価と実務適用の指針
(*)将来の商業原子力発電の拡大に伴い、米国だけで1980年には50億ドル超の価値を持つ特別核物質在庫が形成されると予測され、その管理・計量の重要性が強調された。特別核物質は高価でありながら大量に取り扱われる点で、石炭や鉄鉱石、さらに貴金属とも異なるため、既存の在庫管理実務の適用可否を慎重に評価する必要があると述べられた。既存手法の応用に加え、必要に応じた特殊技術の導入により、国家および事業者の投資を十分に保護し得る在庫管理・統制基準の確立が可能であると結論づけた。(Stanford Research Institute)
ESTABLISHING A “NORMAL OPERATIONAL LOSS” FOR A  RESEARCH AND DEVELOPMENT REACTOR R.O. Budd
研究開発炉における“通常運転損失”の設定 ― AEC指令7400‑5に基づく核物質損失の評価基準と監視限度値の技術的確立 (*)AECのImmediate Action Directive 7400‑5により、作業の性質上避けられない「通常運転損失(Normal Operational Loss)」の報告枠組みが定義された。各プロセスについてField Officeが「通常運転損失」の限度値を設定し監視することが求められ、事業者は自工程のどれが該当するかを精査する必要がある。適切に「通常」と見なせる損失範囲を技術的妥当性に基づき設定し、保障措置上の核物質管理における判断基準を確立することが本発表の主眼である。(PNL)
French Nuclear Industry Regulations

Abstract: The past year has been a busy and interesting one for your Standards Committee. The coming year promises to be even more so for several…

G. Vial
フランス原子力産業規制
― 原子力関連事業者が遵守すべき法的義務と施設許認可制度の構造
(*)フランスにおける原子力関連製造業者が負う法的・制度的義務を概説し、規制体系を複数の観点から整理する必要性が示された。特に、放射性物質を取り扱う施設に関する規制が重要とされ、原子力施設の設置および運転許可に必要な条件が議論された。これらの規制体系の説明を通じ、フランスの核産業における事業者責任と法的枠組みの特徴を明確化しようとするものであった。(Commissariat à l’énergie atomique(フランス原子力庁, CEA, パリ))
GAMMA SPECTROMETRIC MEASUREMENT OF U-235 IN 24″ x 24″ x 12″ ABSOLUTE AIR FILTERS AND ASSOCIATED ECONOMICS OF URANIUM RECOVERY Alan Fishman, I. Cohen, Frances K. Durkan
24″×24″×12″絶対空気フィルタ中のU‑235のガンマ線分光測定とウラン回収の経済性 ― 非破壊測定手法を用いた大型フィルタ評価と回収最適化手法の検討 (*)本研究は、絶対空気フィルタに保持されたU-235量を、184 keV光電ピークを用いたガンマ線スキャンにより非破壊で迅速に測定する手法を提示した。試験は8″×8″×6″、12″×12″×6″に加え、大型の24″×24″×12″フィルタへ適用され、量産施設で多数のフィルタを効率的に測定するための2つのアプローチが検討された。測定結果はフィルタごとの回収経済性の判断や核物質計量管理(アカウンタビリティ)の確立に利用され、回収利益を最適化するための計算プログラムも開発された。(US AEC)
PLUTONIUM FUELS -THEIR USES AND HANDLING W.M. Pardue
プルトニウム燃料 ― その利用と取扱い
― 複雑で多面的な燃料特性を背景に基本論点へ焦点を絞った概説
(*)著者は自身の核燃料分野での立場を説明しつつ、プルトニウムを含む燃料に関する議論の複雑さと幅広さを指摘している。プルトニウム燃料の利用と取扱いは多面的であり、詳細に踏み込めば議論は際限なく広がるため、報告では基本的な論点に絞って述べる意図が示された。本発表は、核燃料ビジネスにおけるプルトニウム燃料の位置付けとその取扱い上の重要な考慮事項を簡潔に提示するものである。(Battelle Memorial Institute)
Public Education Program of the Institute of Nuclear Materials Management E. R. Johnson
INMMにおける公共教育プログラム
― 保障措置・標準化と並ぶ原子力受容性向上の重要課題に対する広報・教育の必要性
(*)核物質管理に携わる者が直面する重要課題として、「核兵器拡散を防ぐための保障措置」「産業界に有用な標準化活動」「一般社会の原子力受容性向上」の三点が示された。当年会議の他の論文は保障措置と標準化に関連しているため、本発表では特に「一般社会による原子力エネルギーの受容」を中心的テーマとした。 原子力の平和利用を社会が受け入れるためには、専門家による積極的な広報・教育活動が不可欠であると強調された。(Nuclear Fuel Services, Inc.)
REFLECTIONS IN RETROSPECT Harley L. Toy, R. F. Lumb
回顧的考察
― INMM創設以来の活動成果と組織的継承の必要性をまとめた記録
(*)INMM創設から8年が経過し、会員構成の変動を背景に、これまでの活動成果を体系的に振り返る必要性が高まったと指摘している。一部の創設期メンバーが他分野へ移りつつあり、数年以内に継続的な知識伝承が途絶する懸念があるため、記録化の重要性が強調された。これまでの実績を文書として残し、組織の歴史的連続性を維持することが本稿の主要目的として示された。(Battelle Memorial Institute,  Western New York Nuclear Research Center, Inc.)
REPORT OF INMM STANDARDS COMMITTEE S. C. T. McDowell
INMM標準委員会報告
― 保障措置規制の改正対応と新分野標準化の拡大に向けた委員会活動の総括
(*)Standards Committee は前年度、多岐にわたり活発な活動を展開し、翌年度には新たな規制改正(主に保障措置分野)への対応が必要になると報告した。核物質管理仕様委員会や照射済燃料化学再処理分野など、新たな標準化課題と委員会が追加され、専門家の参加が強く求められた。各標準化小委員会の活動実績が整理され、今後の標準化拡大に向けた方針が示された。(US AEC)
SAFEGUARDS: THEIR PURPOSE, PRINCIPLES, AND PRACTICE Myron B. Katzer
保障措置:その目的・原則・実務
― 核物質管理分野との協働による平和利用確保の重要性を示した概説
(*)核物質管理の専門家コミュニティにおいて保障措置を議論することは、時宜にかなった重要課題であると位置付けられた。核物質管理分野と保障措置分野は密接に関連し、相互協力によって双方に大きな利益がもたらされると強調された。発表者は、保障措置の目的・原則・実務の理解を深めることで、核物質管理と国際的平和利用の健全性向上に寄与できると述べた。(US AEC)
SOME EXPERIENCE IN THE FABRICATION OF PLUTONIUM BEARING PELLETS Dr. E. D. North
プルトニウム含有ペレットの製造に関する若干の経験
― 商業用原子力発電で急増するプルトニウム在庫を有効利用するための製造技術的検討
(*)商業規模での原子力発電の進展に伴い、使用済燃料から大量のプルトニウムが生成される状況が明確になった。1965年時点で約516 kgのプルトニウムが生成され、年間生産量は1968年に370kg、1969–70年には850kgへ増加すると見込まれていた。この増大するプルトニウム在庫を経済的に活用するために、プルトニウム含有ペレットの製造技術開発が重要であると指摘された。(Nuclear Fuel Services, Inc.)
Umpire Qualification Program Fred H. Tingey
End(1) 仲裁分析機関資格付与プログラム
― ウラン・プルトニウム分析における商業機関の計量管理・保障措置対応力を評価するAEC主導の制度設計
(*)AEC は核物質取引における分析精度の信頼性を確保するため、商業分析機関を対象とした「Umpire(仲裁)分析機関資格付与プログラム」を開始した。プログラムでは、ウラン・プルトニウムの分析能力を標準化し、公正な取引・保障措置の技術的基盤を確立することが目的とされた。資格取得を希望する研究機関・企業に対し、規格化された分析試験および評価プロセスを実施する構想が示された。

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