日本核物質管理学会Institute of Nuclear Materials Management (INMM) Japan Chapter

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INMM米国年次大会論文集(1988年)

メンター部会の活動の一環としてINMM米国年次大会におけるProceedingタイトルリスト(日本語訳付き)の1988年分を作成しました。

タイトル、著者のほかに、タイトルだけではよくわからない専門用語や略号を日本語で補足した備考欄(訳注、補足・コメントなど)を付加しましたので有効活用いただければ幸いです。

 

Sub-Volume End-marker Title/タイトル Authors 備考
(訳注、補足・コメントなど)
“S” GLASS MANUFACTURING TECHNOLOGY TRANSFER Dean A. Buckner, Howard L. Mccollister
 Sガラス製造技術の移転
― 兵器部品封止技術の量産化に伴う供給源確保のため<S-glass; 高強度ガラス繊維の一種>
(*)サンディア国立研究所が特許を持つ「ガラス‐セラミックと金属の封止技術」を、MRC-Mound が兵器部品製造向けに実用化した。技術の成功により兵器用途での需要が拡大し、生産確保のため「S-glass」製造技術を民間企業へ移転する必要が生じた。 技術移転は、国防総省(DoD)や航空宇宙産業など、兵器以外の用途にも供給源を確保する効果を持った。(Monsanto Research Corporation, Mound, SNL)
“THE POSSIBLE ROLE OF PLANT MONITORING AMONGST CONTAINMENT/SURVEILLANCE MEASURES FOR INTERNATIONAL SAFEGUARDS” Andre PETIT
国際保障措置における封じ込め・監視措置の中でのプラント・モニタリングの可能な役割
― モニタリングを監視の一形態として再整理する視点
(*)国際保障措置において、計量管理・封じ込め/監視に加えて「モニタリング」を独立した第三のカテゴリーとして扱うべきかが議論されてきた。しかし著者は、モニタリングは本質的に監視(surveillance)の一形態であり、概念的に分離して議論すること自体が不適切と指摘する。保障措置の目的に照らすと、モニタリングは既存の封じ込め/監視体系の中で位置づけるべきであり、分類論争よりも実効性の議論が重要と論じる。(CEA)
A COMPARISON OF CALIBRATION CURVE ESTIMATORS M. Franklin
検量線推定法の比較
― U‑235測定モデルを用いた系統誤差特性と校正実験設計の検討
(*)光中性子照射装置による U‑235 測定の数学モデルを用いて、複数の検量線推定法(calibration curve estimators)の性能を比較した。推定法の有効性は 系統誤差(systematic error) の大きさと密接に関連し、手法によって誤差特性が大きく異なることが示された。校正実験の設計に関し、標準試料数・再正規化戦略・計数時間配分が精度に与える影響について一般的な指針が提示された。(Commission of the European Communities, Joint Research Centre – Ispra )
A COMPARISON OF SOME ALGORITHMS FOR SAMPLE SIZE DETERMINATION IN INVENTORY VERIFICATION M. Franklin
インベントリ検認におけるサンプルサイズ決定アルゴリズムの比較
― 測定誤差構造を考慮した最適サンプリング計画の評価
(*)核物質インベントリ検認におけるサンプルサイズ決定のため、複数のアルゴリズムを比較し、新しい一般化手法を提示した。この手法は、測定精度が複数レベル存在する系や、測定誤差の相関構造が任意の場合にも適用可能である。各アルゴリズムを、誤差相関の異なるシナリオ下で比較し、コスト効率の観点から最適性を評価した。(Commission of the European Communities, Joint Research Centre – Ispra)
A COMPUTER MODEL FOR IDENTIFYING SECURITY SYSTEM UPGRADES Alan Lament
セキュリティシステム改良点を識別するためのコンピュータモデル
― 内部脅威行動の分析に基づく弱点抽出と改善提案
(*)内部脅威者(insider adversary)の行動モデルに基づき、侵害行動が生み出す「検知可能な事実(detectable facts)」を自動的に抽出するセキュリティ分析ツールを開発した。その事実が既存のセキュリティ要素で検知されない場合、システムの弱点として識別し、改善すべきアップグレード案を提示する。モデル化により、警備システムの検知確率向上に向けた合理的・体系的なアップグレード計画立案が可能となる。(LLNL)
A CONSEQUENCE INDEX APPROACH TO IDENTIFYING RADIOLOGICAL SABOTAGE TARGETS Willard D. Altman, Tohn W. Hockert
放射線サボタージュ標的を識別するための影響度指標アプローチ
― 在庫変動施設における被害影響の定量評価手法
(*)放射性物質を扱う施設では、在庫量が頻繁に変動するため、どの在庫が「放射線サボタージュの潜在的標的」になるかを技術的に判断する手法が必要とされている。著者らは、放射線被害の大きさを定量化する「影響度指数(consequence index)」を用いて、施設内の潜在的標的を体系的に識別する方法を提案した。この指数により、DOE・NRC のガイダンスに沿って、在庫変動の大きい施設でも一貫したサボタージュ防護評価が可能となる。(LLNL, ERC International)
A FULLY INTEGRATED SECURITY DISPLAY AND CONTROL SYSTEM  Chris M. Holmes
完全統合型セキュリティ表示・制御システム
― 複数警備機能をPCベースで一体化する設計概念の提示
(*)中規模・大規模の核関連施設では、複数ベンダーの異なる警備システムを寄せ集めて構築するため、統合性が低く、コスト効率も悪いという問題があった。近年の低価格パーソナルコンピュータの性能向上により、従来は高額なカスタムシステムでしか実現できなかった「柔軟で統合的な警備表示・制御システム」の実装が可能になった。本研究は、警報・センサー・制御機能を一体化した統合セキュリティシステムの設計概念を提示し、核施設向けの高機能・低コスト化の実現性を示した。(Senstar Corporation(Canada))
A HIGH-PERFORMANCE, LOW-DENSITY WASTE ASSAY SYSTEM* Norbert Ensslin, S. C, T.K. Li, James K. Sprinkle, S. M. Simmonds, J. L. Parker, L. R. Cowder, M. N. Hykel
高性能・低密度廃棄物用アッセイシステム
― 低Z廃棄物中のU‑235を短時間で高精度測定する遠距離ガンマ線手法
(*)低密度・低Z(低原子番号)廃棄物中のウラン量を、120秒程度の短時間で高精度に測定するための高性能アッセイ(LDWA)システムを開発した。廃棄物箱を回転させながら 185.7 keV の U‑235 ガンマ線を遠距離測定し、空間応答のばらつきを平滑化する方式を採用している。高純度Ge検出器を用い、ウランの微量検出と塊状ウランの存在確認を同時に行えることを特徴とする。(LANL, LASL)
A MODEL FOR THE SELECTION OF DRIVERS OF VEHICLES TRANSPORTING HAZARDOUS MATERIALS Douglas F. Stancell, Floyd A. Johnson, John A. Lamb
危険物輸送車両のドライバー選抜モデル
― 資格基準と安全履歴を統合した適性評価手法の提示
(*)危険物輸送ドライバーの資格要件(身体条件、年齢、経験、安全記録など)が州・連邦レベルで強化される一方、1990年までに約60万人のドライバー不足が予測され、選抜の効率化が課題となっていた。著者らは、危険物輸送に適したドライバーを体系的に選抜するため、資格基準・安全履歴・適性評価を統合した選抜モデルを提案した。このモデルは、危険物(含:放射性物質)輸送の安全性向上と、将来の人材不足に対応するための合理的な選抜プロセスの構築を目的としている。(SAIC, Analysas Corporation)
A NEW INSIDER VULNERABILITY ASSESSMENT MODEL T. Renis, R. A. AI-Ayat
新しい内部脅威脆弱性評価モデル
― 非暴力型内部者による核物質窃取の早期検知を目的とした体系的分析手法
(*)LLNL が開発中の新しい内部脅威脆弱性評価モデルは、非暴力型内部者による核物質の窃取・転用を迅速に検知することを主目的としている。このモデルは、施設構成・保障措置要素・対象核物質・潜在的内部者像を体系的に記述し、包括的で文書化された脆弱性分析を可能にする。LLNL と SNL が共同開発する統合評価パッケージの一部として位置づけられ、内部脅威に対する保障措置評価の標準化と実務適用性向上を目指している。(IAEA, LLNL)
A PORTABLE SURVEILLANCE UNIT C. S.  Johnson, R. L. Martinez, William R. Hale
携帯型監視ユニット
― 迅速設置と長時間記録を可能にする8mmビデオベースの監視装置
(*)PSU(Portable Surveillance Unit)は 8mmビデオレコーダ技術を用いた迅速設置型の監視ユニットで、短時間の監視は内蔵バッテリー、長時間は外部AC電源で運用できる。1〜99分間隔で最大26,000シーンを記録でき、記録媒体は MIVS(IAEAの監視レビュー装置)で再生可能。CMOSマイクロプロセッサにより 録画制御と簡易なユーザーインターフェースを実現し、現場での柔軟な監視運用を可能にしている。(SNL)
A REAL-TIME SCENE CHANGE DETECTOR FOR THE REVIEW OF VIDEO IMAGES M. J. Mol
ビデオ画像レビュー用リアルタイム・シーン変化検出器
― 相互相関による照明変動に強い監視映像の自動変化検出手法
(*)監視カメラ映像や録画映像をリアルタイムで解析し、シーンの変化(scene change)を自動検出する小型・簡易な画像処理システムを開発した。 画像中の複数のポリライン上の画素プロファイルを参照画像と**相互相関(cross‑correlation)**し、相関が閾値以下に低下した場合にシーン変化として警報を発する。相互相関法を用いることで、照明変化に対して比較的ロバストな検出が可能であり、保障措置用ビデオ監視の効率的レビューに有用である。((欧州共同体委員会), Joint Research Centre(JRC))
A SYSTEMATIC METHOD FOR PROTECTING INDUSTRIAL PRODUCTION FROM SABOTAGE Michael G. Vannoni, Edwin A. Kjeldgaard
産業生産をサボタージュから体系的に防護する手法
— ネットワーク解析とフォールトツリーを用いた生産脆弱性の定量評価
(*)米国DOEは、生産施設が故障・事故・自然災害・サボタージュにより重大な操業停止に陥るリスクを定量評価するため、PREP(Production Risk Evaluation Program)をSandiaで開始した。Sandiaは、生産工程の脆弱性を特定するため、ネットワークモデルとフォールトツリーモデルを統合した手法を開発した。各工程について、停止しても生産目標達成に支障が出ない最大許容停止時間(critical time)を定量化し、重要工程の防護優先度を導出する仕組みを提示した。(SNL)
A TASK AND TECHNICAL SUPPORT SENSITIVE SECURITY OPERATIONS CENTER Richard A. Newell, Jose S. Salazar
タスクおよび技術支援要件に配慮したセキュリティ・オペレーション・センター
— 低コスト環境でも有効性を維持する警備監視システムの設計指針
(*)近代化されたセキュリティ・コントロール/表示システムは、SOC(Security Operations Center)要員の状況把握と対応速度を大幅に向上させる。しかし、高度なコンピュータ化システムは設備費・維持費・技術支援コストが高く、予算制約のある施設では導入が困難である。本論文は、限られた財源でも運用可能な「タスクおよび技術支援に配慮したSOC」の設計思想と機能要件を提示し、低コストで効果的な警備運用を実現するアプローチを示している。(SNL)
A TESTBED FOR ADVANCED MC&A CONCEPTS* R. M. Tisinger
先進的MC&A(核物質管理・計量管理)概念のための試験用テストベッド
— 分散処理・オンライン計測・データベース連携を統合した計量管理概念の検証環境」
(*)先進的な核物質管理・計量管理(MC&A)概念を検証するため、LANL は 分散データベース・分散処理・オンライン計測機器を統合した試験用テストベッドを構築した。テストベッドは 3 台の PC と複数の入力デバイスで構成され、ネットワーク通信、データベース更新、トランザクション処理性能を評価できるよう設計されている。バーコードリーダーや天秤を用いた模擬グローブボックスでのデータ収集により、オンライン計測とユーザーフレンドリーな計量管理操作環境の有効性を検証した。(LANL)
A VARIABLE SCHEDULING TECHNIQUE FOR OSE INSPECTIONS  Jack Allentuck, K. D. Kok
OSE(安全評価局)検査の可変スケジューリング手法
— リスクと資源制約に基づく検査頻度最適化のための分析的アプローチ
(*)DOE の Office of Security Evaluations (OSE) は、従来は1984年に定められた固定頻度で保障措置・セキュリティ評価を実施してきたが、改善されたセキュリティ状況と限られた資源の中で、より合理的な頻度設定が必要となった。 この課題に対応するため、施設ごとのリスク・重要度・改善状況に応じて 検査頻度を可変化(variable scheduling) するための分析的手法が開発された。 手法は、限られた監査資源を最適配分しつつ、DOE 複合体全体の 保障措置・セキュリティ評価の有効性を維持・向上 することを目的としている。(BNL, Battelle Columbus Division)
AN APPROACH TO QUALITY ASSURANCE IN A RESEARCH ENVIRONMENT Chester V. Wells, Gary R. Nuss
研究環境における品質保証へのアプローチ
— 研究特性に適合した柔軟な QA 体系の構築手法
(*)DOE の QA 要件(モデルは ANSI/ASME NQA‑1)を、非原子力・非生産系の研究環境に適用する際の課題を整理し、研究特有の品質要素に適合する QA 体系の必要性を示した。研究活動では、製造・建設向け QA とは異なり、柔軟性・探索性・試行錯誤が本質であるため、従来型 QA をそのまま適用すると機能不全を起こすことを指摘した。SERI(Solar Energy Research Institute)は、研究現場の実態に合わせた 機関レベルの QA プログラムを独自に構築し、そのアプローチを論文で提示している。(Solar Energy Research Institute (SERI))
AN EFFECTIVE MATERIALS CONTROL AND ACCOUNTABILITY AUDIT PROGRAM N. J. Roberts, Don L. Jewell, Gary J. Carnival
効果的な核物質管理・計量管理(MC&A)監査プログラム
— 監査の非対立化と協働的改善を促す実効的スキーム
(*)MC&A(核物質管理・計量管理)監査は、DOE 監査官と事業者双方にとって有効な改善ツールであるが、しばしば「対立的な場」と誤解され、生産的な議論が阻害されている。著者らは、監査の目的・役割を明確化し、事業者と監査官が協働して改善点を抽出できる 非対立的・協働型の監査スキーム を提示した。この手法により、監査結果が単なる指摘ではなく、MC&A プログラムの成熟度評価と継続的改善につながる実効的なアウトプットを生み出すことを目指している。(LANL, DOE, Rockwell International(Rocky Flats Plant))
AN INTEGRATED APPROACH TO VALIDATION OF SAFEGUARDS AND SECURITY PROGRAM PERFORMANCE Willard D. Altman, John W. Heckert, John S. Hunt
保障措置・核セキュリティプログラム性能の検証に向けた統合的アプローチ
— 多様な性能試験・脆弱性評価・モデル解析を統合した実効性バリデーション手法
(*)DOE の保障措置・核セキュリティ要求は 性能ベース(performance‑oriented) へ移行しており、MSA(Master Safeguards and Security Agreements)では防護システムの性能水準が明確に規定されている。LLNL は、フォース・オン・フォース演習、限定的性能試験、機器試験、脆弱性評価、コンピュータモデルなど複数の評価活動を統合し、総合的に性能を検証する手法を開発した。これらの異なる評価結果を統合することで、保障措置・核セキュリティプログラムの実効性を体系的に検証するためのコスト効果の高いバリデーションアプローチを提示している。(LLNL, ERCI Incorporated)
AN INTEGRATED SYSTEM OF NBA INSTRUMENTS FOR IN-FIELD PLUTONIUM MEASUREMENT G. M. Wells, F. J. G. Rogers
End(1) プルトニウム現場測定のための統合型 NDA(非破壊分析)装置システム
— 中性子計数・カロリメトリ・同位体比分析を共通コンピュータで統合したデータ管理手法
(*)英国 UKAEA は、未照射プルトニウムの現場測定(in‑field measurement)を効率化するため、中性子計数器・カロリメータ・同位体比ガンマ分析装置を共通コンピュータで統合運用する NDA システムを開発した。各装置には IBM‑PC 互換機を搭載し、測定データの保存・再取得・品質保証・装置間データ転送を容易にする統合的データ管理方式が採用された。システム統合により、現場でのプルトニウム測定の再現性・効率性・データ比較性が向上し、保障措置用途での実用性が高まることが示された。(UKAEA)
AN ORIENTATION PROGRAM FOR U.S. CITIZENS GOING TO THE IAEA K. Sanders, E. Weinstock
IAEA に赴任する米国人職員のためのオリエンテーションプログラム
— 不拡散政策・保障措置制度・ウィーン生活への実務的準備を統合した支援体系
(*)米国政府は、IAEA の保障措置職に就く米国人職員とその家族が、ウィーンでの生活環境・IAEA の組織文化・保障措置業務の実務に円滑に適応できるよう、体系的なオリエンテーションプログラムを開発している。プログラムは、米国の不拡散政策、IAEA の役割、IAEA 保障措置制度、POTAS(米国のIAEA保障措置支援プログラム)など、政策・制度・実務の基礎を包括的にカバーする。さらに、IAEA で働く際の実務的留意点、家族の生活準備、ウィーンでの生活情報など、赴任後の適応を支援する内容も含まれている。(Arms Control and Disarmament Agency(ACDA), BNL)
ANALYSIS OF RADIOLOGICAL SURVEY DATA TO DETERMINE CONTAMINATED WASTE VOLUMES* C. Yu
放射線サーベイデータの解析による汚染廃棄物体積の算定
— 統計処理と K₀誤差法を用いた除染対象体積の定量化手法
(*)汚染サイトの放射線サーベイデータを統計的に処理し、除去・浄化すべき汚染土壌の体積を定量的に算出する手法が開発された。データは 100 m² の面積と 0.15 m の深さで平均化し、要求される信頼水準に応じた K₀誤差法を用いて正味計数率(net count rate)を算出する。手法は RADVOL という FORTRAN プログラムとして実装され、汚染除去計画の合理化と作業量見積りの精度向上に寄与する。(ANL)
ANALYSIS OF THE NUCLEAR FUEL CYCLE IN EUROPEAN COMMUNITY COUNTRIES UP TO THE YEAR 2000: ESARDA POINT OF VIEW. M. Cuypers, G. Stiennon
欧州共同体諸国における 2000 年までの核燃料サイクル分析:ESARDA の視点
— 原子力利用拡大に伴う保障措置技術課題と将来ニーズの評価
(*)欧州共同体(EC)諸国では、2000 年に向けて原子力発電量と核物質保有量が増加すると予測され、これに伴い 保障措置の技術的要求が大幅に増大 することが示された。再処理・MOX 利用・輸送量の増加など、燃料サイクルの構造変化により、既存の保障措置技術では対応困難となる領域 が生じると ESARDA は指摘した。新しい燃料サイクル像に適応するため、計測技術の高度化、検認手法の改良、データ処理能力の強化 が不可欠であるとの見解が示されている。(ESARDA, CEU/SCK)
APPLICATION OF QUALITY ASSURANCE TO SCIENTIFIC ACTIVITIES AT WESTINGHOUSE HANFORD COMPANY Wayne L. Delvin, Dana Farwick
Westinghouse Hanford Company における科学活動への品質保証の適用
— 研究特性と QA 原則を調和させるための統合的アプローチ
(*)科学研究活動に品質保証(QA)を適用する際、研究の探索的・非定型的性質と、QA の形式的・手続き的性質のギャップが大きな課題となる。著者らは、研究活動の特性を踏まえ、科学的方法と QA 原則を両立させるための概念整理を行い、従来型 QA を研究現場に適合させる指針を提示した。Westinghouse Hanford Company(WHC)での経験を基に、研究の柔軟性を損なわずに品質を確保するための統合的アプローチが提案されている。(WHC)
APPLICATION OF SMART CARDS IN PHYSICAL AND INFORMATION SECURITY SYSTEMS Henry N. Dreifus
物理的および情報セキュリティシステムにおけるスマートカードの応用
ASSESSING POTENTIAL CONSEQUENCES OF RADIOLOGICAL SABOTAGE L. Joe Deal, Ronald C. Cherry
放射線サボタージュの潜在的影響評価
— 意図的放射性物質放出を想定した公衆被ばく・環境影響の解析手法
(*)TMI 事故およびチェルノブイリ事故を受け、放射性物質の大量放出が社会・環境に及ぼす影響への懸念が高まり、放射線サボタージュによる意図的放出の影響評価が重要課題として浮上した。論文は、サボタージュによる放射性物質放出を想定し、公衆被ばく・環境汚染・資源損失などの潜在的影響を評価するための 2 種類の解析アプローチ を提示している。既存の安全対策は事故シナリオ中心であり、サボタージュ特有の破壊様式や放出形態を十分に考慮していない点を指摘し、より包括的な評価手法の必要性を示した。(Lamb Associates, Inc., Meridian Corporation)
AUTOMATED METHODS FOR REAL-TIME ANALYSIS OF SPENT-FUEL MEASUREMENT DATA* P. M. Rinard, J. Painter, S. F. Klosterbuer, G. E. Bosler.
使用済燃料測定データのリアルタイム解析のための自動化手法
― GRAND‑1/フォーク測定に基づく中性子・ガンマ線データ処理ソフトウェアの構成と運用
(*)GRAND‑1/フォーク型測定器による使用済燃料集合体の中性子・ガンマ線データを、リアルタイムで自動解析するためのソフトウェアが開発された。ソフトウェアは3つのモジュールで構成され、データベースを介して測定データ・補正係数・在庫情報を連携処理する仕組みを持つ。そのうち「OLAF」モジュールは測定装置に直結したコンピュータ上で動作し、現場で即時に解析結果を得る運用を可能にする(LANL)
BLOOD, SWEAT, TEARS AND SUCCESS OF TECHNOLOGY TRANSFER LONG-TERM CONTROLLED-RELEASE OF HERBICIDES: ROOT-GROWTH-INHIBITING BIOBARRIER TECHNOLOGY  P. Van Voris, D. A. Cataldo, F. G. Burton, W. E. Skeins
技術移転における苦闘と成功:長期徐放型除草剤による根成長抑制バイオバリア技術
― 高分子ペレットによる100年規模の除草剤徐放と根侵入防止技術の開発・実証
(*)トリフルラリン系除草剤を高分子材料に封入した円柱状ペレットを開発し、最大100年間にわたり徐放できるバイオバリア技術を実証した。技術移転の過程では、材料選定・製造工程・長期安定性評価など、多くの技術的課題を克服する必要があった。この長期徐放型バリアは、根の侵入による施設・廃棄物サイトの損傷防止に有効であり、実用化に成功した技術として紹介されている。(PNL)
BombCAD — A NEW TOOL FOR BOMB DEFENSE IN NUCLEAR FACILITIES R.  J. Massa, John W. Howard, Steven R. Sturm
BombCAD:核施設における爆発防護のための新しい CAD 解析ツール
― 爆風効果計算と建築 CAD を統合した脆弱性評価・防護設計支援技術
(*)BombCAD は、核施設に対する爆発攻撃の脆弱性を解析し、防護対策の効果を可視化するための CAD ベースの評価ツールとして開発された。建築 CAD の詳細な構造データと、爆風・破片効果を計算する SECUREPLAN(または SECURBPLAN)爆発効果ユーティリティを統合している。施設管理者・技術者が、配置・遮蔽・ハードニング/ソフトニングなどの防護設計を比較し、脆弱性低減効果を定量的に評価できる点が特徴である。(LORRON Corporation, he Everett I. Brown Company)
CHALLENGES AND OPPORTUNITIES IN THE MANAGEMENT OF FUTURE IAEA SAFEGUARDS ACTIVITIES Ruben Bello, V. Schuricht, V. McManus
将来の IAEA 保障措置活動の管理における課題と機会
― 業務量増大・技術的複雑化への対応と、効率化・技術革新の展望
(*)IAEA 保障措置部は過去数年間で本部業務の効率化と現場検認の生産性向上を進めてきたが、今後は 技術的複雑性の増大と業務量の拡大に直面する。将来の保障措置では、高度化する核燃料サイクル・新型施設への対応、検認技術の近代化、データ管理の強化が不可欠となる。これらの課題は同時に、運用改善・技術革新・国際協力の拡大という機会をもたらし、保障措置の効率性と信頼性向上につながると論じている。(IAEA)
CHANGING THE IMAGE OF QUALITY ASSURANCE IN RESEARCH AND DEVELOPMENT Paul E. Melroy
研究開発における品質保証のイメージ転換
― 書類中心の負担から、技術成果とプロジェクト管理を支える中核機能への再定義
(*)研究開発(R&D)分野では、品質保証(QA)が「書類作業中心で生産性を阻害するもの」と誤解されがちであった。外部規制や独立検証の強化により、QA の役割を再評価し、プロジェクト管理と技術成果の質を高めるための積極的なツールとして位置づけ直す必要が生じた。適切に運用された QA は、R&D の成功に直接貢献する重要な管理機能であることを示し、組織文化の転換を促すと論じている。(Martin Marietta Energy Systems, Inc.)
CHARACTERIZATION OF CONSISTENT NDA STANDARDS W. W. Rodenburg, E. F. Novak
一貫性のあるNDA標準物質の特性評価
― カロリメトリーと分析手法を統合したPu標準体の均質性検証と高精度アッセイの実証
(*)カロリメトリーと従来の分析手法を組み合わせ、5種類のプルトニア(PuO₂)NDA標準物質の均質性と代表性を非破壊で検証した。質量分析・αパルスハイト解析と組み合わせることで、カロリメトリーによるPu含有量と電量滴定法の結果が0.06%以内で一致する高精度を達成した。1500 g級の標準体については、非破壊ガンマ線同位体分析でも0.1%以内の一致が得られ、保障措置向けの一貫したNDA標準としての有効性が示された。(Monsanto Research Corporation – Mound Facility)
CHARACTERIZATION OF THE Pu-BEARING PERLA STANDARD  Norbert Doubek, Erwin Kuhn, R. Fiedler, S. Baumann, L. Vandevelde, C. Bigliocca, G. Guzzi,
R. Boden
Pu 含有 PERLA 標準試料の特性評価
― 保障措置校正・訓練用としての均質性・代表性の検証と多機関連携による評価
(*)欧州共同体 JRC が Ispra に設置した保障措置校正・訓練施設 PERLA において、実際の燃料製造プラントの材料に近い Pu 含有標準試料を整備し、その特性評価を行った。標準試料は、保障措置用 NDA/DA 技術の校正・訓練に使用するため、均質性・代表性・計量分析精度の観点から多機関共同で評価された。この Pu-bearing PERLA 標準は、研究室開発段階と現場検認のギャップを埋める校正基盤として機能し、IAEA 保障措置の実運用に資することが示された。(IAEA, ALKEM, Hanau, SCK/CEN, CEC–JRC, Ispra )
COMPUTER SECURITY ENGINEERINB MANAGEMENT Gerald W. McDonald
コンピュータセキュリティの設計・管理
― 開発ライフサイクル全体にわたる方針策定・要件化・運用支援の体系化
(*)コンピュータセキュリティは、後付けではなく システム開発の初期段階から設計に組み込むべきであると論じている。セキュリティ方針の策定から、標準・管理策への分解、要件化、設計、実装、運用支援まで、8段階のライフサイクル管理プロセスが提示されている。組織内の責任分担とセキュリティ管理体制を明確化し、継続的な運用支援と改善が不可欠であると強調している。(The BDM Corporation)
CONCEPTS OF ESTABLISHING MEASUREMENT MODELS FOR NRTA PROCEDURES W. Golly, R. Seifert, Rainer Beedgen
NRTA手順のための測定モデル構築の概念
― 実データに基づく帰納法と工程解析に基づく演繹法による誤差モデル化とNRTA統計検定への適用
(*)NRTA(Near-Real-Time Accountancy)における統計検定の適用には、現実的な測定誤差モデルの構築が不可欠であり、そのための体系的アプローチが提示された。測定モデルの構築には、実データから誤差構造を抽出する 「帰納的アプローチ」 と、工程・測定体系から誤差を理論的に積み上げる 「演繹的アプローチ」 の2方式があると整理している。これらのモデルは、KfK が開発した NRTA 用統計解析コード PROSA に組み込まれ、保障措置上の異常検知性能を向上させる基盤となる。(KfK)
COPING WITH SUBJECTIVITY IN VULNERABILITY ASSESSMENT Therese A. Renis, R. G. Cardwell
脆弱性評価における主観性への対処
― 検知・阻止確率など主観的パラメータの扱いと評価信頼性向上のための構造化手法
(*)脆弱性評価モデルは、施設設計・運用データに加えて、検知・識別・阻止・無力化の確率や所要時間といった主観的要素を入力として必要とする。これら主観的パラメータは、評価者の経験や判断に依存するため、評価結果のばらつきや不確実性を生む主要因となる。著者らは、主観性を扱うための体系的手法を提案し、データの標準化・専門家判断の構造化・モデル入力の透明化が脆弱性評価の信頼性向上に不可欠であると論じている。(LLNL)
COUPLED WAVE SENSOR TECHNOLOGY Dr. M. C. MAKI
結合波センサー技術
― 地形追従性・識別能力・空中設置性を備えた新型周界警備センサー(CWD)の概念と特性
(*)従来の埋設型リーキーケーブル式ガイドレーダーセンサーの利点を維持しつつ、地形追従性・人と小動物の識別能力を備えた新しい周界警備センサー技術(CWD)を紹介している。CWD は地中に埋設せずとも、壁・フェンス沿いの空中設置が可能で、広い検知ゾーン(高さ・幅)を形成できる点が特徴。高価値資産の周界防護において、迅速展開性・設置柔軟性・誤警報低減を同時に実現する次世代センサーとして位置づけられている。(Computing Devices Company, a Division of Control Data Canada, Ltd.)
DATA HANDLING REQUIREMENTS FOR THE AECL RANDOM COIL (ARC) REVERIFIABLE SEAL USED IN CONJUNCTION WITH SPENT FUEL CONTAINMENT B. G. Self, M. T. Smith, W. E. Payne, J. F. Brauneisen
使用済燃料の封じ込めに用いる AECL ランダムコイル(ARC)再検認可能シールのデータ処理要件
― 原理実証・フィールド試験に基づくシール識別データの取得・保存・照合手順の整理
(*)カナダが開発した AECL Random Coil(ARC)再検認可能シールは IAEA により検認用として承認され、その運用には大量のシール識別データの適切な処理が不可欠である。原理実証段階およびフィールド試験を通じて、データ取得・保存・照合の手順と課題が整理され、信頼性確保のための要件が明確化された。シール読み取り装置およびデータ保存ソフトウェアは Sandia National Laboratories により開発され、IAEA 検認での実運用に耐えるデータ管理基盤が構築された。(SNL, AECL, AECB(Canada))
DEMONSTRATION PERSONNEL AND MATERIAL TRACKING SYSTEM AT ANL-W S. Paul Henslee, Stephen Ortiz, J. Anthony Roybal
End(2) ANL-Wにおける人員および物質追跡システムの実証
DEPARTMENT OF ENERGY’S SAFEGUARDS AND SECURITY ORDERS AND GUIDES Richard W. Brown
DOE における保障措置・セキュリティ命令およびガイド
― グレーデッド・セーフガーズ方式の見直しと 核物質管理・計量管理(MC&A) 強化を中心とした政策体系の再構築
(*)1970年代以降のテロ脅威の高まりを受け、DOE は外部侵入者対策を中心に物理的防護を強化してきたが、1980年代後半には グレーデッド・セーフガーズ方式の見直しと核物質管理(MC&A)の強化へ重点を移しつつあった。本論文は、DOE 本部および各フィールドオフィスの 組織的責任分担、政策文書の構造、手続きガイドの主要要素を整理している。25件の DOE 保障措置・セキュリティ命令が大幅改訂され、政策体系の再構築と運用改善が進められていることが報告されている。(DOE)
DESIGN AND CONSTRUCTION OF THE WEST VALLEY SUPERNATANT TREATMENT SYSTEM R. R. Borisch, D. R. Leap
West Valley 上澄み液処理システムの設計と建設
― 高レベル廃液の前処理およびセシウム濃縮を目的としたSTSの開発
(*)West Valley Demonstration Project(WVDP)は、高レベル液体廃棄物約 2,120 m³ の前処理・体積低減に向けた最終試験段階に入っていた。廃液は1992年からホウケイ酸ガラス固化される計画であり、その前段として、上澄み液からセシウムを濃縮・除去するための Supernatant Treatment System(STS)が設計・建設された。STS は地下高レベル廃棄物タンクから液相をデカントし、イオン交換等により放射性セシウムを効率的に回収することを目的として構築された。(West Valley Nuclear Services Co., Inc.)
DESIGNING AND CONSTRUCTING/INSTALLING TECHNICAL SECURITY COUNTERMEASURES (TSCM) INTO SUPERSENSITIVE FACILITIES Donald Lee Davis 超高感度施設への技術的セキュリティ対抗手段(TSCM)の設計・建設/設置
(*)超高感度施設では、建設段階から技術的盗聴・妨害行為への対策(TSCM)を組み込む必要があり、従来の「運用者に任せる」方式はリスクが高いと指摘されている。特にモスクワ新米国大使館での盗聴問題が示したように、脅威の高度化により、施設設計・施工段階での TSCM 統合が不可欠となった。本論文は、TSCM を建築設計・施工プロセスに組み込むための原則、手順、セキュリティ要件を体系的に示している。(Bechtel National, Inc.)
DEVELOPMENT AND EVALUATION OF A PLUTONIUM ASSAY CALORIMETER TEST-BED B. W. Hooton, G. M. Wells, J. A. Mason
プルトニウムアッセイ用カロリメータ試験装置の開発と評価
― 非破壊アッセイの高精度化と測定時間短縮に向けた性能検証
(*)プルトニウム試料の熱出力を測定するカロリメトリーは、核物質管理における非破壊アッセイとして高精度だが、測定時間が長いという制約がある。本研究では、プルトニウムアッセイ用カロリメータの性能評価を行うためのテストベッドを開発し、測定精度・安定性・応答特性を体系的に検証した。テストベッドは、将来的な高速化・自動化・高精度化に向けた設計改善の基盤として位置づけられている。(UKAEA, University of London)
DEVELOPMENT OF A MODEL “USE OF INTERMEDIATE FORCE” POLICY AND TRAINING PROGRAM FOR THE DEPARTMENT OF ENERGY Larry Glick, B. Graves エネルギー省向け「中間兵器の使用」政策および訓練プログラムのモデル開発
エネルギー省における「中間的強制力」運用方針および訓練プログラムのモデル開発
― 防護要員の非致死性手段の標準化と法的枠組みに基づく訓練体系の構築
(*)DOE Central Training Academy は、各サイトの防護要員が用いる「中間的強制力(Intermediate Force)」の運用を標準化するため、政策・訓練カリキュラム・装備使用基準を統一するモデルプログラムを開発した。本論文は、DOE の権限規定、逮捕・武力行使に関する法的枠組み、判例、ならびに非致死性手段の適正使用に関する指針を整理している。さらに、訓練体系の構築、装備・技術の選定、現場運用の標準化に向けた推奨事項を提示し、DOE 施設の防護力向上を目的としている。(DOE)
Development Of Performance Tests For An Automated MC&A System K. R. Byers, Riley D. Carver, B. W. Smith, K. D. Kok, R. W. Klingensmith
自動化核物質計量管理(MC&A)システムの性能試験手法の開発
― 実運用条件下での計量管理能力を評価するためのシナリオ設計と試験枠組み
(*)自動化された核物質計量管理(MC&A)システムの性能を評価するため、実運用条件を模擬したパフォーマンステスト手法を体系化した。 テストはシナリオ設計、セキュリティ・安全措置、実施手順、評価プロセスから構成され、施設要員・外部査察双方が利用可能な評価枠組みとして整理された。例示シナリオを通じ、MC&A システムの弱点把握、改善点抽出、運用信頼性向上に資する評価方法を提示している。(PNNL, LLNL, Battelle Columbus Division)
DOE SURVEY PROGRAM ORDER Harold W Kelley
DOE サーベイ・プログラム命令
― 保障措置・セキュリティ調査の標準化と政策ギャップ解消に向けた改訂方針
(*)DOE 保障措置・セキュリティ命令の改訂に伴い、既存の Survey Program Order に存在する政策ギャップの特定と是正が必要とされた。Survey Subtask Group は、核物質およびセキュリティ分野に共通する調査要件・評価基準・フォローアップ手順の標準化を主要課題として整理した。さらに、DOE Standards and Criteria を適切に取り込み、調査制度全体の完全性・有効性を高めるための改善点を提示している。(DOE)
ENHANCING THE ROLE OF C/S IN INTERNATIONAL SAFEGUARDS Cecil Sonnier, Frank J. Walford
国際保障措置における封じ込め・監視(C/S)の役割強化
― 大規模施設での知識連続性確保と C/S 依存度増大に対応する技術的・運用的課題
(*)国際保障措置の基本要素である計量管理(Accountancy)、DA、NDA に加え、封じ込め・監視(C/S) は在庫期間の「知識の連続性」を維持する補完的手段として重要性が増している。大規模自動化施設や乾式キャスク貯蔵の普及により、核物質への直接アクセスが困難・高コスト化しており、IAEA の限られた資源の中で C/S への依存度が今後さらに高まる と指摘されている。本論文は、国際保障措置における C/S の役割強化に向け、技術的課題・運用上の要件・将来の適用拡大の方向性を整理している。(SNL, UKAEA)
ENVIRONMENTAL AND PROPAGATION FACTORS AFFECTING THE PERFORMANCE OF X AND K-BAND MICROWAVE SENSORS James CheaI
X帯およびK帯マイクロ波センサーの性能に影響を与える環境・伝搬要因
― 周界侵入検知における気象条件・伝搬特性の影響評価
(*)X帯(10.525?GHz)および K帯(24.125?GHz)マイクロ波センサーは周界侵入検知に広く用いられているが、環境条件(降雨・霧・積雪・風・地形)による性能劣化が十分に周知されていない。
周波数帯の違いは伝搬特性・減衰量・誤警報率に大きく影響し、特に高周波帯では気象条件による信号減衰が顕著となる。本論文は、環境・伝搬要因がセンサー性能に与える影響を体系的に整理し、適切な設置条件・運用上の留意点を示している。(Southwest Microwave, Inc.)
ESTIMATED EFFECTS ON RADIATION DOSES FROM ALTERNATIVES IN A SPENT FUEL TRANSPORTATION SYSTEM K. J. Schneider, W. A. Ross
使用済燃料輸送システムにおける代替輸送方式が被ばく線量に及ぼす影響評価
― 鉄道・トラック輸送の工程別線量解析に基づく公衆・作業者線量の比較
(*)商業炉から地層処分場へ使用済燃料を輸送する際、鉄道輸送・トラック輸送など複数の輸送方式の違いが公衆および作業者の被ばく線量に与える影響を評価した。参照輸送システムを設定し、各工程(炉サイトでの積込み、輸送中、受入施設での荷下ろし)について時間・距離・線量率に基づく線量評価を実施した。その結果、主要作業ごとの集団線量を算出し、輸送方式の選択が線量最適化(ALARA)に与える影響を明確化した。(PNL)
EURATOM EXPERIENCE WITH IN-FIELD GAMMA SPECTROSCOPY H. G. WAGNER, J. GOERTEN
ユーラトム(Euratom)による現場ガンマ線分光法の経験
EVALUATING SECURITY SYSTEM PERFORMANCE THROUGH TACTICAL RESPONSE EXERCISES AT NRC CATEGORY I FUEL FACILITIES James J. Davis, Dales A. Moul
NRC カテゴリー I 燃料施設における戦術対応演習を通じたセキュリティシステム性能評価
― 改訂 10 CFR 73 に基づく防護戦略の有効性検証手法
(*)NRC は 10 CFR Part 73 を改訂し、Category I 核燃料施設に対し、DOE 施設と同等レベルの防護性能を求め、強化された武装・訓練を備えた戦術対応チームの設置を義務化した。この要件に基づき、施設の防護システム性能を評価するため、戦術対応演習(tactical response exercises) を用いた体系的なパフォーマンス評価手法が導入された。Battelle による研究は、演習の設計・実施・評価方法を整理し、防護戦略の有効性検証と弱点抽出のための標準化された評価枠組みを提示している。(Battelle Columbus Division)
EVALUATION OF A REAL-TIME PERSONNEL AND MATERIAL TRACKING SYSTEM Belinda Garcia, Amado A. Trujillo
リアルタイム人員・物品追跡システムの評価
― 内部脅威の早期検知と移動情報の即時把握を可能にするRF追跡技術の検証
(*)内部脅威対策の経験から、人員と核物質の移動をリアルタイムで把握する追跡システムの必要性が明確になった。RF(無線)送信機を用いた追跡システムを開発し、人員・物品の位置情報を即時に取得することで、潜在的な内部不正行為の早期検知を可能にした。本研究は、システムの有効性を評価し、施設運用への負荷を最小化しつつ内部脅威を軽減するための実装要件を整理している。(SNL)
EVALUATION OF ACCOUNTABILITY MEASUREMENTS: THE NBL ROLE Coleen G. Cacic
核物質計量管理測定の評価:NBL の役割
― SME プログラムによる独立評価と測定技術の妥当性検証
(*)NBL は DOE 保障措置・セキュリティ局(OSS)からの委任に基づき、核物質計量管理(MC)測定技術の独立評価機関としての役割を担っている。この役割は、施設で使用されている計量管理測定法の 現地レビュー(on‑site review) と、核種ごとの 測定評価試験(measurement evaluation studies) によって実施される。SME(Safeguards Measurement Evaluation)プログラムを通じ、各施設の計量管理測定の妥当性・精度・有効性を体系的に評価する仕組みが整備されている。(NBL)
EVALUATION OF MC&A IN THE U.S. DEPARTMENT OF ENERGY’S COMPLEX BY THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES FREDERIC MARCH, WILLIAM HAGIS
米国エネルギー省複合体における核物質計量管理(MC&A)に関する全米科学アカデミーによる評価
― 全米科学アカデミーによる制度・管理・測定技術の第三者レビュー
(*)米国エネルギー省(DOE)は、核兵器・燃料生産複合体における 核物質計量管理(MC&A)制度の有効性を第三者的に評価するため、全米科学アカデミー(NAS)に調査を依頼した。NAS は産業界・学界・政府から専門家を集めた委員会を組織し、DOE 各施設の MC&A 実務・管理体制・測定技術の妥当性を総合的にレビューした。委員会は、核物質管理の信頼性向上に向け、制度的課題・技術的ギャップ・管理改善の方向性を提示している。(National Academy of Sciences, DOE)
EXPERT SYSTEM FOR ESTIMATING LWR PLUTONIUM PRODUCTION Gary M. Sandquist
LWR におけるプルトニウム生産量推定のためのエキスパートシステム
― 不完全情報下で炉物理・再処理モデルを統合し核拡散評価を支援する AI システム
(*)APES(Analysis of Proliferation by Expert System)は、LWR と PUREX 再処理の情報が不完全・不確実な場合でも、プルトニウム生産量と分離能力を推定できる AI エキスパートシステムとして開発された。システムは LISP で実装され、HP-RL(Hewlett Packard–Representational Language)ベースのエキスパートシェルを用い、炉物理・核分裂生成物生成・崩壊・再処理工程の定量モデルを知識ベースとして統合している。非専門家でも利用可能なインターフェースを備え、核拡散評価に必要な推定作業を自動化・標準化するツールとして設計されている。(University of Utah)
EXPLOSIVE DETECTION RESEARCH AND DEVELOPMENT Lyle O. Malotky
爆発物検知の研究開発
― 熱中性子分析と統合型スクリーニング技術による旅客・手荷物検査能力の向上
(*)FAA のセキュリティ研究開発計画では、旅客が携行・預け入れ荷物に隠匿した爆発物の検知が最優先課題とされている。その中で、熱中性子分析(TNA)技術が実際の空港で旅客荷物を用いて広範に試験され、預け入れ荷物中の爆発物検知に有望な成果を示した。さらに、乗客自身を検査するための 統合型スクリーニング・ポータルが開発され、揮発性の高い爆薬だけでなく、低蒸気圧の軍用爆薬の検知にも対応するよう設計されている。(FAA:米国連邦航空局)
EXTERIOR FIELD EVALUATION OF NEW GENERATION VIDEO MOTION DETECTION SYSTEMS T. P. Malone
新世代ビデオ動体検知システムの屋外フィールド評価
FASTER, LESS EXPENSIVE PACKAGE CERTIFICATIONS James F. Leonard
迅速かつ低コストな輸送容器認証
― 既存設計の活用と早期の認証機関連携による認証プロセス最適化
(*)DOE Packaging Certification Staff(PCS)は、放射性物質輸送容器の認証取得に要する時間とコストを削減する方法を体系的に検討している。既存の認証済みパッケージの活用、PCS が熟知する標準的な設計・材料の採用が、最も迅速かつ低コストで認証を得るための有効なアプローチとされる。新規設計が必要な場合でも、早期段階から PCS を計画に関与させることが、時間・費用・文書作成負担の最適化に不可欠と指摘されている。(DOE)
FEDERAL DATABASES: ACCIDENTS ON HIGHWAYS, RAILROADS, WATERWAYS AND AIRWAYS Miriam J. Welch, Bradford W. Welles
End(3) 連邦事故データベース:道路・鉄道・水路・航空輸送の事故情報
― リスク評価に用いるための事故定義・報告要件・データ構造の比較分析
(*)米国の連邦機関が保有する 道路・鉄道・水路・航空の事故データベースを調査し、各輸送モードの事故定義、報告要件、データ入力方法を比較・整理した。これらのデータベースは、核物質輸送を含む リスク評価の基礎データとして利用可能であり、モード間の事故発生傾向やデータの一貫性に関する特徴が明らかにされた。DOE の委託により、各データベースの実務担当者への直接ヒアリングを通じて、データの信頼性・適用範囲・制約条件を体系的に把握した。(Pacific Nuclear Systems)
FIELD EVALUATION OF A SEALING SYSTEM FOR CANDU SPENT FUEL E. Yellin, Denis Aubin, John Hodgkinson, S. Morsy, J.F. Brauneisen, M. Smith
CANDU使用済燃料用閉じ込めシステムの現場評価
FIELD TEST OF NEW TASTEX SYSTEM FOR PLUTONIUM PRODUCT VERIFICATION AT THE TOKAI REPROCESSING PLANT M. Hayashi, S. T. Hsue, R. Gunnink, Wayne Ruhter, Hisashi Ikeda, Yusuke Kuno, James K. Sprinkle, K. SHIGEOKA, I. Wachi
東海再処理工場におけるプルトニウム製品検証用新型TASTEXシステムの現場試験
FLOW GEMINI Personnel Assurance System (PASS tm) A Computerized System for Minimizing Insider Threat David A. Satko, Wanda Rappaport
FLOW GEMINI 人的保証システム(PASS™)内部脅威を最小化するためのコンピュータ化された人的信頼性評価システム
— 標準化データベースを用いて採用・配置・継続適格性を一貫評価し、内部脅威リスク低減を支援する仕組み
(*)PASS は、内部脅威リスクの高い組織における採用・配置・継続評価を支援するために設計されたコンピュータ化された人事信頼性評価システムである。事前定義されたデータベースと標準化された評価プロセスを基盤とし、組織ごとの要件に応じてレポートや照会機能をカスタマイズできる。応募者審査プロセスへの適用例を通じ、人的信頼性評価の自動化が内部脅威低減に寄与することを示している。(General Research Corporation, Baley-O’Connell and Associates, Inc., )
GRADED APPROACH FOR ESTABLISHMENT OF QA REQUIREMENTS FOR TYPE B PACKAGING OF RADIOACTIVE MATERIAL* R. R. Fabian, K. C. Woodruff
放射性物質の Type B 包装に対する QA 要件確立のためのグレーデッド・アプローチ
— 安全重要度に応じて品質保証の適用範囲と厳格度を調整し、Type B 輸送容器の合理的かつ実効的な QA 体系を構築する手法
(*)NRC が1987年に実施した QA 活動の有効性評価研究を踏まえ、Type B 放射性物質輸送容器に対する QA 要件を重要度に応じて適用する「グレーデッド・アプローチ」の必要性が示された。安全重要度に応じて QA の深度・厳格度を調整することで、過剰要求を避けつつ、実効性の高い品質保証体系を構築することを目的とする。 包装(パッケージング)分野を含む核産業全体で QA 機能の効率化・改善が進められている状況が報告されている。(ANL)
HIGH BANDWIDTH REAL TIME FREQUENCY MODULATED (FM) VIDEO LINK FOR SECURITY AND TACTICAL APPLICATIONS Francesco Lupinetti
セキュリティおよび戦術用途向け高帯域幅リアルタイム周波数変調(FM)ビデオリンク
HIGH ENRICHED URANIUM PHYSICAL INVENTORY VERIFICATION EXERCISE Douglas Reilly, M. Cuypers, R. Haas, J. Stewart, M. Krick, R. Siebelist, Sergio Guardini, G. P., D. Verrecchia, M. Franklin, A. Rota, A.J. Waligura, W. Belew
高濃縮ウランの実在庫量検認演習
— IAEA・EURATOM が共同で実施した HEU 在庫確認手順(PIV・NDA・サンプリング等)の実務訓練を通じ、国際保障措置の整合性と査察能力を強化する取り組み
(*)欧州共同体(CEC)と米国 DOE 国際保障措置プロジェクト事務所の協力により、IAEA と EURATOM の査察官が参加する高濃縮ウラン(HEU)実在庫量検認演習がイタリア・イスプラで実施された。参加者は、計量管理データ、物理在庫確認(PIV)、サンプリング、非破壊測定(NDA)など、HEU 施設における実務的な検認手順を総合的に訓練した。演習は、国際保障措置機関間の協力強化、検認手法の整合性向上、査察官の技能向上に寄与したと報告されている。(LANL, Joint Research Centre – Ispra, et. al.)
HOW MUCH QUALITY ASSURANCE? Richard A. Beatty, ames H. Talboy
どれだけの品質保証が必要か?
— 活動リスクに応じて QA の適用範囲と厳格度を最適化し、過不足のない品質確保を実現するためのアプローチ
(*)アルゴンヌ国立研究所の QA プログラムは、活動が失敗するリスクを特定し、そのリスクを低減するために必要な QA の深度を決定する「どれだけの QA が十分か」を体系的に判断するプロセスに基づいている。このアプローチは、過剰な QA 要求を避けつつ、活動の成功に必要な品質確保を合理的に達成することを目的としている。プログラムの維持には、人間要因(責任の明確化、支援体制、継続的改善)が重要であり、組織全体で QA を支える文化形成が不可欠であると述べられている。(ANL)
IAEA PHYSICAL INVENTORY VERIFICATION PROCEDURES IMPLEMENTED AT US AND CANADIAN FUEL FABRICATION PLANTS G. Zuccaro-Labellarte, M. Wredberg,J. Gough
米国およびカナダの燃料製造工場で実施されているIAEAの物理的在庫検証手順
IAEA SAFEGUARDS AT LIGHT WATER REACTORS M. Ferraris, V. Schuricht, I. Badawy
軽水炉における IAEA 保障措置
— 核物質特性に基づく現行査察手順・SIR 基準・検認課題を整理し、LWR 保障措置の実効性向上に向けた改善点を検討する研究
(*)軽水炉における核物質の特性と、それに基づく IAEA の現行査察手順および SIR 基準の適用状況を整理し、保障措置目標達成に必要な最低要件を示している。新燃料および使用済燃料の検認における技術的困難や、検出確率・欠陥レベルの設定など、実務上の課題を分析している。将来の改善策として、検認手法の高度化や査察効率向上のための措置が検討されている。(IAEA)
IMPORTANT FEATURES AFFECTING THERMAL PROTECTION PROVIDED BY DRUM AND FIBERBOARD PACKAGES Robert H. Towell ドラム缶およびファイバーボード包装による熱防護に影響を与える重要な特徴
ドラムおよびファイバーボード(緩衝材)包装が提供する熱防護に影響する重要な特性
— 衝撃・貫通防止と火災時熱防護を担うファイバーボードの断熱性・熱分解特性を踏まえ、Type A/B 輸送における熱防護性能を左右する設計要因を整理する研究
(*)放射性物質輸送で一般的に用いられる鋼製ドラムとケーンファイバーボード(緩衝材)は、衝撃・貫通防止と火災時の熱防護の両機能を担う。ファイバーボードは「断熱」と「熱分解による犠牲層形成」という二つのメカニズムで、10 CFR 71.73 の仮想事故条件における熱負荷から内容器を保護する。熱防護性能は材質特性・厚さ・配置などの設計要素に大きく依存し、適切な設計により安全性を確保できることが示されている。(DOE)
IMPROVEMENTS FOR OPTICAL SURVEILLANCE SYSTEMS IN INTERNATIONAL SAFEGUARDS: VIDEO STORAGE AND AUTHENTICATION  J. Whichello, G. Neumann, K. J. Gaertner, B. Richter, G. Stein
国際保障措置における光学監視システムの改善:ビデオの保存と認証
INCREASING THE UTILITY OF BISTATIC MICROWAVE INTRUSION DETECTION SYSTEMS Greg Baxter
バイスタティック型マイクロ波侵入検知システムの有用性向上
— 検知原理・ゾーン特性の理解に基づき、Pd 向上と NAR 低減を実現するための最適設置・運用手法を整理する研究
(*)二点間(送信機・受信機)で構成されるバイスタティック型マイクロ波侵入検知システムは、核施設の周界警備で広く使用されており、適切な設置と運用理解が高い検知確率(Pd)と低い誤警報率(NAR)を達成する鍵となる。システムの基本動作原理・用語・検知ゾーン特性を理解することで、周界条件に応じた最適なセンサー配置が可能となり、従来困難だった周界警備課題の解決に寄与する。ボリューム型センサーとしての利点を活かし、周界強化のニーズに応じて多様な応用が可能であることが示されている。 (Racon Inc.)
INFORMATION EXCHANGE – DOE OVERSIGHT PROGRAMS D. C. Tubbs, Herbert C. Field
DOE オーバーサイト(監査)プログラムにおける情報交換
— 保障措置・セキュリティ監査と安全・保健監査の手法共有を通じ、TSA などの評価プロセスの効率化と監査品質向上を図る取り組み
(*)DOE の保障措置・セキュリティ監査と安全・保健監査は独立運用されているが、共通の目的とレビュー手法を持ち、情報交換による相互強化が可能である。OSE と ONS の協力事例として、TSA(技術安全評価)への合同参加が行われ、監査計画・実施・報告の手法共有が進められた。情報交換は監査の効率化と質向上に寄与し、DOE 全体の安全・セキュリティ評価能力の強化につながると結論づけられている。(DOE)
INFORMATION MANAGEMENT IN THE DESIGN OF MATERIALS CONTROL AND ACCOUNTABILITY SYSTEMS* William J. Whitty
核物質管理・計量管理システム設計における情報管理
— データ取得要件の明確化と構造化分析などのソフトウェア工学手法を適用し、MC&A の精度・効率・信頼性を高める設計アプローチ
(*)MC&A(核物質管理・計量管理)システム設計では、分析・報告・意思決定に必要なデータを明確化し、取得方法・タイミング・配置を体系的に定義する情報管理プロセスが不可欠である。DOE 施設での開発経験から、要求仕様書・機能仕様書・構造化分析など、ソフトウェア工学の手法が MC&A データ管理の基盤として有効であることが示されている。適切なデータ構造化と情報管理により、核物質管理・計量管理の精度、効率、信頼性を向上させることが可能である。(LANL)
INTEGRATED PHYSICAL SECURITY SYSTEM AT THE SAVANNAH RIVER PLANT Harold R. Reeve, C. R. Meese
サバンナリバー・プラントにおける統合物理防護システム
— 広域に分散した原子炉・燃料製造・再処理施設を対象に、侵入検知・アクセス制御を統合し、物理防護の一貫性と監視効率を向上させる取り組み
(*)サバンナリバー・プラントの広域に分散した原子炉・燃料製造・再処理施設を対象に、既存の侵入検知・アクセス制御システムを統合する必要性が検討された。 原子炉サイトで稼働中のサンディア設計システムの運用経験を基盤として、プラント全体の物理防護を一体化する構想が進められた。統合化により、広域施設における監視効率、セキュリティの一貫性、保障措置の実効性向上を図ることが目的とされた。(E. I. du Pont de Nemours and Company)
INTELLIGENT SECURITY ASSESSMENT FOR A MOBILE SENTRY ROBOT  S. L. Alderson, C. E. Priebe, D. J. Marchette, H. R. Everett, G. A. Gilbreath
移動型警備ロボットにおける知能的セキュリティ評価
— 多センサー融合と自律判断により、侵入検知の精度向上と誤警報低減を図る自動化警備システムの研究
(*)米海軍海洋システムセンター(NOSC)が開発した自律型ロボット ROBART II を用い、複数センサーによる侵入検知・事象確認・脅威評価を統合する「知能的セキュリティ評価」手法を研究した。ロボットはバッテリー駆動で自律移動し、実警報と誤警報を識別する能力を高めるため、センサー融合と判断アルゴリズムの実装が進められた。目的は、周界警備において高い検知確率と低い誤警報率を両立する、堅牢な自動化セキュリティシステムを構築することである。(Naval Ocean Systems Center, Naval Ocean Systems Center)
INTERNATIONAL SAFEGUARDS APPLICATIONS FOR THE WATCH SYSTEM Cecil Sonnier, K. Ystesund, Darryl D. Drayer
WATCH システムの国際保障措置への応用
— 無線アラーム送信機の改ざん防止化・一方向認証・データ提示改善により、保管庫監視など多様な保障措置用途への適用性を拡張する検討
(*)WATCH システムは、無線でアラームを送信する送信機と中央受信機から構成され、もともと国内の保管庫セキュリティ向けに開発されたが、国際保障措置への応用可能性が検討された。国際保障措置で使用するためには、送信機の改ざん防止封入、メッセージの一方向認証、データ提示方法の改善などの追加要件が必要とされる。これらの改良により、WATCH システムは多様な保障措置シナリオ(保管庫監視・封印補完・遠隔監視など)に適用可能となることが示された。(SNL)
INTERNATIONAL SAFEGUARDS CONCERNS OF SPENT FUEL DISPOSAL PROGRAM K. K. S Pillay
使用済燃料処分計画における国際保障措置上の懸念
— 地層処分に伴うプルトニウム転用リスク、検認困難性、封じ込め・監視(C/S) 維持などの課題を整理し、将来の保障措置要件統合の必要性を示す研究
(*)地層処分される使用済燃料には大量のプルトニウムが含まれ、減衰による放射線レベルの低下とともに、長期的には核物質転用の魅力度が増すため、保障措置上の新たな課題が生じる。どの処分シナリオを採用しても、国際保障措置コミュニティが十分に対処できていない多様な問題(検認不能期間の長期化、アクセス制限、封じ込め・監視C/S の維持など)が存在する。米国初の地層処分場設計を例に、保障措置要件を早期に組み込む必要性が指摘され、国際的議論の深化が求められている。(LANL)
INTRUSION DETECTION AND ENTRY CONTROL AT THE SAVANNAH RIVER PLANT REACTORS: SYSTEM DESCRIPTION AND MAINTENANCE EXPERIENCE Harold R. Reeve, Andrew R. Cato, Timothy C. Bell
サバンナリバー・プラント原子炉における侵入検知および入退域管理:システム概要と保守経験
— 三重センサー検知と三パラメータアクセス制御を組み合わせた物理防護システムの運用実績と信頼性評価を示す研究
(*)SRP 原子炉サイトでは、三重センサー侵入検知と三パラメータアクセス制御を組み合わせた高度な物理防護システムが1984年から運用されている。6年間の運用実績から、主要機器の故障率や保守性が評価され、システムの信頼性と改善点が明らかになった。DOE 5632.4 に準拠した設計・運用により、核施設の周界防護における高い検知性能と運用実績が示された。(E. I. du Pont de Nemours and Company(Savannah River Plant))
ISOTOPE CORRELATION VERIFICATION OF ANALYTICAL MEASUREMENTS FOR DISSOLVER MATERIALS*  Jim Satkowski
End(4) 溶解槽分析値の同位体相関による検証
— Pu/U 比と同位体比の線形相関を用いて、再処理工程における計量管理分析の信頼性を補完的に評価する手法
(*)溶解槽(dissolver)段階で得られる核物質の分析結果を独立に検証するため、同位体相関手法(ICT)を用いて、燃料の初期・最終組成に基づく同位体比と Pu/U 比の線形相関を利用する方法が示されている。ICT は既存の分析データに適用でき、過去の履歴データとの整合性を確認することで、計量管理測定の信頼性を向上させることが可能である。 特定炉型燃料に対して構築された相関関数を用いることで、分析値の妥当性を迅速に評価でき、再処理施設の計量管理における補完的検証手段となる。(サバンナリバープラント、E. I. du Pont de Nemours and Company)
ITAC, AN INSIDER THREAT ASSESSMENT COMPUTER PROGRAM R. P. Eggers, E. W. Giese
内部脅威評価コンピュータプログラム ITAC
— 核物質計量管理の転用検知即時性と物理防護経路の検知確率解析により、内部者による特別核物質盗取リスクを定量化する手法
(*)ITAC は、核物質加工施設における内部者による特別核物質(SNM)の盗取リスクを評価するために開発されたコンピュータプログラムであり、内部脅威経路の脆弱性を体系的に解析する。プログラムは、①核物質計量管理における転用検知の即時性(timeliness)の評価、②物理防護と計量管理を統合した経路別検知確率の総合評価の二つの主要機能を備える。ITAC は、内部者が取り得る複数の盗取経路をモデル化し、計量管理・物理防護の弱点を定量的に把握するための有効な補助ツールとして位置づけられている。(WHC, Boeing Computer Services )
MAKING TRAINING DECISIONS PROACTIVELY Robert F. Hartman
訓練計画を能動的に決定するための手法
— 空軍の TDS を用いた集合教育・OJT・現場訓練の最適配分を支援し、訓練効果を事前評価する意思決定システムの導入
(*)省庁・軍・自治体などの組織では、訓練投資の効果を事前に高い確度で判断することが課題であり、従来の訓練計画は労働集約的で自動化が不十分だった。米空軍はこの課題に対応するため、TDS(Training Decision System)を開発し、集合教育・OJT・現場訓練の最適な組み合わせを定量的に評価できる意思決定支援を導入した。TDS は入隊から退役までの訓練需要を網羅し、特にセキュリティ分野の多数のタスク要求に対応する体系的な訓練計画ツールとして設計されている。(Booz Allen & Hamilton Inc.)
MASTER SAFEGUARDS AND SECURITY AGREEMENTS AND PROTECTION PROGRAM PLANNING ORDERS AND GUIDE Bill Hensley
マスター保障措置・セキュリティ協定および保護計画策定命令とガイド
— 施設の保護戦略・性能基準・リスク許容度を定義し、MSSA と PPP による DOE 保障措置・セキュリティ計画の標準化を図る枠組み
(*)DOE の Master Safeguards and Security Agreement(MSSA) と Protection Program Planning(PPP) は、施設の保障措置・セキュリティ水準を定義し、責任分担・要求事項・リスク許容度を明確化するための基幹命令体系である。MSSA は DOE 本省と各運営オフィスの間で「保護戦略・性能基準・例外事項」を合意する契約的枠組みとして機能し、PPP はその実施計画を体系化する役割を担う。MSSA は既存命令の改訂ではなく、新規に策定された DOE の政策文書であり、保障措置・セキュリティの計画立案を標準化するための初版として位置づけられている。(DOE)
MATERIAL CONTROL AND ACCOUNTABILITY ORDERS Don L. Jewell
核物質管理・計量管理命令
— グレーデッド・セーフガーズ拡張、多層防護、性能要件明確化により MC&A 政策のギャップ解消と実効性向上を図る改訂作業
(*)DOE の核物質管理・計量管理(MC&A)命令は、既存の基準・規準との間に残っていた政策ギャップを解消するために全面的に見直され、制度の完全性と有効性を高めることが目的とされた。改訂では、①グレーデッド・セーフガーズの拡張、②多層防護(defense in depth)の導入、③システム性能要件の明確化 の3点が主要な改善項目として特定された。これらの変更は、運用負荷とコスト影響を考慮しつつ、MC&A プログラムの実効性を高めるために、サブタスクグループにより期限内に完了された。(DOE)
MEANS FOR MEETING THE MC 8, A PERFORMANCE REQUIREMENTS OF DOE ORDER 5633.3 Jonathan Sanborn, W. R. Kane, B. Keisch
DOE 命令 5633.3 の MC‑8 性能要件を満たすための手法
— 転用検知の即時性と検知確率を定量評価する統一モデルにより、核物質管理性能を客観的に検証するアプローチ
(*)DOE Order 5633.3 が定める MC‑8(Material Control Performance Requirement) は、一定量の核物質の転用を所定の検知確率と検知即時性で発見できることを施設に要求する性能基準である。この性能要件を満たすためには、計量管理データ・物理防護要素・運用手順を統合し、定量的かつ一貫した評価手法を施設間で適用できるようにする必要がある。著者らは、DOE 施設に共通して適用可能な 統一的評価モデル を提示し、MC‑8 要件を客観的に満たすための分析手法の確立を提案している。(BNL)
MEASURING THE SAFEGUARDS VALUE OF MATERIAL ACCOUNTABILITY  Alan Sicherman
核物質計量管理の保障措置上の価値の測定
— 転用・盗取の事後検知という特性を踏まえ、計量管理の役割と価値評価手法を再検討する研究
(*)核物質計量管理(MA)は、記録管理・インベントリ・監査を通じて、転用・盗取の事後的兆候を検知することを目的とするが、未然防止には寄与しにくく、その保障措置価値の評価が課題となっている。MA アラームは、在庫差異や記録と測定値の不一致が許容範囲を超えた場合に発生するが、検知の遅延性が MA の価値評価を難しくしている。本研究は、MA の役割を再定義し、保障措置体系における計量管理の価値をどのように測定すべきかを検討する枠組みを提示している。(LLNL)
MECHANISMS FOR TRAINING SECURITY INSPECTORS TO ENHANCE HUMAN PERFORMANCE Harold E. Burkhalter, Jay C. Sessions
セキュリティ検査員の職務遂行能力を高めるための訓練メカニズム
— DOE 基準に適合するための心肺機能・筋力・持久力向上プログラムの体系化
(*)DOE の防護要員資格基準(10 CFR 1046)を満たすため、LANL は心肺機能・筋力・筋持久力を総合的に向上させる多様な訓練メカニズムを導入している。訓練は距離走、インターバル、スプリント、ウェイト、サーキット、反復運動など、身体能力向上に特化した体系的プログラムとして構成されている。これらの訓練は、核施設のセキュリティ検査員が高いパフォーマンスを維持し、DOE 基準に適合するための実践的アプローチとして位置づけられている。(LLNL)
Methods and Procedures for Evaluations in Preparation of the Annual Safeguards Implementation Report (SIR) A. Adamson, A. R. Camarata
年次保障措置実施報告書(SIR)作成に向けた評価方法と手順
— 計画・実施・評価・改善のサイクルに基づき、IAEA 保障措置活動を基準に沿って体系的に評価する方法論の提示
(*)年次保障措置実施報告書(SIR)は、IAEA 事務局内部の 計画 → 実施 → 評価 → フィードバック → 改善 → 報告 のサイクルの成果物であり、その中心に「保障措置実施の評価プロセス」が位置づけられている。評価では、IAEA 保障措置の主要技術目的を反映した 評価基準(criteria) に基づき、各国の保障措置活動の実施状況を体系的に分析する。本論文は、SIR 作成に向けた評価手順を明確化し、保障措置の有効性を一貫して判断するための 標準化された方法論 を提示している。(IAEA)
METHODS FOR COST-BENEFIT-RISK ANALYSIS OF MATERIAL-ACCOUNTING UPGRADES William A. Higinbotham, Leslie G. Fishbone, Bernard Keisch, David M. Gordon
核物質計量管理アップグレードの費用・便益・リスク分析手法
— 測定精度向上が在庫差異・受払差に与える効果を定量化し、最適な改善策を評価する枠組み
(*)核施設の主要測定点における計量管理(Material Accounting)機能のアップグレードを評価するため、コスト・便益・リスクを統合した分析手法が開発された。手法は、①導入・運用コスト、②在庫差異(ID)や受払差(S/R difference)への改善効果、③残存リスクの三要素を定量的に扱う構造を持つ。特に、核物質測定の精度向上が計量管理指標に与える影響を評価し、どのアップグレードが最も費用対効果に優れるかを比較可能にする枠組みが提示されている。(BNL)
MINIMIZING THE RISK OF HAZARDOUS MATERIAL TRANSPORTS M. C. Seiler, A. A. Moghissi
危険物輸送リスクの最小化 ― ルート選択における事故発生確率低減と被害緩和を組み合わせたリスク評価・意思決定手法 (*)危険物輸送では、選択する輸送ルートによって沿道住民が受けるリスクが大きく変動するため、リスク最小化のための体系的な評価が必要である。本論文は、事故発生確率を低減する対策と、事故発生時の被害を最小化・緩和する対策という二本柱のアプローチを提示している。複数ルートが同等と判断される場合には、リスク低減効果の大きさを基準に最適ルートを選択するという、費用便益・リスクトレードオフに基づく意思決定手法を示している。(米国 Institute for Regulatory Science)
MIXING LIQUID HOLDING TANKS FOR UNIFORM CONCENTRATION* Kenneth M. Sprouse
液保持タンクにおける濃度均一化のための混合手法 ― 臨界安全上制約された高アスペクト比タンクに対するエアスパージング/循環混合の実験的評価 (*)核化学プロセス産業では、臨界安全性のために液保持タンクが細長い形状(高アスペクト比)となり、流体の自由な混合が阻害されるため、均一濃度を得ることが難しい。本研究では、鉛筆型タンク、二重鉛筆型タンク、環状タンクなど複数形状の模擬タンクを用い、塩水(硝酸アクチニド溶液の模擬)を対象に混合時間を実験的に評価した。混合方法としてエアスパージングおよびポンプ循環を用い、各タンク形状における均一化達成時間の特性を明らかにしている。(Rockwell International)
MODAL STUDY – TECHNICAL APPROACH Larry E. Fischer
事故モード分析検討における技術的アプローチ ― 事故モード別のキャスク応答解析と10 CFR 71仮想事故条件との比較に基づく輸送安全性評価

<モーダルスタディ(Modal Study)は、使用済燃料輸送キャスクの安全性を体系的に評価するために米国で実施された大規模研究で、保障措置・核輸送安全の分野では非常に重要な位置づけを持つ>

(*)本論文は、NRCがLLNLに委託した「モーダルスタディ」の技術的アプローチを説明し、使用済燃料輸送キャスクが事故時にどのように応答するかを体系的に評価する枠組みを示している。衝突・火災・貫通などの事故モード(accident modes)ごとにキャスクの応答を解析し、実際の重大事故条件と10 CFR 71の仮想事故条件を比較する方法論を提示している。解析の結果、多くの実事故は10 CFR 71の試験条件の範囲内に収まり、規制基準が十分保守的であることを示す科学的根拠を提供している。(LLNL)
MODELING RISK ASSESSMENT FOR NUCLEAR PROCESSING PLANTS WITH LAVA Suzanne T. Smith, Richard M. Tisinger
LAVA 手法を用いた核燃料加工施設のリスク評価モデル化 ―ロスアラモス国立研究所が開発した 脆弱性・脅威・防護要素を統合する三要素型リスク評価フレームワーク(LAVA)の構築 (*)本研究は、LANL が開発した LAVA(Los Alamos Vulnerability and Risk Assessment)手法を用い、核燃料加工施設におけるリスクを体系的に評価するモデルを構築したものである。LAVA は、数学的手法・PCベースのソフトウェアエンジン・アプリケーションデータの三要素から構成され、脆弱性・脅威・防護要素を統合的に扱うリスク評価フレームワークを提供する。本モデルにより、施設固有のデータを入力するだけで、脅威シナリオの分析や防護対策の有効性評価が可能となり、核加工施設のリスク管理を定量的に支援できることが示されている。(LLNL)
MODULAR INTEGRATED VIDEO SYSTEM (MIVS) REVIEW STATION Mary Lynn Garcia
モジュラー統合ビデオシステム(MIVS)レビュー・ステーション
— 携行型レビュー装置の構成・操作機能およびIAEA査察支援における役割
(*)MIVS(Modular Integrated Video System)は、IAEA 保障措置用に Sandia が開発した無人型監視システムであり、その運用を支援する半自動型の「レビューステーション」が重要な構成要素として設計されている。レビューステーションは、8mm ビデオレコーダ、4インチモニタ、電源、LCD を用いた制御電子機器をスーツケース型筐体に統合した可搬型ユニットである。インタラクティブな LCD メニューにより、査察官が施設電源を利用して世界中どこでも監視データを効率的にレビューできるよう設計されている。(SNL)
MY EXPERIENCES AT THE IAEA- MAINLY ON THE R & D OF NUCLEAR SAFEGUARDS Hiroyoshi Kurihara
IAEAにおける私の経験 – 主に核保障措置の研究開発について
NEUTRALIZATION AND SYSTEM EFFECTIVENESS William K. Paulus
無力化能力とシステム有効性 ― 攻撃者の無力化確率 P(N) を算定する Threat Neutralization Model(BATLE 改良版)の構築 (*)特別核物質の盗取を防ぐためには、攻撃者を無力化できる警備部隊の能力が重要であり、その能力を定量化する指標が「無力化確率 P(N)」である。P(N) は、警備側が攻撃者を発見・遅延・遮断した後、交戦において攻撃者を無力化できる確率を示し、NRC が1980年に開発した BATLE(Brief Adversary Threat Loss Estimator)がその算定に用いられてきた。本論文は BATLE を再構築し、入力設定支援、計算高速化、グラフィカル出力などを備えた新しい “Threat Neutralization Model” として改良した内容を報告している。(SNL)
NRC INITIATIVES IN TACTICAL RESPONSE EVALUATIONS Donald J. Kasun
戦術応答評価における NRC の新たな取り組み ― 模擬攻撃(force‑on‑force)を含む戦術訓練の導入による警備部隊の即応性・防護性能評価の強化 (*)NRC は、特別核物質(SNM)を扱う施設の防護性能を向上させるため、10 CFR Part 73 の改正案を提示し、定期的な戦術応答訓練(tactical response exercises)の実施を求める方針を示した。これは、NRC・DOE 施設間の防護水準の比較評価を行った特別調査チームが、DOE 施設での戦術訓練導入による警備部隊の有効性向上を確認したことを受けたものである。NRC は、カテゴリー I 施設に対し、模擬攻撃(force‑on‑force)を含む戦術訓練を導入し、警備部隊の即応性・遅延要素・通信・展開能力などの総合的評価を強化することを提案した。(NRC)
NUCLEAR EXPORT AND TECHNOLOGY TRANSFER CONTROLS James J. Hower, Stephen J. Primeau
核輸出および技術移転管理 ― 国際不拡散義務との整合性を評価するための米国制度と CoCom 管理枠組みの比較検討 (*)米国の核輸出管理および技術移転管理が、国際的不拡散義務の範囲を十分に満たしているかを評価するため、米国制度の実施状況をレビューしている。国際的な不拡散管理は CoCom(対共産圏輸出統制委員会)に組み込まれているが、そのリストは機密扱いであり、各国が自国法に基づき独自に実施している点が課題として指摘される。英国の不拡散管理制度と比較することで、米国制度の適合性と改善の必要性を検討している。(Eagle Research Group, Inc.)
NUCLEAR MATERIALS MANAGEMENT AND SAFEGUARDS SYSTEM Patricia W. Baird, Sharon E. Jacobsen, William B. Matthews Ill
核物質管理・保障措置システム ― 米国の核物質移動・使用・在庫を一元管理し、国家安全保障と国際不拡散義務を支える NMMSS の機能と役割 (*)NMMSS(Nuclear Materials Management and Safeguards System)は、DOE と NRC が共同で運用する米国の公式核物質計量管理システムであり、国内外の核物質の移動・使用・在庫を一元的に追跡する国家レベルの基幹データベースである。 同システムは、国家安全保障、核物質管理、保障措置、不拡散政策の実施を支援し、米国法および国際協定に基づく核物質の計量・報告義務を満たすための中心的役割を果たす。NMMSS の対象には、米国の核物質生産プログラムから民間核産業まで、すべての核物質が含まれ、IAEA への報告や国際的な不拡散措置にも利用される。(Martin Marietta Energy Systems)
NUCLEAR MATERIALS MANAGEMENT OVERVIEW Deborah A. DiGiallonardo
End(5) 核物質管理の概要 ― 計画・在庫管理・意思決定を含む行政的管理機能の課題と今後の制度的発展に向けた検討 (*)核物質管理(NMM)の本来の目的は、すべての核物質を戦略的かつ経済的に管理することであり、短期・長期の計画、報告、予測、在庫レビューを含む管理機能である。この機能は行政的性格が強く、今後さらに制度の明確化、方向性の設定、体系的な発展が必要とされている。残渣・廃棄物の扱い、意思決定方法、そして “what is / what if” の問いへの対応方法など、プログラム構造の改善が求められている。(Rockwell International)
NUCLEAR TECHNOLOGY AND THE EXPORT CONTROL LAWS James L. Munroe, Michael C. Pankratz, Victor H. Hogsett, Arvid S. Lundy
原子力技術と輸出管理法 ― 技術データ伝達を含む核関連情報の輸出規制と、その実務的影響を整理した法体系レビュー (*)米国では、原子力関連の物品・サービス・技術データの輸出を規制する3つの主要法律が存在し、核・原子力分野の専門家はこれらが自身の業務に与える影響を理解する必要がある。技術データの輸出とは、口頭・文書・図面・モデルなど、あらゆる媒体で外国人に情報を伝達する行為を指し、対象が規制リストに該当する場合は輸出許可が必要となる。本論文は、核技術に関わる研究者・技術者が誤って輸出規制に抵触しないために、関連法体系とその適用範囲を整理し、実務上の注意点を提示している。(LANL)
OBSERVATIONS OF CERENKOV GLOW FROM USED CANDU FUEL BUNDLES G. J. Young, J. D. Chen, E. A. Hildebrandt
使用済みCANDU燃料集合体からのチェレンコフ光の観測
OPTIMIZING MAN-MACHINE PERFORMANCE OF A PERSONNEL ACCESS RESTRICTION SECURITY SYSTEM Willam W. Banks, James W. Moore
職員アクセス制限セキュリティシステムのマンマシン性能最適化
― 障害者を含む全利用者に対応する人間工学設計と半自動アクセス制御インターフェースの改善
(*)DOE 施設の旧式で人間工学的に問題のあった入退域審査ブースを、ユーザ指向の半自動・コンピュータ化アクセス制御システムへ刷新するための人間工学設計・分析を行った。設計チームは、車椅子利用者や視覚・聴覚に重度の障害を持つ職員を含む全従業員が、身体的・認知的に無理なく利用できるインターフェース仕様を策定した。新システムは、マンマシン性能(操作性・認知負荷・誤操作防止)を最適化し、セキュリティとユーザビリティの両立を図ることを目的としている。(LLNL)
OSE EVALUATION OF DELAY SYSTEMS IN A HIGH THREAT ENVIRONMENT Barry L. Rich, Billy G. Cook 高脅威環境における遅延システムのOSE評価
高脅威環境における遅延システムの OSE 評価
― 侵入者の突破時間を延ばす構造物・装置(遅延システム)の性能と費用対効果を分析した DOE 物理防護評価
(*)DOE の OSE は、高脅威環境を想定した物理防護評価の一環として、侵入者の行動を遅らせるための遅延システム(delay systems)の性能を体系的に評価した。遅延システムとは、侵入者の突破時間を延ばすために設置される構造物・装置(壁・扉・格子・金属バリア・アクティブ遅延装置など)であり、検知・対応との連携が前提となる。本研究は、遅延強化が建設費・運用費に与える影響を分析し、DOE が要求する脅威レベルに対して費用対効果の高い防護設計を提示している。(DOE, R.E. Timm & Associates, Inc.)
OVERVIEW OF REGULATIONS AND REQUIREMENTS Larry E. Fischer
規制および要求事項の概要
― 放射性物質輸送に適用される規制体系・国家基準と、その安全性評価(NRC リスク研究に基づく妥当性検討)
(*)放射性物質輸送に関する現行規制の背景と必要性を概説し、工学的実務および公衆の安全との関係を整理している。
2. 輸送に影響を与える具体的な規制、国家規格、基準類を示し、それらがどのように適用されるかを説明している。
3. NRC が実施した過去のリスク研究を踏まえ、輸送規制の基本的意図とその妥当性について評価している。(LLNL)
OVERVIEW OF THE INTEGRATED VULNERABILITY ASSESSMENT TOOL Alfred E. Winblad, R. A. AI-Ayat, T. Renis, J. C. Matter
統合型脆弱性評価ツールの概要
― 内部・外部・共謀脅威を対象とする5モジュール構成の核物質盗取リスク評価手法の紹介
(*)保障措置専門家が、内部脅威・外部脅威・共謀脅威を含む多様な攻撃シナリオに対して、核物質盗取リスクを総合的に評価できる統合型脆弱性評価ツールを開発した。ツールは、施設記述、内部脅威評価、外部脅威評価、共謀評価など5つのモジュールで構成され、脅威タイプごとの評価を統合的に管理できる。本ツールは当時試験段階であり、年内に利用可能となる予定で、保障措置分野における脆弱性評価の標準化と効率化を目指している。(SNL, LLNL)
OVERVIEW OF THE U.S. DEPARTMENT OF ENERGY MASTER SAFEGUARDS AND SECURITY AGREEMENT PROGRAM M. P. Billings, Michael Duncan, Jack Craig
米国エネルギー省マスター保障措置・セキュリティ協定プログラムの概要
PERFORMANCE EVALLUATION OF A PHYSICAL SECURITY SYSTEM USING A SPREAD SHEET BASED INTEGRATION MODEL ON A PERSONAL COMPUTER (PEPS41M) L. Chapman, Roger L. Tyler
パーソナルコンピュータ(PEPS41M)上のスプレッドシートベースの統合モデルを用いた物理セキュリティシステムの性能評価
PERFORMANCE TESTING OF VOLUME INSTRUMENTS FOR NUCLEAR PROCESS TANK MEASUREMENTS* Sylvester Suda, M. Aparo, M. Dionisi, Massimo Aparo
核燃料プロセスタンク計測用体積計測機器の性能試験
— バブラー圧力計・TDR・RF容量プローブの比較評価と保障措置適用性の検証
(*)再処理施設の核物質管理において重要なプロセスタンクの液位測定精度を評価するため、バブラー式圧力計、時間領域反射法(TDR)、RF 静電容量プローブの性能試験が ENEA Casaccia 研究所で実施された。試験は IAEA・イタリア・米国の三者による国際保障措置技術支援プログラムの一環として行われ、各測定方式の精度・安定性・運用上の課題が比較された。結果は、保障措置目的でのタンク体積測定における各方式の適用性評価と、将来の計量管理システム改善に向けた基礎データを提供している。(ENEA, BNL)
PROPOSED SAFEGUARDS AND SECURITY DURING FUTURE DECOMMISSIONING OF ONTARIO HYDRO’S REACTORS C. R. Frost
オンタリオ・ハイドロ原子炉の将来廃止措置における保障措置とセキュリティの提案
― 使用済燃料搬出計画と、IAEA 一般要件・運転時実務・AECL 廃止措置経験に基づく暫定的防護方策
(*)Ontario Hydro の CANDU 原子炉再認可には、廃止措置における保障措置・セキュリティを含む概念的廃止措置計画の提出が規制上求められている。計画では、廃止措置開始後 10 年以上経過してから、すべての使用済燃料を中央貯蔵・処分施設へ搬出する方針が示されている。IAEA には廃止措置時の保障措置に特化したガイドラインが存在しないため、運転時の一般的な IAEA 要件や AECL の廃止措置経験を基礎に、暫定的な保障措置・セキュリティ方策が提案されている。(Ontario Hydro)
PROTECTION PLANNING AND RISK MANAGEMENT AT LAWRENCE LIVERMORE NATIONAL LABORATORY Willard D. Altman, John W. Heckert, John S. Hunt
ローレンス・リバモア国立研究所における防護計画とリスク管理
PROTECTION PROGRAM OPERATIONS Kenneth H. Jackson
防護プログラム運用
― DOE 5632 系命令群による物理防護・セキュリティ運用要求の体系化と、Aquilina Task Force による標準化作業の概要
(*)DOE は 5632 〜 5632.6 の7つの命令(DOE Orders)を「Protection Program Operations」として体系化し、1990年代に向けた保障措置・セキュリティプログラムの基盤を整備した。Aquilina Task Force の下で編成されたサブタスクグループが、DOE 本部およびネバダ・アイダホ・リッチランドの各 Operations Office の専門家を集め、1987年4月〜10月にかけて命令群を最終化した。これらの命令は、保守的かつ実務的な要求事項として、DOE 施設の物理防護・セキュリティ運用の標準化と強化を目的としている。(DOE)
PROVIDING RELIABLE EQUIPMENT TO IAEA THROUGH A LOW RISK TRANSITION PLAN E. V. Weinstock, Leon Green, Ernest W. Karlin
低リスク移行計画による IAEA への信頼性の高い保障措置機器の提供
― 設計・製造・現場導入に伴う故障リスクを最小化し、保障措置の信頼性維持を図るための移行戦略
(*)保障措置機器の開発から現場導入までには多くのリスクが存在し、設計・製造・現場環境の厳しさが信頼性確保を難しくしている。機器の故障は IAEA 保障措置の信頼性を損ない、再検認など高コストのバックアップ措置を必要とし、検査官の機器不信にもつながる。これらのリスクを最小化し、IAEA に確実な機器を提供するための「低リスク移行計画(Low‑Risk Transition Plan)」の必要性が示されている。(BNL, Karlin Associates)
QA AT FERMILAB; THE HERMENEUTICS OF NQA-1 Mark Bodnarczuk
Fermilab における品質保証と NQA‑1 の解釈学的アプローチ
― 研究文化を尊重しつつ国家規格 NQA‑1 の意図を読み解き、研究環境に適合させるための品質保証手法
(*)Fermilab における品質保証(QA)の歴史的発展と現状を概説し、研究所特有の文化と QA の関係を整理している。国家規格 ANSI/ASME NQA‑1 を「純粋研究環境」に適用する際の解釈(hermeneutics)の重要性を論じ、規格の理念的・目的論的側面を批判的に分析している。Fermilab では、研究文化を損なわずに NQA‑1 の本来意図を実現するため、独自の“解釈アプローチ”を用いて QA を運用していることを示している。(Fermi National Accelerator Laboratory(Fermilab))
QUALITY ASSURANCE AND R&D. THE PPPL EXPERIENCE H. Howard, R. Parsells
品質保証と研究開発:PPPL の経験
― 研究装置と研究文化に適合させた NQA‑1 品質保証モデルの構築と、その歴史的展開・CIT への示唆
(*)PPPL における品質保証(QA)と信頼性プログラムの全体像を示し、研究装置の特性と組織構造を踏まえて、NQA‑1(1986)要求事項を研究環境向けにどのように適合させたかを説明している。NQA‑1 導入前後の2つの時期に分けて QA の歴史的発展を整理し、研究開発(R&D)特有の柔軟性と規格要求の両立を図るための基本概念を提示している。PPPL の経験から得られた教訓を CIT(Compact Ignition Tokamak)計画への示唆としてまとめ、研究所型 QA モデルの有効性を示している。(Princeton University Plasma Physics Laboratory)
RADIOACTIVE MATERIALS PACKAGING (RAMPAC) DATABASE K. L. Driscoll
放射性物質包装(RAMPAC)データベース
RECENT DEVELOPMENTS IN FAST CALORIMETRY R. B. Perry, S. Fiarman
高速カロリメトリーの最近の進展
― プルトニウム測定時間を20分未満に短縮するための空気浴式バルクカロリメータの改良と現場試験結果
(*)DOE の複数のプルトニウム施設で、より高速なカロリメトリ測定の必要性が明確となり、ANL の空気浴式バルクカロリメータの測定時間を 20 分未満に短縮する手法が提案された。試験では、試料予熱、データ取得装置、予測アルゴリズムなどを改良し、迅速測定に最適化したシステム構成が検証された。改良型カロリメータは ANL と Rocky Flats で 1〜4 W の試料を用いて試験され、実運用に向けた高速測定の有効性が示された。(ANL, BNL)
REDUNDANT MONITOR & CONTROL DUAL WIRE/FIBER NETWORK INTRUSION DETECTION SYSTEM Jack H. Nelson
冗長監視・制御型 二重ワイヤ/光ファイバ・ネットワーク侵入検知システム
— 高信頼性を確保するための二重化通信ループと冗長構成を備えたセキュリティ監視アーキテクチャ
(*)本論文は、監視・制御ユニットを二重化し、データバスおよびセンサーも冗長化した侵入検知システムを紹介している。セキュリティ用途に特化して設計された新しい専用通信ネットワークを採用し、二重ワイヤまたは二重光ファイバのデータループ構成を可能としている。高信頼性・高可用性を重視したネットワーク型侵入検知アーキテクチャの設計思想と構成要素を解説している。(Vindicator Corporation, CA.,USA)
RELYING ON THE COMPUTER TO ANALYZE DATA ROM MEASUREMENT OF STANDARDS Martha C. Williams 標準測定データのコンピュータによる分析
標準測定データのコンピュータによる分析 (*)核燃料製造施設では、多数の測定標準を定期的に測定するため、大量のデータ処理が必要となる。NFS は測定管理データを評価するための一連のコンピュータプログラムを開発し、SAS ソフトウェアを中央計算機に導入してデータ処理を自動化した。測定システムおよび標準物質に関するデータは中央計算機の SAS データファイルに体系的に蓄積され、毎週の測定結果が追加される運用方式が確立されている。(Nuclear Fuel Services(NFS), TE., USA)
RESOLUTION OF SHIPPER-RECEIVER DIFFERENCES J. H. Weber
End(6) 出荷者・受入者間の測定差異の解消
— 測定バイアスが繰り返し発生する事例分析と核物質移送におけるS/R差管理の課題
(*)施設間で核物質を移送する際、DOE Order 5630.2 に基づき、出荷側(S)と受入側(R)が独立して測定を行う必要があるが、測定バイアスにより S/R 差が繰り返し発生する事例が報告されている。論文では、出荷側と受入側の測定値に体系的な偏りが存在した2つのケースを取り上げ、誤差限界を超える差が継続的に発生した原因を分析している。受入側が処理前に測定できない場合や、NDA 測定を行う場合など、運用条件の違いが差異解消を困難にする状況を示し、S/R 差の理解と管理の重要性を論じている。(Pont de Nemours and Company)
RISK ASSESSMENT FOR TRANSPORTATION OF DEPLETED URANIUM OXIDE D. E. Bernhardt, S. V. Prewett
劣化ウラン酸化物輸送におけるリスク評価
— 自然発火性廃棄物の安定化処理と事故時の放射線・非放射線リスク比較に基づく安全性分析
(*)金属ウラン製造廃棄物は自然発火性(pyrophoric)を持つため、輸送・処分前に焼却炉で酸化し、酸化ウラン(DUOx)として安定化させる必要がある。酸化ウランは粒状であり、事故時には飛散・分散する可能性があるため、輸送・処分時の事故シナリオに基づき、放射線リスクと非放射線リスク(負傷・死亡)を比較評価している。評価は過去の事故データ、郊外・農村地域での事故影響、物質特性、事故時の放出量などを基に行われ、DU酸化物輸送の総合的リスクを定量化している。(Rogers and Associates Engineering Corporation,UT., Aerojet Ordnance Tennessee, Inc.,TE.)
RISK PERCEPTION AS IT APPLIES TO NUCLEAR POWER AND NUCLEAR WASTE DISPOSAL William M. Sprecher
原子力発電と核廃棄物処分におけるリスク認知
— 公衆のリスク評価の起源・心理的要因・政策的影響を分析した研究
(*)商業用原子力発電および高レベル放射性廃棄物処分に対する「リスク認知の不一致」が、原子力の将来における重要課題として浮上している。本論文は、リスク認知の起源とその社会的影響を分析し、技術革新をめぐる議論において「どれだけ安全なら十分か」という問いが政策問題として顕在化していることを示す。多数の心理測定研究や世論調査の結果を総括し、原子力と廃棄物管理に対するリスク認知の構造とその特徴を整理している。(DOE)
RISK-BASED FINANCIAL ASSURANCE FOR LOW-LEVEL RADIOACTIVE WASTE DISPOSAL FACILITIES Joseph Karam, Alan Karnovitz, Paul J. Merges
低レベル放射性廃棄物処分施設のリスクベース財務保証
— 是正措置費用と第三者補償費用を定量化するリスク評価に基づく保証水準の設定
(*)低レベル放射性廃棄物(LLRW)処分施設に伴う潜在的な責任コストを評価するため、リスク評価手法を用いて費用発生の可能性と規模を体系的に分析している。責任コストは、環境修復などの「是正措置費用」と、身体的損害・財産損害に対する「第三者補償費用」の2種類に分類される。リスク評価に基づき、処分施設が将来負担し得る費用を定量化し、適切な財務保証(financial assurance)水準を設定するための基礎情報を提供する。(ICF Incorporated, ニューヨーク州環境保全局)
ROBOTIC SECURITY VEHICLE for EXTERIOR ENVIRONMENTS R. M. Werkhoven, Paul R. Klarer
屋外環境向けロボット警備車両
— 自律巡回ナビゲーションと警報対応のための遠隔操作機能を備えた試験開発
(*)Sandia National Laboratories は、屋外の構造化された環境で限定的な警備機能を自律的に実行できるロボット車両の開発を進めている。室内ロボット(SIR:Sandia Interior Robot)向けに開発されたナビゲーションアルゴリズムを、屋外環境に適した試験車両へ応用する段階にある。最終目標は、日常巡回における自律走行と、警報発生時の遠隔操作による状況確認・対応を実証することである。(SNL)
ROUTE SELECTION FOR THE TRANSPORT OF HAZARDOUS MATERIALS Fritz A. Sieler
危険物輸送におけるルート選定
— 不確実性を含むリスク評価と社会的総費用指数に基づく最適ルート決定手法
(*)危険物輸送におけるリスク加重型ルート選定のため、完全情報を前提とした総リスク評価モデルを提示している。現実の「部分的・不確実な情報」を扱うための近似手法を検討し、リスク評価技術や数学的手法の中では モンテカルロ計算が最も有望 とされる。実際のルート選定は、複数候補ルートに対して算出される 社会的総費用(total societal cost)指数 に基づいて行われる。(Inhalation Toxicology Research Institute)
ROUTING OF ULTRAHAZARDOUS MATERIALS – MORE QUESTIONS THAN ANSWERS? W. R. Rhyme
超高危険物輸送におけるルート選定 ― 依然として残る政策的課題とリスク評価の不確実性 (*)米国運輸省(DOT)は、危険物輸送ルート選定におけるリスク評価の必要性について意見募集を行ったが、従来の放射性物質向け手法では「超高危険物(ultrahazardous materials)」に対して州レベルで多くの未解決問題が残る。連邦基準は事故頻度と被曝人口を中心に構成されているが、州政府が直面するリスク要因や地域事情を十分に反映できない。本論文は、超高危険物輸送におけるルート選定の課題を整理し、現行制度が抱える不確実性と政策的ギャップを指摘している。(H&R Technical Associates, Inc., TE., USA)
SAFEGUARDS AND THE U.S. WASTE MANAGEMENT PROGRAM Leslie G. Fishbone, E. R. Johnson, Bruce W. Moran, James H. Saling
米国廃棄物管理計画における保障措置 ― 使用済燃料・高レベル廃棄物の輸送・貯蔵・処分に対する費用対効果的な保障措置導入の検討 (*)米国連邦廃棄物管理システムにおける核物質保障措置を、費用対効果よく導入するための推奨活動を提示している。 使用済燃料および高レベル放射性廃棄物の輸送、乾式貯蔵、再梱包、地層処分における保障措置要件を評価している。これらの活動は、DOE民生放射性廃棄物管理局が運営するシステムの下で、規制・安全・保障措置の整合性を確保することを目的としている。(BNL, E. R. Johnson Associates, Inc., Martin Marietta Energy Systems, Inc., ORNL, ERC International, Inc.)
SAFEGUARDS APPLIED TO THE DESIGN OF RECOVERY PROCESSING: AN OVERVIEW OF REQUIREMENTS, CONCEPTS AND ISSUES Allen C. Hawke
回収プロセス設計への保障措置適用 ― プルトニウム再処理施設改修におけるモジュール化設計と保障措置要件の統合に関する概観 (*)ロッキーフラッツのプルトニウム再処理施設の一部を再設計・改修するプロジェクトにおいて、モジュール化建設方式を採用し、操業と並行して処理設備を更新する設計概念を説明している。設計はDOEおよびRockwellの多数の要求事項に適合する必要があるが、本論文はその中でも特に「保障措置要件・懸念・基準」に焦点を当てている。回収(recovery)プロセスの設計段階で、核物質管理・計量管理・検知能力などの保障措置要件をどのように組み込むべきかを概観している。(Rockwell International – Rocky Flats Plant)
SAFEGUARDS OF INDEPENDENT SPENT FUEL STORAGE INSTALLATIONS Charles E. Gaskin, Philip Ting
原子炉サイト外に設置される使用済燃料貯蔵施設の保障措置 ― 乾式貯蔵型ISFSIにおけるリスクと規制課題 (*)長期集中貯蔵施設の不足により、電力会社が独自の乾式貯蔵型「独立使用済燃料貯蔵施設(ISFSI)」を建設する動きが広がっている。ISFSIに保管される燃料は高線量である一方、核物質・核分裂生成物を含むため、盗取や放射線妨害行為の潜在的標的となり得る。米国ではこれまでISFSIに対する保障措置の適用は限定的であり、今後の制度設計・規制整備が課題となっている。(NRC)
SAFEGUARDS TRAINING AT PACIFIC NORTHWEST LABORATORY Debbie Dickman
パシフィック・ノースウエスト研究所における保障措置訓練
SAND88-1439C FENCING INTRUDERS OUT Ronald W. Madsen
SAND レポート(SAND88‑1439C):侵入者をフェンスで阻止する ― チェーンリンクフェンスとセンサー構成に対する侵入試験による遅延性能と検知確率の評価 (*)チェーンリンクフェンスは多くの外周防護システムの基本要素だが、標準的なフェンスは侵入遅延性能が低く、軽量梯子などで容易に突破され得る。本研究は、7〜12 フィートのフェンスと複数のセンサー構成に対して約 400 回の侵入試験を実施し、遅延時間と検知確率を体系的に評価した。 結果として、構成によって検知性能は大きく異なり、ある特定のフェンス+センサー構成では侵入者が一度もアラームなしに突破できなかったことが示された。(SNL)
SECURE TRANSMISSION OF SHIPPER/RECEIVER CONFIRMATORY MEASUREMENTS* T. L. Brumfield, R. M. Tisinger
発送者/受領者による確認測定データの安全な伝送 (*)オンラインでは確認できず。
SECURITY FEATURES OF A NUCLEAR MATERIAL ACCOUNTING SYSTEM Bruce Erkkila
核物質計量管理システムのセキュリティ機能 ― MASS におけるアクセス制御とデータ保全機能の構造 (*)Los Alamos が開発した MASS(Nuclear Material Accounting and Safeguards System) は、バルク材・個別品目・動的処理中の核物質を対象とする 準リアルタイム計量管理システム である。MASS は旧来のカードベース処理から高度なトランザクション指向コンピュータシステムへ進化し、将来の拡張にも対応できる設計となっている。システムのセキュリティは アクセス制御(複数種類) によって確保され、核物質データの完全性・真正性を維持するための防護機能が詳細に説明されている。(LANL)
SECURITY FORCE EFFECTIVENESS AND TECHNOLOGY—IS SECURITY TECHNOLOGY SOLVING PROBLEMS OR CREATING THEM? Michael B. Seaton
警備部隊の有効性と防護技術 ― 技術は問題を解決しているのか、それとも新たな問題を生んでいるのか (*)オンラインでは確認できず。
SECURITY TRAINING WITH INTERACTIVE LASER-VIDEO-DISK TECHNOLOGY Dennis Wilson
インタラクティブレーザービデオディスク技術を用いたセキュリティ訓練
SELECTION AND EVALUATION OF VIDEO TAPE RECORDERS FOR SURVEILLANCE APPLICATIONS Robert L. Martinez
監視用途向けビデオテープレコーダーの選定と評価
SHIPMENTS/RECEIPTS RESOLUTION PROGRAM* Fran B. Davis
発送・受領差異解決プログラム ― 年間 800 件の核物質移転における S/R 差異の管理と解決手順の標準化 (*)Savannah River Plant(SRP)は年間 約 800 件の核物質移転 を行っており、発送者/受領者(S/R)間の数量差異を解決するための包括的プログラムを導入した。S/R 差異の解決には DOE と請負業者双方の大きな労力が必要であり、受領量が発送量を下回る場合は 保障措置上の重大懸念 となるため、迅速かつ確実な解決が不可欠である。本プログラムは、S/R 協定、コミュニケーション手順、差異解決プロセスの標準化を通じて、核物質移転の透明性と信頼性を向上させる ことを目的としている。(Savannah River Plant)
SIMULATION OF A FORCE ON FORCE EXERCISE Robert Terhune, Dick Van Slyke, Ted Sheppard, Monty Brandrup
フォース・オン・フォース演習のシミュレーション ― SEES による都市型戦闘行動のモデル化と実演習データとの比較評価 (*)LLNL が開発中の Security Exercise Evaluation System(SEES) は、Force-on-Force(FoF)演習の計画および事後評価を支援するための イベント駆動型・確率論的シミュレーションモデルである。SEES は都市型地形における個々の戦闘員の移動、視線、武器効果などの物理挙動をモデル化し、実地演習データとの比較によりモデル精度の検証が行われている。本研究は、FoF 演習の効率化・再現性向上を目的とし、シミュレーションと実演習の整合性を高めるための改良指針を提供している。(LLNL)
SMART SENSOR SYSTEMS FOR OUTDOOR INTRUSION DETECTION J. Kevin Lynn
屋外侵入検知のためのスマートセンサーシステム ― 信号履歴解析による検知精度向上と誤警報低減のためのデジタル処理手法 (*)屋外周界センサーの 検知確率(PD)向上 と 誤警報(FAR)・不要警報(NAR)低減 のため、侵入直前のアナログ信号変化をリアルタイムで解析する「スマートセンサー」概念を提案している。従来の閾値方式では、ゆっくり蓄積する微小変化が誤って侵入として扱われる問題があり、過去の信号履歴を参照しながら判断するデジタル処理方式が有効とされる。アナログ信号をデジタル化し、逐次メモリに保存して解析することで、誤警報の大幅削減と検知の安定化が期待できると結論づけている。(Stellar Systems Inc.)
SOME ISSUES RAISED BY THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES STUDY FOR MC&A F. H. Tingey
End(7) 米国科学アカデミーによるMC&A評価研究が提起した諸課題 ― システム性能・差異管理・脆弱性評価など6項目に関するDOE向け改善提案 (*)DOEが委託した米国科学アカデミー(NAS)のMC&A評価研究で指摘された複数の重要課題のうち、6つの論点を取り上げている。 それらは、システム性能評価、在庫差異管理、発送者–受領者差異管理、MC&Aデータベース管理、脅威・脆弱性管理、MSSA(Material Safeguards System Analysis)作成などである。各論点について、DOEが考慮すべき改善提案が簡潔に提示されている。(University of Idaho)
SOME MORE ISSUES RAISED BY THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES STUDY Carl A. Bennett
米国科学アカデミー研究が提起したさらなる課題 ― DOE のMC&A(核物質管理・計量管理)制度における責任体系・監査・制度改善に関する追加的検討 (*)NAS が DOE の MC&A(核物質管理・計量管理)制度に対して指摘した追加的な課題を取り上げ、特に組織的・制度的な改善点に焦点を当てている。追加論点には、MC&A の役割分担、DOE 内部の責任体系、監査・検証プロセス、研究開発の優先順位付けなどが含まれる。これらの課題に対し、DOE が制度改善を進めるための方向性と、MC&A の信頼性向上に必要な要素を提案している。(University of Idaho(アイダホ大学))
SYSTEMS SECURITY AND FUNCTIONAL READINESS Donald G. Bruckner
システムセキュリティと機能的即応性 ― 欧州施設における主要機能の維持を支える防護構成の計画と要件 (*)欧州に所在する複数施設の「主要機能(functional operations)」を特定し、それらが自然災害・人的脅威下でも継続運用できるように必要なセキュリティ要件を整理した研究である。多くの既存施設は現代の要求(リアルタイム処理、機密端末、TEMPEST対策、厳格なアクセス制御など)を満たす設計になっておらず、機能維持の観点から追加的な防護措置が必要とされる。施設の「機能的即応性(Functional Readiness)」を確保するため、運用要求と脅威環境に適合したセキュリティ構成を計画的に整備するプロセスを提示している。(Holmes & Narver, Inc.)
TECHNIQUES FOR DEVELOPING RELIABLE AND FUNCTIONAL MATERIALS CONTROL AND ACCOUNTING SOFTWARE Gail Barlich
信頼性と機能性を備えた核物質計量管理(MC&A)ソフトウェアの開発手法 ― 構造化設計と品質保証による計量精度・堅牢性の確保 (*)核物質計量管理(MC&A)ソフトウェアの信頼性欠如は、核物質の所在把握・計量の正確性に直接影響し、保障措置上の重大リスクとなる。LANL Safeguards Systems Groupが実務で用いてきた、構造化設計・検証・品質保証を含む「規律的ソフトウェア開発手法」を紹介している。設計段階から体系的手法を適用することで、MC&Aシステムの計量精度・堅牢性・運用機能を高い水準で確保できることを示している。(LANL)
TECHNOLOGY TRANSFER SIGNIFICANCE OF THE INTERNATIONAL SAFEGUARDS PROJECT OFFICE W. Mareuse, Arthur J. Wallgura
国際保障措置プロジェクトオフィスにおける技術移転の意義 ― POTASを通じたIAEA保障措置能力強化の役割 (*)IAEA保障措置は米国を含む国際的な不拡散政策にとって不可欠であり、その実効性確保には継続的な技術支援が必要である。米国議会は、IAEAが重要分野で技術不足に陥らないよう、POTAS(Program for Technical Assistance to IAEA Safeguards) を特別に承認し、ISPOがその実施を担っている。ISPOは、米国の研究機関・産業界の技術をIAEAに移転するハブとして機能し、保障措置技術の高度化と国際的な実装能力の向上に寄与している。(BNL)
TECHNOLOGY TRANSFER: THE FEDERAL LABORATORIES’CONTRIBUTION TO THE NATION’S ECONOMIC COMPETITIVENESS Eugene E. Stark, Jr.
技術移転:連邦研究所が国家の経済競争力に果たす貢献 ― 研究成果の民間移転を通じた産業強化の政策的意義 (*)要旨・本文はオンラインでは公開されていない。
TEN YEARS OF JOINT PROGRAMME BETWEEN THE INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY AND THE FEDERAL REPUBLIC OF GERMANY B. Richter, G. Stein, R. Gerstler
国際原子力機関(IAEA)とドイツ連邦共和国の10年間の共同プログラム
TESTING OF A LOW-COST ITEM MONITORING SYSTEM A. Trujillo, D. J. Frank, Chris E. Hoover, Karl R. Cunningham
低コスト型アイテム監視システムの試験 ― SNM貯蔵庫におけるWATCHシステムの長期評価と内部脅威対策への有効性 (*)WATCH(Wireless Alarm Transmission of Container Handling)は、核物質の容器移動を遠隔で検知するために Sandia が開発した低コストのアイテム監視システムである。Rocky Flats Plant と Sandia が共同で、実際の特殊核物質(SNM)貯蔵庫において長期運用試験を実施し、14台の WATCH ユニットを用いて性能評価を行った。本研究は、内部脅威対策としての核物質管理(Material Control)強化において、低コストで実装可能な監視技術の有効性を示している。(SNL, Rockwell International / Rocky Flats Plant)
TESTING TRANSCOM – U.S. DEPARTMENT OF ENERGY’S RADMAT TRACKING SYSTEM Lawrence H. Harmon, Roger D. Carlson
米国エネルギー省放射性物質追跡システム(TRANSCOM)の試験
THE ACADEMIES’REVIEW OF MATERIAL CONTROL AND ACCOUNTING Herbert J. Kouts
アカデミーによる核物質管理・計量管理(MC&A)システムのレビュー ― DOE施設に対する制度・運用・技術面の評価と改善提言の検討内容 (*)米国工学アカデミーおよび科学アカデミーが、DOE 施設で運用されている核物質管理・計量管理(MC&A)システムの包括的レビューを実施した。委員会は、制度・運用・技術の観点から MC&A の有効性を評価し、改善点と推奨事項をまとめた報告書を作成中である。本論文は、そのレビューで検討された主要トピック(制度設計、計量精度、運用手順、監査・検証など)を概説している。(BNL)
THE AUTHENTICATION APPROACH FOR THE FAST CRITICAL ASSEMBLY (FCA) CONTAINMENT AND SURVEILLANCE (C&S) SYSTEM AND ITS ASSOCIATED EQUIPMENT REQUIREMENTS L. M. Watkins
FCA 用封じ込め・監視(C&S)システムの認証アプローチ ― 大規模事業者提供型システムを非侵襲的に認証するための技術的要件と検討課題 (*)日本の高速臨界実験装置(FCA)に導入された大規模な事業者提供型 C&S(Containment & Surveillance)システムは、IAEA が将来受け入れる可能性の高い先行事例であり、現在フィールド試験の最終段階にある。このような複雑な C&S システムを、施設運転に干渉せず、かつ信頼性を確保した形で「認証(authentication)」することは、IAEA にとって大きな技術的課題である。本論文は、従来手法では膨大な資源を要する認証作業に対し、より効率的かつ非侵襲的な認証アプローチを検討した内容をまとめている。(IAEA)
THE DESIGN AND QUALITY ASSURANCE OF THE VACOSS SERIES PRODUCTION MODEL B. Richter, G. Stein, K. J. Gaertner, R. Guenzel
VACOSS 量産モデルの設計と品質保証 ― IAEA 保障措置用電子封印としての信頼性・環境耐性・改ざん検知性能を確保するための設計要件とQA手順 (*)VACOSS 量産モデルは、IAEA 保障措置用電子封印として必要な信頼性・耐環境性・改ざん検知性能を満たすように再設計され、量産化に適した構造へと最適化された。設計段階から品質保証(QA)プログラムが組み込まれ、電子部品の選定、ソフトウェア検証、環境試験(温度・湿度・振動)など、保障措置機器としての受入基準に適合するための体系的試験が実施された。本論文は、量産モデルが IAEA の認証要件を満たすために必要となる設計上の工夫と QA 手順を整理し、実運用に耐える封印システムとしての完成度を示している。(Jülich, IAEA, Dornier)
THE DEVELOPMENT OF NEAR REAL TIME MATERIALS ACCOUNTANCY WITHIN THE UK SAFEGUARDS R & D PROGRAMME Bryan H. Patrick
英国保障措置研究開発計画におけるニアリアルタイム核物質計量管理(NRTMA)の開発 ― 再処理施設への適用性とモジュール化手法による柔軟な導入可能性 (*)ニアリアルタイム核物質計量管理(NRTMA)は、再処理施設における保障措置の実効性を大幅に高める有望な手法であり、英国では Dounreay の高速炉燃料再処理プラントで実運用的な検証が進められている。NRTMA は保障措置だけでなく、操業側にとってもプロセス管理・異常検知に有益であることが実証され、英国の Safeguards R&D Programme の重点開発項目となっている。 手法はモジュール化されており、異なる再処理プラント設計に合わせて柔軟に構成できる点が、国際保障措置適用における大きな利点とされる。(UKAEA)
THE FRENCH LOW-LEVEL WASTE MANAGEMENT PROGRAM  Chris L. Hoxie
フランスの低レベル廃棄物管理プログラム
THE IAEA’S TECHNICAL SERVICES SECTION: IMPLEMENTING SAFEGUARDS EQUIPMENT R. E. Kerr
IAEA技術サービス部門:保障措置機器の実装
THE MODAL STUDY: RESPONSE OF SPENT FUEL PACKAGES TO ACTUAL TRANSPORTATION ACCIDENT CONDITIONS John R. Cook
事故モード毎の分析:使用済燃料輸送容器の実事故条件下における応答 ― 実際の道路・鉄道事故データに基づく NRC 認証キャスクの安全機能評価 (*)「Modal Study」は、NRC が実施した研究で、使用済燃料輸送容器が実際の交通事故(道路・鉄道)でどの程度安全機能を維持できるかを評価したものである。実事故データに基づき、NRC 認証済み輸送キャスクの応答を解析した結果、実際の重大事故条件でもキャスクは設計された安全機能を保持することが示された。研究は、10 CFR 71 の「仮想事故条件」と実事故の比較を通じて、規制基準の妥当性と安全裕度の大きさを確認する内容となっている。(NRC)
THE MODULAR INTEGRATED VIDEO SYSTEM (MIVS} PROGRAM IN PERSPECTIVE K. J. Gaertner, S. L. Schneider, C.S. Sonnier
モジュール型統合ビデオシステム(MIVS)プログラムの展望
THE MSSA CONSEQUENCE TABLES: ORIGIN & MEANING Dr. Ivan J. Sacks MSSA影響表:起源と意味
核物質防護システム総合分析(MSSA) 結果表の起源と意味 (*)The Master Safeguards and Security Agreement (MSSA) 包括的保障措置・安全保障協定、要旨(Abstract)・本文はオンライン非公開
THE NEWEST CHALLENGE OF TRAINING IN THE TECHNICAL ENVIRONMENT Patricia W. Baird
技術環境における訓練における最新の課題 (*)オンラインでは確認できず。
THE PROCEDURES USED TO REVIEW SAFETY ANALYSIS REPORTS FOR PACKAGINGS SUBMITTED TO THE U.S. DEPARTMENT OF ENERGY FOR CERTIFICATION* G. F. Popper, D. T. Raske, P. Turula
DOE 認証申請のために提出される輸送容器安全解析報告書(SARP)の審査手順 ― 設計・解析・試験内容を評価する Argonne による技術審査プロセス (*)本論文は、DOE(米国エネルギー省)に提出される放射性物質輸送容器の 安全解析報告書(SARP)を Argonne National Laboratory がどのような手順で審査しているか を体系的に示したものである。SARP には、設計、内容物、解析、試験、安全機能などが含まれ、DOE が Certificate of Compliance(適合証明)を発行する前提となる技術文書 である。論文は、審査プロセスの流れ、技術的評価項目、必要な試験・解析の基準を整理し、輸送容器の安全性を確保するための審査体系の透明性と一貫性 を示している。(ANL)
THE REDUCED FREQUENCY UNANNOUNCED VERIFICATION MODEL: GENERALIZATION TO VARIABLES SAMPLING M. J. Canty, Rudolf Avenhaus, G. Stein
End(8) 抜き打ち検認頻度低減モデル:変量サンプリングへの一般化 (*)オンラインでは確認できず。
THE ROLE OF PLUTONIUM AS A RESOURCE NOW AND IN THE FUTURE Dixy Lee Ray
現在および将来における資源としてのプルトニウムの役割 (*)オンラインでは確認できず。
THE SECOND US/FRG WORKSHOP ON NEAR-REAL-TIME ACCOUNTING FOR REPROCESSING PLANTS R. Weh, R. G. Gutmacher, E. A. Hakkila
再処理施設における準リアルタイム計量管理に関する第2回米独ワークショップ (*)オンラインでは確認できず。
THE TECHNICAL SUPPORT ORGANIZATION AT BNL IS TWENTY YEARS OLD Joseph P. lndusi
BNL 技術支援組織の 20 年 ― IAEA 保障措置支援における技術開発と国際協力の歩み (*)オンラインでは確認できず。
THE TMl-2 SNM ACCOUNTABILITY PROGRAM A. Demint, John S. Schork
TMI‑2 における特別核物質(SNM)計量管理プログラム ― 事故により散在した燃料デブリの所在把握とインベントリ管理手法 (*)1979 年の TMI‑2 事故により、燃料(SNM)は炉心・炉容器・冷却材系配管に広範囲に散在し、通常の核物質計量管理では把握できない状態となった。本プログラムは、燃料デブリ、サンプル、フィルタ、イオン交換樹脂、放射性廃棄物などに含まれる SNM を 体系的にインベントリ化し、位置・量を把握するための特別な計量管理システムを構築した。事故後の SNM の分布状況を評価し、核物質の所在確証(accountability)を維持するための管理手順と追跡方法を詳細に示している。(GPU Nuclear Corporation, Y‑12 National Security Complex)
THE TRAINING PROGRAM PLAN Carl R. Spencer
訓練プログラム計画書 ― 組織の訓練方針・目標・品質保証を体系化した管理および評価の基幹文書 (*)Training Program Plan は、組織の訓練プログラムに関する重要情報を体系化した 基幹文書であり、職員のオリエンテーション、管理、評価、広報に利用される。訓練の目的・正当性・方法論を明確化し、訓練修了者が適切に準備されていることを保証するための 内容の妥当性と品質保証の仕組みを示す。文書には、背景、使命、権限、目標、成果物、マイルストーンなどが含まれ、組織の訓練方針と管理意図を内外に伝達する役割を果たす。(Battelle Memorial Institute)
THE U.S. DEPARTMENT OF ENERGY SARP REVIEW TRAINING PROGRAM Charles. Mauck
米国エネルギー省の SARP レビュー研修プログラム ― PRG に基づくレビュー手法と確認解析能力を育成する 2 週間集中コース (*)DOE は放射性物質パッケージ認証プログラムを支援するため、Safety Analysis Reports for Packaging(SARP)をレビューする技能を育成する特別研修を設置した。研修は LLNL が DOE の委託で実施し、レビュー手法と確認解析手法の 2 部構成で、2 週間の集中コースとして提供される。レビュー手法は DOE の公式文書 “Packaging Review Guide (PRG)” に基づき、SARP の妥当性評価と安全解析の理解を深めることを目的とする。(DOE)
THE UPGRADING OF NUCLEAR PLANTE-FIELD PERIMETER DETECTION SYSTEMS AN ANNUAL REPORT R. W. HANSEN 原子力発電所周辺検知システムの高度化:年次報告書
原子力発電所E-Field周界侵入検知システムの高度化:年次報告
— 改良型E-Fieldセンサーの設計更新・性能向上および1年半の運用評価に基づく分析
(*)本報告は、前年の INMM 年次会合で発表された E‑Field(Electrostatic‑Field)周界侵入検知センサーの開発と改良の経緯を踏まえ、その後の進展をまとめた年次報告である。E‑Field センサーは 1970 年代初期に開発され、米国および海外の多数の原子力発電所で広く採用されており、12 年間にわたる改良により性能向上が図られてきた。本報告では、電子デバイス技術の進歩や周界センサー産業の成熟を背景に、E‑Field システム全体の性能改善とアップグレード内容が整理されている。(Stellar Systems, Inc.)
THE USE OF PROCESS INFORMATION FOR VERIFICATION OF INVENTORYIN SOLVENT EXTRACTION CONTACTORS IN NEAR-REAL-TIME ACCOUNTING FOR REPROCESSING PLANTS* J. F. Hafer, E. A. Hakkila, J. W. Barnes
再処理施設における準リアルタイム計量管理のための溶媒抽出コンタクタ在庫検証へのプロセス情報の活用 ― 機密保護と検証可能性を両立させるための情報利用手法 (*)再処理施設における準リアルタイム計量管理(NRTA)は、核物質の計量を迅速化する技術として研究されているが、溶媒抽出コンタクタの在庫検証において機密プロセス情報が漏洩する懸念が指摘されている。本研究は、プロセス情報を利用しつつも、事業者の機密データを保護しながら在庫検証を行うための方法論を検討している。特に、溶媒抽出コンタクタ内の在庫推定に必要な情報と、IAEA 検証に提供可能な情報の境界を明確化し、NRTA の実用化に向けた技術的課題を整理している。(LANL)
THE USE OF SCANS FOR IMPACT STUDIES OF TRANSPORTATION PACKAGES Gerald C. Mok, Monika C. Witte
輸送容器の衝撃解析における SCANS の活用 ― LLNL 開発コードによる準静的・動的応答評価の適用事例 (*)本研究は、LLNL が NRC と DOE のために開発した SCANS(Shipping Cask ANalysis System) を用いて、放射性物質輸送容器の衝撃解析を実施したものである。SCANS は PC 上で動作し、準静的解析と動的解析の両方を備えており、輸送容器の構造応答を評価できる。本論文では、SCANS の多機能性のうち 衝撃解析機能に限定して使用した結果が示されている。(LLNL)
TIMELY INFORMATION ON SAFEGUARDS EQUIPMENT- KEEPING SAFEGUARDS INSTRUMENTATION: A COMPUTER-BASED CATALOG CURRENT* C. Auerbach, B. J. Biittner
保障措置機器に関する最新情報 ― コンピュータ化カタログを用いた保障措置機器データの継続的更新と管理 (*)DOE/OSS の要請により、「Safeguards Instrumentation: A Computer-Based Catalog」の第2版が1985年に作成され、保障措置機器情報を最新状態に保つことを目的としている。新規開発機器の追加、旧情報の削除・更新を行い、NDA(非破壊分析)機器や C/S(封じ込め・監視)機器など約175項目のデータを体系的に管理している。このカタログは、保障措置政策の立案や長期計画策定を支援するための基盤データベースとして機能する。(BNL)
TOOLS IN OUR CHEST-THE COMPUTER AS PART OF THE MC&A INFORMATION SYSTEM AT THE OPERATIONS OFFICE LEVEL Thomas L. Williams, Chris Hodge
私たちの道具箱としてのコンピュータ ― Operations Office レベルにおける MC&A 情報システムの中核ツールとしての活用 (*)オンラインでは確認できず。(DOE)
TRAINING NEEDS ASSESSMENT Roland Van Daele, William K. Rector
訓練ニーズ評価 ― 現状と望ましい職務遂行のギャップを特定し、効果的な訓練設計につなげる体系的プロセス (*)訓練ニーズとは、現状(actual condition)と望ましい状態(desired condition)のギャップが存在する時に発生するものであり、職務遂行の不備がその指標となる。訓練ニーズ評価(Training Needs Assessment)は、特定の職務や組織に必要な訓練内容を明確化し、適切な目標設定とカリキュラム設計を行うための基盤プロセスである。有効で費用対効果の高い訓練プログラムを構築するには、ニーズの特定 → 目標設定 → カリキュラム開発の順で体系的に進める必要がある。(Euratom, DOE)
U.S. STATUTES OF GENERAL INTEREST TO SAFEGUARDS AND SECURITY OFFICERS* Jerry. Cadwell
保障措置およびセキュリティ担当者のための米国関連法規 ― DOE・NRC 現場で必要となる連邦法執行条項の体系的整理 (*)本論文は、DOE セキュリティ検査官や NRC 施設のセキュリティ担当者が利用できるよう、連邦法の執行関連条項を一冊にまとめたハンドブックを作成したものである。ハンドブックには、米国法典(U.S. Code)Title 18・42・50 のうち、保障措置・セキュリティ業務に関連する主要な執行条項が収録されている。特に Title 18 では、スパイ行為、偽装・詐称、盗取・横領、破壊行為、共謀、捜索・差押えなど、セキュリティ担当者が現場で直面する可能性のある犯罪類型を網羅している。(BNL)
ULTRASONIC SEAL PROGRAM FOR MOX FUEL ASSEMBLY SAFEGUARDS D. L. Mangan, J. M. McKenzie, B. G. Self, M. Cuypers, B. d’Agraives
MOX 燃料集合体の保障措置のための超音波シール開発プログラム ― JRC と Sandia による国際保障措置用シール技術の共同研究と実証 (*)- IAEA の提案により、JRC-Ispra と Sandia が共同で、MOX 燃料集合体に使用可能な**超音波シール(Ultrasonic Seal)**の開発研究を開始した。両機関は過去に BWR 燃料集合体(Kahl 原子炉)で超音波シールの実証に成功しており、その成果を基に MOX 用シールの適用性評価と改良を進めている。本研究は、国際保障措置における封じ込め・監視の信頼性向上を目的とし、MOX 燃料集合体向けの新しいシール技術の実用化に向けた共同開発の進捗を報告している。(SNL, JRC-Ispra)
USE OF AUTOMATED CONTROLLED-POTENTIAL COULOMETRY SYSTEM FOR PLUTONIUM PRODUCT ACCOUNTANCY ANALYSIS AT TOKAI REPROCESSING PLANT T. Kuno, K. Abe, N. Hayashi
東海再処理工場におけるプルトニウム製品計量分析のための自動定電位クーロメトリーシステムの使用
USE OF EQUIPMENT INFORMATION SYSTEM (EQUIS) TO DETERMINE PRIORITY FOR PURCHASING SAFEGUARDS EQUIPMENT S. Silberberg
保障措置機器の調達優先度を決定するための EQUIS(機器情報システム)の活用 ― 在庫適正化と待ち行列理論による調達判断支援 (*)IAEA は世界中に分散する大量の保障措置機器を管理するため、EQUIS(Equipment Information System)というコンピュータ化された管理システムを使用している。EQUIS に蓄積された機器利用データを待ち行列理論(Queueing Theory)で解析し、在庫が査察官の需要に対して十分かどうか、また不足する場合に必要な追加調達数を算出できる。特に高い回転率を持つ NDA(非破壊分析)機器ではデータ量が多く、調達優先度の判断に極めて有効な意思決定ツールとなっている。(IAEA)
USING DETECTION AND DETERRENCE TO REDUCE INSIDER RISK R. P. Eggers, C. J. Udell, R. L.  Carlson
検知と抑止を用いた内部脅威リスクの低減 ― 定常状態リスクモデルによる盗取リスクへの影響評価と抑止効果の優位性 (*)本論文は、内部脅威(insider)による核物質盗取リスクを、検知(Detection)と抑止(Deterrence)の相互作用としてモデル化し、リスク低減効果を評価している。定常状態リスク方程式を用いた解析により、検知される可能性があるという“抑止効果”の方が、実際の検知行為よりも盗取リスク低減に大きく寄与することが示されている。ただし、検知確率が 1(完全検知)の場合のみ、検知行為そのものが最大の効果を持つと結論づけている。(WHC)
USING PERFORMANCE TESTING TO ASSESS SECURITY SYSTEM EFFECTIVENESS James J. Davis
性能試験を用いたセキュリティシステム有効性の評価 ― コンプライアンス偏重を超え、システム全体の実働性能を検証するためのアプローチ (*)セキュリティシステムの評価は、必要な構成要素が揃っているか(コンプライアンス)と、それらが意図どおり機能しているか(性能)の 2 つに大別される。実際には前者の「コンプライアンス」だけが重視され、後者の「実際の性能」が十分に評価されないことが多い。性能試験は個別機器レベルで行われがちだが、システム全体としての相互作用を評価する包括的な性能試験が不可欠であると論じている。(Battelle Columbus Division)
USING PROBABILISTIC RISK ASSESSMENT TO DERIVE FINANCIAL ASSURANCE COVERAGE LEVELS: THE CASE OF LOW-LEVEL RADIOACTIVE WASTE TRANSPORTATION Joseph Karam, Paul Bailey, James Laurenson
確率論的リスク評価を用いた財務保証額の算定 ― 低レベル放射性廃棄物輸送における事故リスクと費用評価に基づく合理的保証水準の導出 (*)本研究は、低レベル放射性廃棄物(LLRW)輸送に伴う潜在的費用を評価するため、確率論的リスク評価(PRA)を用いた財務保証額の算定手法を提示している。リスク評価では、輸送車両の種類や輸送経路の環境条件などを入力として、事故発生確率と損害額の分布を定量化する。この手法により、輸送事業者や規制当局が、合理的かつリスクに見合った財務保証(Financial Assurance)水準を設定できることを示している。(ICF Incorporated)
UTILIZING JOB/TASK ANALYSIS TO ESTABLISH CONTENT VALIDITY IN THE DESIGN OF TRAINING PROGRAMS. William E. Nay
End(9) 訓練プログラム設計における内容的妥当性を確立するための職務・タスク分析の活用 ― DOE 保護部隊訓練を科学的に構築するための体系的手法 (*)1980年代、DOE 施設ではテロ脅威の高まりを背景に、保護部隊(Protective Force)の訓練改善が強く求められ、訓練内容の妥当性(Content Validity)を確保する必要性が高まった。多くの施設が「とにかく訓練量を増やす」方向に走ったが、実際には 職務・タスク分析(Job/Task Analysis)に基づく体系的な訓練設計が不可欠であると指摘されている。本論文は、JTA を用いて訓練内容の正当性を保証し、DOE 施設の保護部隊訓練を科学的に設計するための方法論を示している。(Meridian Corporation)
VAGOSS/MIVS INTERFACE SYSTEM-FIELD TRIAL CONFIGURATION C. S. Johnson, B. Richter, R. L. Martinez, B. Richter, G. Stein
VACOSS(西ドイツ) と MIVS(米国) のインターフェース統合システム ― 電子封印と映像監視を組み合わせた査察負担軽減のためのフィールド試験構成 (*)西ドイツの電子封印システム VACOSS と、米国の映像監視システム MIVS を統合し、IAEA と EURATOM の保障措置当局に対して実証デモを行った。このインターフェース統合により、既存の保障措置の信頼性を維持しつつ、査察者の作業負担を大幅に削減できる可能性が示された。近い将来、実際の施設でフィールド評価を実施する計画であり、実運用に向けた適用性が検証される段階にある。(SNL, Kernforschungsanlage Jülich GmbH)
VERIFICATION OF CANDU-TYPE SPENT FUEL BUNDLES WITHOUT FUEL MOVEMENT R. D. ARLT, G. Madueme, D. E. Rundquist, V. Schuricht, E. Szabo, J.  Jirota
CANDU型使用済燃料バンドルの非移動状態での検認 ― 積層水中貯蔵のまま実施可能な低侵襲型保障措置手法 (*)CANDU使用済燃料を保障措置目的で検認する際、貯蔵プール内で燃料束を移動させる作業は極めて負担が大きく、国家側・IAEA双方にとって非効率である。本研究は、個々の燃料束やトレイを取り出すことなく、水中に積層保管された状態のままで検認を行うための測定手法・技術を提示している。提案手法は、侵襲性を最小化しつつ、保障措置上必要な識別・確認を可能にする実務的アプローチとして位置づけられている。(IAEA)
VERIFICATION OF SPENT BWR FUEL BURNUP IN A LONG-TERM WET STORAGE; COMBINING THE STATE AND THE IAEA REQUIREMENTS Matti Tarvainen, R. Arlt,John Hornsby
プール内長期湿式貯蔵中のBWR使用済燃料の燃焼度検認 ― Cs-137高分解能ガンマ線測定に基づき、国家当局(STUK)とIAEAの要求事項に適合する統合的手法 (*)高分解能ガンマ線スペクトロメトリ(HRGS)を用いて、フィンランドTVO社の中間貯蔵施設(TVO KPA-STORE)のBWR使用済燃料集合体の燃焼度を、各集合体の相対的なCs-137ガンマ線強度の測定に基づき検認している。測定では、施設運転者側が保有する機械的ハードウェアを活用しつつ、測定装置と可搬式較正線源はSTUKが提供するという役割分担の下で、効率的な検認手順を構築している。この検認手法は、フィンランドの国家当局(STUK)とIAEAの双方の保障措置・規制上の要求を同時に満たすことを目標として設計されており、長期湿式貯蔵における燃焼度検認の実務的な適用可能性を示している。(STUK(フィンランド)、IAEA)
WASTETRAK – AN LLW TRACKING AND SHIPPING OPTIMIZATION PROGRAM Anthony L. Patka
WASTETRAK – 低レベル放射性廃棄物追跡・輸送最適化プログラム
WHY A DESIGN BASIS THREAT? Robert F. Burnett
なぜ設計基礎脅威(DBT)が必要なのか
— 現実の脅威が不明確な状況でも、核施設の物理防護水準を一貫して確保するための規制上の枠組みの必要性を論じる研究
(*)NRC は、公衆の健康と安全を守るため、原子力発電所や一部の核燃料サイクル施設に対し、放射線妨害破壊(sabotage)や核物質盗取に対抗できる物理防護水準を求めた。しかし、当時は「設計の基礎とすべき現実的な脅威」が存在しなかったため、脅威が不明確な状況でも一貫した防護水準を確保するための枠組みとして DBT(設計基礎脅威)が必要とされた。DBT は、施設間で防護水準を統一し、過剰防護や過小防護を避け、合理的・一貫的な物理防護設計を可能にする規制上の基準として導入された。(NRC)
YOU, YOUR FACILITY AND IAEA SAFEGUARDS Charles W. Emeigh
End(10) あなたとあなたの施設、そして IAEA 保障措置
— 米国施設における国際保障措置の実施効率化と規制整備の進展を概説する報告
(*)米国が IAEA との保障措置協定を発効してからの7年間、NRC・DOE・IAEA は協力して、選定施設における国際保障措置の実施効率と有効性を高める制度・手順を整備してきた。その中核となる取組には、10 CFR Part 75 の制定、報告制度の整備、規制ガイドの策定など、施設側の負担軽減と IAEA の検認効率向上を両立させる仕組みが含まれる。論文は、IAEA 検認の実施状況・経済的影響・効率化努力を概説し、施設と IAEA の双方に利益をもたらす協調的アプローチの重要性を示している。(NRC)

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